『今ここに、魔神戦争の一角を再現し、僕の神としての誕生を『証明』しよう。』
『人間...』
『それだけは...神の心だけは...』
『絶対に戻るものか!』
『そうか、なら...次はプライベートな時間だ。』
かくして散兵という存在は消え、残滓はただの流浪の身となった。
そしてその機械は
「ねぇ、わたくし娯楽小説なるものを読んでみたいわ。」
「勝手にするといいさ、わざわざ僕に言うことではない。そら教令院なんて大仰な名前がついてるんだ、娯楽小説の一冊や二冊、ころがってるんじゃない?」
「うーん、新しいのが読みたいのだけれど...」
知恵の神ブエル「ナヒーダ」に飼われていた。
放浪者は悩んでいた。基本的にだれに頼まれても動くことはない彼にも。例外となる人物はいるようだ。
「ナツメヤシキャンディを切らしていたなんて...その程度のことでこの僕が買い出しに行かされるとは...まったく、そもそも僕の格好はこの国では目立つというのに。」
何しろこの和装だ。少し前の騒動によりこの国にも稲妻人がいないわけではないが。
「いや、やめよう。こんな晴れた日に雷を恐れるなんてバカバカしいからね。」
放浪者は思考を切り替えた。早急に用事を済ませ自分の部屋にこもるためだ。いったいどこが放浪なんだか。
「あ、草神様の飼い猫!」
「チッ誰が飼い猫だ!」
「し、師匠!あんまり柄悪そうな人に絡まないほうが...」
そう声をかけてきたのはレンジャーの二人、片方はあまり見ないが、声をかけたほうは知っている。
───散兵時代の記憶だが。
「長いものに巻かれるのを恐れ、お山の大将、いやお森の大将気取りのレンジャー長様が、いったい何の御用なんだい?」
若干の罪悪感がないでもないが、猫呼ばわりでチャラだ。どうせ、あちらは何も覚えていない。
「お、お前師匠を馬鹿にッ!」
少女のほう...気弱そうなほうが、牙をむいてきた。
「いいよコレイお互い様だ。それに僕の用は君であって君じゃない。草神様は?今どちらにいらっしゃるんだい?」
放浪者は現在、ナヒーダの保護下にある。
「保護下」といっても、この状態を保護だと認識してるものは当人たち以外だと、数少なかったりする。
つまり彼らからすれば、確かに飼い猫...居候状態だと認識しているのも無理はない。
「あぁ、あの神なら今はいないよ。なんでも砂漠のほうで何かあったらしい。旅人も一緒だ。」
ここでいう「旅人」とは、一般名詞における旅人ではなく、現在各国を渡り歩き、諸問題を解決している人物の名称だ。
この者たちともかかわりがあるようで、知ったような顔であった。
...自分も、それなりに深い関係ではあるのだが。
「なるほど、うーんどうしようかなぁ。お留守番に話しても仕方ないし...」
このナゾ耳野郎、意外と根に持つタイプだ。
「し、師匠でも、私たちで解決できる問題でもないし、一応話してみようよ。この格好、稲妻人みたいだし。」
「僕は稲妻とは関係がない!」
つい、反射的に声を荒げてしまった。男のほう...ティナリは顔をしかめ、コレイは完全におびえ切っている。
ため息をつく。なれ合うつもりはないが、自分は草神の保護下にいるものだ。自分の行動は、草神への評価にもつながりかねない。
なんとか、この場をうまく納めなければ...
「まぁ、そうだね。外見から判断するのは早計だったのかもしれない。その点については謝罪しよう。でも、そちらにも問題があると思うよ。そんな恰好をしていれば、誰だって関係者だと思ってしまう。」
妥当...いや、正論だ。自分はいまだにこの格好を捨てられずにいる。いったいどういう意識によるものなのか、具体化は避けることにした。
空気が重い。彼らは「神の目」を持つ者たちだ。「神の目」を持つ者たちの対立というのは、そこまで珍しくもない。
彼らの自我...神の目を授かるということは、ある程度強烈なものを持っているということなのかもしれない。
「いいよ、話してみな。どうせ彼女はいないんだ。内容によっては、僕が伝えてもいいし。」
「わかった。ここで出店を冷やかすのもあれだし、カフェで話そうか。コレイ、先にセノと合流しておいてくれないか。」
「えっいや...あはは...はぁ、セノさんの相手を一人でするのか...」
二人はコレイと別れ、重ぐるしい空気をそのままに、目的地へと向かった。
コレイはティナリの指示のままセノと合流した後、自慢げに持っていたモンドの錬金術師によって描かれたカードを披露される羽目になったのである。
お久しぶりです。さんたです。
今回は放浪者メインのお話です。
前回と違って、放浪者目線で話を進めます。
放浪者の操作感はさいこうですね。
次来たら2凸...あわよくば完凸したい...
3.6pvでスメールキャラと絡んでる姿があったので、いつか稲妻メンバーとも絡んでほしい!
スメールキャラはどれも魅力的ですが、見た目だとニィロウが一番好きです。