転生したらフォルテだった件   作:雷影

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今回はいつもより短いので早めに投稿できました。
タイトルに書いてある通り、リーガルと倉田以外の悪の科学者が登場。
どんな科学者が現れるのか……皆さん分かりますか?



67話 集う悪の科学者

時は遡り、リムルとフォルテが進化の眠り就ている頃。

 

傀儡国ジスターヴでは、クレイマンが荒れていた。

 

「クソッ‼︎」

 

ワイングラスを床に叩きつけるクレイマン。

 

「たった二人の魔人に殲滅させられたというのか……所詮は脆弱な人間の軍隊か!その上、偵察任務中のピローネとケーニッヒは、あの魔人に殺された。」

 

クレイマンとピローネは思念伝達で繋がっていた。それ故に、フォルテによりチップ化されたピローネ達が殺されたとクレイマンは思い込んでいた。

 

そして他の偵察に出していた者達から得た僅かな情報からリムルとフォルテがファルムスの軍に向かった事までは掴んだ。……何故そこまでかと言うと、フォルテの分身体により全て感知され消されていたからだ。

 

「五万の人間の魂…奴らのどちらかが覚醒に至ったか否かは分からないが、私自身の覚醒は失敗だ。……あの方達のお膳立てを無駄にしてしまうとは……!」

 

フォルテとリムルの予想通り、クレイマンはファルムス王国の兵達をテンペストにぶつけ、その魂を得て覚醒するつもりだった。

 

自分の真なる魔王への進化が失敗した事に荒れるクレイマン。そんなクレイマンの元にフレイが現れた。

 

「…フレイですか。」

 

不機嫌そうにフレイを見るクレイマン。

 

「なんです?くだらない用件なら後にしなさい。」

 

「指示を出しておきながらその態度?貴方の配下には同情するわね。嬉しい報せよ。」

 

そうフレイが言うと、さらにもう一人クレイマンの前に姿を現す。

 

「魔王ミリムが、魔王カリオンを一蹴。獣王国ユーラザニアは消滅したわ。」

 

姿を現したのは、無表情の人形のようなミリムだった。

 

フレイの報告と、ミリムの姿を見たクレイマンが笑みを浮かべる。

 

「そうですか。(そうとも、計画の失敗は痛手ですが、私は力を手に入れた。絶対的な力(ミリム・ナーヴァ)を)」

 

クレイマンは、自分の意のままに動く駒となったミリムの頬を撫でる。

 

「報告は以上よ。これで借りは返したわね。」

 

そう言って立ち去ろうとするフレイ。

 

「待ちなさいフレイ。」

 

だが、それをクレイマンが止める。

 

「その殺気まみれのミリムをここに置いていく気ですか?連れ帰って世話をしなさい。」

 

「…これ以上、協力する義理は無いのだけれど?」

 

「勘違いをしているようですねフレイ。」

 

そう言いながら、新たなグラスにワインを注ぐクレイマン。

 

「ミリムはもはや私の傀儡。貴女は獣王国(ユーラザニア)が消し飛ぶその様を。魔王随一と言われるその美しい目で見たのでしょう?」

 

フレイの脳裏に、ミリムによって消された獣王国(ユーラザニア)の光景が浮かんだ。

 

「…そう。最初からそういう目的だったのね。」

 

フレイはミリムの肩に手を置く。

 

「わかったわ。私もまだ、カリオンのようにはなりたくないもの。」

 

「聡明ですねフレイ。行ってよろしい。」

 

クレイマンは笑顔でそう言う。そんなクレイマンを、フレイは一睨してミリムを連れ帰って行った。

 

そうして、クレイマンはソファーに座ると優雅にワインを口にする。

 

(私は切り札を手に入れた。もはや、他の魔王を恐れる必要はない。そしてミリムの力があれば、数万の魂を刈り取ることなど造作もない。労せずして、私は真なる魔王へと覚醒出来るだろう。)

 

ミリムを傀儡にした事でもはや敵はいないと歓楽し、そのままワインを飲み干しグラスをテーブルに置くクレイマン。

 

「クッククク。これでようやく、魔王レオンを始末できます。

 

クレイマンは不敵な笑みを浮かべならそう言う。

クレイマンも魔王レオンに対して何やら因縁があるようだった。

 

「随分と機嫌がいいじゃないかクレイマン。」

 

そんなクレイマンに声を掛ける者が。

クレイマンは声のする方に目を向けると、半透明のDr.リーガルが立っていた。

 

「貴方でしたかDr.リーガル。…すみません。折角貴方にも協力してもらったというのに。」

 

「気にすることはない。私も良い実験データが取れたからね。それにしても、……あのフォルテが人を手に掛けるとは、少し予想外だったよ。」

 

「中身が違うんでしたね確か。」

 

「ああ。故に人間は殺せない甘い人物かと思ったが、どうやら覚悟はあったようだ。」

 

フォルテの事を甘く考えていたリーガル。そんなリーガルとクレイマンの会話に更に別の者が入ってきた。

 

「まぁいいではないですか。それくらいの覚悟がなければ、私達も楽しめませんからね。」

 

「おや?倉田博士、貴方が我々の話に加わるとは珍しいですね。」

 

話に入ってきたのは倉田明宏だった。

 

「あのフォルテとか言う者は、中々に興味深いですからね。まだ実験体とはいえ、ギズモン達やバイオラピットモンを倒したその力に。」

 

「確かに、実に興味深い存在だ。」

 

突然、倉田の言葉に同意する者が現れる。

その者は、まるで金色のスポーツカーを身に纏った戦士のような姿。

胸にはまるで、タイヤのような機械を装着し、腰に黒いベルトを巻いている。

 

「貴方もフォルテに興味を持ちましたか……蛮野博士。」

 

そう…現れたのは最低最悪の男……蛮野天十郎

 

「その身体…遂に完成しましたか。」

 

「ああ。ようやく本来の私の力を取り戻した。今の私は非常に気分が良いのだよ。」

 

そう言って蛮野は自分の腕を眺めながら話し続ける。

 

「それは何よりですね。」

 

「ならば、貴方の研究も順調に進んでいるようですね。」

 

「当然だとも。私には頼もしい相棒がいるのだから。」

 

そう蛮野が言うと、蛮野の隣に体の全てが金属となっている男が現れた。

 

「そうでしたね。蛮野博士には貴方がついているのでした…ランド博士。」

 

「その通りだよ。Dr.リーガル。」

 

蛮野の研究のパートナーは、フランク・ランド。

 

クレイマンを中心に立体映像であるが、四人の悪の科学者が集結した。

 

「蛮野博士の研究は実に素晴らしいものだよ。私の最強のゾイド復活は順調に進んでいる。」

 

「私もだよランド博士。貴方の世界の機械生命の構造は、私のこの身体の完成に非常に役に立つ物だった。」

 

共に、機械生命体に関する研究をしていた蛮野とランド。

二人は互いの研究に興味を示し、その歪んだ望みに共感し協力しているのだ。

 

自身の周りで協力者達の計画も順調に進んでいることが分かり、クレイマンは笑みを浮かべる。

 

「皆さんの計画も順調のようで何よりですよ。…そういえば、無惨はどうしていますか?」

 

「新たな僕を増やしに行っている。フォルテ側に、自分の元配下がいた事を知って戦力を増やす必要があると言っていたよ。」

 

「相変わらず慎重ですね。」

 

「それでクレイマン。君の覚醒は失敗してしまったが、君の事だから既に次の手を考えているのだろう?」

 

「当然ですよDr.リーガル。この私の覚醒を楽しみにしていてください。」

 

リーガルの問いに笑顔で答えるクレイマン。

 

「そうか。なら楽しみに待っているよ。」

 

「私も期待しています。」

 

「では、私達も研究に戻るとしよう。」

 

「クレイマン。君の覚醒を楽しみにしている。」

 

そう言って、リーガル、倉田、蛮野、ランドは消えた。

 

「……リーガル達の研究も順調に進んでいる。あの方と出会ってから中庸道化連はより力を得ました。カザリーム様の復活も間近。後は私が真なる魔王へと進化するのみ。」

 

クレイマンは自分達の…中庸道化連が力を増し計画が順調に進んでいくこと喜ぶのだった。

 

「魔王レオンは必ず殺す……ですがその前に、目障りな西方聖教会に消えてもらいましょうか。生憎、あそこは謎が多く実態を掴めずにいますが、ひとまず……あの方の任務で潜入しているラプラスの報告を待つとしましょう。」

 

 

そう言って再びグラスにワインを注ぎ口にするクレイマン。

 

 

 

クレイマンとの通信を終えた倉田明宏は、培養液に浮かんでいるデジモンと人間や魔人達の入った無数のカプセルの間を歩みながら自身の最重要研究室に向かっていた。

 

「Dr.リーガル達とクレイマンのお陰で私の研究も第二段階に入れます。……後少しで私は最高の力を取り戻せる。」

 

扉が自動で開き、倉田が研究室に入ると…目の前には巨大な培養カプセルに浮かぶ熊のぬいぐるみのような悪魔がいた。

 

「私の身体に別の心など不用。……私は私なのですよ。」

 

 

同じ頃、蛮野とランドはそれぞれにある物の調整を進めていた。

 

「そちらの調整も順調のようだな蛮野博士。」

 

「ああ。コイツらの能力は優秀だったが、やはり心などがあるから私に従わない不良品だった。……だからこそ、私が直々に調整してやっているのだからな。」

 

蛮野の前に000、001、002、003、009、099と数字が刻まれたプレートを胸につけた人型の機械人形が並んでいた。

 

「いつ見ても素晴らしいな君の発明したその人型は。」

 

「フッ。ランドも中々に素晴らしい物じゃないか。宇宙から来た機械生命の復活と言う偉業を成した存在なのだから。」

 

ランドの前には、巨大な恐竜型のロボット二体と象の姿をしたロボットが無数に並んでいた。……その奥には紫に発光し、金属の棘に包まれた心臓のような鼓動を放つ球体があった。

 

「これもこの世界で得たスキルとやらのおかげだ。私は必ず最強のゾイドを再び復活させるのだ。」

 

「実に楽しみだなそれは。」

 

互いに順調に進む計画に邪悪の笑みを浮かべる蛮野とランド。

 

 

そして、最後の一人であるDr.リーガルは。

 

「皆、それぞれに計画は順調に進んでいる。……全ては私の計画通りだ。」

 

そう言って椅子から立ち上がりある場所に向かうリーガル。

 

リーガルが進む場所には、黒い無数の昆虫型ロボットが待機していた。

その昆虫型ロボットは、フォルテが究極能力(アルティメットスキル)で得たキングオージャーZEROを構成するシュゴッドZEROと酷似していた。

だが、リーガルの昆虫型ロボットはシュゴッドZEROと違い、全身が真っ黒だった。

 

それだけでなく、その部屋には無数の人間達が何かの作業を進めており研究を続けていた。……その人間達は感情がないような無表情で作業を続けているが、なんと皆同じ顔をしているのだ。

 

「……同じ人間などを〝複製〟する力。やはり素晴らしいな。これが力の〝一端〟にすぎないとはな。」

 

そう呟きながら通路の壁に触れるリーガル。

 

すると、壁からセンサーが作動しリーガルの指紋と網膜をスキャンした。

 

〔網膜及び指紋一致を確認しました。〕

 

そして、壁が開いて隠し部屋が出現。リーガルは中へと入っていった。

 

「だが、そのおかげでコンバーターの生贄問題も解決した。これを解析しその力を完全に取り込めば私を止められる者はいない。」

 

そう言ってリーガルが頭を上げると、リーガルの目の前には巨大なカプセルの中に浮かぶ王冠を冠り、マントを羽織ったクマムシのような存在かいた。

 

「召喚魔法を利用した次元転移装置の誤作動で呼び込んだ存在だが、不安定な状態でこの世界に来た影響か、全く動かない存在故に色々と調べてみたが…人智を超えた力を塊だった事には驚いたよ。」

 

リーガルはカプセルに触れながら笑みを浮かべる。

 

「この蟲を完全に解析すれば私は………デューオすら超える力を得られる。」

 

邪悪な笑みを浮かべながら新たな野望を抱くDr.リーガル……そのまま解析作業に入るのだった。

 

 

悪の科学者達がそれぞれに研究を続けるのだった。……己が野望を叶える為に。

 

 

 

そんな悪の者達が暗躍をし続ける中、神聖法皇国ルベリオスで潜入中のラプラスがとんでもない存在の相手をしていた。

 

霊峰の頂上にある奥の院。その院から突如赤い閃光が放たれた。

 

「うおああああああ!」

 

それと同時に黒い仮面を被った魔人…ラプラスが吹き飛ばされた。

階段を転げ落ちるラプラスはなんとか立ち上がるも、自分の前にいる存在に信じられずにいた。

 

「ってぇ…なんやねんあんた⁉︎神聖な筈のこの場所に……なんで吸血鬼族(ヴァンパイヤ)がおんねや!」

 

そう。ラプラスの目の前にいるのは、祭服を見に纏う吸血鬼族(ヴァンパイヤ)だった。

 

「口をきくな!神の座を汚すゴミ虫が‼︎余が自ら裁くのだ!光栄に思いながら死ぬがよい‼︎」

 

 

〝魔物の殲滅〟

 

それが西方諸国に広く流布するルミナス教が掲げる教義のひとつだ。

 

だからこそ、誰が予想出来ただろうか。まさかその聖地である霊峰の奥の院で、吸血鬼族(ヴァンパイヤ)が祭服を纏って現れるなど。

 

「鬱陶しい羽虫が…。」

 

怒りに身を震わす吸血鬼族(ヴァンパイヤ)

 

「唯一神ルミナス様の御前を汚すことは断じて許さん‼︎」

 

吸血鬼族(ヴァンパイヤ)の手から赤い妖気(オーラ)が溢れ出す。

 

「やば!」

 

それを見たラプラスはまずいと逃げ出そうとしたが、時既に遅し。

 

「消し飛べぃ‼︎」

 

吸血鬼族(ヴァンパイヤ)から放たれる赤い光線により、ラプラスは全身をバラバラに切断されてしまった。

 

「こら……あかん。」

 

その言葉を最後に、ラプラスは赤い光線の光に呑まれた。

 

 




悪の科学者の中でもやばい奴らが暗躍中!それぞれに己が研究を続けながらこの世界で野望を実現させようとする。
協力関係を築いているように見えるが……互いを利用し合っているようにも見える。
その中でも、Dr.リーガルには人智を超えたあの力を…偶然に手中に収めていた。まだ解析中で一部しか力が使えないリーガル。
リーガルがその力を得る日がゆっくりとだが、近づいていく。
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