2:足が速い小学生
3:陸上全国出場レベル
4:100メートル走1桁秒
5:オリンピック5連覇
固いものが当たった感触と共に、膝から崩れ落ちる。
「ッ……」
小さな個室に響く鈍い音。
殴られている。抜け出さなくてはと思うが、体が動かない。
…前言撤回。動けた所で手錠に足枷、意味が無い。
「なァ…オイオイそんなもんかよ!!」
暗くなった視界の中、野太い声だけが伝える危機。
油断していた。あんなに早く捕まるとは。
「なあなあ…わざわざ死にに来たんなら少しぐらい楽しませてくれよォ!」
ベチャッ、嫌な音。
頭を包み込む鉄の匂い。口に広がる血の味。
暗くなっていく視界。重くなっていく瞼。
全てが不快だ。
この空間も、この状況も。
死ぬのはいいが、殺されるのがこんなオッサンは嫌だ。
なんて贅沢は言ってなれないか。
レガントか鋼牙、ライクが来るまで耐えれば。
アイツらは異次元だ、全員、能力が4つも解放されている。
こんなチンピラに負けることはまず無いだろう。
「無抵抗のガキ殴ってても虚無だからさーァ、ちょっとぐらい泣き叫ぶとか命乞いとかしてから死んでくれよォ」
と、言うと、刃物…俺が持ち込んだダガーを持ち出した。
「こんな物持ってぇ~なにする気だったかなぁ~?ボクちゃんでも勝てると思った~?ざんね~ん!そこまで甘くねェよ!」
切りつけるのかと思っていたが、柄で殴ってきた。本当に俺をいたぶりたいらしい。
俺はそこまで生にしがみつくことはない。
家族もいないし、仲の良い友達も、今の生活に特段満足している訳でも。
だから俺を殴っても命乞いも悲鳴も出てこない。滑稽だ。
当然コイツはそんなこと微塵も知らないのだが。
まぁ好都合だ。こんなクソイキってた奴が目の前でレガント鋼牙辺りに惨殺されればこんなに面白いことは無い。
だけど、出来ることなら俺の手でコイツに吠え面かかせてやりたい。
俺がぶつけたい。
俺でも出来ると証明したい。
だけど無理そうかな。
目の前に迫った刃を見つめながらそう思った時だった。
突然その男ごと部屋が飛んだ。
いや、俺が落ちている?
視界は真っ暗。だが上を見れば男と部屋がある。
瞬時に理解した。
これは「能力の解放」だ。
この感じから、「影に沈む」能力と言ったところだろうか。
手錠も、足枷も取れている。
体が軽い。
何故だか、今ならいける気がする。
勝てる気がする。
そう思ったら早かった。
影から飛び出し、勢いのままクソ野郎に体重をぶつける。
転倒した所に持ってたダガーを奪い取り、目を切りつける。
念入りに刺す。乱暴に見えて、一刺し一刺し丁寧に狙って刺す。
ソイツは声にならない声を上げている。
気分が良い。
心地よい。
殺したい。
首を両断…はできなかったが、十分深い切り口だ。
このまま放置していても死ぬだろうが、次は心臓だ。
胸を狙って刺す。
硬い所に当たった。胸骨だ。
だが関係ない。刺す。
刺す。刺す。刺す。
いつの間にか男の反応が無くなっていた。
流石に死んでるだろ、と思いつつ、死亡確認をする。
よし、しっかり死んでる。
男の死体を横目に、扉を開ける。
視界に広がる死体の山と、大破した広間。
談笑しているレガントと鋼牙。
能力で建物の復元をいているライク。
レガントが俺に気づいた用で、ジェット機並の速度で駆け寄ってくる。
レガント「おーお前随分派手にやられたなァ、頭血だらけだぞ?」
後ろから鋼牙。
鋼牙「そこの部屋、壁壊せないわドアノブも無いわでどうすることもできなかったんだが、来客室だったのか」
ため息60%で返す。
「クソみたいなもてなされ方だな、危うく死ぬかと思ったわ」
レガント「極楽~ってか?」
鋼牙「まあなんでもいいが、凪渚に治療してもらえよ。多分放置してたら死ぬぞお前」
鋼牙がそう言うと、ライクが飛んできて治してくれた。
凪渚「治療できんの今日あと2人」
レガント「まぁいいんじゃね?こいつ以外怪我人いないっしょ」
「そういえばガラマルは?リムは?アイツらも怪我とか無いのか?」
レガント「あぁ、リムは後方、たまごっちはなんなら1番暴れてたな…」
たまごっち…一瞬なんだと思ったが、レガントがガラマルに付けたあだ名だ。
「あー、まぁ、なんだ。
無事なら良かったわ」
鋼牙「アイツらお前のこと探してたぞ。顔見せてやった方がいいんじゃないか?」
「じゃあ見つけるついでに帰るか」
ちょうどいい
凪渚「そうだな、影舌も見つかったし」
レガント「じゃあ内田センセに連絡しとくからもう行こうぜ!」
次からレガントが主人公かも
もしかしたら鋼牙かも