転送魔法で無事に皆を転送し終えたリムルとフォルテ。
すると、ディアブロとウルティマが拍手しながら二人に近寄る。
「お見事です。リムル様、フォルテ様。実に美しい術式でした。」
「僕も、あんな凄い転送魔法の術式は今までで一度もなかったよ。」
「ええ!本当に見惚れてしまいました!」
「流石はリムル様とフォルテ様です!」
ディアブロとウルティマの言葉に、紫苑と紫蘭も賛同する。
すると、ヴェルドラが俺達の側によって来る
「リムル、フォルテよ!」
「わああっ!」
「やっぱり、我が行って蹴散らそうか?」
ヴェルドラがそう言った瞬間、アゲンストとヴェルキオンが声を上げた。
「兄者!リムルとフォルテの話を忘れたのか⁉︎」
「我らの事は、
「あっ……いや……そうであったな。……うっかりしておった…。」
「うっかりでは済まされんぞ‼︎」
「兄者は、我らと共に大人しくしているのだぞ‼︎」
弟二人の凄い剣幕に押され、ヴェルドラは頷くしかなかった。
アゲンストとヴェルキオンがまともな人格になっている事に、改めて良かったと思い感謝するリムルとフォルテだった。
そして、皆の転送が終えた後、エラルド公、エレン、カバル、ギドだけこの場に残ってもらった。
「エラルド公。あの時の約束を果たします。エレン達にはもう話していますか?」
「勿論ですとも。」
エラルド公が笑顔で答えると、カバルとギドはどっと疲れた様な表情を浮かべていた。……あれは相当叱られた様だな。
それとは逆に、エレンは目を輝かせながらフォルテに声を掛ける。
「ねぇねぇフォルテさん!私達の為の新しい仲間ってどんな人を付けてくれる⁉︎」
期待が込められているエレンの眼差し。シズさんと別れ、リムルの護衛を終えた後は、カバルのせいで酷い目にあっていたからだろうな。
「今から創り出すから待っていてくれ。
フォルテが手を翳すと、掌から粒子化した魔素が放出され人型へと成形されていく。
やがて姿を現したのは、流れ星を身に纏った様な少年ナビだった。
リトルグレイの様な大きな瞳に、流星の様な逆立つ黄色の髪、首からは先端に大きな星がついたマフラーの様な物を靡かせ、額に星型のナビマークをつけたナビ。
「さあ目覚めろ…スターマン!」
そのナビはスターマンだった。
創造後、スターマンはその大きな瞳をゆっくりと開いた。
「やあ!僕はスターマン。僕を創り出してくれてありがとうフォルテ様。」
スターマンは、少年の様な明るい感じの口調で話しかけてきた。
「わあ!この子が私の仲間になってくれるんだねフォルテさん。」
「ほう。話には聞きましたが、この様にして新たな存在を創り出すとは…フォルテ殿の力には驚かされますよ。」
実際にスターマンを創り出す瞬間を見て、エラルド公は驚きながら感心するのだった。
「後は実力を証明する必要があるな。」
フォルテはそう言って指を鳴らすと、訓練場に無数の
「なっ!これは⁉︎」
「俺のスキル
「任せてよ!」
フォルテがそう言うと、スターマンは応える様に
そして、バスターで先制攻撃!
「
舞いながら三日月型のカッターを放って、敵を両断
着地すると、手を弓に変換し、鏃が星型の矢を引いて構える。
「
そこから矢を放ち、次々と倒していくが、敵の数は一向に減らない。
「流石に多過ぎるよね。なら、やっぱりこれが一番だね
スターマンが軽く手を振るう動作をすると、上空に虚空が出現し、中から無数の隕石が降り注ぐ⁉︎
降り注ぐ隕石に
「これでどうかな?」
スターマンが振り返りながら問う。
「見事だ。流石はスターマンだ。」
フォルテはそう言って隣のエラルド公を見ると、スターマンの力に驚き唖然となっていた。
そんな中、エレンは歓喜しながらスターマンに抱き付く。
「凄い凄い!これからずっと宜しくねスターマン‼︎」
「うっ…うん。」
エレンに抱き付かれて、スターマンは頬を赤くして照れるのだった。
「どうですか?エラルド公。スターマンの実力は。」
フォルテに問われハッ!っと我に戻ったエラルド公。
「ええ!申し分ありませんよ。彼の様な者が一緒なら安心できますよ。流石はフォルテ殿、感謝します。」
エラルド公の言葉を聞いて、フォルテは笑みを浮かべ互いに握手を交わすのだった。
「それにしても、彼の様な者達が20人もクレイマンの軍と戦うとは……魔王クレイマンも相手が悪かったとしか言えませんな。」
その後、武装国家ドワルゴンに戻るガゼル王達、スターマンの実力を見て安心し、魔導王朝サリオンに戻るエラルド公達を見送り、俺達は今、ファルムス王国に向かうヨウム達を見送っていた。
その中で、ディアブロがリムルとフォルテに頭を下げていた。
「すぐに戻りますので、ご安心を。」
「頑張って来い。」
「ゆっくりして来て良いぞ。」
「そうだよ。僕がいるんだからね。」
ウルティマの言葉に、ディアブロが一瞬ウルティマを睨むがすぐに表情を戻した。
「すぐに戻りますので、ご安心を。」
……ディアブロなら本当にすぐに終わらせてしまう様な気がするな。
そうして、ディアブロはヨウム達と共にファルムス王国へと向かった。
それを見届けたリムルとフォルテは振り返りながら口を開く。
「さてと!俺達も準備をしないとな!」
「
フォルテとリムルが準備を始めるている頃、クレイマンはヤムザからの通信報告を聞いていた。
「誰もいない?」
『はい。獣王国ユーラザニアはもぬけの殻です。』
「何故だ?」
クレイマンはユーラザニアの民が既に、リムルによって
「……まぁいいでしょ。徹底的に捜索しなさい。あぶり出すのです。」
『はっ!』
「チィ!」
クレイマンが舌打ちをしながらワインを飲もうとした時、ヤムザが更なる報告をする。
『それからもう一つ。』
「ああ?」
『兵の1人が進軍中に出会った。行商人から面白い話を聞き出しました。』
「面白い話?」
『はい。暴風竜ヴェルドラが復活したと言うのです。』
「ぬっ⁉︎」
ヴェルドラが復活したと聞いて驚くクレイマン
「ヴェルドラが……。」
『ファルムス軍が、ヴェルドラの復活に巻き添えをくって消滅したとの事です。』
「暴風竜のせいだと?」
『はい。そして暴風竜は封印された憎しみを覚えており、その憎しみを糧に己が存在を三つに分け、新たな竜種を生み出してしまったと。』
「新たな竜種だと?」
『はい。その影響で大半の
(なるほど。ファルムスに放っていたピローネや
クレイマンは、リムルとフォルテの読み通り、二人が流した偽情報を信じてしまっていた。
「ヤムザ。報告ご苦労。引き続きよろしく頼む。」
『はっ!』
そうして、通信を終えたクレイマンは上機嫌だった。
「私としたことが奴のハッタリに騙されるところでしたよ。しかし、真実とは、隠せぬものなのだ。邪竜の威を借る
魔王ミリムの支配を過信せん方がええ。せいぜい油断せんようにな。
その時、ラプラスからの忠告を思い出したクレイマン。
「…心配するなよラプラス。私は勝つさ。」
クレイマンが笑みを浮かべながらそう呟く。
現在はゼギオン、アピト、アークを護衛に森の中を進んでいた。
何故森の中かと言うと、トレイニーさん達の為である。
ラミリスの付き添いとして、
そうして奥へと進み、目的地である
「さてと。護衛はここまでで良いよ。ゼギオン。」
「アークもご苦労だった。」
「はっ………。」
「このくらいお安い御用ですよ。」
「リムル様、フォルテ様。こちらを。」
「蜂蜜か。ありがとうアピト。」
「転移術式使いまくったから疲れてたんだよね。ん〜うまい!」
リムルとフォルテは、アピトから蜂蜜を受け取り舐める。
「うん。相変わらず良い甘さだ。」
「よし。甘い物で癒された所で………じゃあ始めますか。」
「三人共準備は良いか?」
「ええ。」
「私達も。」
「大丈夫です。」
リムルとフォルテが何かの作業を始める。
そして、ゼギオン、アーク、アピトは帰って行く中、……そんなゼギオン達を見ていたラミリスが口を開く。
「ちょ…………ちょっと、リムルさん?フォルテさん?」
「どうしたラミリス?」
「今のってもしかして、
「あー…そういやそんなこと言ってた気がするな。その
「町が出来たばかりの頃に保護したんだ。森でボロボロになっていたからな。アークは俺の配下になりに来たから名付けして仲間にしたんだ。」
「…マジで。っていうかさ。あの二匹は……って聞いてないし⁉︎さっきから、二人で何してんのさ。」
ラミリスの話を聞きながら黙々と作業を続けていたリムルとフォルテ。
二人が作っているものが気になったラミリスが様子を見に来ると、その作られた物が何か直ぐに気付いた。
「およ?これって………あっあー!わかった!」
そう。これはトレイニーさん達の依代だ。
精神生命体であるトレイニーさん達は、
そこでリムルと考えたのは、本体ごと移動できるようにする方法だ。
まずトレイニーさん達の本体である
この宝珠はまだ鼓動していない心臓だ。
「トレイニーさん。」
「トライアとドリスも。」
リムルとフォルテが声を掛けると、トレイニーさん達が根幹となるその魂に宿る。そして、その聖なるエネルギーと同等の
そうして出来上がった聖魔核を
それにより、
進化が完了した三人は立ち上がる。
「ありがとうございますリムル様、フォルテ様。
「トレイニーちゃん達が自由に行動できるようになったって訳ね!ジュラの森からも出られるようになったって訳ね!」
「ああ。
「トレイニーさんだけでなく、トライアとドリスも連れて行ける様になった。」
「やったね!トレイニーちゃん!トライアちゃん!ドリスちゃん!」
「「「はい。ラミリス様。」」」
これでラミリスの元に自由に行けると、笑顔を浮かべるトレイニーさん達だった。
こうして、
時は少し遡り、
お客人とお話中だと聞き、フレイの部屋へと向かう。
フレイの部屋の前には、フレイの側近らしき二人の
「戻ったのかネム。」
「元気そうで何よりね。」
「ただいまなの。クレア様、ルチア様。フレイ様に聞きたいことがあるのぉ。………報告もあるの。」
「相変わらずだな。」
「それはいいんだけど、次期幹部候補……ネームドとしての自覚を……こういうことを前に言っても無駄ね。誰も通すなと言われているが、ちょうどお茶の時間だ。私が言って都合を聞いてきてあげるわ。」
「お願いするのぉクレア様。」
クレアが聞きに行っている間、ネムがいつにも増してウトウトしている事に気付いたルチア。
「いつにも増して眠そうね。」
「当たり前なの。
「えっ⁉︎」
ネムの発言に驚愕するルチア
「っお……お前が寝ることを後回しにしたという事…⁇」
「そう言っているのルチア様。」
「そんな……っ。」
その時、クレアが部屋から出てきた。
「入っていいそうよ。失礼のないようにね!」
「んっ大丈夫なの。」
「絶対よ!」
念押しするクレア。そんなクレアにルチアが恐る恐る声を掛ける。
「…ねぇクレア。ネムったら、寝るのを後回しにしてきたそうよ。」
「なんですって……⁉︎」
ネムの事をよく知る二人だからこそ、ネムが寝ないで来た事に驚愕したのだ。
「心配だわ……。」
そうして、フレイの前に立つネム。
「失礼しますの。」
「お帰りなさいネム。元気そうで何よりだわ。」
「戻ったのぉフレイ様。」
ネムはそのまますぐに報告しようとしたが、部屋にいるお客人に気付いた。
「⁉︎お客人ってもしかして……。」
「俺様を知っているのかい?」
「ちょっと先走らないでちょうだい。そうよネム。察しの通り彼は魔王カリオンよ。」
そうフレイに連れ去られた魔王カリオンだったのだ。
「なんでカリオン様がフルブロジアにいるのぉ?魔王ミリム様に宣戦布告を受けたって……。」
「その話は後よ。まずは貴女の話を聞くわ。
フレイの言葉にうっと表情を顰めるネム。
「…そんなことだろうと思ったわ。まぁそこまで期待はしてなかったけど、ひとまず見聞きした事を教えてちょうだいな。」
「はいなの。」
そして、ネムは
「
町の全員が
まぁ無理もない。名付けは本来危険な行為であり、名付けで弱体化…最悪死んでしまうのだから。
「知らないものいっぱいなの。料理にも見た事も味わった事もないものばっかりなの。どれもすごく美味しいの。お風呂もすごいの。広々とした湯船で温泉につかるの。ちょうどいい温度で、体が溶けるのぉ。そのまま寝られたら気持ちいいの。気持ちいいと言ったら、断然
ネムから聞かされる報告は、本当かと疑ってしまう様な物ばかりだった。
二年前まで何も無かった森から、そんな発展した町が出来ていると聞かされたのだから。
「だからネムは
(幹部のもとに働いている…?任務をちゃんと果たしてるですって…?あのネムが⁉︎)
ネムが働いている事に更に驚くフレイ
「俺んとこのアルビスも、その反物とか言うのを気に入っていたな。まっ俺は断然酒だがな!
「…ふぅん反物ね。それは気になるわね。その職人連れて来れないかしら?」
「お前んとこのは連れて来るって言うより、攫って来るの間違いじゃないか?」
「あら人聞きの悪い。ちゃんと交渉してここに来てもらっているわ。それに、不自由な生活をさせるつもりもないわよ。」
「本当かよ?」
「職人を連れてくるのは、リムル様とフォルテ様を通さないと難しいの。」
「みんなリムル様とフォルテ様二筋なの。」
「リムル……
「とっても柔らかくて、ぷるぷるぽよぽよ弾んでて寝心地がとっても良いの!」
「そういう報告は要らないんだけど。」
「でも、恐ろしいの。底がしれなかったの。」
ネムが真剣な表情でそう言った。
「まっリムルの方も確かに、新参の魔人とは思えねーほど肝の据わった野朗だったな。」
「いいえ違うわ。ネムはね、危険察知能力だけはピカイチなのよ。」
「ん?」
「この子がそこまで言うなんてよほどの事なのよ。」
「ほう………じゃあフォルテの方はどうだった?」
魔王カリオンの問いに、ネムは更に真剣な表情で答える。
「フォルテ様はリムル様よりもっと恐ろしく、底知れない力を持っているの。」
「そんなになの?」
フレイがネムにそう聞く。
「………
「……その魔素の発生源がフォルテだったのね?」
フレイの問いに頷くネム。
「確かに、フォルテの奴は底が見えねえ野朗だったな。俺様との手合わせでも、まだ何かを隠している様だった。」
「あらカリオン。貴方戦った事あるの?」
「まぁな。彼奴の実力は本物だ。それに、獣人族でもないのに俺様の百獣化と似た様なスキルを使いやがる。」
カリオンの話にフレイは、フォルテを警戒する必要があるかもしれないと思った。
「リムル様とフォルテ様は魔王になるって言ってたの。きっともうなってるの。でも、恐ろしくても魔王になっても、リムル様とフォルテ様は優しいの。そんなリムル様とフォルテ様だから、魔物だけじゃなくて人間とも交流してるの。
ネムは、リムルとフォルテが魔王になると信じていた。そして、二人は変わらず優しいままであるとも信じていた。
「あっカリオン様のところのフォスにあったの。あと、ミリム様のところのステラにも。二人とも脳筋なの。それに進んで働きたがるの。信じられないの。」
「……偵察なのだから普通はそうなのよ。」
「ははは。お前にしては随分変わったやつを使いに出したな。」
「2人といると、とばっちりに遭うの。ゆっくり寝れないの。でも一緒にいると楽しいのぉ。」
「そう。」
ネムの嬉しそうな表情を見て、フレイは笑みを浮かべた。
「うちのフォスが世話になったようだな。礼を言うぜ。」
「違うの。ネムはお世話してないの。お世話になったのぉ。フォスが勝手に世話を焼くの。ほうっておけばいいのに、わざわざ突っ込んで行くの。魔物だとか、人間だとか気にしないで、色んな人の世話焼くの。そういうの凄いの。そうやって、ネム達を引っ張ってくれるの。」
「ほう。アイツはもともとバランスの良い奴だったが、
ネムからフォスの成長を聞いたカリオンは嬉しそうな表情を浮かべていた。
「ネム。貴方も成長したわね。寝ることしか興味がなかった貴方が、わざわざ戻って来るくらいだもの。何が起きているのか知りたいと思ったのでしょう?誰かのために。」
「……ミリム様がユーラザニアに宣戦布告したって聞いたの。それでフォスとステラがぎくしゃくして居心地が良くないの。」
「ふふ。その二人は心配なのね。……そう。貴女にも友達ができたの。」
ネムに友達ができたと知り、フレイは嬉しそうに微笑んだ。
「面白いわよね。国や種族が違っても、友達になれるなるんて。」
「そりゃそうだろ。気が合うヤツとはダチになるもんさ。
「貴方にまでそう言わせるなんてね。魔王なんて立場上仲良くしてるフリをしているだけで、相手を利用しながら虎視眈々と互いの領土を狙い合うものだと思っていたのに。」
「まっ否定はできねーがな。それらを飛び越えた友情ってもんもあってもいいんじゃねーのか?個人の立場と王としての立場は別物だしよ。」
「何を甘いコトを……。」
「じゃあお前はどうして俺を助けた?」
(助けた?)
「は?」
「ミリムもだ。下手な芝居を打ってまで俺を助けたなぁ。どういうつもりだったんだ?」
「そんなのクレイマンを騙す為に決まって……。」
「違うだろ。俺がいなくなりゃあユーラザニアが手に入るんだぜ?本当に領土を狙ってたんならもっと上手い立ち回りだってできたんじゃねーのか?」
「………。」
「なあフレイ。お前さんならミリムを騙すくらい簡単だっただろうぜ。」
カリオンの力強い眼差しと言葉に、フレイはやれやれと話し出した。
「降参よ。正直言って、私は貴方の事をそこまで嫌っていないのよね。だから、貴方を殺してまで領土が欲しいとは思わなかっただけよ。」
「ハッ、俺も嫌いじゃねーぜ。」
「それに、ユーラザニアよりも魅力的な領土があるし……。」
「なんだと?」
二人が話し合う中、今までずっと寝るの我慢していたネムが立ったまま眠っていた。
それに気付いたフレイとカリオン。
「はぁ…この子はやっぱり大物だわ。」
「ハハハ。魔王二人を前にうたた寝するなんざ、三獣士にだって無理ってもんだぜ!」
「!寝てないの‼︎」
二人の声に気付いて目を覚ましたネム!
「怒らないわよ。さて。貴女が戻って来た理由の、ミリムがどうしてユーラザニアに宣戦布告したのかだけど、ちゃんと話を聞いていたなら理解できるわよね?」
「…………。」
何も言わないネム。
「本当に寝てたのね。まあいいけど……。」
「まっなんだ。俺にも
「もう少し詳しく話すと、クレイマンが何か企んでるってミリムが言って来てね。私としても、クレイマンは信用出来ないから手を貸したのよ。」
ミリムはクレイマンの企みに気付いていた。
「それでクレイマンを探る為に騙す事にしたの。ミリムには操られたふりをしてもらってね。ユーラザニアへの宣戦布告はその流れよ。カリオンはミリムに倒された事になっているから此処に匿ってるの。」
フォルテの予想した通り、ミリムは操られたふりをしていた。
「それじゃあ、カリオン様はミリム様とケンカしてないの?」
「ケンカにゃならねーな。」
「アレは戦えるとかいう次元の話じゃなかったものね。」
「あのバカやり過ぎなんだよ!街を綺麗さっぱり吹き飛ばしやがって‼︎」
「本当、ちょっと同情しちゃったわよ。」
「フレイ。お前も人の首すっぱりいってくれたよな。」
「ちゃんと加減したでしょう?貴方だって人の話も聞かず目覚めた途端暴れ出して私の家を破壊したじゃないの。弁償してくれるの?」
二人の会話の様子を見ていたネムは、突然こんな言葉を発した。
「フレイ様とカリオン様さっきからとっても仲が良いの!」
ネムの言葉に二人は呆気に取られたが、次の瞬間、頬を赤くしながら声を上げる。
「ちょっとネム⁉︎貴女は何を言い出すのかしら⁉︎」
「おっおいおい待て待て!お前変な勘違いしてんじゃねーだろうな?」
「勘違いなのぉ?」
首を傾げながらそう言うネム。………その時、ネムはフレイから怒りの気配を感じ取った。
「フレイ様が怒ったの。」
そう言ってすぐさま部屋から逃げ出したネム
「〜っいい加減にしなさいよ!待ちなさいネム‼︎」
「さすがだな。本当に危険察知に優れているぜ。」
フレイが声を上げ、カリオンが感心する中逃亡するネム。
「はぁやっぱりこうなるのね……。」
「だと思った。」
そんなネムの後ろ姿を見ながらクレアとルチアは呟くのだった。
エレン達の仲間にスターマンを創造しました。
エグゼだと敵役の彼だが、そのキャラから味方側でも問題ないかと思っていました。
リムルとフォルテの流した偽情報を信じてしまったクレイマン。
更に、ミリムはやはり操られたふりをしていただけだった。
自分の思い通りになっていると思い込んでいたクレイマンは、ミリムとフレイの掌の上で笑っていたに過ぎなかった。
………彼の最後の宴はもうすぐだ。