空鯨
タルタリヤの持つ技の一つ。広範囲、高威力すぎるがゆえに普段は封印している。
というより、そもそもタルタリヤにこの技を使わせるほどの者が少ないというのもある。
なんにせよ、タルタリヤは放浪者をそれに値する敵と認めたのだろう。
それは、ちょうど放浪者がゴローを背負おうとしていたところ。
タルタリヤの姿を見ると、以前よりも仰々しい姿をしていた。
魔王武装だ。
低い音が鳴る。それはまるで悪魔の鳴き声。
空より飛来するそれに、放浪者は対応出来ない。
狂言・式楽伍番を使用すればややもすると何とかなるかもしれないが、これほどのモノに対処できるようにするには準備に時間がかかりすぎる。
死期を悟る。なんとかして抱えてる男だけでも生存させられないかと考えるが、どこに投げても余波で死ぬ。
一つ、ある。
だが、それを放浪者はずっと拒み続けていた。
切り札として捨てられずにいた、過去の遺産。
それを手放す。
驚くべきことに、最初に浮かんだのは草神だった。
『亀裂を背負ったまま生きていくのが人間というものよ。人間になるかどうかは、あなたが選んでちょうだい。』
優しく、そして厳しい言葉だ。
「あぁ、これでお別れだ。スカラマシュ。」
そういうと、放浪者は隠し持っていた邪眼...雷の邪眼を取り出した。
そして、力を伝える。
久しぶりに使う邪眼は、まるで放浪者に使われるのを拒んでるようだった。
「わがままを言うな。これで...最後だッ!」
小規模の狂言・式楽伍番を発動させ、邪眼を暴発させる。
あたりに高出力のエネルギーが放たれる。
だが、足りない。そもそも、あの鯨に充てなければ意味がない。
「ならばッ」
邪眼からのエネルギーを左腕に集中させる。
逆流を防ぐため、左腕を引きちぎる。
最後の信号は送ってある。
普段は足で発動させている狂言・式楽伍番を、今度は左腕から発動させるというものだ。
まるで弧を描くような鯨の軌道が頂点に達する。あとは、落下するだけ。
そこで、迷わずその爆発寸前の左上を投げつけた。
今もなおエネルギーを放出し続けている邪眼を握りしめ、狂言・式楽伍番発動寸前の左腕が、クジラに接触する。
入力のタイミングは完璧だ。
先ほど放浪者が生み出した真空とは比べ物にならないほどの規模のものが生み出される。
そしてそれはタルタリヤが虎の子の魔王武装まで持ち出し放った空鯨を見事に吹き飛ばした。
タルタリヤは魔王武装を使用したことでの身体的消耗、放浪者は片腕と邪眼の損失。
これが、初戦の幕引きである。
今回はめちゃくちゃオリジナル設定です...
そもそも放浪者が邪眼を使ってたかもわからないし、元素爆発に関してはもう...
多分今後こんな感じのめちゃくちゃなバトルが増えると思います。
それと、そろそろペース落ちるかもです。
まだ全体のイメージの半分も行ってないのに、前作の胡桃の文字数に追いついてしまったので...
どうか、まだまだお付き合いください。