ヴェルドラの登場で、戦いの流れが一気にリムル達へと変わる。
突如現れリムルの身代わりという形でミリムの拳を後頭部で喰らったヴェルドラは、不意の一撃だった事もあり、頭を抑えて悶え苦しんでいた。
(何故ヴェルドラが此処に?)
突然ヴェルドラが現れた事に、分身フォルテが不思議に思っていると。
《ヴェルドラがリムルの
……と、
なるほど。…そんな事が出来るとは、流石はヴェルドラだな。
フォルテが感心していると、ようやく痛みが治ったヴェルドラが自身の頭を摩っていた。
「ふ〜ん。酷い目にあったわ…。」
「呼んでもいないのに何で出てきたんだ!冷やかしなら帰れよ。」
「リムル。…結果的には助けられたんだぞ。」
突然現れたヴェルドラに詰め寄るリムルに、フォルテがそう言うのだった。
「…リムルよ。御主も大概酷いな。我にあの様な仕打ちをしておきながら、その言い草は酷いのではないか?」
「え?」
だが、肝心のヴェルドラは何故か怒っているようで、リムルに圧をかけながら詰め寄る。
リムルはヴェルドラが怒っている理由が分からず困惑していた。
「用件はこれだ。」
そう言ってヴェルドラが取り出したのは、
「あ…。あーー!」
それを見たリムルはようやく思い出した。
「カバーと中身が別物ではないか!最終巻にしてこの嫌がらせは悪質すぎるぞ‼︎いやこれも面白かったが!」
どうやら、リムルが悪戯で最終巻の中身を入れ替えていたようだ。……代わりに入っていた漫画は、はたらく細胞だった。
「本当の最終巻は何処だ!パイと八雲はどうなるのだ‼︎」
リムルに詰め寄りながら最終巻を出すように要求するヴェルドラ。
もうすっかり漫画の虜だな。……これから渡す予定のゲームボーイカラーと対応ソフト渡したらもう完全なニート竜になりそうだ。
そうフォルテが思っていると、
《
(…ん?という事は…。)
分身フォルテの左右からアゲンストとヴェルキオンが現れた。
「やはり此処にいたか兄者!」
「勝手に来てはダメであろう!」
アゲンストとヴェルキオンの声に、ヴェルドラは不味いと冷や汗を流した。
「おっ弟達よ。いや…これは……だな。」
「リムルとフォルテが呼ぶまでは待つように、あれだけ言ったではないか!」
「それを漫画の為にわざわざ破って無理矢理行くなど!」
現れたアゲンストとヴェルキオンは、容赦なくヴェルドラに説教する。
その姿を分身ミリムは唖然となって見ていた。
他の魔王達…特にダグリュールとルミナスはアゲンストとヴェルキオン登場には更に驚いていた。
ヴェルザードも、新たな弟達の登場に更に嬉しそうに笑顔を浮かべている。それだけでなく、暴れん坊だったヴェルドラが読書をしていた事を知り感動し喜んでいた。
アゲンスト達にヴェルドラが説教されている中、分身フォルテがリムルに声を掛ける。
「…ヴェルドラへの悪戯のお陰で命拾いしたなリムル。」
「ああ。…てかなんでフォルテが此処に⁉︎ミリムは!」
「安心しろ。俺は分身体だ。本体は今もミリムの相手をしている。」
分身フォルテがそう言って真上を見ると、再び激しく殴り合うフォルテとミリムの姿があった。
「さて、ヴェルドラ達が来てしまったが…丁度いいんじゃないか。」
「え?…ああ!そうか!」
フォルテの言葉の意味を理解したリムルは、説教されているヴェルドラに声を掛ける。
「ヴェルドラ!本来の中身を渡す前に、お前にはミリムの分身体の相手を頼みたい。」
「む?ミリム?」
リムルの言葉にヴェルドラが首を傾げていると、分身ミリムがヴェルドラの背後から飛び蹴りを仕掛ける。
ドゴオォォォン!
凄まじい衝撃と共に床が砕ける。
だが、土煙が晴れるとそこには、左腕でミリムの蹴りを受け止めているヴェルドラの姿があった。
「おお、そうだ。その名思い出したぞ。我が兄の一粒種か。」
そう言ってミリムの蹴りを受け止めている左腕でミリムを振り払う。
「兄の一粒種?それってどういう…。」
ヴェルドラの言葉に首を傾げるリムル。
「リムル。エレンが話してくれたミリムの御伽話にあっただろ。」
「……あっ⁉︎」
「最初の竜種。つまりヴェルドラの兄の子がミリムだ。」
そう。ミリムはヴェルドラにとっての姪なのだ。
「まぁその話は後でいいだろ。分身ミリムは任せたぞヴェルドラ。」
「うむ。」
「アゲンストとヴェルキオンは、待機で頼む。もしヴェルドラが暴走しそうだったら止めてくれ。」
「我に任せろ!」
「承知した。」
「じゃあ頼んだぞ。」
分身ミリムの相手をヴェルドラ達にリムルとフォルテは嵐牙の元へと向かう。
そして、ヴェルドラに向かって構える分身ミリム!
「さあミリムよ!遠慮なくかかってくるが良い!聖典にて修めた技の数々、とくと見せてやろう‼︎」
それに対し、久しぶりに暴れられる事もあり、ヴェルドラもヤル気満々
分身ミリムの相手をヴェルドラに任せたリムルは、嵐牙から念話で来て欲しいと頼まれていた。
それを聞いた分身フォルテも一緒に嵐牙の元へと急ぎ向かった。
「嵐牙!大丈夫か⁉︎」
「何があった!」
「リムル様。フォルテ様。我は問題ないのですが、…少し困った状況です。」
「どうした?」
リムルの問いに、嵐牙は相手をしていた
それに釣られてリムルとフォルテも
『た…助け…て……助けて……助けて!………助けて‼︎』
「(…そうか。クレイマンに操られ、無理矢理戦いを強いられ苦しんでいるんだな。)リムル。」
「ああ。嵐牙!あの二頭を抑えろ。俺達の邪魔をさせるな。」
「御意!」
リムルの命令に、嵐牙はすぐに動き
そして、リムルとフォルテは
《
そうして、宙からゆっくりと降りてくる
「…もう大丈夫だ。今は安心してゆっくりと眠れ。」
「こうして見ると、普通の子狐だな。」
そう言って、リムルも優しく子狐の頭を撫でる。
その様子を羨ましそうに見る嵐牙。
父ゴスペルを見習い、嵐牙の心も成長したのだ。
「嵐牙。この子を守ってやってくれ。」
「頼んだぞ嵐牙。」
リムルとフォルテは嵐牙を撫でながらそう言った。
「分かりました!我が主人よ!」
嵐牙は尻尾を振りながらその場に座り込む。
フォルテは嵐牙に
そして、嵐牙と
「後はビオーラとやらと……。」
「レーザーマンだな。」
リムルとフォルテはそう言って、ビオーラと戦っているであろうベレッタの方へと振り向くと。
「えっ⁉︎」
振り向いた瞬間リムルは驚いた。何故なら……。
「ふっふんっふ。ふっふ〜ん♪」
ベレッタの前に、そのビオーラが見事に解体されパーツ事に綺麗に並べられていた。そして、ベレッタは解体したビオーラのパーツを綺麗になるように磨いている。
「何をやっているんだ⁉︎」
「おっと。これはこれはリムル様。フォルテ様。我の活躍をお見せできなくて残念ですが、この様に戦利品を用意いたしました。」
「戦利品って……。クレイマンの最高傑作とか言うビオーラなのかこれぇ?」
「見事にバラバラに解体されているな。」
ビオーラのパーツはどれも良く出来ている上に、格納されている武具は全て
フォルテが解体されたビオーラを調べている中、リムルがベレッタに向かって口を開いた。
「おいベレッタ。こう言ったら何だけど、ラミリスの悪いところばかり真似していないか?」
「はっ!」
リムルそう言われ、思わず磨いていたビオーラの頭を放り投げてしまうベレッタ。
「気のせいならいいんだけど、その戦利品をどうするつもりだったんだ?」
「こっこれはですね!リムル様とフォルテ様に献上しようと思っております!それを納めて頂いた上で、我とラミリス様の居場所を提供してもらえないか…っと愚考しておりました。」
「居場所?確かにラミリスは
「実はですね。先ほど、魔王ギィに主を決めるようにと求められまして…。そこで、我はリムル様を助けた後、ラミリス様に仕える約束しました。」
「それで?」
「ラミリス様が
「成る程。そんな抜け道を見つけるとはな。」
ビオーラのパーツを調べ終えたフォルテは、ベレッタが考え見つけた抜け道に感心していた。
それに対して、リムルは呆れていた。
「お前ねぇ…。いや、本当にラミリスに似てきたよ。」
「お褒めに預かり、恐悦至極!」
「褒めてねぇよ!」
「ん?」
ベレッタは本当にラミリスに似てきたな。となると……スペルも似てきているかもな。
「はぁ…まあその件は保留にする。居場所って言っても簡単に用意できないし。」
「決まったらこちらから連絡する。それまでは待っていてくれ。」
「ははっ。了解であります。」
リムルとフォルテの言葉にベレッタは承知した。
「次はシズさんの方だな。」
「ああ。」
リムルとフォルテがシズさんの方へと振り向くと、レーザーマンの
シズさんが再びレーザーマンに接近しようとした時
「
レーザーマンの目から放たれる
シズさんはその場で跳躍し、そのまま跳び退いたその直後、シズさんがいた場所に
なんとか躱せたシズさんが無事に着地すると、レーザーマンが手を掲げる。
「
すると宙に
簡易的なピラミッドとなってシズさんを閉じ込めるが、
斬られた
その断面は溶岩の様に溶解していた。
「……成る程。それ程の高温の炎を制御するとは。流石は爆炎の支配者だ。」
レーザーマンはまるでシズさんの力を試している様だ。
対するシズさんは油断せずに構えながら、レーザーマンの次の攻撃に備える。
「(魔王となったフォルテの
そう言ってレーザーマンは両肩の
「
そのまま異空間の夜空を通過した次の瞬間、夜空から無数の隕石がシズさん目掛けて降り注ぐ。
それはまさに流星群だ。
上空から迫る隕石群だが、シズさんは慌てる事なく剣に金色の炎を纏わせる。
そして、シズさんの背後に
「
シズさんが剣を振るうと、太陽の様な豪炎が放たれ隕石群を全て消し炭にした。
隕石群を消し炭にされたレーザーマンだが、シズさんが大技を放つこの時を待っていた。
シズさんの注意が隕石に向かい、剣を振るったその僅かな瞬間だけ無防備となるその瞬間を
「これで終わりだ!」
レーザーマンがその隙を突いて掌から
迫る
「さらばだ…シズエ・イザワ。」
自身が放った
そして、
「なにぃ⁉︎」
これにはレーザーマンも驚愕して跳ね返された
「くうぅ!」
予想外な出来事に戸惑いながらも、なんとか紙一重で躱すレーザーマンだが、躱しきる事が出来ず、跳ね返された
「ぬうぅ!」
それにより、バランスを崩すレーザーマンをシズさんは逃さない。
「
シズさんがその場で踏み込み超加速して一気にレーザーマンの懐に飛び込む。
「なっ⁉︎」
驚くレーザーマン、一気に間合いを詰められ、対処が間に合わない。
シズさんは剣に蒼炎を纏わせ、下から一気に斬り上げる。
「
蒼炎の斬撃による一撃で、レーザーマンを右から切り上げた。
「うぬああああ!」
斬り裂かれたレーザーマンは蒼炎に包まれながら燃やされる。
やがて炎が消えると、所々焦げながらも原型を止めているレーザーマンが、力無くその場で仰向けに倒れた。
それを見届けたシズさんは、剣を鞘に納める。
決着がついたのを確認したリムルとフォルテがシズさんに声を掛ける。
「やったねシズさん!レーザーマンを倒すなんて凄いや。」
「見事な一撃だった。流石はシズさんだ。」
「リムルさん。フォルテ君。…うん。」
「セレナードとサンも、良くシズさんを守ってくれた。」
フォルテの言葉に答える様に、シズさんからセレナードとサンが姿を現す。
「シズを守るのは我々の役目ですから。」
「サンの言う通りです。」
「それでもだ。二人が力を貸してくれているからこそ、今のシズさんがあるのだからな。」
フォルテの言葉に、二人は笑みを浮かべるのだった。
そんな中、倒された筈のレーザーマンの目に光が戻った。
ゆっくりと立ち上がるレーザーマンの姿に、皆が構える。
「こいつまだ!」
リムルが声を上げると、レーザーマンはシズさんとフォルテを見据える。
「…まさかセレナードと一体化していたとはな。だが、お陰で更なる
立っているのがやっとの筈だが、レーザーマンは嬉しそうな声でそう言う。
レーザーマンの言葉を聞いた分身フォルテは、レーザーマンの真の目的を理解した。
「やはりか…。お前の真の目的は、
「その通り。お陰で魔王達の
話続けるレーザーマンは何処か勝ち誇っていた。
「私が直接この
レーザーマンの身体はズタボロ。……もはやこれ以上動く事は出来ない。
「だが、この
そう言ってレーザーマンは得た
……………が、送信する事は出来なかった。
「なっ⁉︎馬鹿な!」
送信出来なかった事に驚き戸惑うレーザーマン。
「…残念だが、此処での
そう言って、フォルテはレーザーマンの前に立つ。
「ファルムス襲撃の際、俺を誘き出すのにジャミングマンを使ったのは失敗だったな。」
「きっ貴様!まさか⁉︎」
フォルテの言葉を聞いて、レーザーマンは送信出来なかった原因に気付いた。
「ジャミングマンの妨害電波は解析済みだ。」
そう。ファルムス襲撃前でジャミングマンを倒した際、ジャミングマンの
ファルムス襲撃後、トリル達に倒されたジャミングマン達の残留
それを、紫苑達の魂を救う時に同時に全ての残留
更に、
そして、フォルテは一気にレーザーマンの懐に飛び込み、レーザーマンのエンブレムを鷲掴みにする。
「ぬぅ⁉︎」
「残念だが、俺がお前の全てを頂く。
フォルテが鷲掴みにしたエンブレムから、レーザーマンを0と1に分解しながら吸収していく。
「ぬぅあああああ⁉︎馬鹿なああああ‼︎」
レーザーマンが断末魔に叫びを上げながら、完全に分解されフォルテに吸収された。
そして吸収したレーザーマンの
「……やっぱそっちも強化されているよな。」
レーザーマンが分解されるのを目の当たりにしたリムルは、苦笑いを浮かべながらそう呟くのだった。
……そんな時だった。
「波動拳!波動拳!波動拳!波動拳!波動拳!」
ヴェルドラが分身ミリムを相手に波動拳を撃ち続けていた。
その光景を目の当たりにしたリムルは、更に苦い表情を浮かべていた。
(……やはり漫画やゲームから技を覚えていたか。異世界じゃなかったら間違いなく問題になっているだろうな。だが、……使えそうな技を使うのは悪くない。)
フォルテがそう考えている間、ヴェルドラが撃ち続ける波動拳を、分身ミリムが全て弾きながら防いでいく。
「波動拳!波動拳!波動拳!波動拳!波動拳!昇竜拳!」
波動拳を撃ち続けていたヴェルドラは、途中から昇竜拳を繰り出す。
「からの、竜巻旋風脚!」
更に、竜巻旋風脚まで繰り出すヴェルドラに溜め息を吐くリムル。
そのまま、本体のフォルテとミリムの方に顔を向けると、フォルテが右腕を赤と青の輝きを放つ長身砲のバスターに変換させ、左腕を巨大な大砲に変換して構えていた。
右腕の
「
「
フォルテの両腕の砲身から、膨大な魔力の光線が同時に放たれる。
二つの光線は混じり合いながら螺旋状の光線となってミリムを呑み込み大爆破
「……フォルテの奴、
リムルがそう呟く中、爆煙が上空を覆う。
やがて爆煙が晴れていくと、……また激しく殴り合うフォルテとミリムの姿が現れた。
それを見たリムルはまた苦笑いを浮かべていると、突然真剣な表情へと変わった。それと同時に、フォルテに念話でシャドーマンから連絡がきた。
『フォルテ様。よろしいでしょうか?』
『どうした?シャドーマン。』
本体の代わりに分身フォルテが連絡を聞く。
『クレイマンの本拠地を落としました。』
『何⁉︎随分と早いな。』
『色々とありましたが、急遽数千の
『…何故二人に
倒したならまだ分かるが、下ったとは一体何が?
『詳細は後程。城で見つけた
『分かった。』
既に妨害電波は止めている。シャドーマンからフォルテにクレイマンの城から得た
その
「……成る程。」
得た
目に映ったのは、剣で戦うクレイマンが紫苑の剛力丸の一撃で剣を斬られる瞬間だった。
「くっ……。」
「この程度ですか?魔王を名乗るには弱過ぎますね。」
「貴様あぁ…。」
クレイマンは苛立っていた。魔王である自分がリムルの従者に一方的にやられている事に。
「スライム風情の手下が調子に乗るなよ⁉︎」
そう声を上げながら、クレイマンは五体の小さな人形を取り出した。
「行け‼︎
人形達を紫苑目掛けて投げると、人形達の額に埋め込まれた宝珠が輝きながら宙でその姿を変えていき、屈強な五人の魔人となって紫苑に襲い掛かる。
……が、そんな魔人達を紫苑は一閃、上下分断された魔人と化した人形達は地面に転がるのだった。
たったの一撃で全員倒された事に冷や汗を流すクレイマン。
その光景を見ていたディーノが思わず拍手する。
「ふ…。」
追い詰められ始めるクレイマンだが、すぐいつも笑みを浮かべる。
「ふ…ふははははっやるではないか。強力な魔人の魂を封じ込めた人形を、こうも容易く打ち砕こうとは。」
余裕がある様に振る舞うクレイマンの姿を見た紫苑は、つまらなさそうにクレイマンを見ていた。
「下らない。本当に大したことがないようですね。」
その際、紫苑の剛力丸が何かを吸収していた。
「フン。これで終わりだと思ったか?」
そう言って自分の近くに転がる人形の頭を踏みつけるクレイマン。
「言っただろう?魔人達の魂を封じ込めたと。今一度立ち上がれ人形共よ!そして踊るのだ‼︎その悪鬼を死へと誘う舞踏をな‼︎」
そう。クレイマンの人形は、魔人の魂がある限り何度でも復活し敵を倒すまで踊り続ける。それが
「ば……馬鹿な!復活しないだと⁉︎何故……‼︎」
クレイマンの呼び方に答えず地面に転がる人形達の姿に戸惑うクレイマン。
そして、人形達の異変に気付いた。
(封入した魂が消えている⁉︎)
人形に封じ込めていた魂が消えていたのだ。
「どうやら人形遊びは、お終いのようですね。」
紫苑がそう言う中、クレイマンは紫苑の剛力丸を見て気付いた。
(あの大太刀…まさか!
「気付いたようだな。」
クレイマンの様子を見ていたリムルが口を開き、それに気付いたクレイマンはリムルの方に目を向ける。
「そんなに珍しくないだろ。人間も…
目を血走らせながら震えるクレイマンだが、また落ち着きを取り戻す。
「くっふ。フッハハハハハ。そうでしたか。ならその小癪な剣すらも、私のコレクションに加えてやろう!くらえ!
クレイマンが両手から赤い
絡め取られた紫苑はそのまま宙に上げらる。
「フッハハハハハハッ喜べ!魔王さえも支配する究極の呪法だ。貴様ごとき魔人に使用するのは勿体無いが、五本指も一新せねばなるまいし、私の部下として重宝してやろう?」
そうクレイマンが言い終えると、更に赤黒い無数の細い糸が紫苑を包んでいき繭となる。その様子を見ていた分身フォルテは、改めてクレイマンの実力を知った。
(クレイマン。
フォルテがそう思っていると、繭の中から紫苑がクレイマンに普通に問いかける。
「おい。これは何のつもりですか?」
「…はぁ?」
繭から話しかけてくる紫苑の声に、クレイマンは驚いている。
本来なら、精神が支配され生きた人形と化している。故に、まだ意思がある紫苑が信じられないのだ。
「痛くも痒くもないが、もう少し待てばいいのですか?」
「そっそんな馬鹿な!何故…何故効かない⁉︎あのミリムすらも支配する究極の支配の呪法なのだぞ‼︎」
クレイマンがそう叫ぶが、紫苑は
「本当にくだらない。こんな小手先の技に頼るなど、魔王を名乗るに値しません。」
紫苑が支配されなかったのは、蘇生した際に得たエクストラスキル完全記憶によって
……皮肉にも、クレイマンの暗躍で起こったファルムス襲撃によって死んで蘇った紫苑は、クレイマンの天敵と呼べる様な存在となっていたのだ。
自分の究極の呪法が効かない事で、危機感を感じたクレイマンはビオーラを呼び寄せようと振り向きながら声を上げる。
「ビオーラ何をしている⁉︎さっさとこっちへ………⁉︎」
だが振り向いたクレイマンの目に映ったのは、ベレッタによってバラバラに解体されたビオーラの姿だった。
「ビオーラ?……ああ。」
自分の最高傑作であるビオーラが解体されている事に目を疑うクレイマン。
そのまま周囲を見渡し、自分の配下の者達が倒されている事にようやく気付いた。
「馬鹿な…。(ビオーラも…
「これで手詰まりか?」
クレイマンの背後からリムルが口を開く。
「まだ何か奥の手を隠し持っているのならさっさと出せよ。お前の計略は全て叩き潰すって決めているんでね。それとも、今度こそお前自身が戦うのか?魔王クレイマン。」
リムルの言葉を聞いたクレイマンは、苛立つ…のではなく笑みを浮かべた。
「…そうか、そうだな。魔王…私は魔王なのだ。」
そう言いながら、蝶ネクタイを外した。
「だから戦い方に拘り、上品に、優雅に敵を葬ってきた。」
更に上着を脱ぎ捨てるクレイマン。…そしてクレイマンの様子が変わっていく。
「久しく忘れていたよ。自らの手で敵を捻り潰したいという…高揚感をな‼︎」
顔を右手で覆い前のめりになると、背中から六本の義手が生えクレイマンに禍々しい鎧が装着されていく。
それと同時にクレイマンから膨大な
「リムル様御下がり下さい!」
「……へぇ。」
その様子を見ていたリムルが笑みを浮かべる。
本来の戦闘形態となったクレイマン。その義手の手には仮面が握られていた。
「リムル様私が……。」
紫苑が再び戦おうとしたが、リムルがそれを止めクレイマンの前に立つ。
クレイマンは握っていた仮面を被る。
「少しはマシになったじゃないか。見直したよ。」
ようやく本気を出したクレイマンに向かって改めて名乗る。
「
「魔王……いや。
遂にクレイマンとリムルの本当の戦いが始まる。
遂に本気を出したクレイマン。リムルや紫苑達が強すぎて弱いイメージ定着しているが、改めてクレイマンという存在を調べると、転スラ世界のフリーザと呼べるかもしれないと思いました。
実力や素質はあるが、修行や特訓をしていない故に真の強さを発揮できないところが。
クレイマンの精神操作系の攻撃も、耐性がない者達ならあっという間にクレイマンの人形にされますからね。
……リベンジではどこまで強くなれるかな?
レーザーマンはやはりDr.リーガルが仕向けた存在。
フォルテによってデータがリーガルの元に送られるのは阻止出来たが、…もし送られてリーガルが魔王達のデータを得てしまったらどうなっていた事か…。
次回は遂にクレイマンとリムルが戦う時!アニメだと尺の都合などで紫苑でしたが、やはりリムルが戦う方が良いですよね。