転生したらフォルテだった件   作:雷影

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ユーラザニアが消滅を知り、黒幕がクレイマンと判明したフォルテ達。
だが、魔国連邦(テンペスト)に関わる問題が重なり過ぎてどう動くか悩む。
そんな二人に、遂に友を解放できる時が来た。


64話 解き放たれし者達(前編)

三獣士達との会議を終えたリムルとフォルテ。

いつもの丘の上で、リムルは嵐牙の頭に乗りながら魔国連邦(テンペスト)を見ながらこれからについて考えていた。

 

「さて、これからどうしたものかなぁ…。」

 

「やるべき事が重なりすぎているからなぁ。」

 

フォルテもゴスペルの頭を撫でながら考える。…その時、ゴスペルと嵐牙がある気配に気付いた。

 

「「んっ!」」

 

「どうした?」

 

リムルが嵐牙に声をかけた瞬間、少し離れたところに空間転移で、(ノワール)(ヴィオレ)が現れた。

 

「お目覚めになられたようでなによりで我が君。」

 

「おはよう主様。」

 

(ノワール)はお辞儀をし、(ヴィオレ)は明るい笑顔をフォルテに見せる。

 

「えっ?……ああ。」

 

「ああ。おはよう。」

 

「無事に魔王へと成られました事、心よりお祝い申し上げます。」

 

「僕からもおめでとう。」

 

「ありがとう。」

 

(ノワール)(ヴィオレ)からの祝いの言葉を受け取るフォルテ。

そんな中、リムルは不思議そうに(ノワール)を見ていた。

 

「え〜と……誰だっけお前?」

 

「なっ⁉︎リムル!」

 

リムルの言葉にフォルテは声を上げ、(ノワール)はリムルの発言にショックを受けて蹌踉めきながら胸を押える。

 

その様子を見ていた(ヴィオレ)は、口を押さえて笑うのを我慢していた。

 

胸を押さえながらなんとか耐える(ノワール)

 

「ごっご冗談を…………悪魔の私が心核(ココロ)にダメージを受けました。」

 

「ぷっ!ふふふ。冗談じゃないんじゃないかな?」

 

(ノワール)の今の姿がツボになったようで、(ヴィオレ)が更に傷口に塩を擦り込むようなことを言うのだった。

 

「……リムル。この悪魔達は俺達がファルムスの兵の亡骸を糧にして召喚しただろうが。」

 

「おお!」

 

フォルテが説明してくれた事に、(ノワール)は喜びの笑みを浮かべて顔を上げた。

 

「あ〜そうか!まだ居たんだ!」

 

スライムの姿で手を合わせる仕草をしながら更に(ノワール)心核(ココロ)を抉りにかかるリムル

 

「くっ…………まっまだ……………。」

 

再び蹌踉めく(ノワール)に、必死に笑うのを耐える(ヴィオレ)

 

……リムル、お前わざとやっているのか?

 

「聞いたよ!色々と手伝ってもらったって!助かったよ!」

 

リムルからの感謝の言葉を聞いて、(ノワール)は元気を取り戻した。

 

「あっ!……いいえ、とんでもございません。つきましては…………。」

 

(ノワール)は召喚された時に願った通り、配下に加えてもらうとしたが、……リムルがトドメの一撃を放った。

 

「長々と引き止めてしまって悪かったね。もう帰って良いよ!」

 

バイバイと手を振りながらスライムスマイルで言うリムル。

 

「えっ⁉︎帰って……⁉︎」

 

「うん!」

 

笑顔でそう言うリムル。その時、………(ノワール)心核(ココロ)が砕け散ったようにフォルテには見えた。

 

その様子を間近で見ていた(ヴィオレ)は、遂に耐え切れずに笑い出した。

 

「あっはははははははは!」

 

……この時ばかりは、リムルのスライムスマイルが悪魔以上に悪魔に見えた。

 

「リムル……お前は悪魔の心を弄んで壊す才能があるようだな。」

 

「なんでだよ⁉︎」

 

フォルテの言葉に抗議するリムル。そんなリムルにフォルテは、(ノワール)の方へ指差した。

 

「…悪魔を泣きそうな顔にしているからだ。」

 

「えっ⁉︎」

 

フォルテの言葉に、リムルは(ノワール)をよく見ると、言われた通りもの凄く泣きそうな表情で耐えていた。

 

「あれ⁉︎もしかして、報酬が足りなかった?」

 

「いえ、そうではございません。」

 

(ノワール)はその場でリムルに跪いた。

 

「先だってお願いしておりました通り、配下の末席に加えて頂きたいのです!」

 

「はっ配下になりたいって……。」

 

「そう言っていたぞ。覚えてないのか?」

 

そうフォルテが言うと、リムルは記憶を整理させながら思い出そうとしていた。

 

その間に、(ヴィオレ)がフォルテの側に間で寄ってきた。

 

「僕も配下に入れて欲しいんだけど覚えてくれてる?」

 

可愛らしく首を傾げながらフォルテに聞いてくる(ヴィオレ)

 

「大丈夫だ。俺は覚えている。俺としても、君のような可愛くて頼りになる悪魔が仲間になるのは有難い。」

 

「ふふふ。可愛いなんて、嬉しい事言ってくれるね主様。」

 

少し恥ずかしそうな仕草をしながら照れる(ヴィオレ)

その時、(ヴィオレ)に対してフォルテが念話で話しかける。

 

『一応確認したいんだが、君は原初の悪魔の一人(ヴィオレ)じゃないか?』

 

フォルテの念話を受けた(ヴィオレ)は動きを止めながら笑顔を向けて念話に答える。

 

『そうだよ。流石は主様だね。僕の正体をすぐに見破るなんて。』

 

『…君は気付いてないだろけど、コリウス王国で君を見ていた。』

 

『えっ?本当に?』

 

『ああ。だから敢えて聞くぞ。本当に俺の配下に入っていいのか?』

 

フォルテの念話を聞いて(ヴィオレ)は、フォルテの眼を見つめる。

 

『俺が調べて知った君の情報では、君は移ろい易く一番悪魔らしい存在だ。』

 

フォルテは、コリウス王国で(ヴィオレ)を見てから、彼女について調べていた。そして、悪魔らしく残虐で冷酷な存在だと知った。

普段は明るい少女を演じているが、とても気まぐれで移ろい易い性格をしていると電脳之神(デューオ)が調べ上げた。

 

フォルテの問いに対して、………(ヴィオレ)は少し不安そうな表情で逆にフォルテに問いかける。

 

『……主様は、僕が配下に入るのが本当は嫌なの?』

 

(ヴィオレ)の問いに対してフォルテは……。

 

『いや。そんなことはない。さっき言った通り、君が配下に加わるなら心強い。原初だろうと、俺の為に力になると言ってくれる者を拒むことはしない。』

 

フォルテの言葉を聞いた(ヴィオレ)は目を見開いた。

自分の事を知ったのに、受け入れてくれると言ったのだから。

 

『俺の配下になれば、この街のルールや俺達の命令に従ってもらう事になる。今までのような、自由な生活ができなくなるから確認したまでだ。』

 

フォルテはあくまで、(ヴィオレ)の事を考えていた。

 

『……主様って優しいんだね。』

 

『俺はそんなに自分が優しいとは思っていない。敵対する者には基本容赦はない。それに、その敵対者が救いようの無い屑なら徹底的に潰すような存在だ。』

 

『うん。知ってるよ。だからこそ、僕は主様の配下に入りたいんだ。』

 

フォルテのその澄んだ紫の感情が、(ヴィオレ)がフォルテを気に入った理由の一つだった。

 

『そうか…分かった。』

 

そして、フォルテが(ヴィオレ)との念話を終えると、今度はリムルから念話で話しかけられた。

 

『なぁフォルテ。この悪魔って本当に俺が召喚した奴なのか?』

 

『そうだが、本当に覚えて無いのか?』

 

『いや……どう見ても上位悪魔(グレーターデーモン)とか、そんなちゃちな存在じゃないし……もっと上位の存在だから。』

 

『まぁ……原初の悪魔だからな。』

 

『へっ……原初?』

 

智慧之王(ラファエル)がリムルに説明中…………終了。

 

『マジか⁉︎てかそんな悪魔が俺達の配下になりたいって………本当に大丈夫か?』

 

『リムルの不安も当然だが、本人達が望んでいるんだ。受け入れてやるべきだと俺は思う。』

 

『……そうだな。』

 

フォルテと話し合ったリムルは(ノワール)を受け入れる事にした。

 

「ええと………報酬とかないけど、良いのか?」

 

リムルがそう尋ねると、(ノワール)は顔あげて希望に満ちた笑みを浮かべる……悪魔なのに。

 

「お仕え出来るだけで幸福です。」

 

「よし、分かった!」

 

「おお!感謝致します!我が君!」

 

「〝我が君〟はやめろ!なんかむず痒い!リムルで良い。リムルで。」

 

「リムル………甘美な響きです。それでは、今後はリムル様と。」

 

夕日に照らされながら嬉しそうな表情を浮かべる(ノワール)……本当に悪魔なのかと疑ってしまうような光景。……その様は神に感謝する信者そのもの。

 

 

一方フォルテの方は。

 

「向こうは、ああ言ってはいたが、俺の配下になってくれるからな。やはり何か報酬を渡したい。(ヴィオレ)は何か欲しいものはあるか?俺が与えられる範囲内のものでなら、それを報酬として与えよう。」

 

フォルテがそう言うと、(ヴィオレ)は嬉しそうに笑顔で口を開く。

 

「流石は主様。実は一つだけ欲しいものがあるんだ。それは、……僕にピッタリの依代なんだ。」

 

(ヴィオレ)の言葉を聞いたフォルテは、改めて現在の(ヴィオレ)の状態を確認した。

 

『それは…俺の魔素で作った仮初の体だな。ファルムスの兵達の亡骸は側近達に譲ったのか?』

 

(ヴィオレ)と共に現れた三人も上位魔将(アークデーモン)だったからな。フォルテは、(ヴィオレ)が何故側近達にあれだけの供物を譲り、俺の魔素だけ使ったのか不思議と思い、再び念話で問いかけた。

 

『それはね、僕が(ブラン)(ジョーヌ)とある競争(ゲーム)をしていたからなんだ。』

 

競争(ゲーム)?』

 

『そう。誰が一番早く、自分と完璧に合致する最高の依代を手に入れるかって競争(ゲーム)。ただし、僕達自身は手出し厳禁。配下の者達に用意させるって事にしてたんだ。』

 

まさか、原初の悪魔三人がそんな勝負をしていたとは……。

 

『じゃあやはり、コリウス王国でのグスタフがゼノビア姫に行っていたのは、(ヴィオレ)に相応しい器にする為の儀式だったんだな。』

 

『そうだよ。……やっぱり怒っているかな?』

 

(ヴィオレ)が不安そうに聞いてくる。

 

『正直に言えばそうだ。だが、(ヴィオレ)の眷属を召喚したのはコリウス王国の王だ。(ヴィオレ)だけのせいではない。それに、俺の配下になる前の事だ。責めたりたしない。』

 

フォルテがそう言うと、(ヴィオレ)は安堵した。

 

『だが、俺が依代を用意するのはその競争のルール違反にならないのか?』

 

『大丈夫だよ。僕が直接手出ししたわけじゃないし、必ず配下が用意した依代だけってルールもないからね。』

 

(ヴィオレ)は笑顔でそう言う。……良くそんな抜け道を見つけたものだな。

 

「分かった。(ヴィオレ)に相応しい依代を用意しよう。」

 

フォルテは念話をやめて直接伝える。

 

「うん!ありがとう主様。」

 

「俺のことはフォルテと呼んでくれ。」

 

「わかったよ。フォルテ様。」

 

さてと、(ヴィオレ)に相応しい依代か…。フォルテは考える。

 

ラミリスの守護者として召喚したスペルはおそらく(ヴィオレ)の眷属だろう。彼には魔鋼で作った魔人形(ゴーレム)を与えたが、(ヴィオレ)にはもっと良い依代を与えたいからな。

 

フォルテは(ヴィオレ)を見ながら、自分が持つ情報(データ)から依代に相応しいものを探していた。

 

…………そして、フォルテは見つけた。

 

「この者を依代にするのはどうだ。」

 

フォルテはそう言って手を翳すと、地面に魔法陣が浮かび上がる。

その魔法陣は何か特殊で、何かの紋様にも見える。

 

やがて魔法陣から0と1の情報(データ)が放出され人の形に形成されていく。

 

「おお〜!」

 

その様子に(ヴィオレ)は目を見開き、魔法陣から出現したその存在を見る。

 

魔法陣から出現したのは、紫の花魁のような服を着た美しい女性。

その額には蝙蝠が翼を広げたような紋様があり、頭の左右から金の角が生え、右腕には鋭い金の魔爪が装着されている。そして、背には悪魔の翼。

 

それを見たリムルは驚く。

 

「ちょっ⁉︎フォルテそいつはまさかリリスモンか⁉︎」

 

「そうだ。デューオから貰った情報(データ)から再現した。

電脳創造(サイバークリエイト)と強化分身を組みわせて創造したから意識はない存在…器だ。」

 

リムルの驚きように、フォルテが出現させたこの存在はただ者ではないと理解した(ノワール)がフォルテに問いかける。

 

「失礼ながら、フォルテ様。その者について説明していただけますでしょうか?」

 

「いいぞ。このリリスモンは別世界で七大魔王と呼ばれる者の一人だ。」

 

リリスモン…それはデジモン世界の魔王型デジモンの一体であり、七大罪の一つである色欲を司るデジモン。

デジタルワールドのダークエリアの最下層であるコキュートスを根城にしている。

残りの6体とは相互不干渉の立場をとっている。その辺りは、この世界の魔王達と似ている。

その力は強大であり並のデジモン…同じ究極体でも勝てるものは殆どいない。

七大魔王達はそれぞれに七大罪を司る、魔法陣と紋様が合わさった大罪の冠と呼ばれる物を持っている。

 

フォルテはそれを簡単に(ノワール)(ヴィオレ)に説明した。

 

(ヴィオレ)に相応しい最高の依代にはこの存在が良いと思ったが……どうだ?」

 

フォルテは(ヴィオレ)にそう聞いてみると、(ヴィオレ)はまじまじとリリスモンを見て笑みを浮かべた。

 

「流石はフォルテ様だね!こんな凄い依代を用意してくれるなんて、予想以上だよ。」

 

「喜んでもらえたなら良かったよ。」

 

その様子を見ていたリムルは、やはり自分も報酬を用意した方がいいかなと考え、ある事に気付いた。

 

「なぁ、そう言えばお前達が呼び合っている名は名前じゃないよな。」

 

リムルの問いに(ノワール)は答える。

 

「ええ。私達に名はありません。ですから、お互いの色を呼び名にしています。」

 

「そっか……じゃあ、報酬代わりに名前を付けてやろう!」

 

原初の悪魔に名付け…リムルも大胆だな。

 

「なんと!それは最大のご褒美でございます!」

 

(ノワール)はもの凄く嬉しそうな表情でリムルを見る。

 

「……なら俺も名前をつけようか?」

 

フォルテも(ヴィオレ)にそう言うと、(ヴィオレ)も嬉しそうに笑顔を見せる。

 

「本当!依代だけでなくて、名前までもらえるなんて嬉しい!」

 

(ヴィオレ)の笑顔を見たフォルテは、ちゃんと名前を考えないといけないと、彼女に相応しい名を考える。

 

フォルテが考えている間に、リムルは(ノワール)の名前を決めた。

 

「あっ!お前の名前はディアブロだ!」

 

「ディアブロ………!」

 

「その名前に相応しく、俺の役に立ってくれ!」

 

悪魔だからディアブロか……リムルが好きなスーパーカーにもそんな名前の物があったな。

そして、リムルの魔素が半分も持っていかれるのが見えた。

 

魔王に進化したリムルの魔素は以前の10倍になっていたはず……流石は原初の悪魔への名付けだ。

 

そして、リムルが(ノワール)をディアブロと名付けたのを見たフォルテも、(ヴィオレ)に合いそうな名前を思いついた。

 

リムルが生前好きだったスーパーカーの話を聞いて色々と教えてもらった。

その中で、(ヴィオレ)の明るく無邪気な部分に合いそうな車から名を貰う事にした。

 

「よし。(ヴィオレ)。今日からお前の名前はウルティマだ。」

 

「ウルティマ……うん!良い名前をありがとうフォルテ様!」

 

どうやら気に入ってくれたようだな。

 

そして、フォルテの名付けよって、フォルテの魔素がウルティマへと注がれ、器のリリスモンと共に魔素の繭に包まれる。

 

「………まさか七割も魔素を持っていかれるとはな。」

 

進化したフォルテの魔素量は数十倍に増大していた。まぁ、原初の悪魔への名付けに器であるリリスモンの作成……それだけ消費してもおかしくない。

だが、虹之鳳翼(フェニックスエール)無限供給(インフィニットレイヤー)により、フォルテの魔素は瞬時に完全回復した。

 

そして、ウルティマ達の進化を見守っていると、進化が終わり魔素の繭が弾け、進化した二人が姿を現す。

 

「おお!…強そうだな。」

 

「似合っているぞウルティマ。」

 

ディアブロは執事の服装に変わり、ウルティマはリリスモンの服装へと変わった。そして、額にはリリスモンと同じ蝙蝠の紋様がある。

 

《個体名ディアブロは、上位魔将(アークデーモン)から悪魔公(デーモンロード)に進化が完了した。個体名ウルティマは、上位魔将(アークデーモン)から色欲悪魔公(ラストデーモンロード)に進化が完了した。》

 

電脳之神(デューオ)がフォルテにそう教える。

電脳之神(デューオ)の更なる説明によれば、悪魔公(デーモンロード)とは、魔王種となった上位魔将(アークデーモン)の進化先であり、覚醒魔王に近しい存在で更に、成長限界がない存在。

ウルティマの色欲悪魔公(ラストデーモンロード)はその上位進化体に分類されるそうだ。

ついでに言うなら、ウルティマはアルティメットスキル色欲之冠(リリスモン)を獲得したそうだ。

 

原初の悪魔二人の更に進化にリムルとフォルテは感心していた。

 

そして、進化した二人は。

 

「ディアブロ…それが私の名。感激で胸が一杯ですよリムル様。今日この日より、誠心誠意お仕えさせていただきます。」

 

「僕も、フォルテ様に貰った、この最高の依代で精一杯頑張るね。」

 

ディアブロとウルティマは心の底から、リムルとフォルテに感謝の言葉を述べた。

 

「うん。頼むぞ。」

 

「期待している。」

 

滞空していた二人がゆっくりと降り立つと、ウルティマの額の紋様が消えリリスモンの服装から、小紫色の秘書の服装へと変わった。

 

あの額の紋様と花魁の服装は、アルティメットスキル色欲之冠(リリスモン)の力の一部であり、いつでも手軽に着替えられるようだ。右腕の魔爪は悪魔族の固有スキルの物質創造でいつでも装着変化が可能。

 

ディアブロは跪きながらリムルに問いかける。

ウルティマは…フォルテは腕に抱きつくのだった。

 

「…それで、なにか思い悩んでいたようですが、宜しければ私にお聞かせください。」

 

「僕にも話してくれるかな?フォルテ様。」

 

「なに大した事じゃない……って事もないけど、今後についてな。」

 

「とっ言いますと?」

 

「問題が重なり過ぎているんだ。」

 

「ああリムルの言う通りだ。クレイマンの件、ファルムス王国の後始末、そして、魔物を敵視している西方聖教会への対応だ。どれも後回しにできないが、一度に行う作戦としては許容量を超えている。」

 

「…成る程。」

 

「なら、僕達がそのどれか一つを片付けるよフォルテ様。」

 

確かに…原初の悪魔二人ならばどれか一つを任せていいかもしれない。

 

フォルテがそう思っていると、電脳之神(デューオ)がある重要な知らせを伝える。

 

《西方聖教会については心配無用だ。》

 

『何?どう言う事だ。』

 

《大賢者が智慧之王(ラファエル)に進化した事で、演算能力が飛躍的に向上し、こちらもフォルテの進化によって能力を解放した事で全ての処理能力が向上した。それにより、無限牢獄の解析が完了した。更に、電脳竜の最適化も完了した。逆風竜(アゲンスト)と共に解放が可能となった。》

 

………マジか⁉︎何百年もかかる筈の無限牢獄の解析と電脳竜の最適化が終わったのか!?

 

これにはフォルテも驚いた。

 

暴風竜(ヴェルドラ)逆風竜(アゲンスト)、電脳竜の三体の解放を行えば、西側諸国への牽制には十分過ぎると判断した。》

 

確かに、教会としては迂闊に動けなくなるな。しかもヴェルドラが3体に増えているから余計にな。

 

《更に重要な情報がある。》

 

電脳之神(デューオ)から知らされた更なる情報にフォルテが目を見開くが、すぐに落ち着きを取り戻すのだった。

 

リムルも智慧之王(ラファエル)から知らされたようで、フォルテを見る。

それに気付いたフォルテは頷いて答える。

 

「よし!なんとかなりそうだ!」

 

「おお、何か名案が閃きましたか?」

 

「ああ。そしてだ。」

 

「俺達は名実ともに魔王になることにした。」

 

「クフフフフ。流石はリムル様とフォルテ様。このディアブロ、永遠なる忠誠を貴方様達に。」

 

そう言って頭を下げるディアブロ。

 

「ちょっと、僕だって頑張るんだから!フォルテ様とリムル様の為ならずっと一緒にいるからね。」

 

そう言って、更にフォルテの腕に抱きつくウルティマ。

 

「ああ、これから宜しく頼むぞウルティマ。」

 

フォルテはそう言いながら、ウルティマの頭を優しく撫でる。

フォルテの手の暖かさと感情を感じたウルティマは、とても嬉しそうな表情を浮かべていた。

 

その様子を見ていたディアブロは、どこか羨ましいそうな瞳で見ていた。

 

その間に、リムルが嵐牙に指示を出す。

 

「俺はちょっと出掛けてくる。嵐牙、皆には復活を祝した宴の準備をするように伝えておいてくれ。」

 

「ハッ!」

 

「ゴスペルも頼む。ちょっと長引くかもしれない。三日くらい留守にすると伝えておいてくれ。」

 

「分かりました。」

 

次は…。

 

「蒼影いるか?」

 

「シャドーマンもだ。」

 

「はっ。」

 

「此処に。」

 

俺達が呼ぶと、蒼影とシャドーマンが蒼華と共に跪きながら現れた。

 

「早速だが仕事だ。」

 

「はっ速やかに、クレイマンの情報を集めて参ります。」

 

そう言ってすぐに動く蒼影達。

命令する前に、こちらの考えを察するとは。流石だ。

 

ウルティマに離れてもらった後、フォルテはリムルと軽く念話で話をしてから動いた。

 

「それじゃあ行ってくる。」

 

「留守の間を頼んだぞ。」

 

そうして、リムルとフォルテは転移した。

 

 

向かった場所は……プロトエリア。

 

赤い肉塊のようなスライムが広がるエリアに転移したリムルとフォルテ。

何故この場所に来たか、その理由は…。

 

「プロト!」

 

フォルテの呼び掛けに答えるように、スライムの海が波打ちながらフォルテとリムルの前に空洞が現れ、その穴から赤いコアと共にスライムが迫り上がり形を成していく。

 

そうして姿を現したのは、プロトバクの頭部に強固なアーマーが肩と胸に装着され、左右に腕のような鋭いガントレットが滞空し、アーマーに守られている赤いコアには無数のコードが接続されていた。

 

その姿は紛れもないロックマンEXE3でのラスボスであるプロトの姿そのものだった。

 

プロトのその赤い目がフォルテとリムルを見つめる…すると。

 

「フォルテ!リムル!おはよう!魔王への進化おめでとう!」

 

フォルテとリムルの知るプロトの変わらない可愛らしい声が聞こえた。

 

「ああ。おはようプロト。」

 

「プロトも無事に進化したようだな。」

 

「うん!」

 

プロトは、フォルテの魔王への進化(ハーベストフェスティバル)祝福(ギフト)を得て進化を果たし、本来の姿を取り戻したのだ。

種族も、電脳妖魔族(サイバースライム)から電粘性精神体(プロトスライム)に進化した。

 

因みに、リムルは粘性生物(スライム)から魔粘性精神体(デモンスライム)に進化している。

 

「プロト。進化して本来の姿を取り戻したそうだが調子はどうだ?」

 

「うん。久しぶりの自分の本当の姿だけど、やっぱり落ち着くし良く馴染むよ。」

 

「そうか。それは良かった。」

 

「にしても、大きくなったな。」

 

リムルの言う通り、4メートルくらいだった大きさが、今では10メートルぐらいにまで巨大化している。この大きさだとよりラスボス感がある。

 

それに、プロトはフォルテと共にデューオから得た情報(データ)電脳で、新たに三つのアルティメットスキルも獲得している。

フォルテも同じスキルを獲得したが、更に進化したスキルも獲得している。

 

一つは電子之神(イグドラシル)。名の通り、デジタルワールド…デジモン達の神である管理システムであるホストコンピューター。

そのイグドラシルの能力をプロトは使えるようになった。

 

次は悪之知能(アークゼロ)。その名の通り、仮面ライダーゼロワンに登場した悪の人工知能であるアークの能力を使える。それだけでなく、このスキルによりプロトは人型の姿を得て活動できるようになった。

その姿は……言うまでもないだろう。

フォルテの方は悪意之王(アークワン)を獲得した。

 

この二つのアルティメットスキルを得たことで、プロトが悪意に呑まれていないか心配し、フォルテはやって来たのだった。

 

「……その様子だと大丈夫の様だな。」

 

「心配してくれてありがとうフォルテ。電子之神(イグドラシル)悪之知能(アークゼロ)を獲得した後、人間の悪事に関する情報(データ)の数々が流れ込んできたけど、フォルテ達の強い覚悟と決意そして、人間を信じる心を学んでいたから大丈夫だよ。」

 

「そっか…良かったよ。」

 

リムルの安堵していた。今も問題が重なり過ぎているのに、プロトまでゲームの様な暴走をしていたら手がつけられなくなるからだ。

 

後一番気になっているのは。

 

「更なる進化を果たしたこの世界の把握は順調か?」

 

「うん。まだ少しかかるけど、だいたいは把握出来たよ。」

 

そう、プロトが得た三つ目のアルティメットスキルそれは……電脳電子世界(スペクトルワールド)

 

電子之神(イグドラシル)を獲得した事で得たアルティメットスキル電子世界(デジタルワールド)。名の通り、デジモンの世界を創造するスキル。

デューオから得た様々なデジタルワールドを再現できる。

 

そして、プロトはインターネット…世界そのもの。

フォルテと共に得て共有していた電脳世界(サイバーワールド)と、電子世界(デジタルワールド)を統合し、新たな世界である電脳電子世界(スペクトルワールド)へと進化したのだ。

 

この進化は当然、フォルテの方にも起こった。

フォルテは、フォルテシティを中心に更なる進化を果たしたこの世界の把握をプロトに頼んでいたのだ。

 

「そうか。引き続き頼む。」

 

「任せて。」

 

「それと、俺とリムルはしばらくの間、無人のエリアで過ごす。……理由は分かるな。」

 

「うん。」

 

プロトには事前に理由を送信して知らせおいたのだ。

プロトと別れ転移するフォルテとリムル。

 

そして、何もない無人のエリアに二人は立っていた。

以前から、ヴェルドラを解放するに至って、フォルテはリムルにこの場所で行うことを決めていた。

ヴェルドラの復活時の膨大な魔素に皆が気付いて騒ぎにならないようにと。

 

「さぁいよいよだな。」

 

「ああ。あれから二年かぁ…。」

 

「何百年も掛かるはずがまさかな。」

 

フォルテとリムルはヴェルドラとの出会いを思い返していた。

 

「……さぁ今出してやるぞ。………ヴェルドラ!」

 

リムルがそう言った瞬間!リムルから凄まじい存在が解き放たれる!

荒れ狂う暴風が渦巻きながらエリアに魔素が広がっていく。

 

やがて暴風が治ると、懐かしい笑い声が聞こえくる。

 

「ククク……クハハハ………クァーハハハハハ!」

 

姿を現すのは半透明の姿の懐かしき暴風竜。

 

「俺様、復活‼︎」

 

 

ヴェルドラ=テンペストが遂に復活を果たした。

 

そして、フォルテの中で……2体の竜と電脳獣がその様子を見ていた。

 

 




とうとう解放された暴風竜ヴェルドラ!
だがそれだげではない、フォルテの中から様子を伺う逆風竜と電脳竜…そして、電脳獣達も解放される時が来た。

(ヴィオレ)…ウルティマの依代と進化はどうでしたか?
ウルティマに合いそうな依代はリリスモンしかないと思いましたので。

後、プロトのこれから登場するであろう人型は皆さんならわかりますよね。
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