ゴブリン村での戦いから翌日。広場にはリムルと俺を中心にしてゴブリン達と牙狼達が集まっていた。
これからの事を決める為にまずはゴブリンと牙狼達でペアを組み協力体制を作り、衣食住の説明をした。その後にリムルがバンダナのゴブリンに呼びかけようとするが、なんと声をかければよいかわからなかった。
「そういえばお前達名前は?」
「普通魔物には名前はありません。無くとも意識の疎通はできますので。」
「そういえば名持ちはお前の息子だけだったな。」
「でも名前があった方が便利だからお前達に名前をつけようと思うがいいか?」
そう言うとゴブリンと牙狼達は驚く。
「なっ名前!よっよろしいのですか?」
「あっああ…。」
その言葉に皆が喜びの声を上げていた。おそらくリムルはまだ名付けの危機性を知らないのだろ。魔物に名を与えるとその魔物に自身の魔素を分け与える為下手に名付けをすると自身の魔素を消費し過ぎて死んでしまう可能性がある。
何故俺が知っているかと言えば先程の皆の反応で何かあると思い
俺はリムルの名付けの様子を見守る事にした。リムルの魔素量なら大丈夫だと思うし、もしもの時は俺の魔素を分けあたえれば良い。
そんな俺の側には牙狼族のボス…いや元ボスがいた。
何故元ボスかと言えば、敗北を認めた自分がボスでいることはできないと息子にボスの座を譲ったそうだ。そして、昨日の俺の実力を見て1匹の魔物として俺に忠誠を誓った。もちろんリムルにもだが、主としては俺らしい。
次々と名付けを続けるリムルの姿を見つめる元ボス。
「……やはりリムル様は凄いな。あれほどの名付けを続けて平然としているとは…。」
「まぁリムルの魔素量なら当然だ。」
「…我は自分が情け無い。あのように凄まじいリムル様を下等と見下していたとは…。」
「まぁスライムは下等な魔物とみられては当然らしいが、リムルが喋ってきた事、お前達牙狼族を相手にしているのに平然としているところから、普通のスライムではないと警戒できていれば少しは変わったかもな。」
「はい。」
「…そうだ。この後俺がお前に名を付けよう。」
「⁉︎フォルテ様っ‼︎」
「俺を主と認めて従うなら当然だ。」
「ありかだき幸せ!」
そう言って元ボスは頭を下げる。
「おいおいそれは名付けが終わった後にしてくれ。」
「リムル様っ‼︎」
「リムル様っ⁉︎お気を確かに!」
ゴブリンと牙狼達の声に俺はリムルの方を見るとリムルがどろどろと溶けていた⁉︎
しまった!話に気を取られ過ぎていた!
俺はリムルの側に駆け寄る!
「フォルテ様っ!」
「フォルテ様っ!リムル様が‼︎」
「わかっている!少し待て。」
俺はリムルの様子を見ながら解答者に調べてもらった。
《個体名リムル=テンペストは名付けにより体内の魔素残量が一定値を下回り込んだ為、
それを聞き俺はホッとした。死んだ訳でなく省エネモードになったらしい。
済まないリムル。
「皆安心しろ。リムルは少し魔素を消費しすぎただけだ。3日後には目を覚ますだろう。」
俺の言葉に皆が「良かった」と安堵の声をもらす。……なかには泣いている者いた。
そこに元ボスの息子がリムルを自らの背に乗せる。
「では我がリムル様を安全な場所へ!」
「頼んだぞ。もうリムルには名をつけて貰えたな?。その時はお前の親父と話をしていたから教えてくれるか。」
「はいフォルテ様!我が名は
「ランガ…嵐の牙か良い名だ。では頼んだぞランガ。」
「はい!」
そう言ってランガは行ってしまう。他の者達もリムルを心配し後を追って行った。
リムルの事は皆に任せるとして、俺は元ボスに名付けとは別に試したい事があった。それは
魔物を自分と同じ電脳化するこのスキルをまだ使った事がない為に名付けと一緒に試してみようと考えていた。
『解答者。どうだ元ボスの電脳化はできるか?』
《電脳化は全ての人間、魔物に使用可能です。…告。牙狼族の元ボスには電脳獣になれる素質があります。》
は?………マジか⁉︎
《はい。電脳獣になれる個体は極めて希少でごく僅かな者のみしかいません。》
そうか……なら答えは決まったがまずは本人の意思を聞くか。
俺は元ボスを呼んだ。
「お前の息子は名持ちになった。これからお前にも俺から名を与えるがもう一つ与えたい物がある。そこでお前に確認したい。」
「はい!」
「俺のスキルには、他の者を俺と同じかそれに近い種族にするものがある。更に、このスキルであの暴風竜に匹敵する力を得られる者もいる。そしてお前にはその暴風竜と同等の力を持つ存在になれる可能性がある。」
その言葉に元ボスは雷を受けたような驚愕の表情を浮かべていた。
俺は自分の中に竜種を超える力を持つ存在がいる事、その影響で手にしたスキルの事を元ボスに話した。そしてこの電脳化のスキルが元ボスに反応している事を説明した。
「お前は俺に忠誠を誓った魔物で初めて名を与える存在だ。だからこそお前自身どの道を進むか選んで欲しい。このまま名持ちになるか、それとも俺に近い存在となり、竜種と同等の力を秘めた名持ちになるのかを。」
俺の問いを聞いた元ボスは…体を震わせ涙を流していた。
「主よ。我は……我は貴方に会えた事、そして今我に新たな道を与えてくれた事を心から感謝するっっ!」
元ボスはそのまま俺に言う。
「我は己の力を過信しリムル様、フォルテ様に敗北した。されど、貴方方は息子達に生きる道を与えてくれただけでなく名前まで与えてくださった。それだけでも我は感謝しております。そして今、我に名を与えてくださるだげなく、新たな力を得る機会までも用立てて下さったっ‼︎本当にありがとうございます。」
まさかここまで感謝されるとは……まぁこの世界は弱肉強食だからこそこうして生き残り名前まで授かること事態が奇跡的な事なのだろう。
「そうか。その感謝の言葉は受け取ろう。さて…お前はどの道を選ぶ。」
俺の言葉に元ボスは真剣な表情で答える。
「無論フォルテ様と近い種…竜種と同等に到れる存在です!」
「やはりな。そちらを選ぶと思ってはいたが一応だけ確認しておきたかった。ただ、このスキル自体使うのは初めてだ。どうなるかはが分からんそれでも構わないか?」
「もちろんです!フォルテ様のそのスキルが我に反応しているならば、それに応えるまでです!」
「わかった。ではまずお前の名からだ。お前の名は……。」
俺は元ボスが電脳化に適している事がわかった時、グレイガと名付けようかとも思ったが俺の中には本物の超電脳獣がいるから別の名にすることに決めた。そして元ボスの牙狼の姿から、フォルテにとっては関わりがありグレイガと似た生まれでエグゼ2でボスだったあの名を元ボスに与える。
「…ゴスペル。お前は今日よりゴスペルだ。」
俺から名を与えられたゴスペルに俺の魔素が分け与えられ紫に光輝く。
「ゴスペル…今日から我はゴスペル!」
「ゴスペル。今からそのスキルを使うぞ。」
「はい!」
俺はゴスペルの頭に触れいよいよこのスキルを使う。
スキルを発動すると同時に、俺の体から名付けの時とは比べものにならない量の魔素が消費される⁉︎
《電脳化にはその魔物の身体を変える為に膨大な魔素が必要です。ましてや電脳獣ともなるとその魔素の消費量は計り知れません。》
確かに言われてみれば当然だ。やばいこのままだと俺の魔素が尽きる!
《個体名フォルテ=テンペストの魔素消費を補う為に、超電脳獣の核より魔素を代用します。》
え!そんなことできるの⁉︎
俺が内心驚くなか、俺の身体の奥底から計り知れない魔素が溢れ出てくる!
そしてその魔素がゴスペルを包み込むと黒い球体となった。
俺は自分の魔素の消費によりその場で膝をついた。
《超電脳獣の核より魔素を代用したことにより魔素量の一定値到達を免れました。しばらくの休息により魔素が回復するでしょう。》
なんとかなった……自分の中の魔素が根こそぎ奪われるかと思う感覚。
流石は電脳獣なだけはある。
魔素の消費が尋常でなく膨大な魔素を持つ者でなかれば使っただけで命を落としていただろう。超電脳獣の力があって本当によかったと今更ながらに実感した。
《超電脳獣の魔素と因子を取り込んだ為、ゴスペルの身体が再構成されます。電脳獣化完了は3日後の予想。》
3日後か……リムルが起きたら説明しないとな。
その後、回復した俺はランガやゴブリンの村長リグルドと息子のリグルにランガの父ゴスペルの状態を説明した。
その後は、ゴスペルの電脳獣化が完了するのを俺は待ったのだった。
一方電脳獣化が行われているゴスペルの頭の中には、ある記憶が流れ込んできていた。
見た事もない世界……そこに漂う小さな黒い物質が集まり形を成し強大な狼の魔物となった。しかも我ら牙狼とは桁違いの力と存在。奴が咆哮を上げればそれだけでその世界のあらゆる物が破壊される!その世界の者達が必死に戦うが敵わない。やがて別の強大な鳥の魔物が現れ、2体は激しくぶつかり合いながら戦う!
2体の戦いはどちらの力も互角で決着がつかず睨み合ったまま膠着状態となった。そしてその隙を狙ったその世界の者達によって世界の一部と共に封印された。
これがフォルテ様の言っていた電脳獣なのか……なんという力。竜種と同等と言ったことは真とだった。やがて長い年月が過ぎ、封印が破れるが青い少年とあれは……フォルテ様⁉︎青い少年が狼をフォルテ様らしい存在が鳥の魔物から力を奪い自身の力とした。そして力を奪われた狼と鳥はまるで奪われた力を補うように一つとなりより強大な存在となった。
そして世界の全てを己に吸収していく。人も魔物も何もかもを……しかし青い少年とフォルテ様がその魔物の核を破壊して世界を救った。
また狼が鳥を倒し取り込みその姿となったり、青い少年が2体の魔物の力を宿したような姿で倒す記憶があった。
少し異なる二つの記憶……だがどちらの記憶でもその魔物がどれだけ強大な力を持つのかをもの語っていた。
我はあの魔物と同じ存在になる……あれほどの力を我は使い熟せるのか……。
否!フォルテ様は我にその力を得るか否かの選択肢をくださった。そして我はその力を手にする道を選んだのだ‼︎ならばフォルテ様の為にも必ずやその力を我が力として見る!
ゴスペルの決意に共鳴するかのように新たな記憶が流れ込む。
とある少年があの電脳獣の元となった黒い物質からフォルテ様を生み出した⁉︎
そしてあの青い少年と戦い敗北。おそらくあれはフォルテ様を模した偽者。
少年は負けを認めずより多くの黒い物質からフォルテ様を創り出したが、
そのフォルテ様は形を変えてあの強大な狼に酷似した黒い獣となった。
また、青い少年に敗れた者達が一つとなったり、ある者の一部から生み出される光景が見えた。そして他の者を喰らい成長する光景、触れた物を消し去る力。その後はまたあの青い少年により敗北するが、フォルテ様と一つになりその力となる姿やフォルテ様と共に強大の力を発揮する姿が見えた。
あの魔物……あれは生まれたばかりだった。そしてその成長は凄まじかったが、フォルテ様の力となれるその光景が何よりも羨ましい。
我もあのような魔物になりたい。
我は心からそう願った時!頭に声が聞こえてきた。
《確認しました。個体名ゴスペルの願いを受理。超電脳獣並びに個体名フォルテ=テンペストの魔素の
固有スキルに自己再生、自己増殖、自己進化、粘生物化、超嗅覚、思念伝達、威圧を獲得。続けてユニークスキル
ゴスペルの電脳獣化が始まって3日後。俺はゴスペルの電脳獣化とリムルが目覚めるのを待っていた。この3日間は本当に色々驚く事ばかりだった。リムルが名付けをした皆が進化した。ゴブリンの雄はがっしりとした筋肉質の体のボブゴブリンに雌は女性らしいスタイルのよいゴブリナといった人間に近い姿へと進化したが、その中でも村長のリグルドの進化は尋常ではなかったっ‼︎
あのヨボヨボで杖を必要としていた御老体が全盛期まで若返り、ボディビルダーのような見事な筋骨隆々の体となっていた。
これにはマジで誰だよ⁉︎と心底驚いた。
そしてランガ達牙狼族もより体が大きくなり逞しい姿に進化した。とくにランガには額に一角獣のような角が生え体も元ボスのゴスペルよりも大きく立派な姿となっていた。
「そういえばランガ、確かリムルが
「フォルテ様。我ら牙狼族は『全にして個』なのです。同胞は皆繋がっております。故に我が名は種族名となったのです。」
「つまり種族名として種族全体が進化したのか。」
「もはや我らは牙狼族ではありません。
「嵐牙狼族か。ゴスペルが今のお前達を見たらさぞ喜びそうだな。」
「はい!」
俺とランガがそう話していると、1人のゴブリナのハルナがこっちに走って来た。
「フォルテ様!リムル様がお目覚めになられました!」
「我が主が‼︎」
ハルナの報告を聞いたランガがリムルがいるリグルドの家に猛ダッシュを開始‼︎
「待てランガ!そんなスピードで突っ込んだらっ!」
俺は急いでランガを追いかけるが、すでにリグルドの家にはランガが突っ込んだと思われる穴が空いており、何故か竜巻が発生⁉︎リグルドの家は跡形もなく吹き飛ばされると同時にリムルがこちらに飛んで来た‼︎
「うあぁぁぁぁぁぁ‼︎」
「リムル⁉︎」
俺は飛んで来たリムルを受け止めた!
「リムル大丈夫か?」
「あぁ…フォルテなんとか、ありがとう。」
「さっきの竜巻は何だったんだ?」
「あれか……ランガが高速で尻尾振ったら起こった。」
へ?………尻尾を振ったらって…いや嵐牙狼に進化したんだありえない話ではないな。
「我が主‼︎」
「リムル様!ご無事ですか‼︎」
そこにランガとリグルドが走って来た。リムルの無事を確認すると、進化した皆が集まりリムルを胴上げして回復を心から喜んでくれた。
その後はリムルに
「なるほどな。てかフォルテ、名付けに魔素を消費するの知ってたなら教えろよ‼︎」
「済まない。皆のあの喜びようを見てたら言えなくてな。それにいざとなったら俺の魔素を分けよう思っていたんだがゴスペルと話している間にリムルが
「ゴスペル?」
「俺が元ボスに名付けしたんだ。」
そして元ボスゴスペルの事と電脳獣化の事を説明した。
「フォルテ……お前俺以上にヤバかったんだな。」
「あぁ。俺も迂闊だった。」
「それにしてもランガの親父が電脳獣か……どんな姿だろうなぁ…やっぱりグレイガ見たいになるのか?」
「それは俺にもわからない。電脳獣化が完了するまでは「リムル様!フォルテ様‼︎」⁉︎」
ランガが慌ててこちらに向かって来る!
「親父殿を包む球体に変化が!」
ランガの言葉を聞き俺達はゴスペルの元に急ぐと黒い球体が紫色に点滅していた。
「これは!」
《個体名ゴスペルの電脳獣化が間もなく完了するようです。》
解答者のがそう教えてくれる中、皆がゴスペルの球体を心配して見守っていると、点滅が終わり球体が膨張する。そしてランガより二回りほど大きくなると、球体全体に黄緑の班が現れる。球体は姿を変えていくと鋭利な爪と牙、獅子を思わす立髪に黒いブロックパズルが組み合わさった様な鬣、体の彼方此方に見られる黄緑の班。その姿に俺とリムルの心の声が重なった気がした。
((マジで本物のゴスペルになってる⁉︎))
何処からどう見てもロックマンエグゼのゲーム、漫画、アニメに登場するゴスペル其の者になっていた。違いがあるとすれば、額にフォルテと同じ十字の青い星型のマークがあり右目に牙狼の頃にあった傷跡が残っていた。
その傷跡こそ、このゴスペルが牙狼族の元ボスであった証でもあった。
《個体名ゴスペルは新種 電脳黒獣に新生しました。》
この場の皆の頭に声が聞こえる。この声は世界の声であるそうだ。リグルド達が進化する時にも聞こえたらしく、これを聞く事自体が奇跡らしい。そういえば、俺が死ぬ時に聞いた声ってそれだったってことか……解答者の声にも似てるが…。てか今皆に聞こえたのは、それだけゴスペルのこの新生が大きいってことか?
俺が悩む中、ランガが新生したゴスペルに歩み寄る。
「親父殿。」
「息子よ。……立派な姿になったな。それにお前達も。」
「親父殿こそ!なんと素晴らしいお姿に‼︎」
「これも全てフォルテ様のお陰だ。」
そう言ってゴスペルは俺の元に。
「フォルテ様。お待たせしました。」
「ゴスペル、無事に電脳獣化した様だな。」
「はい。フォルテ様のお役に立つならばこの姿こそ相応しいと思いました。」
「そうか。」
「ん?この姿こそって、ゴスペルはその姿になるように願ったって事か?」
「はいリムル様。フォルテ様のスキルにより生まれ変わる時、我の頭にある記憶が流れ込みました。」
そう言って、ゴスペルが話す内容に俺とリムルは驚いた。ゴスペルが見たという記憶はロックマンエグゼのゲーム、漫画、アニメの出来事だったからだ。
これは、俺の魔素から俺の記憶を読み取ったのか?それともこの世界の影響か…。
俺はリムルに念話で話かける。
『リムルどう思う?』
『俺にも分からん。ただゴスペルがその記憶で見たお前のことに疑問を感じてることは間違いない。』
『だな。これはゴスペルとランガには俺達の事を話した方が良いと思う。ランガも一緒なのは親子にとって事を別にしてもにこれから一緒にいる事が多くなるはずだ。隠し事をしていると分かれば…信頼されてないのではと考え不安になるだろう。』
『そうだなぁ……心配だがわかった。』
その後は新生したゴスペルを加えてリムルから皆にこれからのルールの説明をする。
最初に校長ネタをやっていたがこの異世界でそのネタが通じるはずはなかった。
「ルールは三つ最低この三つは守って欲しい。一つ人間を襲わない。二つ仲間内で争わない。三つ他種族を見下さない。」
「質問がある者は構わずに言うといい。」
「では、宜しいでしょうか。」
俺の言葉を聞きリグルが手を上げる。
「はい!リグル君。」
「何故人間を襲ってはならないのでしょうか?」
まぁそうだよな。魔物である彼らからすればそう思うのは仕方ない。
「こっこら!リグル!」
「まぁ いいからいいから。簡単な理由だ。俺が人間が好きだから以上っ!」
「なるほど!理解しました!」
「え?理解しちゃった?本当?」
「リムル簡単にまとめすぎだ。いいか、人間は集団で生活してるだろ?もし此方から襲いかかれば俺達を討伐しようとより多くの人間が反撃してくる。
数に押されれば敵わないとリムルは言いたいんだ。」
「なるほど!流石リムル様!」
「そっそう言う事だ。だからこちらからの手出しは禁止だ。逆に仲良くすれば色々と得だしな。」
「だが、人間の中には当然善人だけではない。俺達魔物を悪と決めつける者達、私利私欲で俺達を利用するか邪魔と考え排除しようする者達もいる。こちらから手を出さないからといって人間の方から攻めてきた時はもちろん反撃するんだ。皆の命は大事だからな。」
「フォルテ様!はい分かりました‼︎」
皆にリムルのルールを説明する前にこの事はリムルに俺から話しておいた。
此処は異世界でヴェルドラは弱肉強食が全てと言い、異世界人を兵器として召喚する者がいる事を教えてくれたから。なら当然俺達の様に強くなり知性を持つ魔物を敵視する者達が現れる事を想定するべきだと。
「………そうだなぁ。俺その辺の事考えてなかったよ。」
「俺達は元人間。当然人間を殺すとかに抵抗はある。だがこの異世界に俺達の世界の常識は通用しないからな。」
「ああ。わかった。その事についてはフォルテから皆に言ってくれ。」
「わかった。」
そして今に至る。
「他に何かあるか?」
「はい!」
「ゴブタ君!」
「他種族を見下さないと言うのは?」
「それも俺が説明しよう。お前達は進化して強くなった。だが力を得たからといって弱者を虐げるなと言うことだ。見た目で判断して痛い思いをするのは自分だからな。その点に関してはゴスペルはもう理解している。
そうだろゴスペル。」
「はい。フォルテ様。」
俺とゴスペルの会話で皆は3日前の事だと思い至ると納得した表情をしていた。
「フォルテが今説明した事を含めてなるべく守るようにしてくれ。」
「「「はい‼︎」」」
「それとだ、村長リグルド。君をゴブリン・ロードに任命する。ゴブリンの長だ。」
リグルドは雷に打たれた様な表情となった。
「村を上手く治めるように。」
「期待している。」
「ははぁ‼︎このリグルド!この身命を賭してその任を引き受けさせて頂きます!」
「うむ任せた。」
ぶっちゃけ丸投げなので、リグルドの感動してる姿に少し申し訳ないと思う。けれど、俺もリムルもいずれは人間のいる街などを見に行く予定だ。俺達の指示なしで行動できるように頑張ってもらおう。
俺達はリグルド達に役割を与えた。村の周囲を警戒するチームと食料調達チーム。この二つのチームは問題なかったが、衣服を作るチームと家を作るチーム。衣食住の衣と住の部分が問題だった。
「家とは呼べないな。」
「建て直したのはいいがやはりこれだと耐久性などが心配だな。」
リムルは生前はゼネコン勤務だったらしいが、素人である俺でもわかる。
まぁリグルド達ゴブリンがそういう技術を持ってないから仕方ない。
「お恥ずかしい話です。」
「すみません。」
「まぁリグルドの采配が悪いわけじゃないさ。建築技術を知らなきゃこんなものだろう。」
「面目ない……。」
「だがこうなるとやはり技術者との繋がりが必要だ。」
「あ!今まで何度か取引をした事のある者達が居ます。衣服の調達もですが、器用な者達なので家の作り方も存じておるやも。」
「フォルテ様にお渡ししたあの剣もその者達が作った者です。」
あの剣か。確かにまだ実際に使った訳では無いが、素人目でも良い剣だと思えた。
「なら期待ができそうだ。」
「何処の誰だ。」
「ドワルゴンに住むドワーフ族です。」
ドワーフと聞いて俺とリムルの期待度が更に上がった。ドワーフといえばファンタジーでは鍛治の達人として有名だからだ。
「それなら間違いないだろう。」
「そのドワルゴンとやらに行ってくる。リグルド、留守の間は任せていいか?」
「は!お任せあれ!」
こうして俺達はリグルドに留守を任せ、ドワーフの職人に会う為にドワルゴンに向かうのだった。
ステータス
名前 フォルテ=テンペスト (
種族
加護 暴風の紋章
称号 なし
魔法 なし
ユニークスキル
固有スキル
自己再生、自己増殖、自己進化、
エクストラスキル
魔力感知
スキル
身体装甲、粘糸、鋼糸、超嗅覚、思念伝達、威圧
耐性
痛覚無効、刺突耐性、物理攻撃耐性、熱変動耐性、電流耐性、麻痺耐性
元ボスゴスペル化。狼の魔物なので丁度いいと考えてゴスペルにしました。
リムルには常に嵐牙がいるように、フォルテにはゴスペルをと考えて決めました。