これからも頑張って投稿して行きます。
フォルテがギィから
(やれやれ。また奥の院に潜りこまなアカンなんて、人遣いの荒いボスやでホンマに。まぁ今は
ラプラスがそう思いながら、誰にも気付かれぬように柱に隠れながら忍足で進んで行くと、前方から何者かがラプラスに近付いてくる事に気付いた。
(法皇…………いや違う。まさか…………⁉︎)
コツコツと足音が近づいて来る中、月明かり照らされて見えた者は……
「
そう。優樹によってこの場に居ないはずの聖騎士団長である
ラプラスを鋭い眼差しで睨みながら、ヒナタは口を開く。
「この聖なる場所に潜り込むだなんて、本当に虫って嫌いだわ。」
「虫⁉︎」
自分を虫呼ばわりされたラプラス。ヒナタはそんなラプラスの都合など関係ないと言わんばかりに剣を抜刀する。
「サヨナラ‼︎」
その瞬間、ラプラスは声を上げながら逃走
そんなラプラスを、ヒナタは追撃しなかった。
「ちょおい!どないなってんねん!話がちゃうでボス⁉︎」
ラプラスの脳裏に、頭を掻きながら笑顔で謝る優樹の姿が思い浮かんでいた。
「せっかく魔王ヴァレンタインが留守でも、あの女がおったら侵入なんか出来るかっちゅーんじゃ!」
そう叫びながら全力で逃げるラプラスだった。
しばらく走り続けたラプラスは、ヒナタから逃げきり一息吐いていた。
「はぁ…勝てることあるかいあないな化け物…(逃げ切れたか…いや、油断しないどこ。最近ワイついてないし、もう一波乱くらいかるかも…。)」
そうラプラスが思っていると、ラプラスの予想は的中していた。
「ん?ちょ…マジかいな…。もおう……やってられんわ…。」
ラプラスの背後に無数の蝙蝠が集まり、人の姿を成していく。
「虫ケラめが…余の前に今一度姿を見せるか。」
(クソったれ!)
ラプラスの前に姿を現したのは……
「今度は魔王かい…‼︎」
そう。ルミナスの命により、先に戻って来たロイ・ヴァレンタインだった。
「
「フン。虫ケラは皆、逃げ回るのが好きだな。」
ロイからすぐに逃亡しようとしたラプラスだが、ラプラスに向かってロイが言った言葉に足を止めた。
「…何の話や?」
ラプラスの問いに、ロイは笑みを浮かべながら言った。
「フッ。貴様には関係ないが、冥土の土産に教えてやろう。つい先程、クレイマンが死んだのだよ。」
「な……何やと!」
ロイの言葉に驚愕するラプラス。それは…あまりにも、受け入れ難い言葉だった。
「あの愚かで姑息なゴミ虫も逃げ回っておったぞ。無様にも泣き叫びながらな。」
「ぎっ!ぐぅぅぅぅっ!。」
ロイにクレイマンを侮辱され怒るラプラス
「フッハハ!何を怒る?見ず知らずの男の死がそんなショックか?」
「黙らんかい!おい、クレイマンが死んだっちゅうんはホンマの話なんか⁉︎」
「はーっはっはっはっ!語るに落ちたなゴミ虫めが‼︎やはり貴様らは繋がっていたのだな。全てはルミナス様の思し召し通り!」
「何を笑っとるんじゃ!クソボケが!」
「誰に向かって……ごぉ⁉︎」
ロイが言い終える前に、ラプラスの拳がロイを頬を殴り飛ばした
「ド阿保が!」
そこから、ラプラスの怒涛の拳がロイに炸裂した。
「ワイの!友達を!笑うなちゅうとんじゃい‼︎」
怒りに燃えるラプラスの攻撃に手も足もです殴られ続けるロイ
それは、ルミナスの代わりに魔王を名乗っている彼のプライドを傷付けるには十分だった。
「グッ!…調子に乗るなよ!虫ケラがぁぁぁ‼︎」
怒りの声を上げながら、ロイは一度はラプラスをバラバラにした自身の得意技を放とうとする。
「死ね!
だが、……技が放たれることはなかった。
「……っ!(発動しない⁉︎いや、それどころか動くことすら……ッ。)」
「無駄や、お前はもう死んどる。」
技が発動せず、動けない事に戸惑うロイに、ラプラスは左手に持つある物を見せる。それは……心臓だった。
それを見たロイは自分の胸を見ると、胸に大きな穴が開いて心臓が抉り出されていた。
「せや。これはお前の
ラプラスの手の上で鼓動するロイの心臓。
動けないロイの体は震えていた。
(馬鹿な……余が、恐怖しているというのか⁉︎こいつ、只者では………!)
「気付くのがちぃとばかし遅かったな。せや、ワイは強いんや。」
そう言ってロイの心臓を真上に掲げるラプラス。ラプラスが何をするのか分かっているロイは心の中で叫ぶ。
(やめ………⁉︎)
ラプラスはロイの心臓を握り潰す
その瞬間、ロイは吐血し、塵となって消滅した。
……ロイの敗因は、新月の夜によって力が弱まっていた事と、一度は追い払ったラプラスの真の実力を見抜けなかった傲慢さだった。
皮肉にも、その傲慢さは馬鹿にしゴミ虫と罵っていたクレイマンと同じだった。
ロイが消滅するのを見届けたラプラスは、掲げていた左腕を下す。
すると、ラプラスとロイの戦闘による騒音で司教達が目を覚まし現場に集まって来た。
「なんの騒ぎだ!こんな夜更けに⁉︎」
「なっ何者だ貴様⁉︎その返り血は………ッ⁉︎」
騒ぐ司教達。すると、そんな司教達の間をラプラスは走り抜ける。
「しっ侵入者⁉︎」
「衛兵……!誰か急いで衛兵を呼びなさい‼︎」
司教達に呼び出され、ラプラスの元に集まる衛兵達
だが、衛兵達がラプラスに敵うはずもなく、ラプラスに武器を奪われ倒されていく。
(………なにしとんねん、クレイマン。)
「かっ囲め!絶対に逃すな‼︎」
ラプラスを逃すまいと、取り囲みながら立ち向かう衛兵達
だが、ラプラスは奪ったハルバードと長剣で衛兵を悉く返り討ちにする。
ある者は長剣で切り裂かれ、ある者は盾ごと真っ二つに斬られた。
衛兵を殺しながら、ラプラスはクレイマンの死を知らされた時の仲間達の事を考えていた。
(ああ…フットマンは怒るやろ。ああ、ティアは泣くやろな。……しゃーない。せやから、ワイが笑ったるわ。)
そう思いながら、衛兵達を皆殺しにしたラプラスは外に出て雨が降る中、笑い出した。
「……………ははは。ひゃっはははは!ははははは!ひはははは!はははははは!ひゃはははははは!あーはははははは!」
聖神殿の入り口付近に転がる衛兵達の亡骸。
ロイと衛兵の返り血を浴び、血塗れのラプラスが雨の中でとち狂った様に笑い続ける。
………その笑い声は悲しみの声であり、辺りに悲痛な笑い声が響き渡る。
降り続く雨は、………ラプラスの涙のようだった。
クレイマン……お前はホンマに、バカやったで…。
ラプラスが笑いながら悲しんでいる頃。
クレイマンとの決着がついたフォルテは、……ヴェルドラ達の姉であるヴェルザードと話をしていた。
「初めまして、ヴェルドラちゃん達の姉のヴェルザードよ。」
「フォルテ=テンペストだ。リムルと共にヴェルドラの友になった者だ。」
互いに自己紹介する二人。
「アゲンストちゃん達から聞いたわ。貴方がアゲンストちゃん達をこの世に生み出してくれたのね。アゲンストちゃん達が、平行世界から来たと聞いて私も驚いたわ。」
ヴェルザードがそう言うの聞いたフォルテは、目線をアゲンスト達に向ける。
フォルテの視線に気付いた二人は、申し訳なさそうにしていた。
(…まぁ姉に聞かれたら答えるしかないよな。)
フォルテは笑みを浮かべると、再びヴェルザードに視線を戻す。
「正確には、俺とヴェルドラで協力してだがな。あのまま消滅したら、もう一人のヴェルドラとして復活し、世界中を暴れ回っていたはずだからな。」
「そうね。ヴェルドラちゃんが二人になって暴れたら、また私が躾ないといけなくなってたと思うわ。」
ヴェルザードのその言葉に、冷や汗を流しながら震えるアゲンストとヴェルキオン。
「そういえば、躾でヴェルドラを何度も消滅させたと聞いたが……。」
「ええ。躾の一環で、ヴェルドラちゃんの性格が少しでもまともにならないかしらと、何度か試した事はあるわ。」
(……つまり、無理矢理転生させて人格のリセットを試した訳だな。ヴェルドラがトラウマに成る程、姉に恐怖するのも納得だな。)
話しを聞く限りだと、当の本人は躾の一環でやっただけで、ヴェルドラを大事に思っているようだ。…竜種の行動は、躾でもスケールが違うとフォルテは思った。
「それで、私の躾でも暴れるのをやめなかったヴェルドラちゃんが、自分を御せるようになった理由が聞きたいの。教えてくれるかしら。」
姉のヴェルザードからすれば、自分の躾でも暴れ続けたヴェルドラが、突然暴れるのをやめたら気になるのは当然か…。
「勿論。まずは、やはり勇者に封印されたのが一番大きかった理由だな。暴れることが生き甲斐のヴェルドラにとって、300年間何も出来ずにいるのが相当応えたようだ。」
「確かに、何も出来ずにいる事はあの子にとって一番辛かったでしょうね。」
「後、暴れること以外で興味を持つ事だな。リムルの異空間で、ヴェルドラは漫画を気に入った。」
そう言って、フォルテは一冊の漫画を取り出す。取り出した漫画は……転生したら剣でした。
「そう!あのヴェルドラちゃんが静かに読書をする事を覚えたなんて驚いたわ。」
ヴェルザードは嬉しそうに笑顔でそう言った。
「その漫画って書物がヴェルドラちゃん達が気に入っているのね。」
ヴェルザードは、フォルテから漫画を受け取り試しに読んでみる。
「あら?この本、絵が多いのね。でも、…不思議と続きが気になるし、面白いわ。」
ヴェルザードも、漫画を気に入ったようだ。
「簡単に言うなら、絵本と物語を合わせたのが漫画だからな。」
「そうなのね。」
フォルテとヴェルザードは、その後も話を続けた。
その一方、ヴェルザードの
「大丈夫か?ヴェルドラ。」
「おっおお…リムルよ。わっ…我なら大丈夫だ。」
「いや、全然大丈夫じゃないだろ……。」
ヴェルドラがそんな事になっていても、話を続ける
フォルテとヴェルザード。
「……色々と聞かせてくれてありがとう。貴方と話しが出来て良かったわ。ギィが興味を持つ訳ね。(いつもなら嫉妬しちゃうけど、私も少しだけ興味を持っちゃったわね。)」
「こちらも、貴女と話が出来て良かった。貴女がヴェルドラの事をどれだけ大事にしているのか、話をしてみて良く分かった。」
「これからも、ヴェルドラちゃん達の事を宜しく頼むわ。」
「勿論。」
フォルテとヴェルザードはそう言って、笑顔で互いに握手を交わすのだった。
丁度その時、ミザリーが現れ三人に声を掛ける。
「失礼致します。ヴェルザード様、リムル=テンペスト様、フォルテ=テンペスト様。お茶の準備が整いました。」
「あ、はい。」
「あら?もうそんな時間?」
「では向かうとするか。」
話し終えた俺達は、再び円卓の席に着いた。
フォルテ、リムル、フレイ、ラミリス、ミリム、ルミナスは紅茶。
ギィ、レオン、カリオン、ダグリュール、ディーノにはワインが注がれた。
「………さて、今回の
ギィがワインを飲みながらそう言うと、フレイが手を上げた。
「良いかしら?私から提案…………というより、お願いがあるのだけど。」
「良いぜ。言ってみろよ。」
「今日この場を以って、私は〝魔王〟の地位を返上させてもらうわ。そして、ミリムに仕える事を認めてもらいたいの。」
「えっ?ええっ⁉︎」
「何だと?」
「えっ?ええっ…………⁉︎」
フレイの突然の宣言に周囲の魔王達は反応し、ミリム、ダグリュール、ディーノは思わず声を上げた。
「おいおい、いきなりだな。」
流石のギィも予想外だったようでそう言う。
そして、突然仕えると言われたミリムがフレイに向かって口を開く。
「待つのだフレイ!私はそんな話、初耳だぞ⁉︎」
「ええ。言ってなかったもの。」
「理由は何だ?」
ギィに聞かれ、フレイは理由を説明する。
「理由は………そうね。色々あるけれど、一番の理由は、私は魔王として弱すぎると思うのよ。さっきの戦いを見ていて確信したのだけれど、クレイマンと戦っても良くて互角だったわ。ましてや、覚醒したクレイマンにはどうやっても勝つ事は出来なかったわね。」
「だがフレイよ。
ダグリュールがそうフレイに言うと、フレイは再び口を開いた。
「確かに、空で戦うのなら私に有利だったでしょう。でも、民を守れなかった時、魔王に〝空ならば敗れなかった〟という言い訳は通用しないわ。それに、例えクレイマンの様に有利な状況を整えようと、その全てを覆す者が相手では、どうしようもないと知ったのよ。」
そう言って、フレイはリムルとフォルテを見る。
まぁ、俺がミリムと互角に戦ったり、ギィに火傷を負わせたりするところを見たら無理ないか。リムルもクレイマンの最高の奥義であった
フォルテがそう思っていると、フレイはミリムを見ながら再び口を開く。
「どうかしら?この提案を受けてくれないかしら?」
「だっだが………。」
「ちょっと待ってくれや。そういう話なら、俺様にも言いたい事がある。」
フレイの提案に困惑するミリム。すると、今度はカリオンが立ち上がり口を開いた。
「俺もよ。ミリムとタイマン張って負けた身だ。魔王を名乗り続けるのは烏滸がましいってもんだ。だから俺も、魔王の地位を返上させてもらいたい。」
「ええ⁉︎」
「ひゅ〜!」
まさか、カリオンまでそう言ってくるとは思わず驚くミリム
そんな状況を見てラミリスが声を上げる。
「てな訳で、俺は今日から配下になる。よろしくな、大将!」
そう言いながら、カリオンはミリムの肩に手を置き、笑顔でサムズアップした。その際、カリオンの歯が煌めいたように見えた。
「ちょっと待てカリオン⁉︎あの時の私はクレイマンに操られていたのだぞ?ノーカンに決まっておるではないか‼︎」
「ははは。てめぇさっき自分で、〝私を支配するのは無理なのだ〟って言ってただろうがよ‼︎てか、お前が操られていないと、フォルテの奴が気付いていたのを忘れてねぇか‼︎」
「うっ!いや…それはだな………。」
反論するミリムだが、カリオンがそう言うと冷や汗を流しながら目を逸らした。…まぁ皆の前で堂々と言っていたから言い逃れも出来ないな。
そんな状況の中、ギィがカリオンに問いかける。
「本当にそれで良いのかよ、カリオン。」
「ああ。建前上、魔王同士は同格だが、ああまで歴然とした力の差を見せつけられたんだ。ここは潔く、軍門に下ろうと思う。」
「俺はお前を気に入っていたんだぜ?後数百年もすれば、お前も覚醒するだろうと期待してたんだがな。」
「期待はありがたいが、身の振り方は自分で決めるさ。」
ギィはカリオンが覚醒する事を期待していた。その気持ちはフォルテも十分理解出来た。カリオンと一度は模擬戦をし、その中で全力で拳をぶつけ合った。
カリオンの人柄と力ならギィの言う通り、いずれ自力で覚醒に至っただろう。
「………まぁ良いだろう。たった今より、フレイとカリオンは魔王ではない。ミリムに仕えたいと言うのなら、自分達で説き伏せるが良いさ。」
ギィは少し残念そうにしながら、二人の魔王の座返上を認めた。
そして、ミリムがカリオンに問い掛ける。
「本気なのか、カリオン?」
「ああ。
「良いと思うわよ。獣王戦士団は貴女の戦力として恥じない実力だし。」
確かに。カリオンの獣王戦士団の実力と、フレイの
だが、それでもミリムは不安げに口を開いた。
「そ、そんな事を言って、私を騙そうとしていないか?」
「騙す?」
ミリムの言葉に首を傾げるフレイ。
「だ、だって部下や配下になると、気軽に話してくれなくなるだろう?一緒に遊んだり、悪巧みもしてくれなくなるだろう⁉︎」
ミリムにとって、魔王とは対等に話し合える仲間。だからこそ、俺やリムルに魔王になるように誘っていた。
そんな仲間であったフレイとカリオンが自分の配下となる事に、ミリムは不安なのだろう。
そんなミリムの不安な気持ちを理解したフレイが口を開く。
「いいえ。いつでも一緒に居られる様になるし、なんならもっと楽しい事が出来ると思うわよ。」
フレイの言葉を聞いたミリムは、安堵したのか満更ではない表情を浮かべた。
フレイはミリムの事を良く理解している。
「そもそも、お前が俺様の都を吹き飛ばしたのが原因だろうが!お前には、俺様達を養う義務があるんだよ!」
カリオンは鋭い眼光と圧をかけた正論をミリムを叩きつける。
ごり押しだが、…カリオンの言葉は全て正しい。
「ぬぐぅ!…わ、私は民を持たぬ主義だ。仕えると言われても困るのだが……。」
「だからこそ、私達が貴女の役に立てるのよ。貴女だって、いつまでも我儘ばかり言ってはいられないでしょう?そろそろ領土の運営も考えるべきなのではなくて?ではないと、貴女を慕う神官達が可哀想じゃない。」
「うっ⁉︎」
ミリムが悪足掻きを言うが、フレイによってあっさりと論破されるのだった。
その様子を見ていたリムルが、フォルテに念話で話しかける。
『なぁフォルテ。今後、ミリムの国との国交を考えるなら、彼らを相手に交渉するかとになりそうだな。』
『ああ。特に、フレイが一番頭が切れているから、交渉はフレイとすることになる可能性が一番高いな。』
リムルとフォルテが念話で話し合っている間に、フレイとカリオンに正論で攻められ頭を抱えていたミリムが耐え切れずに叫んだ。
「……えぇい!分かったのだ!もう勝手に好きにすればいいのだぁ‼︎」
「よし!」
「ふふ。」
こうして、カリオンとフレイを受けれる事となったミリム。
………となると、クレイマンを倒して俺とリムルが魔王入りした状態から二人が抜けるから、…九人になるのか。
その事にリムルも気付いたようで、俺達は思わず口を開いた。
「となると………そうか。十大魔王じゃなくなて、九人になったんだな。」
「まぁ、俺とリムルを入れた時点で11人だったからな。」
リムルとフォルテの言葉を皆が聞いた瞬間、場の空気が変わった。
レオンを除く魔王達は皆苦い表情を浮かべながら、俺達を睨んでいる。
………どうしたんだ?
俺とリムルは訳が分からずにいると、ダグリュールが口を開いた。
「困ったのう。…………威厳的な問題として、また新たな名称を考えねばなるまいよ。」
「幸いにも、今は
ルミナスの言葉を皮切りに、他の魔王達も話し始める。
「ワハハハハハ!私は今回もお前達に任せたのだ!」
「押しつけ早っ⁉︎まあ、前回も散々だったものねー。」
「うむ。幾度、
「そうそう。“十大魔王”ってのも、結局は人間が呼び出したんだよな。せっかく俺達だって必死に考えたってのに。」
「さも建設的な意見を出した様に語るでないわ。貴様は文句ばかり言っておったであろうが。」
「何言ってんだよ、バレンタイン。そう言うお前はロイに任せっきりだったじゃねーの。」
「……………噂に聞く悪夢が始まるのか…………。」
レオンは影を落としながらそう呟いた。
まさか、そんな理由で
エラルド達が知ったらどんな反応するのやら…。
「落ち着け、お前達。こんな時こそ、普段は見せない協調性で乗り切ろうじゃねーか。」
「俺、寝る。」
「アンタ本当、協調性の欠片もないわね⁉︎」
ギィが皆をまとめようとするも、普段から協調性がない故かまとめることが出来ないようだ。
すると、そんな魔王達の様子を見ていたヴェルドラが口を開いた。
「む?名付けの話か?ならば、我が友リムルとフォルテが得意としておるわ!頼ってくれても良いぞ?」
「ええっ⁉︎」
「なっ⁉︎」
まさかのヴェルドラの発言に驚くリムルとフォルテ
それを皮切りに、ラミリスが口を開く。
「そうそう!私のベレッタとスペルにも、サクッと名付けてくれたもんね!」
「そうです!リムル様とフォルテ様は、名付けを得意としています!」
「さっきも言ったけど、僕の名前もフォルテ様が付けてくれたからね。」
「アゲンストちゃんとヴェルキオンちゃんの名前も確か、フォルテが付けてくれたのよね。二人から聞いてるわ。」
「…………ほう?」
ラミリス、紫苑、ウルティマ更には、ヴェルザードがそう言うと、ギィまで反応してしまい、リムルとフォルテを見ながら良い笑みを浮かべた。
………これは、新たな名称を俺達に考えさせるつもりだな。
フォルテは全てを察した。そして、断らない方が賢明だと理解した。
そして、ギィが口を開く。
「今日、新たな魔王として立つリムルとフォルテよ。君達に素晴らしい特権を与えたい。」
「あ、いらないんで遠慮します。」
「有り難く承ろう。」
「「………え?」」
俺とリムルは互いに顔を見た。
リムル…断っても絶対無理だと何故分からない?
フォルテがそう思っていると、ギィは笑顔を浮かべたまま、円卓を手刀で軽く叩いた。
すると、他の魔王達が下がると円卓が真っ二つに裂けた。
そして、ギィはそのまま裂けた円卓の間を通ってリムルの元へと歩み出す。
「そうだとも。我らの新たなる呼び名を付ける権利。それを君達に進呈する。これは大変名誉な事だから、当然引き受けてくれるよな?」
そう言って、リムルの前に立つギィ。
そんなギィから発せられる異様な圧に、リムルは思わず顔を逸らすが、ギィはリムルの顎を掴んで自分の方へと向ける。
「…………というかよ、お前達が人数を減らしたのがこの問題の原因なんだぜ?勿論、責任取って名前くらい考えるよな?」
そう言いながら、リムルの耳元で囁くギィ。……側から見たら殆ど脅迫だな。
それに、カリオンとフレイは自己都合なのだが……言わない方が賢明だな。
そして、観念したのかリムルはギィを突き放しながら口を開いた。
「わ、分かったよ!気に食わないからって、文句を言うなよ?」
「ならば良し。」
リムルの言葉を聞いたギィは笑顔でそう言った。
そして、今度は俺の方へに来ると、俺の肩に手を置きながら笑顔を向ける。
「お前も頼んだぞ。」
「勿論。」
フォルテがそう言うと、ギィは何事もなかったかの様に席へと戻って行った。
「レイン。テーブルをくっつけとけ。」
「はい。」
ギィが戻るのを見届けたフォルテは、リムルの様子を見ると……何故かギィが囁いていた左耳を押さえていた。
『大丈夫か?』
フォルテは気になり、思念伝達で話しかける。
『くそぅ……。ヴェルドラのせいで寿命が縮んだ気がする。』
リムルの様子から見て、……耳を甘噛みでもされたようだな。
『さっさと名前を考えてしまおうか。また、…ギィに何かされる前に。』
『……そうだな。』
そうして、新たな魔王達の名称を考えるが、中々良いのが決まらない。
どうしたものかと、リムルとフォルテは異空間の夜空を見上げた。
そこには、…夜空に一際輝く九つの星が見えた。
その星を線で繋ぐと九芒星が出来上がり、その瞬動二人はほぼ同時に良い名称が脳裏に浮かんだ。
『…なぁリムル。今良い名称を思いついたがそっちはどうだ?』
『奇遇だな。俺も丁度良いのを思いついた。』
そして、二人は互いに新たな名称を確認し合い、口を開いた。
「九星魔王……エニアグラム。」
「なんてのはどうだ?」
「いい!これで勝てる!新たな時代の到来なのだ‼︎」
「やっぱね!リムルとフォルテならやってくれるとアタシは信じてたさ!」
「流石よな。ヴェルドラが推薦するだけのことはある。」
「ふん。まあ良いわね。少しは認めてあげましょう。」
「一瞬かよ。すげぇな………!前回の俺達の苦労は何だったんだ。」
「文句はない。」
「ふん。良かろう。九星魔王…………エニアグラム!」
皆、異論はないようだ。
この日より、魔王達の新たな呼称で畏れられる。
その名は
ギィが立ち上がると、他の魔王達も一斉に立ち上がる。
俺とリムルも同じ様に立ち上がると、レインが一歩前に出る。
「それでは、改めまして。九星魔王…エニアグラムの皆様をご紹介致します。」
レインは、再び皆の紹介を始める。
「
……以上で御座います。」
レインが頭を下げ紹介を終えると、紫苑が笑顔で拍手し、それに続く様にフレイとカリオン達も一斉に拍手した。
「
「おめでとうございます。」
「リムル様、フォルテ様おめでとうございます。」
「リムルさん、フォルテ君。おめでとう。」
「フォルテ様。おめでとう。」
トレイニーさん、ベレッタ、紫苑、シズさん、ウルティマが、笑顔で讃称してくれた。
こうして俺達は、九人の魔王である
この日…新月の夜、新たな魔王の時代が幕を上げた。
遂に
これから先は、3期の初めや映画…OVAを挟んで投稿していきます。
後、オリジナル展開やコラボなどの話もやりますので、また投稿が遅くなるかもしれません。
それでも、投稿は頑張っていきます。