転生したらフォルテだった件   作:雷影

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皆を転送する為の準備を開始。
その間に、フォルテは皆の進化状況を確認しながら、更なる戦力を創り出し、密かに行っていたある物の開発などを確認します。


74話 会戦前夜(後編)

クレイマンの軍との会戦に向けて、皆が準備を進めている中、フォルテはカーネルと紅丸が纏めた皆の進化結果の書類を確認していた。

 

「………皆それぞれに合わせた進化をした様だな。」

 

ファルムスの惨劇で亡くなった300人の者達は、蘇った際の祝福(ギフト)の影響で、半数の150人は雷蔵と同じ雷子鬼(ヴァジュラ)族に進化した。

他の人鬼族(ホブゴブリン)達も雷子鬼(ヴァジュラ)族に進化した者達が多くいた。

 

蜥蜴人族(リザードマン)からは、ガビルの噂を聞いて各部族から、新たに100人の戦士達がガビルの部下としてやって来ていた。

その100名は、もう一人のガビルであるランサーに憧れていた影響で、龍戈族(トリシューラ)に進化していた。

 

紅丸達は鬼人から妖鬼(オニ)へと進化した。何故か紫苑と紫蘭だけ悪鬼(オニ)に進化していたが、戦力が向上した事には変わらない。

人鬼族(ホブゴブリン)達の中には、紅丸達に憧れて大鬼族(オーガ)に進化した者達も大勢いた。

 

そして、黒死牟達は血鬼人(けっきじん)から血鬼(オニ)へと進化した。

より優れた再生能力と身体能力が飛躍的に向上し、新たなユニークスキルを獲得した。

 

妓夫太郎は刈取者(カリトルモノ)

対象の精神体(スピリチュアルボディ)を斬り裂くだけでなく、その者が獲得しているエクストラスキルまでなら斬り裂き使用不能にすることが可能。

 

梅は巻取者(マキトルモノ)

梅の帯が、自分が生み出した異空間を行き来出来る様になり、遠距離の敵を縦横無尽に捕らえられる様になった。帯に締め上げられた者は、物質体(マテリアルボディ)だけでなく、星幽体(アストラルボディ)までも縛り上げ動きを封じる事ができる。

 

憎珀天は断罪者(クダスモノ)

悪行を重ねた者や敵意ある者達に対して攻撃した時、その悪行に見合った激痛を全身に与える。悪人を倒す度に力が増幅する。

 

猗窩座は拳闘士(ナグルモノ)

火、水、雷、風の属性を拳に纏わせる事が可能。

更に拳を繰り出す度に威力が上がり、敵を倒す度に力が増幅する。

拳に刺突属性も付与される。

 

そして、黒死牟が得たユニークスキルが超越者(コエルモノ)

己が限界を超えて、潜在能力を飛躍的に引き出す。

戦えば戦うほど、身体能力が向上し続ける。

 

皆それぞれ、自分に合うもしくは願った通りの力を得た様だ。

 

そして、トリルやD(ダーク)ロックマン達は電脳魔人(サイバーノイド)

電脳闇魔人(ダークロイド)から電脳生命体(サイバース)に進化した。

これにより、物質体(マテリアルボディ)精神体(スピリチュアルボディ)電脳体(サイバーボディ)への変化が自在に可能となった。

カーネルはユニークスキルとして、大軍師(ミチビクモノ)を獲得した。

戦場全体を把握し、敵の行動を予測でき、最も効率よく軍に被害のでない対応戦術を導き出し、勝利へと導く事が出来るそうだ。

クレイマン軍との戦闘に役立つだろう。

 

カーネル、トリル、D(ダーク)ロックマンなど一部の者の中には獣化(ビーストアウト)が出来る様になった者もいた。

恐らくフォルテの魔王への進化の祝福(ギフト)が授与された時、グレイガとファルザーの因子も与えられたのだろう。

 

更に、トリルとD(ダーク)ロックマンはフォルテとの繋がりが他の者達より強かった故に、更なる力を得ていた。

その力とは……まぁ今はいいだろう。

 

そして、シンシヤは他の皆よりも更に上の進化を遂げていた。

電脳妖魔(サイバースライム)から、龍粘性精神体(ドラゴスライム)へと進化したのだ。

アゲンストをその身に宿していたシンシヤは、アゲンストが自分の中からいなくなっていても、その繋がりが消えた訳ではなかった。

フォルテの魔王への進化によって授与された祝福(ギフト)を得た事で、シンシヤの中に残っていたアゲンストの魔素と竜の因子の残滓が完全に取り込まれ、シンシヤを進化させたのだ。

シンシヤの薄桃色の髪が長髪となり、腰から赤い竜の翼が生えている姿へと変化した。両腕と両脚には、アゲンストの頭部が意匠された、マグマを身に纏うとあるライダーの様な装甲が装着されている。

進化前の姿と自在に変えられるそうだ。

 

スキルも勿論進化している。

流石にリムルの様に大賢者は進化しなかったが、代わりにシンシヤの暴食者(グラトニー)究極能力(アルティメットスキル)捕食之王(プレデター)へと進化した。

 

捕食之王(プレデター)はリムルの暴食之王(ベルゼビュート)と殆ど変わらない能力だが、シンシヤが暴食者(グラトニー)を完全解放してブラックホールを生み出していたのが、小型ではあるが自在に発生させる事が可能なものへとなっていた。

虚渦(ブラックホール)を自在に扱うとは……まるで、あの星狩りや黒い錬金術師の様だ。

 

皆の進化結果を確認し終えたフォルテ。

書類を机に置いた丁度その時だった。リムルから思念伝達が来た。

 

『フォルテ!』

 

『リムルか。どうした?』

 

『ユーラザニアの人達を救う方法を思いついたんだ。』

 

リムルの話だと、クレイマンの軍勢が攻め込む前に、ユーラザニアの人々を魔国連邦(テンペスト)に転移させるそうだ。

 

『成る程。確かにそれなら確実だな。』

 

『だから、受け入れ準備が出来たら、俺はフォビオを連れてユーラザニアの人達を迎えに行く。』

 

『わかった。その間、俺はこちらの軍の準備を進める。後、ユーラザニアの人々を全員連れて来れたら、フォビオと話がしたい。』

 

『わかった。』

 

こうしてリムルはユーラザニアの人々を転送魔法で魔国連邦(テンペスト)に連れて来る為の行動を開始した。

 

フォルテも戦いに備え新たな仲間を作り出す。

 

電脳創造(サイバークリエイト)!」

 

フォルテの前で、新たな電脳生命体(サイバース)が誕生する。

頭部と両肩に電球のような発光体を持つ無機質な仮面を被ったような青紫のナビと、両腕が巨大な槍状の電極となっている橙色のナビ。そして、鋭い刃の爪を持つ、狼男の様な獣型ナビ。

 

そう…フラッシュマン、スパークマン、ビーストマンの三人だ。

 

「俺達を生み出してくださり感謝しますフォルテ様。」

 

「俺達はフォルテ様の為に力を振るうぜ。」

 

「俺のこの爪で敵を切り裂いてみせる。」

 

フラッシュマン、スパークマン、ビーストマンはそう言ってフォルテの前で跪く。

 

三人は、自分達を創り出したフォルテの強大な力と器の広さを瞬時に理解し、フォルテに忠誠を誓ったのだ。

 

「お前達の活躍を期待している。作戦の詳しい内容は、カーネルに聞いてくれ。」

 

「「「はっ!」」」

 

三人はすぐ空間転移でカーネルの元へと向かった。

因みにあの三人も獣化(ビーストアウト)が可能。スパークマンはアニメと同じファルザーの姿で、フラッシュマンとビーストマンはグレイガの姿になる。

 

 

スパークマン達が転移したその直後、ウルティマが配下の上位魔将(アークデーモン)の一人を連れて来た。

 

「フォルテ様。言われた通り連れて来たよ。」

 

ウルティマが笑顔でそうフォルテに話しかける。

 

「ありがとうウルティマ。それで、この上位魔将(アークデーモン)がお前の新たな側近候補なんだな。」

 

「うん。そうだよ。」

 

実は、フォルテがウルティマを召喚した際、一緒に仕えていた二人の側近の悪魔には、ヴェイロンとゾンダと言う名を後で与えていたのだ。その結果、二人は上位魔将(アークデーモン)からディアブロと同じ悪魔公(デーモンロード)に進化した。

まぁ種族が同じでも、原初の悪魔であるディアブロには遠く及ばないのだが。

 

そして、今日はこの側近候補の悪魔に名付けとある物を与える事にしたのだ。

 

階級は側近の二人と同じ先史種。

 

「結構役に立つから、そろそろ僕の側近の一人にしようかなって思っていたから一緒に連れて来たんだ。」

 

「私をお呼びとは、フォルテ様何用でしょうか?」

 

配下の悪魔は跪きながらフォルテに問う。

 

「お前を呼んだのは、これを与える為だ。」

 

そう言ってフォルテは手を横に翳すと、フォルテの魔素が放たれ一体のナビが創り出された。

 

姿を現したのは、青紫色の吸血鬼の様なナビだった。

 

そのナビを見た配下の悪魔は目を見開いた。

 

「フォルテ様、これは⁉︎」

 

「お前の新たな依代だ。」

 

「私の?」

 

「そうだ。このナビとお前が酷似していたから、お前の依代に丁度いいと思ったからな。このナビの名も、お前の名として俺から与える。」

 

「良かったね。フォルテ様からの名付けだけでなく、お手製の依代を貰えるんだから。僕としても、君がこの依代を得てどうなるのか楽しみだよ。」

 

ウルティマも、自分の配下がこのナビの姿と力を得る事に興味があるようだ。

 

「……フォルテ様、感謝いたします!この依代で、必ずフォルテ様のお役に立ってみせます。」

 

配下の悪魔はフォルテに感謝する。

 

「期待しているぞ。そして、今日からお前の名は…………シェードマンだ。」

 

フォルテが配下の悪魔にナビの名であるシェードマンを与えた瞬間

フォルテの魔素が注がれ、悪魔とシェードマンの身体を魔素の繭で包み込んだ。

 

そして、魔素の繭が弾けて中から現れたのは、青紫だったシェードマンの身体が紫となった姿だった。

 

その姿は、ゲーム版に登場するシェードマンの最終強化形態であるシェードマンSPそのものだった。

 

俺の魔素とウルティマ…原初の紫の眷属だった事などが影響してこの形態まで進化したのかもしれない。

 

解析した結果、種族も悪魔公(デーモンロード)ではなくウルティマの様な上位進化体で電脳悪魔公(サイバーデーモンロード)に進化していた。

 

「わあ!やっぱりフォルテ様の用意した依代だと面白いことが起きるね!」

 

ウルティマも配下のシェードマンの進化に驚きながらも面白がって見ている。

そして、シェードマンも新たな依代と力に歓喜していた。

 

「なんという素晴らしい力!フォルテ様!このシェードマン、先ほど申した通り、この依代で必ずお役に立ってみせましょう。」

 

シェードマンはフォルテに跪くのだった。

 

「では早速だが、カーネル達の元に向かい、軍の編成を手伝ってくれ。」

 

「かしこまりました。」

 

そう言って、シェードマンも空間転移でカーネルの元へと転移した。

そして、ウルティマが可愛らしくフォルテの側に近寄る。

 

「本当にフォルテ様は凄いよ!次々と新しい仲間を簡単に創り出したり、僕だけじゃなく、配下にもあんな依代を用意してくれるんだからね。」

 

そう言って、笑顔でフォルテに抱きつくウルティマだった。

 

「ウルティマ……すまないが離れてくれるか。」

 

「あっごめんねフォルテ様。恥ずかしかったかな?」

 

ウルティマは、まるで悪戯が成功したかの様な笑みを浮かべた。

 

「まだ終わっていない。最後にウルティマと同じ力を持つ者を作り出す。」

 

「僕と同じ力?」

 

「そうだ。同じ…七大魔王の力を持つ者だ。」

 

フォルテが両腕を前に翳す。すると、フォルテの手から魔素が放出され五人の妖鬼(オニ)と一人の悪鬼(オニ)の姿となっていく。

 

そう。紅丸、朱菜、蒼影、白老、黒兵衛、紫苑達六人の姿だ。

 

紅丸達の進化した妖鬼(オニ)と紫苑が進化した悪鬼(オニ)の詳しい情報を知るために、紅丸達の許可を得てから皆を解析したのだ。

 

それが、今のフォルテの目の前にいる彼ら…情報(データ)の存在だ。

フォルテが手を動かすと、朱菜、蒼影、白老、黒兵衛、紫苑の情報(データ)が、紅丸を中心に重なり一つとなっていく。

 

やがて全ての情報が一つになると、其処には角が紅く染まり、黒髪となった紅丸の姿があった。

 

「これは?」

 

「紅丸達の妖鬼(オニ)と、紫苑の悪鬼(オニ)の全てが一つとなった存在だ。以前、夢幻鏡魔境(ループルーペ)接続(アクセス)した際に得た情報から確認した。その際は何故か紫苑の情報だけなかったから、俺の手で皆の力を一つにして作り出した。そして……!」

 

フォルテは更に何かを創り出す為に、黒髪の紅丸の隣に魔法陣を展開する。

 

その魔法陣には、リリスモンの冠と似た紋様が描かれていた。

そして、魔法陣から0と1の情報(データ)が放出され人型へと形成されていく。

 

そうして姿を現したのは、顔の上半分を仮面で隠し、額に第三の目を持つ男。

黒いライダースーツの上からボマージャケットを羽織り、背中と左脚に二丁拳銃として散弾銃(ショットガン)を装備している。

 

それは、七大魔王の中でも特に知られているであろう魔王であり、リムルの暴食之王(ベルゼビュート)と同じ暴食を司る魔王。

 

そう………ベルゼブモンだ。

 

「さぁ……紅丸達の力と、ベルゼブモンの力を得て現れよ………哭陽(コクヨウ)‼︎」

 

フォルテが名付けをした瞬間、フォルテの魔素が紅丸……いや哭陽(コクヨウ)に注がれ、ベルゼブモンと共に魔素の繭に包まれる。

 

やがて繭が弾けると、ベルゼブモンの黒いライダースーツとボマージャケットを身に着け、額にベルゼブモンと同じ第三の赤い眼が開眼した哭陽(コクヨウ)が姿を現した。

 

「………この世にこれほどの力を与えて生み出してくれた事、感謝する。偉大なる創造主(マスター)よ。」

 

そう言ってフォルテに跪く哭陽(コクヨウ)

解析した結果、種族が暴食妖鬼(ベルゼオウガ)へと進化していた。

更に、究極能力(アルティメットスキル)として、暴食之冠(ベルゼブモン)吸喰之王(ドレイン)を獲得していた。

 

暴食之冠(ベルゼブモン)はその名の通りベルゼブモンの力を使える。

そして、ベルゼブモンの砲撃形態(ブラストモード)になる事も可能だ。

 

吸喰之王(ドレイン)は、敵の攻撃や倒した敵を魔粒子に変換してそのまま取り込むことが出来る。

例えるなら、デジモンテイマーズでの吸収(ロード)と同じ能力。

 

新たな仲間、哭陽(コクヨウ)にウルティマは興味深く見ていた。

 

「…本当に、僕の依代と同等の存在の力を感じる。これだけ強い妖鬼(オニ)ならフォルテ様の配下に相応しいね。」

 

「無論だ。俺を創り出した創造主(マスター)……フォルテ様の為にこの力を存分に発揮してみせる。」

 

「頼りにしているぞ哭陽(コクヨウ)。ウルティマ、哭陽(コクヨウ)を紅丸達の元に連れていき、皆に紹介してくれ。俺はまだ、軍の準備があるからな。」

 

「はーい。」

 

ウルティマはフォルテの指示通り、哭陽(コクヨウ)を紅丸達の元へと連れて行った。

ウルティマ達が行くのを見届けたフォルテは、転移して向かったのは…プロトエリア。

 

赤い肉塊の様なスライムのエリアに降り立ったフォルテ。

すると、フォルテの前の赤いスライムがうねりだしながら迫り上がると人の形を成していく。

 

やがて姿を現したのは、緑色の長髪を後ろで一本に纏めた、緑の瞳の少年だった。

 

その姿は……ダンボール戦機Wに登場したミゼルだった。

 

「……その姿には慣れたかプロト?」

 

「うん!勿論だよフォルテ。」

 

そう。…ミゼルの姿をしているのはプロトだった。実は、会議が始まる前にプロトに超越神デューオから貰った情報(データ)から、プロトに合いそうな人型に関する情報(データ)をいくつか送信していた。

 

その中で、プロトが選んだのがミゼルの姿だった。

 

「ミゼル人間体に慣れたなら、もう一つの姿にもなれるか?」

 

「もちろん。」

 

そう答えたプロトは、ミゼル人間体から変化していくと、目が赤くなり全身が黒く染まった。そして、髪が紫に発光する宇宙人の様な姿へと変わった!

 

………成る程。装甲娘版のミゼルになったのか。

 

本来のミゼルが変異した姿はライトグリーンに発光した姿なのだが、平行世界の装甲娘では悪意の集合体である

ブラックミゼルとして登場している。

プロトには悪之知能(アークゼロ)のスキルがあるので、その影響かもしれない。

 

「僕の為に、この姿の情報(データ)をくれたフォルテに感謝しかないよ。」

 

そう言って笑顔を見せるプロト。……こんな形でミゼルの笑顔を見れると思わなかった。

 

「それは良かった。ところで、電脳電子世界(スペクトルワールド)の把握は完了したと報せが合ったが…。」

 

「うん、出来たよ!」

 

そう答えて、プロトが宙にモニター画面を出現させる。

そこに映し出されたのは、地上部分がフォルテシティで地下最下層がプロトエリアとなり、その間が無数の階層エリアとなった図だった。

 

「フォルテの進化に合わせて、この電脳電子世界(スペクトルワールド)は地下へと様々な世界が作れる形になったみたい。」

 

「なるほど。さながらインターネットのウェブの様な世界になった訳だな。」

 

「フォルテの力で創られた世界だから、エリアが無数にあるうえにそのエリア一つ一つさえも、現実世界と変わらない同内量の宇宙をも創り出せるよ。」

 

「……まさかここまで凄い世界になっていたとは。」

 

超越神デューオ…そしてトリル、D(ダーク)ロックマン、

D(ダーク)ブルース、ゴスペル。その四人分の究極プログラムをも取り込んで進化した俺の力の影響は、俺の想像以上だった。

 

「それでね。フォルテシティの真下のエリアには、デジモンの世界……"デジタルワールド"が創世されてたよ。」

 

モニターが切り替わると、其処には無数のデジタルモンスター電子獣(デジモン)達が様々な場所を作り暮らしていた。

 

「ほぉ。デジタルワールドが既に創り出されていたか。」

 

「フォルテが超越神デューオから授かった情報(データ)と、フォルテ自身の記憶から反映されたみたい。」

 

「だが…それにしても、この世界の創世の速度は異常だ。創世に必要な魔素(エネルギー)は何処から……あっ、ヴェルドラ達からか。」

 

「その通りだよ。フォルテがヴェルドラ達に妖気(オーラ)を解放させたあのエリアから、このデジタルワールドが創世されたんだ。」

 

ヴェルドラ、アゲンスト、ヴェルキオンそして、グレイガとファルザーを解放したあの無人エリアなら納得だ。

 

桁違いの魔素量を誇り、自然エネルギーそのものであるヴェルドラ達とグレイガとファルザー……その五体が解放された時に放出された膨大な魔素。

それが満ちたあのエリアからならデジタルワールドがこうも早く創世されたのも当然だな。

 

「現状を観測した限りだと、電子獣(デジモン)達にも意思があり、フォルテの事もこの世界の創造主だと理解していたよ。」

 

「本当か?」

 

「うん。電子之神(イグドラシル)にデジタルワールドのあらゆる情報が送信されているからね。」

 

「なら、俺も後ほど自身の電子之神(イグドラシル)から、デジタルワールドの情報(データ)を解析するとするか。」

 

それにしても、ミゼルの姿を得た影響かプロトが落ち着きのある青年……本家ミゼルに近い性格になった様な気がする。

 

「ありがとう、プロト。俺はこれからクレイマン軍と戦う戦力と魔王達の宴(ワルプルギス)の準備に向かう。」

 

「分かったよ。僕はこのままデジタルワールドの観測を続けるね。」

 

「ああ、頼んだぞ。」

 

そう言って、フォルテは自身が最初に創世した世界であるフォルテシティへと転移した。

 

 

 

………フォルテシティに転移したフォルテが最初に向かったのは、電脳魔獣(ウィルス)飼育施設だった。

 

「ゼロ、ゼロワン。準備を頼んだぞ。」

 

「分かった。」

 

「俺達に任せてくれ。」

 

フォルテはゼロとゼロワンに電脳魔獣(ウィルス)部隊の編成を任せた。

 

因みに、ゼロとゼロワンは祝福(ギフト)により電脳魔獣人(ウィルスノイド)から電脳魔獣王(ウィルスロード)へと進化していた。

更に、飼育している電脳魔獣(ウィルス)達も、フォルテの進化の祝福(ギフト)を得てウィルスEXへと進化し、殆どが黒い身体となっていた。

 

二人に部隊の編成を任せた後、フォルテが次に向かった先は、Ωの形をした巨大な研究所と思しき施設だ。

 

研究所内には、多くの電脳人(ネットナビ)達がフォルテの指示である物を研究開発していた。

 

そして、ここを任せている者……巨大な電子頭脳を持つナビであるナンバーマンに会いに来たのだ。

 

本家では演算能力が凄まじいが戦闘能力は高くないナビであるが、そのスーパーコンピュータ並の演算能力が高い電子頭脳をもっと活かせば活躍出来ると考えていたフォルテが、リムルがイングラシアに行っている間に創り出しこの研究施設を任せていたのだ。

 

「これはフォルテ様!」

 

フォルテが来た事に気付いたナンバーマンはすぐさまフォルテの元に駆け寄る。

 

「ナンバーマン。頼んでいた試作機が完成したと聞いたがどうだ?」

 

「はい!その通りでございます。こちらにどうぞ。」

 

ナンバーマンはフォルテを案内する。

 

「この施設の設備は上手く使えている様だな。」

 

「はい。フォルテ様が魔王に進化した後、私達の為にこの施設を新たなに創設していただいたお陰で開発速度が一気に向上しました。」

 

そう。最初はここまで大きな施設ではなかった。超越神デューオから得た情報(データ)の中にはこの様な巨大な施設に関する様々な情報(データ)もあり、それを分身体を使ってナンバーマンがいた研究所をこの施設へと創造し直した。

 

この施設は、プロトの人間体を開発したある管理機構組織の施設……そう"オメガダイン"だ。

 

ナンバーマンに案内された部屋に入ると、その部屋の中央の机の上に掌に収まるサイズの魔人形(ゴーレム)が三体置かれていた。

だが、その魔人形(ゴーレム)には武装か何もない骨組みの様な姿だった。

 

「…確かに完成しているな。中核骨骼(コアスケルトン)が。」

 

「はい!」

 

そうこれは中核骨骼(コアスケルトン)。現実世界でベスターと共に開発している賞牌人形(メダロット)内骨格(ティンペット)に酷似した素体である。

 

大きな違いはそのサイズ差。賞牌人形(メダロット)は人間の子供位の大きさだか、それに対して中核骨骼(コアスケルトン)は掌に収まるくらいの大きさ…まさに人形サイズ。

 

そして、この中核骨骼(コアスケルトン)に様々な装甲を装着させた物が、フォルテの前世でゲーム、アニメで知られるダンボール戦機のLBXだ。

 

アニメ、ゲームではホビーと活躍していたLBX。だがその高過ぎる性能から、様々な組織に兵器や防衛として利用され続けていた。

主人公側も対抗する為により高性能の機体を次々と開発していた。

 

それを知っているが故に、フォルテはこの世界でLBXの開発を決めたのだ。

性能だけでなく、その小ささがまた良かった。アニメでも、人が入れない様な小さなダクトから侵入したり、物陰に隠れて盗み聞きなどで、敵の情報を得る事も可能。

 

本当ならベスターにも協力してもらいたかったが、既に賞牌人形(メダロット)の開発を任せていたし、他の研究もしているので流石に無理だと諦めた。

 

それに、賞牌人形(メダロット)と違いその小さ過ぎる構造を再現するのはベスターの技術でも難しかっただろう。

 

そんなLBXの中核骨骼(コアスケルトン)を、ナンバーマン達はなんとか作り上げたのだ。

 

机に並ぶ3体の中核骨骼(コアスケルトン)

その一体一体がフォルテが頼んでおいた試作機なのだ。

一般型と主人公である山野バンが使用したAXー00に、その改良型AXー02だ。

 

「………見事な出来だ。試作機とはいえ、良くここまで仕上げたな。」

 

「ありがとうございます!」

 

「この調子でこれからも頼むぞナンバーマン。」

 

「はい!」

 

「お礼に、この成果に相応しい報酬を与えよう。」

 

そう言って、ナンバーマンに向かって手を翳すフォルテ。そのままフォルテはナンバーマンの頭を手で触れると、その手からある情報(データ)を送信する。

 

「おおおお!これは‼︎」

 

送られた情報(データ)を得たナンバーマンが声を上げる。

 

ナンバーマンに送っているのは、超知能(ゼア)知恵之梟(ミネルヴァ)の知能に関する一部だ。この情報(データ)学習(ラーニング)させる事で、ナンバーマンの電子頭脳をアップグレードし、超電子頭脳へと進化する筈。

 

やがて情報(データ)が送信し終えると、学習(ラーニング)も完了した。

 

《確認しました。個体名ナンバーマンは、究極能力(アルティメットスキル)

頭脳之王(ブレイン)を獲得しました。》

 

世界の言葉が聞こえた。

 

「なんと…素晴らしい!今までとは比べ物にならない知識が頭に浮かび上がります‼︎それに、今までよりも早い演算処理が可能になっています!」

 

頭脳之王(ブレイン)を得た事で、ナンバーマンの電子頭脳はより高性能の電子頭脳へと進化した様だ。

 

「フォルテ様!感謝します!」

 

「その新しい頭脳を活かして、次の開発も頼んだぞ。」

 

「もちろんですとも!次はこの中核骨骼(コアスケルトン)の量産化と、外装(アーマー)の開発に取り掛かります。」

 

「期待しているぞ。その開発が進めば、次はこれを開発してもらう予定だ。」

 

そう言って、フォルテがモニター画面を切り替えると、ある設計図が表示される。

 

その設計図に描かせていたのは、西洋風の龍の姿をしたロボットで、堅牢な装甲に覆われた身体に、翼と尾に赤熱した巨大な刃があり、両腕部には大砲かと思う様な魔導銃(エネルギー銃)が装備されている。

 

「おお!フォルテ様これがあの……。」

 

「ああ。殺戮人形(キラードロイド)飛竜(ワイバーン)だ。」

 

対LBX用の戦闘兵器。その強さはアニメ、ゲームで存分に発揮された。

今後の事を考え、LBXだけでなくこの殺戮人形(キラードロイド)も開発する事にしたのだ。

 

「コイツは対LBX用の兵器故に50cmクラスの大きさだが、その戦闘能力の高さは凄まじい。故に、大型化して対魔人形(ゴーレム)もしくはリーガル達用兵器として運用を考えている。」

 

「なるほど。大型化はどの程度考えているのですか?」

 

「大体20mクラスにする予定だ。その為に設計を見直した図面も用意している。」

 

フォルテはそう言って、大型用の設計図を見せる。

 

「おお!確かにこれなら可能かもしれません。分かりました。このナンバーマン!フォルテ様の為に必ずや、この殺戮人形(キラードロイド)の大型化を成功させてみせます!」

 

「頼んだぞ。まずは通常サイズを完成させてからの方がいいだろう。中核骨骼(コアスケルトン)の量産に外装(アーマー)の開発もあるからな。」

 

「了解しました!」

 

こうして、ナンバーマンに更なる開発を任せオメガダインを後にしたフォルテ。

 

「…ナンバーマン達は上手く開発を進めてくれている。俺もこの機体を完成させないとな。」

 

そう言って掌からある機体…LBXを創造する。

フォルテの掌の上に現れたのは、両肩にミサイルランチャーを装備し、胸部に魔導砲(エネルギーキャノン)を搭載。爆撃機を装甲にしている様なその機体は、究極のLBXと呼ばれる機体オーレギオンだった。

 

何故フォルテがオーレギオンを創り出せたのかそれは、プロトがミゼルの姿を選んだ際、ミゼルオーレギオンの存在を知りフォルテに聞いたことがあり、フォルテはミゼルオーレギオンについて話す為に、元となった機体であるオーレギオンについての情報(データ)を解析した。

その解析により、オーレギオンを全てを得たフォルテは、新たな究極能力(アルティメットスキル)として究極軍王(オーレギオン)を獲得した。

 

これによりオーレギオンを創造出来る様になったのだ。

 

「……創れはするが、やはり機体自体がオーレギオンの力に耐えられないか。」

 

キングオージャーZEROはその巨大故に物質体(マテリアルボディ)が耐えれないのだが、オーレギオンは逆に小さ過ぎて本来の力に創り出した物質体(マテリアルボディ)中核骨骼(コアスケルトン)が耐えられないのだ。

 

オーレギオンは究極の試作機(プロトタイプ)AXー000から作り出された究極のLBX。その性能はまさに桁違い!掌サイズのオーレギオンが単体でとある国の艦隊を壊滅させ、空爆を受けても傷一つ付かない信じられない防御力を見せた。

 

そんなオーレギオンだからこそ、並の物質体(マテリアルボディ)では力に耐えられないのだ。

 

「俺の力でAXー000までは再現できるが、創り出した物質体(マテリアルボディ)が耐えられないのでは意味がない。魔鋼や魔銀(ミスリル)で作ったこの機体も通常攻撃までなら耐えられるだろうが、必殺技を一度使えば反動で消滅するだろう。」

 

だからこそ、より強度のある金属で完成させなければ量産は無理だろう。

その金属については目星はついた。そう…デジタルワールドなら。

 

究極軍王(オーレギオン)の能力はオーレギオンを創り出せるだけではない。

装甲娘でのブラックミゼルの様に、オーレギオンの武装(アーマー)を再現し、自身に装備する事が出来る。

オーレギオンの能力を得たフォルテはまさに、破壊神と呼べる存在になるだろう。

装甲娘に関する情報(データ)もあるので、皆にLBXに関する情報(データ)を与えたら、フォルテの究極軍王(オーレギオン)の様なスキルを獲得させられるだろう。

 

そう考えながら、フォルテが次に向かったのは現実世界のベスターの研究所。

ベスターの研究により賞牌人形(メダロット)の量産化には成功し、現在は百体ほど製造されていた。

 

今回はその百体の試運転をかねてクレイマン軍との戦い参加させる。

ベスターにも許可を取り、内骨格(ティンペット)に装甲を装着していく。

メタビーは射撃型は今回は使わず、ロクショウなどの接近戦型の者達を選んだ。

リーガル達に監視しているかもしれない為、手の内を少しでも隠す事にしたのだ。

選んだ賞牌人形(メダロット)は、ロクショウ、シンザン、スミロドナッド、ブラックメイル、ゼーゲホルンの五機だ。

それぞれ20機ずつ用意し、試作の擬似メダルを装着しいつでも起動出来る様にし、準備が完了した。

 

その後、再び電脳電子世界(スペクトルワールド)に転移したフォルテ。

デジタルワールドの下にある階層…つまり何も反映されていない無のエリアに降り立った。

そして、そのエリアに自分のイメージを送り、仮初の世界を作り上げた。街や自然はあるが、人がいない無人の世界。そんな世界にフォルテは一体の賞牌人形(メダロット)を設置。

だが、その賞牌人形(メダロット)は普通ではなかった。

人型ではない黒い恐竜型で、黒と赤の厚い装甲のその姿はあの破滅の魔獣に酷似していた。

 

その賞牌人形(メダロット)に、フォルテはあるメダルを嵌め込もうとする。

先ほどまでの擬似メダルとは違う、破滅の魔獣が描かれたメダルを。

 

「………この世界で存分に暴れろ。」

 

そう言ってメダルを嵌め込み即座に転移

メダルが嵌め込まれた賞牌人形(メダロット)の目が赤く光った!

 

グオアアアアアア‼︎

 

起動と同時に凄まじい咆哮を轟かし、この仮初の世界の街は破壊し始めるのだった。

 

 

 

 

現実世界に戻ったフォルテ。

 

「…あのまま思う存分、あの仮初の世界を破壊させてやれば落ち着くだろう。」

 

そうフォルテが呟くと、朝日が昇り日の光が街を照らし始めた。

 

「もう夜が明けたか。」

 

『フォルテ。』

 

フォルテが朝日を見ていると、リムルからの念話がきた。

 

『リムルか。ユーラザニアの民の移動は完了したのか?』

 

『ああ。俺はこれから次の準備を始めるから、そっちにフォビオを向かわせるな。』

 

『分かった。』

 

リムルとの念話を終えたフォルテは、こちらに向かっているであろうフォビオを迎えに行った。

 

「……フォビオ大丈夫か?」

 

「ハァ……ハァ……ハァ……なんとか。」

 

迎えに行ってみると、其処には疲れ切っているフォビオの姿があった。

まぁ一晩中、リムルと共に民の避難をしていたのだから仕方ない。

 

フォビオに回復薬を与えてから、水も渡した。

 

「ゴクゴク……ぷっはぁ!」

 

フォビオは受け取った水を一気に飲み干した。

 

「ありがとうございますフォルテ様。」

 

「気にするな。」

 

「それで、リムル様から聞いたのですが、俺に話とはなんでしょうか?」

 

フォビオがそう聞くと、フォルテは真剣な眼差しでフォビオを見る。

 

「フォビオ……力は欲しいか。」

 

「力…ですか。」

 

「クレイマンの軍との戦い。恐らくだが、お前を唆し、紅丸達の里を襲った奴も同行している可能が高い。」

 

その言葉を聞いたフォビオは鋭い眼差しへと変わった。

 

「ええ。もし機会があるならあの時の借りを返してやるつもりです!」

 

「だが、その仮面の魔人フットマンとティアはもしかしたらお前より強い可能性がある。」

 

「………確かに。クレイマンの奴の仲間なら実力を隠していてもおかしくないですね。」

 

「トライアさんから聞いた話だが、お前が暴風大妖渦(カリュブディス)の封印を解いたあの場所には、大量の下位龍(レッサードラゴン)の死体があったそうだ。」

 

「っ⁉︎それは…。」

 

「その仮面の魔人達が用意したのだろうな。フォビオに断られていたら、代わりの依代にするつもりだったのだろうな。」

 

「……下手したら俺が返り討ちに合うかもしれない訳だ。」

 

フォビオは強く拳を握りながらそう言うのだった。

 

「だからこそ、俺がお前に力を与えてやろうと考えた。」

 

「…フォルテ様。」

 

フォルテはフォビオに見える様にして掌を向けると、掌の中には蒼く輝く宝珠があった。

 

「その宝珠は?」

 

「複製した暴風大妖渦(カリュブディス)の魔核だ。」

 

フォルテの言葉に、フォビオは目を見開く。

 

「フォビオ。会議の時、俺やリムルの事を話す中で、シンシヤの事も話したな。」

 

「はい。」

 

「シンシヤは向こうの世界で捕食した者達の中に、暴風大妖渦(カリュブディス)の強化進化体逆戟亜妖渦(オルキヌス・オルタ)がいたんだが、その進化前の依代はお前が暴風大妖渦(カリュブディス)を掌握した存在だったんだ。」

 

「なっ⁉︎俺が暴風大妖渦(カリュブディス)を!」

 

「そう言う可能性もあったんだ。そして、俺はその可能性の情報を解析し、この複製魔核を作り上げた。この魔核には暴風大妖渦(カリュブディス)の力だけを宿している。つまり純粋な力の塊だ。」

 

「じゃあ……!」

 

「肉体を奪われる事なく、暴風大妖渦(カリュブディス)の力を得られる。」

 

その言葉を聞いたフォビオは、思わず息を呑んだ。

 

「どうする?無理にとは言わない。フォビオが断るならそれでも構わない。」

 

フットマン達に唆され、暴風大妖渦(カリュブディス)に呑み込まれたフォビオ。断ってもおかしくないとフォルテは思っていた。

 

「……フッ。断る理由はありません。フットマンの野朗の言葉に乗って暴風大妖渦(カリュブディス)に呑まれたのは、全部俺の弱さが原因です。そんな俺を許して下さったフォルテ様が、俺の為に力を与えてくださろうしているんだ。寧ろ感謝しかありませんよ。喜んでその力を受け取らせてもらいます!」

 

フォビオは迷いの無い強い眼差しでそう言った。

 

「そうか。分かった。」

 

フォルテは、複製した暴風大妖渦(カリュブディス)の魔核の宝珠をフォビオに渡し、フォビオはそのまま躊躇いもなく、その宝珠を口に入れて呑み込んだ!

 

その瞬間、フォビオから膨大な妖気(オーラ)が放出された。

フォビオはその妖気(オーラ)に包まれながら姿を変えていく。

 

黒髪が白髪へと変わり、身に付けていた鎧が暴風大妖渦(カリュブディス)を模した物へと変化し、鎧の腹部と腰に暴風大妖渦(カリュブディス)の青い瞳が出現した。

 

《確認しました。個体名フォビオは暴風大妖渦(カリュブディス)の力を得て、魔王種へと進化が完了しました。》

 

フォビオの変化が終わると同時に、世界の言葉が聞こえた。

フォビオは無事に魔王種を獲得したのだ。

 

「これが…暴風大妖渦(カリュブディス)の力……なんて力だ。」

 

フォビオは得た力に少し戸惑いつつも、体の中から漲る力に歓喜した。

 

「上手くいったな。」

 

「フォルテ様!改めて感謝します!」

 

「これからは黒豹牙じゃなく蒼天牙のフォビオだな。向こうのお前もそう名乗っていたらしいからな。」

 

「蒼天牙……悪くねぇ!」

 

こうして、黒豹牙フォビオは蒼天牙フォビオとなった。

この後、フォビオの姿を見たアルビスとスフィアとリムル達は大層驚き、フォルテが皆に説明したのだった。

 

そうして、遂に軍の準備が整い全員が訓練場に集結した。

フォルテとリムルの前には、武装をした魔国連邦(テンペスト)の皆とユーラザニアの戦士達が整列している。

 

俺達の戦力は、アルビス、スフィア、フォビオが率いる一万の獣人達。

ゴブタ率いる"狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)"達。

紅丸の直属親衛隊として、大鬼族(オーガ)三百名による集団。その名も"紅炎衆(クレナイ)"。

 

四千の人鬼族(ホブゴブリン)で構成された"緑色軍団(グリーンナンバーズ)"。

 

猪八戒とゲルドが率いる五千の猪人族(ハイオーク)、"黄色軍団(イエローナンバーズ)"。

 

ガビル率いる龍人族(ドラゴニュート)、"飛竜衆(ヒリュウ)"。

 

ランサー率いる龍戈族(トリシューラ)、"螺旋衆(スパイラル)"。

 

雷蔵率いる雷子鬼族(ヴァジュラ)、"稲妻衆(イカヅチ)"。

 

哭陽(コクヨウ)が率いる擬似メダルで自立稼働する賞牌人形(メダロット)百機、"賞牌衆(メダル)"。

 

ゼロとゼロワン率いる電脳魔獣(ウィルス)EX五千と、

ドリームウィルス隊が率いるドリームビットEX五千に、電脳魔人獣(ゼロウィルス)千体で構成された"電獣軍団(ウィルスナンバーズ)"。

 

黒死牟率いる血鬼(オニ)達、"血殺衆(ブラッド)"。

 

そして、カーネルが率いるトリル、D(ダーク)ロックマン、

D(ダーク)ブルース、ヤマトマン、ケンドーマン、ナイトマン、ゾアノガッツマン、ウッドマン、プラントマン、

アイスマン、フリーズマン、ファイアマン、

バーナーマン、シャークマン、

エレメントマン、キラーマン、フラッシュマン、

スパークマン、ビーストマン、シェードマン。

合計21名による精鋭部隊、"電脳衆(サイバーズ)"。

 

総勢三万一千の群勢だ。

 

魔国連邦(テンペスト)の防衛には、縁壱、杏寿郎、ギャルドと共に紫苑と紫蘭の配下の親衛隊である三百名。

 

死亡から蘇った者達なので、リムルが部隊名に"紫克衆(ヨミガエリ)"と命名した。

 

 

クレイマンの軍勢と戦う者達が揃った中、紅丸がリムルとフォルテに声を掛ける。

 

「リムル様、フォルテ様。全員揃いました。準備完了です。」

 

「ああ。」

 

「それじゃあ、サクッと転送する事にしよう!」

 

リムルとフォルテが転送を始めようとした時、アルビス達が話しかける。

 

「リムル様、フォルテ様。」

 

「ん?」

 

「アルビス?」

 

「ご厚意、決して忘れませんわ。」

 

「これで何の心配も無く、クレイマンの手下共をぶちのめせるって訳だ。クレイマンはリムル様とフォルテ様に譲るので、俺達の恨みもぶつけてください!」

 

「フォルテ様から授かった。この暴風大妖渦(カリュブディス)の力、存分に使わせてもらいます!」

 

三獣士達がそう言い終えると、獣王戦士団の皆は頭を下げる。

リムルとフォルテは頷く。

 

「頼んだぞ。」

 

「お前達を信じている。」

 

リムルとフォルテがそう言うと、紅丸、哭陽(コクヨウ)、カーネルは頷く。

 

「情け容赦は要りませんよ!紅丸!」

 

哭陽(コクヨウ)も、初陣を頑張って来い!」

 

紅丸に紫苑、哭陽(コクヨウ)に紫蘭がそう言って笑みを浮かべる。

 

「兄さん!トリル!……気をつけて。」

 

「ああ。」

 

「任せてお姉ちゃん。」

 

アイリスも、心配ながらもカーネルとトリルを信じるのだった。

 

「クフフフフっ…………ゴミは早めに片付けないと、臭ってきますからね。」

 

「さっさと片付けて来てね。」

 

「お気をつけて。」

 

ディアブロ、ウルティマ、朱菜の言葉を聞き、紅丸達は笑みを浮かべる。

 

「二度と逆らえ無い様、地獄を見せるとしましょう。」

 

「自分達が触れてはいけない者達に触れた事を、その身を持って知って貰う。」

 

「クレイマンの軍には、本当の戦と言うものを教えてやりましょう。」

 

紅丸、哭陽(コクヨウ)、カーネルの言葉を聞いたリムルとフォルテは互いに頷く。

 

「よし。…勝てよ!」

 

「勝って皆無事に帰還しろ‼︎」

 

ははっ!勝利を御身に‼︎

 

皆がリムルとフォルテの言葉に応える。

 

そして、リムルとフォルテが両腕を広げ皆の転送を開始

 

皆の部隊事に転送の魔法陣が展開され、更に巨大な転送の魔法陣が展開される。

魔法陣から上空へと電脳の輪展開され、電子機器の基盤の様なモールドが浮かび上がる。

やがて、皆が光に包まれながら電子データに変換され転送された。

転送が完了すると、もう其処には誰もいなかった。

 

「無事に勝ってくれよ。」

 

「信じているからな。」

 

リムルとフォルテの呟きが、その場に響くのだった。

 

 




皆を転送し終えたリムルとフォルテ。
リムルがユーラザニアの民を転送している間に、フォルテは軍の準備を進めていた。自分の世界電子電脳世界(スペクトルワールド)の進化の把握や新たな魔人形(ゴーレム)LBXの開発。
更なる戦力としてフラッシュマン、スパークマン、ビーストマンを創造し、ウルティマの配下にシェードマンの体を依代として与えた。
更に、まおりゅうの黒い紅丸こと、哭陽(コクヨウ)にベルゼブモンの力を与えて創造。
クレイマンの軍と戦う為の戦力を徹底して強化!

進化したシンシヤの見た目は、まおりゅうの辰粘性精神体(サーペントスライム)で、髪が桜色のままで翼がアゲンストにものとなり、腕と脚にアゲンストの顔を模した装甲を装着。腕と脚の装甲のモチーフは仮面ライダーのクローズマグマ。

皆を転送し終えたリムルとフォルテ。
クレイマンとの戦いがすぐそこまで迫って来ている。
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