メカジキ二番隊は、少数から構成されていた。
「この部隊は臨時的に組まれるものでね。他の部隊の生き残りとかが配属されるところなんだ。
リーダーも本来はいるんだけど、僕は最近配属されたばかりだから見たことがない。
あまり、一つの場所にとどまる人物ではないみたいだよ。」
そう教えてくれたのは、弥市という男。
もとは一番隊だったらしい。ここにいる理由は、本人が言った通りなのだろう。
「配属されたとはいえ、なれ合う気はない。僕は僕でやらせてもらう。」
冷たく言い放った。しかし、
「いいよいいよ。ここの連中はみんなそんな感じだから。
そりゃ、仲間殺された後にホイホイと別の奴と仲良しこよしする気にはなれないよな。」
弥市はそういって乾いた笑いを見せた。
状況は悲惨の一言に尽きる。
主力となる神の目所持者が今確認できてるだけでも二人で、そのうち一人はこの島を守るために動けず、
もう片方はすでに瀕死だ。
放浪者も五体満足ではなく、片腕がない状態での戦闘も初だ。
そして、それもあってか同じ部隊の人たちからもあまり戦力として期待されていない様子である。
「とにかく、俺たちの出番があったら呼ぶから、その辺で休んでなよ。顔合わせは戦地で十分だろう?」
とのことなので、休憩時間は延長された。
別に、この部隊が珍しいというわけでもないらしい。
あのゴローという少年はよくやっていたが、全体の士気は落ちている。
彼の戦線離脱によってそれに拍車がかかっていた。
軽く島を見渡す。
閉塞的な環境だ。
おそらくもう限界を迎えているのだと放浪者は察していた。
この後はもう騙しあい、裏切りあいにより、この抵抗軍は崩壊するのであろう。
だが、放浪者にとっては知ったことではない。万葉の情報が入るまでなんとか維持していればいい。
頭領である珊瑚宮心海には悪いが、別に目的は稲妻を救うものではなく、あくまで自らより生まれたものの清算なのだから。
そんなこんなしていると、呼び出しがかかった。
内容としては、最近仲間になった別部隊の救援らしい。
「戦況としては別にそこまで...というより、どちらかというと優勢らしいが、とにかく問題が発生しているらしい。」
「なんだったか...そう、荒瀧派?とかいうやつらだってよ。とにかく急ごう。」
「おいおい!この三下ども!この、荒瀧・容赦無用・一斗様に恐れをなしたか?」
「お、親分!もう敵は撤退しているよ...」「俺たちもさっさと戻ろう...」
「ふざけんな!忍とも連絡がつかねぇし、あいつらが連れ去ったに決まってんだ!」
「いやだから、忍の姉御は神里家と...」
「うっるせぇ、あの船ぶっ壊すぞ!いけっ牛雄!」
初仕事はあの暴れている男を取り抑えることらしい。
「あの男は本当に味方なのかい?敵の方がまだマシそうだけど?」
「残念ながら味方だね。とにかく、なんとかしてよ。神の目、持ってるんだろ。」
ややぶしつけではあるが、与えられた任務ではある。
「おい、そこのお前。もう十分だ。」
「ああ?なんだお前。この俺様に盾突こうってのか!?」
深いため息をついた。この手の輩は面倒だ。このまま黙らせてやろうか───
「まったく、あいかわらず下品この上ないわね。」
「あぁん?お前いった...げっ!」
現れたのは、夜蘭だった。