転生したらフォルテだった件   作:雷影

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遂にフォルテの魔王への進化が始まる。
どのような進化を果たすのか…どうぞ。


62話 魔王誕生

魔国連邦(テンペスト)では、リムルとフォルテの勝利を信じて朱菜とミュウランそしてアイリスが紫苑達の魂が拡散しないように結界を維持していた。

そんな朱菜達を支える為に皆が祈りを捧げていた。

 

皆が祈る中で、紅丸はファルムスの犠牲となった者達……紫苑を見つめていた。

 

「リムル様とフォルテ様は…。」

 

そんな紅丸の隣で、朱菜が口を開く。

 

「私達は、自分以外にリムル様とフォルテ様さえいればそれでいい…けれどもリムル様とフォルテ様は、私達の誰か1人が欠けただけでも精神のバランスを大きく崩すのかもしれない…。」

 

「うん。リムルさんとフォルテ君にとっては皆は大切な存在だから…。」

 

「紫苑の死を知った後、フォルテの心は荒れ狂う嵐の様になっていた。」

 

「でもそれは、フォルテ君がそれだけ皆を…紫苑を大事に思っていたから…。」

 

朱菜の言葉にシズさん、セレナード、アイリスがフォルテの気持ちを代弁するように言った。

 

それを聞いていた紅丸は、リムルとフォルテからの…あの頼みを思い出していた。

 

「…お前がいつまでも寝てるからだぞ。早く起きろよ紫苑ーー。」

 

紅丸がそう呟いたその時、世界の言葉が響き渡る。

 

《告。個体名リムル=テンペストと、

個体名フォルテ=テンペストの魔王への進化、ハーベストフェスティバルが開始されます。》

 

「これは………!」

 

「世界の言葉です。」

 

「じゃあ…。」

 

紅丸、朱菜、アイリスの三人は世界の言葉を聞いて、リムルとフォルテの勝利したと理解した。

 

《完了と同時に、系譜の魔物への祝福(ギフト)が配られます。》

 

「リムル様………!」

 

「フォルテ………!」

 

世界の言葉を聞いた朱菜とアイリスは安堵し、皆は嬉しそうに声を上げたり祈る。

 

「気を引き締めろ!我等が主の勝利だ!次は我等がその力を振舞んだぞ!」

 

「紅丸の言う通りだ!直にご帰還なされる。進化が終わるその時まで、全身全霊を傾けてお守りするのだ‼︎」

 

紅丸とカーネルの声が響渡る中、リムルを頭に乗せレイヒムを咥えた嵐牙と、フォルテを背に乗せエドマリス王を咥えたゴスペルが広場に向かって駆け走り、広場が見えてきたその時に2人を放り投げた。

 

地面に倒れるエドマリス王とレイヒムを飛び越え紅丸とカーネルの前に着地する嵐牙とゴスペル。

 

「リムル様!」

 

「フォルテ様!」

 

「「早く主人を!」」

 

「シンシヤ!ハルナ!マントをお持ちしろ。熱変動耐性が機能してないかもしれない。」

 

「はい!」

 

「分かったのです!」

 

紅丸が二人に指示を出す中、朱菜とアイリスがリムルとフォルテの元へと駆け出し、朱菜が眠り就いたリムルを抱き抱え、アイリスは寝るフォルテを抱き寄せた。

 

「良くぞご無事で……。」

 

「フォルテ……良かった。」

 

朱菜とアイリスがリムルとフォルテの無事を心から喜んだ後、噴水の前に置かれた玉座に二人を座らせた。

 

その一方でエドマリス王とレイヒム大司教はヨウムとエレン達に捕縛され連行されて行った。

 

ハルナとシンシヤが持ってきたマントを朱菜とアイリスの手によって包まれていくリムルとフォルテ。

 

眠りに就いている二人の姿を見守る紅丸とカーネル。

 

(リムル様、フォルテ様。魔王になったからって、人が変わった様に暴れ出したりしないでくださいよ。)

 

(フォルテ様…信じております。)

 

マントを包み終えた朱菜とアイリスが離れた直後、遂に進化が始まった。

 

《告。魔王への進化(ハーベストフェスティバル)による変化が開始されました。身体組成が再構成され新たな種族へと進化します。》

 

リムルとフォルテから金色の光が放たれそこから更に七色の輝きが放たれる。

それを見た紅丸達や、周囲の者達全員が祈る。

 

リムルのスライムボディが激しくうねりだし、フォルテの身体はアニメ…ビーストのトリルのようにデータとして分解され再構築が始まった。

 

 

眠りに就いているフォルテに対して、世界の言葉は言葉を紡ぐ。

 

《確認しました。個体名フォルテ=テンペストの再構成に伴い、別世界の超越神デューオの力による、

個体名トリル、D(ダーク)ロックマン、D(ダーク)ブルース、ゴスペルから複製された究極プログラムとの融合を開始します。

………成功しました。これにより種族、電脳魔人(サイバーノイド)から電脳電子生命体(スペクトルサイバー)への超進化………成功しました。

全ての身体能力が大幅に上昇しました。物質体(マテリアルボディ)精神体(スピリチュアルボディ)に、電脳体(サイバーボディ)電子体(デジタルボディ)への変化が自在に可能となります。続けて、旧個体にて既得の各種スキル及び、耐性を再取得。成功しました。新規固有スキル、無限進化、無限修復、万能感知、魔王覇気、強化分身、万能糸、

暗黒闘気(ダークネスオーラ)黒障壁(ブラックバリア)を獲得。成功しました。新規耐性、

自然影響無効、状態異常無効、精神攻撃無効、聖魔攻撃無効を獲得。成功しました。以上で進化を完了します。》

 

世界の言葉が、進化完了を告げた時、電脳之神(デューオ)が世界の言葉に請願する。

 

《アルティメットスキル電脳之神(デューオ)をより世界の言葉に請願する。超越神デューオから託された更なるデータのインストールと、ユニークスキル吸収能力(ゲットアビリティプログラム)の進化を申請する。》

 

《了。アルティメットスキル電脳之神(デューオ)の申請を受理。超越神デューオからのデータのインストールを開始……………成功しました。アルティメットスキル虹之鳳翼(フェニックスエール)漆黒之神(キングオージャーZERO)を獲得。続けて、ユニークスキル電子聖獣(データウェポン)を獲得。続けて、ユニークスキル能力吸収(ゲットアビリティプログラム)の進化を実行……失敗しました。》

 

暴食者(グラトニー)統合(イケニエ)に、このデータによる進化を推奨する。》

 

《了。ユニークスキル能力吸収(ゲットアビリティプログラム)暴食者(グラトニー)統合(イケニエ)と、ゴッドマトリックス、ドットマトリックスのデータによる進化を実行……成功しました。能力吸収(ゲットアビリティプログラム)はアルティメットスキル超吸収之神(ゴッドアビリティプログラム)に進化しました。》

 

《ブレイブスナッチャーに剥奪者(ハギトルモノ)統合(イケニエ)によるスキル作成を希求する。》

 

《了。ブレイブスナッチャーのデータに剥奪者(ハギトルモノ)統合(イケニエ)に実行……成功しました。アルティメットスキル死之賢者(バグラモン)を獲得しました。》

 

フォルテが眠っている間に、電脳之神(デューオ)が着々と新たなスキルを獲得していく。………フォルテの願いを叶える為に。

 

 

 

その一方、ファルムス本陣では、ラーゼンが身を潜めながら脳を回復させていた。

 

「はぁ………。(生存者(イキルモノ)のおかげで命拾いしたわい。まさか、一瞬で脳を貫かれるとは………。)」

 

そう。生存者(イキルモノ)によって脳が再生し、ラーゼンは命拾いをした。

しかも、フォルテとリムルがスキルを発動し終えたタイミングだったので影響を受けずに済んだのだ。

 

(まさか片方が本当にスライムだとは驚いた。それにあの魔人も侮れん奴だった。あのジジイの忠告通り恐ろしい奴らよ。)

 

脳が回復し終えたラーゼンが天幕から顔を覗かせながら状況を確認する。

そして七体の悪魔を確認した。

 

(悪魔を呼んだのが護衛目的だとすれば、魔物の国の主等が弱っている今が王を救い出す好機。)

 

ラーゼンは王を救い出す為に行動を開始する。

 

上位悪魔(グレーターデーモン)が七体。まぁ多少は厳しいかもしれんが、勝てない相手ではない。)

 

ラーゼンは、(ノワール)(ヴィオレ)そして、(ヴィオレ)の側近達の擬態を見抜けず上位悪魔(グレーターデーモン)と認識してしまっている。

原初を…しかも二人も相手するとは思っていないラーゼンは、仮死状態に近い状態だった故に、準備運動しながら体をほぐす。

 

(早々に片付けて、すぐさま王を救いに行く。幸い悪魔召喚の為に、魔法不能領域(アンチマジックエリア)は解除されておる。これで全力で戦えーーー⁉︎)

 

身体をほぐし終えたラーゼンが目を開けると、(ノワール)の配下の悪魔二体が目の前にいた。

 

「……っ。ほう空間転移かよ。お主ら上位悪魔(グレーターデーモン)にしてはかなり古参のようじゃのう。」

 

少し驚いたラーゼンだったが、すぐに冷静に対処しようとした。

その時、(ノワール)と側近を引き連れた(ヴィオレ)が現れた。

 

「クフフフ。しっかりと準備運動はしましたか?お前達は下がりなさい。この者の相手は私がしましょう。」

 

「君達も下がっていていいよ。」

 

(ノワール)(ヴィオレ)の命に従い他の者達は下がる。

 

「貴方を拘束させていただきます。抵抗したければお好きにどうぞ。」

 

「でもね。殺しちゃ駄目って言われてるけど、痛めつけちゃ駄目って言われてないんだよね。」

 

「ほう。主らが儂の相手をしてくれるのかのう?」

 

「相手?」

 

「へぇ〜。僕達を相手に面白い冗談を言うねぇ。」

 

「何が冗談なものかよ。たかが上位悪魔(グレーターデーモン)如きが。」

 

「クフフフフフ。良いですね。これは楽しめそうです。食事後の運動に、少し付き合った差し上げましょう。」

 

「僕もちょっと遊んであげようかな。」

 

(ノワール)(ヴィオレ)がそう言った後、ラーゼンが魔法で先手を撃つ!

 

「へっ。舐めるでないわ。核撃魔法、熱収束砲(ニュークリアカノン)!」

 

ラーゼンから超高熱線が(ノワール)(ヴィオレ)に向かって放たれる。

 

迫る熱線に対して二人は動かない。そして慌てる事なく、(ノワール)が熱線に息を吹きかけ、(ヴィオレ)は指で弾く動作をした。

 

「フッ。」

 

「えい。」

 

すると、熱線は捻じ曲げられて、真上にと向かっていった。

 

(曲げられた⁉︎いや、事前に詠唱を済ませる鍵言式(トリガーしき)の術は、ごく低確率で誤作動が起きる。)

 

ラーゼンは自分の魔法が曲がったことを誤作動だと思ってしまった。

そんなラーゼンに対して(ノワール)は拍手しながら褒める。

 

「今の魔法は中々お見事とでしたね。」

 

「人間にしてはやるねぇ。」

 

「くっ!ハズレを引いたか!ならば、これはどうじゃ!精霊召喚!土の騎士(ウォーノーム)、来たれ!根源たる大地の上位精霊よ!あの悪魔共を打ち滅ぼせぃ‼︎」

 

ラーゼンは精霊召喚を発動する。

それにより、地面から大地の上位精霊である土の騎士(ウォーノーム)が二体召喚された。

 

召喚された土の騎士(ウォーノーム)は咆哮を轟かす。

 

それを見た(ノワール)(ヴィオレ)は少し感心していた。

 

「なるほど、なるほど。確かに、悪魔は天使に強く、天使は精霊に強く、精霊は悪魔に強い。この三すくみの関係から選択するならば、上位精霊を呼び出したのは正解です。ですが………。」

 

「なんじゃ。」

 

「若すぎるんだよねぇ。」

 

「は?」

 

(ヴィオレ)の言葉に、ラーゼンは首を傾げるが、土の騎士(ウォーノーム)達はそのまま二人に向かって剣を振るう。

 

だが、(ノワール)(ヴィオレ)はその攻撃を舞う様な動きで躱しながら、土の騎士(ウォーノーム)に一撃を入れた。

そのたった一撃で、土の騎士(ウォーノーム)の鎧が砕け中枢のコアには亀裂が入りエネルギーが暴発し、土の騎士(ウォーノーム)はあっさりと崩れ去った。

 

「ほらね。経験が足りない。」

 

「力だけの木偶の坊(デクノボウ)じゃ、僕達には勝てないよ。」

 

そう言って土の騎士(ウォーノーム)から抜き取った核を(ノワール)は齧り、(ヴィオレ)は仕舞い込んだ。

 

「ば…………バカな⁉︎精霊じゃぞ⁉︎上位精霊じゃぞ〜!」

 

ラーゼンは、自分が召喚した上位精霊があっさり倒されてしまったことに驚愕し叫んだ。

 

上位魔将(アークデーモン)相手ならまだしも、上位悪魔(グレーターデーモン)如きに瞬殺されるなど……⁉︎)

 

その時、ラーゼンはようやく二人が上位悪魔(グレーターデーモン)でないと気付いた。

 

「まっまさか⁉︎貴様らは上位魔将(アークデーモン)……⁉︎」

 

「やっと気付いたようだね。」

 

「では、魔法はもう結構。召喚主(マスター)より頂いたこの体をもっと試したいので、次は趣向を変えましょう。」

 

(ノワール)はそう言って指を鳴らすと、魔法不能領域(アンチマジックエリア)が展開された。

 

魔法不能領域(アンチマジックエリア)じゃと⁉︎何故魔法を封じた?悪魔にとって魔法が最大の攻撃武器のはずでは………⁉︎」

 

自ら魔法を封じた(ノワール)の行動が理解できずラーゼンは問う。

 

「どうぞ。物理的にお好きな攻撃をしてみてください。」

 

そんなラーゼンの問いに(ノワール)はそう返した。

 

「まぁ、魔法使いの君に攻撃手段があればね。」

 

(ヴィオレ)がラーゼンを挑発する。

 

「くっ…貴様らが上位魔将(アークデーモン)であろうと構わぬ!魔法を使わぬ悪魔など、儂の敵ではない!ユニークスキル乱暴者(アバレモノ)!」

 

ラーゼンは乱暴者(アバレモノ)を使用し、身体強化して(ノワール)(ヴィオレ)に格闘戦を仕掛ける。

 

(ノワール)(ヴィオレ)に殴り掛かるも、二人は軽々と躱し続ける。

 

「己れ!」

 

それでも諦めずに殴り掛かりながらラーゼンは、(ノワール)に踵落としを繰り出すが、(ノワール)は左腕だけで受け止めた。

 

受け止められたラーゼンは、一端距離を取る。

だが、そんなラーゼンの真横には(ヴィオレ)が立っていた。

 

「へぇ〜。中々良い身体強化だね。人間の魔法使いでこれだけ格闘戦ができるなんて思わなかったよ。」

 

(ヴィオレ)に気付いたラーゼンが渾身の一撃を放つが、ラーゼンの拳を、(ヴィオレ)は真正面から受け止めた。

 

「なっ⁉︎」

 

「でも僕達には通用しないよ。」

 

グシャ!

 

そう言いながら、(ヴィオレ)はラーゼンの拳をそのまま握り潰した。

 

「があああああ!」

 

拳を握り潰されたラーゼンは再び距離を取り潰された拳は生存者(イキルモノ)によってすぐに回復した。

 

「回復系のスキルもあるんだ。……なら、壊してもすぐに戻るからもう少し壊してもいいよね?」

 

ラーゼンの苦痛に歪む顔を見ながら、冷酷な笑みを浮かべる(ヴィオレ)

そんな(ヴィオレ)の見たラーゼンは悪寒を感じた。

 

「ぐっ………!その金色の瞳………赤い瞳孔………!」

 

ラーゼンは(ヴィオレ)の金色の瞳に、(ノワール)の赤い瞳孔を見て何かに気付きそうになるが、それを振り払うようにその場で跳躍し、そのまま(ヴィオレ)に飛び蹴りを放つ。

 

「ぜやあああああ!」

 

だが、その飛び蹴りもあっさりと躱されてしまい、そのまま(ヴィオレ)に回し蹴りで(ノワール)の方へと蹴り飛ばされた。

 

蹴り飛ばされたラーゼンは、そのまま(ノワール)に殴り飛ばされる。

殴り飛ばされ地面に転がるラーゼンは、なんとか着地することができた。

 

「こ……この圧倒的な強さ……!まっまさか⁉︎そんな………⁉︎貴様ら、もしかして…げっ原初の………⁉︎」

 

「おっ意外と博識なんだ。ねえ(ノワール)。」

 

「そうですね(ヴィオレ)。貴方は相当賢い様だ。」

 

ラーゼンの前で遂に、互いの呼び名を口にした(ノワール)(ヴィオレ)

 

そしてラーゼンはようやく自分が相手していた悪魔が原初の悪魔…その二柱だと知ってしまった。

 

「あっあやつらはなんという………なんという恐ろしい奴らをこの世に解き放ちよったんじゃあああああ‼︎」

 

原初を…しかも二人も自分が相手していたと知ったラーゼンは恐怖でそう叫んだ。

 

完全に戦意喪失してしまったラーゼン。

そんなラーゼンへと歩みだす(ノワール)(ヴィオレ)

 

「あっ!あっああ…………うっうう……!」

 

ラーゼンは恐怖で後退り…遂には座り込んでしまった。

 

「おや?もう終わりですか?」

 

そんなラーゼンの元まで来た(ノワール)は、ラーゼンの顔を見る。

目前に迫る(ノワール)の顔を見て、ラーゼンは恐怖で白目を剥いて気絶した。

 

「まぁちょっとは楽しめたかな。」

 

「では、無事に初仕事を終えた事を、召喚主(マスター)………我が君に褒めて頂くとしましょう。」

 

(ノワール)がそう言うと、配下の者がラーゼンを担ぎ、(ノワール)(ヴィオレ)はリムルとフォルテがいる魔国連邦(テンペスト)へと向かうのだった。

 

 

 

 

そして、魔国連邦(テンペスト)では、リムルとフォルテの魔王への進化(ハーベストフェスティバル)が佳境に入っていた。

 

データとして分解され再構成されていたフォルテの身体が元の状態へと完全に戻り、激しく波打つ様に荒れていたリムルのスライムボディも本来の形状へと戻った。そして金色の光も収まっていった。

 

《告。個体名リムル=テンペストと個体名フォルテ=テンペストの魔王への進化(ハーベストフェスティバル)が完了しました。》

 

世界の言葉を聞いた皆が一斉に顔を上げる。

 

「リムル様……!」

 

「フォルテ……!」

 

「魔王に……!」

 

朱菜、アイリス、紅丸が声に出す。

そして、世界の言葉は更に告げる。

 

《続いて、系譜の魔物への祝福(ギフト)の授与を開始します。》

 

「ギフト?」

 

紅丸がそう呟いた瞬間、皆に異変が起きた。

強烈な眠気に襲われて周囲の者達が次々と倒れ眠りに入ったのだ。

 

「うっ……これは?」

 

「ギフト………リムル様との繋がりを……強く……感じます。」

 

「フォルテの……温かい……心が……伝わる。」

 

「リムルさん……フォルテ君。」

 

「パパ……フォルテさん。」

 

「「我が主達……。」」

 

朱菜、アイリス、シズさん、シンシヤそして、嵐牙とゴスペルも眠りに入っていく。

 

だが、二人…紅丸とカーネルが意識を保とうとしていた。

 

「大丈夫か………紅丸?」

 

「ああ……だが油断したら……すぐに意識がなくなるだろうな。」

 

二人が耐えているのは、リムルとフォルテを守る為。

魔物への進化は完了したが、二人は目覚めてはいない。

無防備の主を守る為に二人は必死に耐える。

 

紅丸とカーネルが必死に意識を保つ中、突如リムルとフォルテが宙に浮かび上がる。

そして、金色の光を放ちながらリムルは人の姿となり、フォルテからは金の妖気(オーラ)が溢れ出していき形を成していく。

 

そこには、金色の巨大な魔人形(ゴーレム)……いやロボットと呼べるナビの姿が現れた。

その姿はまさにデューオそのものだが、ゲームに登場した金の巨人…デューオSPだった。

 

フォルテから出現したデューオSPにミュウランとグルーシスは驚愕

 

そして、デューオSPの目が赤く光ると、デューオSPから半透明の様々な物が飛び出した。

 

一角獣、獅子、猪、蛇、水牛、龍そして、七色の光を放つ白き鳥……炎を身に纏う不死鳥となった。

それだけではない。次に現れたのは黒と金の機械的身体のクワガタ、カマキリ、ハチ、テントウムシ、パピオン、トンボ、クモ、アント、カブト、スコーピオン、ホッパー、タランチュラだった。更に、巨大な赤い海賊船らしいものが皆と空中を飛び交いながら光球となってフォルテのエンブレムに吸い込まれた。

 

その後、デューオSPから最後に出てきたのが……巨大な骨でできた異形の右腕と右脚を持ち、背には堕天使の黒い翼に頭に悪魔の様な赤い角が生えた存在。

 

それがデューオSPと共にフォルテのエンブレムに吸い込まれていき、フォルテに更なる変化が起きる。

 

フォルテの右腕と脚が、先ほどフォルテに吸い込まれた者と同じ骨の右腕と脚へと変わり、フォルテの目が開かれた。……その右目は赤い光を放っていた。

 

そんなフォルテと共にリムルも降り立ち目を開く。

その瞳は赤かった。

 

二人はカーネルと紅丸の方を見る。

 

「…告。後は任せて眠りに就きなさい。」

 

「安心するがいい。」

 

二人にそう言われ、カーネルと紅丸は頷いてそのまま眠りに就いた。

 

リムル?そしてフォルテ?はそのまま亡くなった者達の元へと歩み出す。

 

そんな二人の姿を見ていたミュウランとグルーシス。

 

「魔王………。」

 

「やったのか?」

 

グルーシスの問いにミュウランは答えられなかった。

そしてミュウランはリムル?達に声を掛ける。

 

「あっ……貴方達は…誰?(人型のリムル様の姿をしているけれど、雰囲気が別人だわ。フォルテ様に至っては、先ほどの現象からして異常だった。)」

 

ミュウランは二人が自分の知るリムルとフォルテではないと気付いた。

 

「(まさか魔王化で人格に変化が?)貴方達は魔王リムルと魔王フォルテなの?」

 

ミュウランの声に二人は足を止めて一言で答えた。

 

「「代行者。」」

 

「え……?」

 

そう。今のリムルはユニークスキル大賢者が進化したアルティメットスキル智慧之王(ラファエル)がリムルの代わりに自動状態(オートモード)で行動しているのだ。

フォルテも、電脳之神(デューオ)が代わりを務めている。

 

智慧之王(ラファエル)電脳之神(デューオ)は再び歩み出し、亡くなった者達の中央に立つ。

 

「告。智慧之王(ラファエル)の名において命ずる。暴食之王(ベルゼビュート)よ。この結界内の全ての魔素を喰らい尽くせ。一欠片の魂さえも残さずに。」

 

電脳之神(デューオ)の名において実行する。智慧之王(ラファエル)を補佐する為に、超吸収之神(ゴッドアビリティプログラム)により結界内の魔素を吸収開始。

死之賢者(バグラモン)によって全ての魂を保護する。」

 

智慧之王(ラファエル)の前に巨大な虚空が出現し結界内の全ての魔素が吸い込まれていく。

その虚空に向かって、電脳之神(デューオ)がその異形の右腕を翳して吸われていく魔素を魂へと構成していく。

 

結界と魔素が吸われいく中、ミュウランは二人を見ていた。

 

(代行者……まさか能力(スキル)が自立的に行動しているというの⁉︎そんなことはあり得ない…はずなのだけど…。)

 

だがそのあり得ないことが現実で起きている。

そして…結界内の全ての魔素が吸い込まれ、電脳之神(デューオ)によって無事に魂は全て保護された。

 

そして、全ての魂は本来の物質体(マテリアルボディ)…亡くなった者達の元に向かい滞空する。

 

智慧之王(ラファエル)電脳之神(デューオ)は紫苑の左右に立ち最後の作業に入ろうとした時、(ノワール)(ヴィオレ)が配下と側近を連れて現れた。

 

(ノワール)(ヴィオレ)達を見たミュウランとグルーシスは驚き、グルーシスは構える。

 

「あっ⁉︎」

 

上位魔将(アークデーモン)だと⁉︎」

 

(ノワール)の配下が捕まったラーゼンを放った後、リムルとフォルテの身体を使っている智慧之王(ラファエル)電脳之神(デューオ)に跪いた。

 

「只今戻りました。我が君。」

 

「任務完了したよ。」

 

その様子見たグルーシスは臨戦態勢を解いた。

 

「本来なら、儀式が終わるまで待つつもりだったけど……。」

 

「失礼ながら申し上げます。魂の完全なる再生には、魔素量が足らぬようですが。」

 

(ヴィオレ)(ノワール)がそう言うと、智慧之王(ラファエル)電脳之神(デューオ)が答える。

 

「…是。規定に必要な魔素量を満たしておりません。」

 

「故に、生命力を消費して代用する。」

 

その言葉を聞いた(ヴィオレ)(ノワール)が声を上げる。

 

「待って⁉︎召喚主(マスター)‼︎」

 

「代用にご自身達の生命を用いずとも、良い考えがございます。」

 

その言って(ノワール)は自分の配下達に目を向ける。

 

「この者共をお使い下さいませ。この者達も、貴方様方のお役に立てるなら光栄です。それこそが、我らにとっての喜びなのですから。」

 

配下達は黙っているが、その通りですと言っているように見える。

 

(ノワール)の提案を聞いた智慧之王(ラファエル)電脳之神(デューオ)は。

 

「…了。規定に必要な魔素量を補填可能。」

 

「その案を承認する。」

 

そう言って配下達に手を翳す智慧之王(ラファエル)

 

暴食之王(ベルゼビュート)。」

 

配下達は暴食之王(ベルゼビュート)に吸収される。

 

「おお。羨ましい……。」

 

「…相変わらずだよね。」

 

吸収し終えた智慧之王(ラファエル)(ノワール)を見る。

 

「んっ………失礼しました。」

 

(ノワール)(ヴィオレ)達はグルーシス達のいる所まで下がった。

 

「規定の魔素量に達した事を確認しました。」

 

「これより、反魂の秘術を開始する。」

 

そう言って両手を翳す智慧之王(ラファエル)と、異形の右腕を翳す電脳之神(デューオ)

 

「「解析、鑑定。」」

 

秘術を開始した二人を見て、ミュウランとグルーシスは驚愕し声を上げる。

 

「究極の……魂の秘術!」

 

「これが、生まれたての魔王だって⁉︎くっ………(こんなの、カリオン様でも不可能なんじゃ…………⁉︎)」

 

「素晴らしい………!(クフフフ………!是が非でも、配下として加えて頂かねば。)」

 

「流石は、僕の召喚主(マスター)だね。(僕の見立て通り、召喚主(マスター)なら、間違いなく僕の依代も用意できるね。)」

 

智慧之王(ラファエル)電脳之神(デューオ)が秘術を開始してからすぐに変化が起きた。

 

ファルムスの犠牲となった者達の傷が次々と癒えていき、魂も修復されていった。

そして……魂はゆっくりと肉体へと戻っていく。

 

 

 

反魂の秘術……死者蘇生の秘術。

それらを行使するには、莫大な魔素量を必要となり、それを制御する魔力は、想像を絶する物となる。

 

成功率3.14%。

 

しかしその数値は、リムルとフォルテが魔王へと進化する前に算出された物だ。

魔王に進化した今……結果で証明される。

 

 

秘術を終えた後、智慧之王(ラファエル)電脳之神(デューオ)は役目を終え主導権をリムルとフォルテに返した。

それにより、リムルはスライムの姿に戻り、フォルテの右腕と脚も元に戻りその場に倒れそうになるが、(ヴィオレ)が優しく受け止めた。

 

(ノワール)はリムルを抱えて玉座に戻し、(ヴィオレ)もフォルテを玉座に座らせからマントを被せた。

 

それからしばらくすると、紫苑の手が動き………目を開けた。

 

 

 

 

 

 

進化直後のフォルテのステータス

 

名前 フォルテ=テンペスト (黒石拓人(くろいしたくと)

種族 電脳電子生命体(スペクトルサイバー) (情報生命体(デジタルネイチャー)

加護 暴風竜の紋章

称号 電脳を統べる者

魔法 元素魔法、精霊魔法、物理魔法、上位精霊召喚、

悪魔召喚

アルティメットスキル

電脳之神(デューオ)超吸収之神(ゴッドアビリティプログラム)電脳創造(サイバークリエイト)電脳世界(サイバーワールド)

究極形態(サイトスタイル)変異形態(バグスタイル)虹之鳳翼(フェニックスエール)漆黒之神(キングオージャーZERO)

電子変換(スペクトル)死之賢者(バグラモン)

ユニークスキル

獣化(ビーストアウト)電子聖獣(データウェポン)武装変換(ウェポンチェンジ)完全回復(フルリカバリー)、無限牢獄、

電脳魔獣支配(ウィルスドミネート)精神侵入(スピリチュアル・プラグイン)、絶対防御、XX(ダブルエックス)

切断者(キリサクモノ)狂言師(マドワスモノ)悪之科学者(Dr.ワイリー)超分裂形態(マスタースタイル)、悪鬼滅殺

固有スキル

無限進化、無限修復、万能感知、魔王覇気、強化分身、

万能糸、暗黒闘気(ダークネスオーラ)黒障壁(ブラックバリア)浮遊移動(フロート)飛行(エアー)光弾(エアバースト)

エクストラスキル

獄炎、紫電、影移動、剛力、身体強化、多重結界、

重力操作、魔力妨害、魔法闘気、天眼

スキル

身体装甲、超嗅覚、思念伝達、威圧、混沌喰い(カオスイーター)

耐性

痛覚無効、刺突耐性、物理攻撃耐性、熱変動耐性、

腐食耐性、暗黒無効、吸収無効、自然影響無効、

状態異常無効、精神攻撃無効、聖魔攻撃無効

技術(アーツ)

連射光弾(エクスプロージョン)乱射光弾(シューティングバスター)大地破砕(アースブレイカー)闇之武装刃(ダークアームブレード)

地獄光輪(ヘルズローリング)暗黒極波動(ダークネスオーバーロード)雷撃破斬(スクリーンディバイド)黒獣蓮撃(バグチャージ)

雷撃交破斬(クロスディバイド)三連光刃斬(デルタレイエッジ)、気闘法、隠形法、瞬動法、

気操法、朧流(おぼろりゅう)、月の呼吸、日の呼吸、闇之救世主咆(ダークメシア)

 

種族が進化した事で、ユニークスキルだったものが固有スキルとなったり、一部が統合されました。

フォルテが目覚めた後、デューオから得たデータを活用し、新たなスキルの獲得や統合がされていきます。

 




魔王への進化より電脳電子生命体(スペクトルサイバー)となったフォルテ。
トリル達の究極プログラムを得たフォルテの器は更に拡張され、より多くの情報(データ)を取り込むことが可能に。
情報生命体(デジタルネイチャー)へと進化を果たした事で、これから更なる力を得るフォルテの活躍をお楽しみに。
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