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そして、いよいよ会議が終盤に。
ラミリスの報せを聞いた後、一息入れる為にガゼル王達の湯に浸かったフォルテとリムル。
その後、風呂から上がり迎賓館にて食事をしに向かった。
皆が集まり席に着くと、ハルナ達が料理を運んで来た。
「揃ったな。」
「アンタ達ね!どういう事⁉︎一体これどういう事なのさ⁉︎」
突然俺達に向かって声を上げるラミリス。
「何がどういう事なんだラミリス?」
「この子達が私をすっごくちやほやしてくれてんのよ!どういう事よ!」
「それは勿論、ラミリスと再会できて嬉しいからだろうな。」
「良かったじゃねぇか。」
「「うふふふ。」」
トレイニーさんとトライアさんが今までに見せた中でも、一番の笑顔をラミリスに向けていた。
「良かったよ。最高だったわよ…………!だから、リムル!フォルテ!私もここに住む事にしたってわけ!」
「だから、勝手に決めるなって。」
「いや待てリムル。考えによっては、ラミリスが
「う〜ん。でも、トレイニーさん達はジュラの大森林の管理者もやっているし、住んでる場所も違うからな。ラミリスの相手もしてもらうのはな……。」
「え〜!ケチ!ケチ!ケ〜チ!良いじゃんか!フォルテの言う通り、何かあってもこの最強のラミリス様が手伝ってあげるからさぁ。」
「う〜ん…。」
フォルテとラミリスの話を聞いてもやはり悩むリムル。
そんなリムルに、トレイニーさんとトライアさんが話しかける。
「リムル様。ラミリス様の面倒は我々が見ますので………。」
「是非とも、前向きにお考え下さいませ。」
「「お願い申し上げます。」」
そう言って、トレイニーさんとトライアさんがリムルに頭を下げる。
「リムル…今は考えるだけ考えてもいいんじゃないか。」
フォルテにそう言われ、リムルは軽くため息を吐いた。
「はぁ……分かった。考えておくよ。」
「本当?さっすがリムルにフォルテ!話が分かるわね!」
「さて。皆、遠慮なく食べてくれ。」
「食べながら話そう。」
フォルテとリムルがそう言うと、皆は出された料理を食べ始め、舌鼓を打っていく。
出されている料理は、前世での旅館などに出る料理を見事に再現されている。
味も申し分無く、家族での旅行や学生時代での修学旅行を思い出しそうだった。
「おお………美味い。」
「絶品ですな。」
「「「いただきます。」」」
ガゼル王とエラルド公にも好評。
ヴェルドラ達も美味しそうに食べている。
「会議ばかり続いて大変だろうが、皆もう少し我慢してくれ。」
「ところで紫苑。ウルティマと一緒に捕虜の取り調べを行っていたそうだが、何か情報は得られたのか?」
「フフフフっ。勿論ですともリムル様。」
紫苑は自信満々にそう言って、メモ帳を取り出す。
そんな紫苑の姿を、リムルとフォルテは苦笑いを浮かべて見ていた。
何故なら、エドマリス王達が悍ましい肉塊と化した姿を見たからだ。
ウルティマには、拷も…尋問用に
だが、紫苑によって予想を超える姿と化していたのだ。
フォルテがそう思っている中、紫苑が口を開く。
「まず。エド……………エドノヨル?エド…………。」
「エドマリス王では?」
「はい。そのエドマリス王に接触した商人が居たそうです。その商人が、我が国の絹織物なんかを持ち込み、王の欲を刺激したのだそうです。それで、今後の流通の主流が、ファルムスから我が国に移るのを恐れ、今回の件に繋がったみたいです。」
なるほどな。気になるのは、エドマリス王に接触したその商人だな。
その商人が、今回の一件を引き起こした遠因と言える存在だ。
そして、その商人が誰の差し金なのかが気になる。
クレイマンか……それとも優樹なのか。
「そう商人の正体は分かるか?」
「そこまでは………申し訳ございません。」
やはり、そう簡単に尻尾は掴めないか。
フォルテの問いに答えられず、紫苑は頭を下げる。
「そうか。……西方聖教会の関係者についてはどうだ?」
「は…………はい!黒幕が判明しました!その名は…………えっと…………ニコニコプ………。」
「元凶は、ニコラウス・シュペルタス枢機卿って人物だったよ。」
「です!」
名前を中々言えない紫苑に変わって、ウルティマが代わりに言ってくれた。
それに続いて、ミュウランが口を開く。
「枢機卿はこの国を、”神に対する明確な敵対国として討伐する予定”………。」
「って言っていたそうだよ。」
「なるほど。レイヒム大司教は、神敵討伐の栄誉を以て、中央に対する評価を得ようとしていたのですね。」
ミュウランと紫苑の報告を聞いたフューズがそう言う。
「予定と言う事は、まだ西方聖教会と交渉の余地があるかもしれないな。」
フォルテがそう言うと、フューズ達が箸を置いてから口を開く。
「ならば、俺が揺さぶりをかけてみましょう。」
「我がドワルゴンも、
「そして、我らがサリオンも正式に
「ああ。よろしく頼むよ。」
「お任せ下さい。」
大国であるドワルゴンとサリオンとの正式な国交樹立を知れば、西方聖教会とて動き出すのは難しいだろうな。だが、ヒナタとはもう一度しっかりと話し合う必要がある。
「では、捕虜4名をヨウムが救出したという事にして凱旋だな。」
「そういえば、四人目の奴ってフォルテが戦場で連れ帰ったんだよな?」
「………ああ。覚悟を決めたのに、…その男には情が出てしまった。」
フォルテはあの時の事を思い出す。
リムルの
またリーガル達が何かしらの妨害をする事に備えて。
そんな時だった。リムルの
「あっ…。」
兵士はペンダントに向かった手を伸ばす。
そのペンダントが気になったフォルテは
ペンダントの中には…四葉のクローバーの押し花が入っていた。
フォルテの姿を見た兵士は、血を吐きながら必死に請願する。
「お…お願い…です。殺さないでください……っ。」
命乞い…この場なら誰もがするだろうが、…この男の命乞いは違った。
「家族は殺さないでください。」
自分自身ではなく、自分の家族の為の命乞いだった。
「お…私はこの侵攻がどんなものか知った上で参加しま…したっ!罪は私にあります。子供達は何も知らないのです…!」
必死に家族を…子供達の為に血反吐を吐きながら声を上げるその姿を見たフォルテは、ペンダントを閉じた。
「……無理に喋るな。」
そして、その男の元に向かいペンダントを返すとその頭に手を乗せ記憶を読んだ。
早くに妻を亡くし、幼い子供達の為に必死に頑張って来た姿。
今回の戦に大義など無いことは知っていた。同じファルムスの兵達の腐った連中についても理解していた。それでも、自分の家族を…子供達の為にと覚悟を決めてこの戦に来たこの男の気持ち…心を知った。
………分かっていた。ファルムス兵全てが腐った存在ではない事は。
皆それぞれの思いをいだきながら、覚悟を持ってこの戦に来た者達がいる事を。それでも、俺達も覚悟を決めた。
だが、この男の事を知ってしまった…。
「…お前の家族を思う気持ちは理解した。」
そう呟いたフォルテは彼の首筋に手刀で叩き気絶させた。そして、チップ化して回収したのだ。
「……ファルムスの兵達の中には真っ当な者達もいるのは知っていた。それでも甘さを無くして覚悟を決めた筈だった。だが、その男の家族の為に必死に俺に請願する姿を見て、結局情けをかけてしまった…。」
そう話すフォルテの姿は、皆には自分を責めている様にも見えた。
その様子見ていたリムルが声を上げかけようとしたが、それより先にガゼル王が口を開いた。
「確かにフォルテにしては甘い。戦場では、その甘さが命取りになる事もある。」
「ガゼル王。」
「だが、それも貴様の良さの一つよ。相手を理解し、手を差し伸べる事は簡単にできる事でもない。」
「私もそう思います。」
ガゼル王に続く様にエラルド公も口を開く。
「フォルテ殿は己れにも厳しい様ですが、優しさも合わせ持った方だと言う事は会議で知りました。敵にすら情けをかけて救う事は中々出来る事ではありません。それが、フォルテ殿の器の大きさなのでしょう。」
「ガゼル王…エラルド公……ありがとう。」
「とはいえ、情けをかけ過ぎるのも良くない事も事実。これからは、情に流されぬ様にする事だ。」
「ああ。忠告しかと受け取っておく。」
二人にそう言われ、フォルテは笑みを浮かべるのだった。
その様子を見て、リムル達もホッとした。
その捕らえた兵は、
「後は、エドマリス王とレイヒム大司教……あと1人は誰だっけ?」
「あの酷く怯えていた男ですね。」
ディアブロとウルティマの正体に気付いて怯えてしまったんだよな…。
「リムルとフォルテのスキルから逃れて生き延びた者か。察するに、騎士団長フォルゲンといった所か?」
「ディアブロとウルティマが捕まえたんだったよな。どんな感じの奴だった?野放しにしても大丈夫そうか?」
あっそういえば、リムルにはまだラーゼンについて詳しく話してなかったな。
「何の問題にもならぬ小物でした。」
「まぁ人間にしては、それなりに魔法が使えるくらいだったね。」
二人からして見ればそうだろうが、人間の中ではかなりの実力者だった筈。
「魔法使いなのか。だとしたら、フォルゲンでは無さそうだな。」
「名前は?」
「ラーメンです。」
「「ラーゼンだ(だよ)!」」
俺とウルティマは思わず声を上げた。ラーメンって………料理の名前になってどうする。
「ラーメンか。そういえば、もう何年もラーメンを食べてないんだよな………。」
「リムル。気持ちは分かるが、名前はラーゼンだからなラーゼン!」
そうフォルテが言った瞬間、ガゼル王達は驚いた。
「ラーゼンとはまさか、あの魔人ラーゼンですか⁉︎」
「ファルムス王国を数百年に渡って支え続けた英雄ラーゼンを捕らえていたとは………。」
「
「ファルムスの守護者にして、叡智の魔人と呼ばれていたと聞いていましたが……。」
「魔法を極めし男だと聞いて、一度戦ってみたいと思っていたんだがな。」
「油断出来ない人間だと聞いていたんだが、そいつを捕まえていたなんて……。」
アルビス、スフィア、フォビオの三獣士達も、ラーゼンを高く評価していた。
確かに普通なら捕まえるのも困難だったんだろうが、……ウルティマとディアブロの原初二人が相手だったからな。
すると、リムルが何かを決めた様でヨウムに声を掛ける。
「よし、ヨウム。」
「おっ、おう。」
「エドマリス王、レイヒム大司教、ラーゼン、フォルテが捕らえた兵士の四人を連れて、行動を起こして貰うわけだが…………ディアブロも連れて行け。」
「えっ……!」
「フッ。」
「フフッ。」
「あ、ああ。それは心強いが……………良いのか?その人、わかりやすくショックを受けてるけど?」
リムルの突然の左遷とも呼べる発言に、ディアブロの心核に再びダメージを与えていた。
その様子を見て鼻で笑う様に笑みを浮かべ、ウルティマは残念だったねぇと言わんばかりに、ディアブロに向かって皮肉の笑みを浮かべていた。
まぁ合理的ではある。ラーゼンが万が一、エドマリス王を逃がそうとしても、ディアブロがいれば問題ない。
それを知らず、今もショックを受けているディアブロに、フォルテとリムルが声を掛ける。
「ディアブロ。リムルはお前に任せられると期待しているんだ。」
「ああ。俺達は、クレイマンを相手に戦争を起こす。街の守りはヴェルドラ達に任せるとして、ヨウム達の支援に誰をつけるか悩んでいたが、お前なら適任だ。頼んだぞ。」
「おお…………!承知しました、リムル様。フォルテ様。」
「数年かかるかもしれないが、気長にな。」
「問題ございません。早急に終わらせて戻って参ります。」
「国を一つ滅ぼすんだが、まぁディアブロなら可能だろうな。」
調べて知ったが、かつて原初の
そして、対価として自分を呼び出した国の命を奪い、両国はたった一人の悪魔によって滅ぼされた。
そんな原初の一人であるディアブロが言うと、本当に早々に終わらせて帰ってきそうだ。
「では、そのクレイマンとの戦いについてだが………。そちらのラミリス君の知らせで、俺達が狙われているという事が分かった。」
「はっ。えっへん!」
「「流石はラミリス様です!」」
「ふふん!」
リムルに改めて言われ、皆の前でドヤ顔するラミリス。
そんなラミリスに拍手するトレイニーさん達。……なんかトレイニーさんのイメージがどんどん変わってきた気がする。
十分にドヤ顔したラミリスは、再び漫画を読み始めた。
その後、リムルとフォルテは蒼影とシャドーマンを呼ぶ。
「蒼影いるか?」
「シャドーマンもだ。」
「はっ。」
「此処に。」
蒼影とシャドーマンは蒼華を連れて現れ二人に跪く。
「早速だが、クレイマンの軍勢の動きを報告してくれ。」
「はっ。軍勢は……………。」
蒼影達は目を閉じ、思念伝達で分身体が見ている光景を俺達に送る。
この場にいる者、皆が目を閉じるとその光景が見える。
「およそ三万。現在、魔王ミリムの領地にて編成を行っております。」
「三万か。」
「勝てない数じゃないな。」
「軍を率いているのは、どうやらクレイマン本人ではないようです。」
「だろうな。」
今までのクレイマン行動から、自ら赴く事はないからな。
「軍勢の中で、特に魔素量が多いのはこの者の様だ。」
シャドーマンがその者を拡大して映し出す。
「こいつが指揮官か。」
「確かに、他の者達とは違う様だな。」
そこに映るのは、刀身が氷でできた魔剣を背負った白髪と黒髪が混じった男。
その男について、ミュウランが口を開く。
「中指のヤムザです。」
「中指?」
「はい。クレイマンの配下でも、特に強い者は”五本指”と呼ばれております。中指のヤムザ。示指のアダルマン。母指の
「そうか。…他の者達について教えてくれ。」
「わかりました。」
そうして、ミュウランは他の五本指について話してくれた。
アダルマンが
そして、ピローネの特徴などを聞いていると、ある事を思い出した。
「あっ。そのピローネという者は、俺が捕まえたんだったな。」
「えっ⁉︎」
「いつ捕まえたんだフォルテ?」
「ファルムスへの反撃で皆が出陣した時だ。分身体で周囲を警戒していたら、
そう話しながらチップ化されたピローネとケーニッヒを見せるフォルテだった。
「こいつらをどうするかは、クレイマンとの決着後に決めるとするか。」
「……できればお願いします。」
「ミュウラン。ピローネとは仲が良かったのか?」
「はい。」
ミュウランがそう言うならとフォルテはチップ化されたピローネ達を収納した。
「じゃあ、最後のヤムザについて聞かせてくれ。」
「ヤムザは、氷結の力を秘めた魔剣をクレイマンから与えられ、氷結魔剣士と呼ばれています。」
「氷結魔剣士か……。」
「卑怯で残忍で、悪徳を極めた下衆ですが、実力だけは本物です。クレイマンに自ら忠誠を誓っているという点で、私とは折り合いが悪かったですね。五本指最強の魔人です。」
「そうか。だが、そこまで恐れる必要はないな。」
五本指最強であろうと、こちらにはカーネルや紅丸達がいる。負けることはないだろう。……だが、気になる事がある。
「クレイマンは用心深い。俺達の街に獣王国の戦士団が合流している事は、知っている筈だよな?」
「リムルの言う通りだ。俺達を倒そうとしているには、戦力が少なすぎる。」
「確かに、変です。」
「ああ。そうだな。」
「うむ……………。」
リムルとフォルテの言葉に、アルビス、フォビオも同じく妙だと思い、ガゼル王は考えていると、紅丸が口を開く。
「クレイマンの狙いは、この街とは違うのではないか?」
紅丸の言葉に皆があっと声を上げ納得した。
「なるほど。てっきり
「だとすればクレイマンの狙いは………。」
リムルとフォルテはクレイマンか狙っている地を考え、ミリムの支配領域である忘れられた竜の都から最も近い領土……その場所に気付いた。
「………獣王国。」
「だよな。」
「あっ……………⁉︎」
「ユーラザニアが狙いだって言うのか?しかし、首都は消滅し周囲の街や村に残っているのは、避難民ばかりで…………。」
「一体何の為に…………⁉︎」
フォルテとリムルの言葉に驚き、そう言う三獣士達。
(…クレイマンの狙いは恐らく、真なる魔王への進化。)
フォルテがそう考えていると、
《フォルテの予測通り、クレイマンはユーラザニアの生命を…民を皆殺しにして、その魂を得ようとしている可能が1番高い。》
「……やはりそうか。
「何か分かったのですかフォルテ様!」
俺の様子から何かに気付いたと知り、アルビスが声を上げる。
フォルテはリムルに視線を向けると、リムルは答える様に頷く。
リムルもクレイマンの目的に気付いた様だ。
「ああ。クレイマンの目的は自分の覚醒だ。」
「恐らく…………残った避難民を皆殺しにして、真なる魔王へ覚醒するつもりだろう。」
「なっ⁉︎」
「ぐっ……………⁉︎」
「くっ……………‼︎」
フォルテとリムルの言葉に、アルビス達は顔を顰める。
当然だろう。クレイマンの覚醒の為に、自分達の民の命が狙われているのだから。
「クレイマンは、三獣士とカリオン軍の本隊が、この街に避難している事を知っているのでしょう。」
「獣王国を蹂躙するには、絶好の機会だな。」
クレイマンめ……そこまで計算していたとは。
「クレイマンの軍勢は、2日もあればユーラザニアに到達すると思われます。」
「くそっ!今から戻っても間に合わねぇ……………‼︎」
「くっ………………!」
確かに、今から急いで向かっても3日は掛かる。
「後手に回ってしまったか。」
「くっ…クレイマンめ………!」
このままではユーラザニアの民の命が……。
己が覚醒の為に、カリオンの裏切りをでっち上げ、更に
だが、リムルとフォルテ達に知られた事が運の尽きとなる。
此処から、リムルとフォルテのクレイマンへの反撃が始まる。