放浪者の稲妻行 〜超巨大機神統治国家〜    作:旅人さんた

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拾漆 風元素

「いたた...ここは、たたら砂か?」

 

ゴローの目が覚める。

岩の矢の開けた穴はうまく横穴につながったらしい。

放浪者はいまだ目を覚まさない。

 

「息は...してない。そうか、こいつ機械なんだっけ。」

全身を軽く確認したが、特に外傷はない。いったいなんでできているのだろう。

 

「俺を、かばってくれたのか。」

 

「外の様子をみてこなきゃ...ん、ここは...危なッ」

 

そう、ここはたたら砂の真ん中。

 

作業場の一つの小屋であった。

 

「下に落ちたらひとたまりもないぞ。しかも、ファデュイが徘徊してる。」

 

一度、深呼吸をし休憩したいが、何か考えてないとどうしても珊瑚宮様のことを思ってしまう。

 

「大丈夫、きっと大丈夫だ。だって珊瑚宮様はもともと...」

 

 

「この辺にいるはずだ!探しだしてとらえろ!」

「捕えろっつってもあの機神相手に生き残れた奴に俺らが適うのか?」

「しらねぇよ。そーゆー指示なんだからそうなんじゃねぇの?」

 

下の方で声がする。ここがばれるのも時間の問題だ。

 

(あの程度なら俺でも余裕だ。でも、人一人を背負って逃げられるほどの余裕はないぞ...)

 

(早く起きてもらわな...ん?)

 

これは、炉心だ。

内部のエネルギーが漏れてるのか、近づくだけで危ないというのは一目瞭然だ。

 

(これを...いや、そんな簡単にいくとは思えない。)

 

(とにかく、次の行動を考えないと。)

 

 

 

 

 

 

 

『おい、いつまで寝てるんだよ。』

 

外がうるさい。

 

『まったく、お前は本当に手のかかるやつだな。』

 

知ったような口をきくな。

 

『はぁ、さっさと...』

 

「君の口を縫ってしまえば少なくとも今よりは安眠できそうだ。」

 

 

『絶好調じゃないか。目が覚めたようで何よりだよ、傾奇者。』

 

「最近はよくその姿を見るよ。別口なんだろうが、サプライズは失敗だね。」

 

目の前にいるのは、丹羽の姿をした『誰か』だ。

 

『あちゃーばれちゃったか。にしても君は本当にいい性格だね。』

 

「勝手に人の記憶を覗く無粋者に比べればましな方さ。そもそもここは一体...」

 

『この場所?君はよく知ってるはずだけどね、たたら砂だよ。』

 

「そうか...。」

 

 

「ゴローは無事なのか?」

 

『さぁね、僕はあくまで君に語り掛けてるんだ。外の様子なんてわからないよ。』

 

「チッ。使えない。」

 

『えへ。』

 

「なんだ、えへって。仕方ない、僕はさっさと行かせてもらうぞ。」

 

『ちょっと待ってよ!なんのためにわざわざ僕がこんなところまで来たと思ってるのさ!いや実際に来てるわけじゃないけども!』

 

「暇ジンにかまってる暇はないんだが...」

 

『暇じゃないよ。僕もこれで結構忙しいんだ。例えば詩の教室だったり...騎士団にちょっかいかけたり...』

 

(こいつとうとう隠す気なくなったか...)

 

「それで?そんな忙しいお方が何の用なんだい?」

 

『ん?それは簡単さ。君に勝ってほしい。』

 

「」

 

『君とファデュイにどんな関係があるかは知らないし、この姿の人物とどんな関係があるかはわからない。

覗きはぼくの専門分野じゃないからね。この姿はただ君の神の瞳に宿った強い記憶のうちの一人をまねただけだよ。

どうやら知ってる顔もちらほらいるみたいだね。でも、そこまで。僕の見える範疇じゃ君の闇の部分までは見えない。

だから僕は、君の光の部分にお願いしてるんだ。ただ、勝ってほしい。今回の事件は僕とは無関係と言い切ってしまうほど薄情じゃないんだ。

あの魔女の呪い...硬い氷に閉ざされた熱い炎は、今もなお生き続けている。それに、君の自由を求める心は、昔の知り合いとどうしても重ねてしまう。』

 

 

 

「君に言われなくとも、勝つつもりだ。ただ...」

 

『うん、今の君にはどうやったって勝てない。あの神モドキを倒すのは相当難しい。だって中に神がいるんだから。』

 

『ちゃんと戦力差を把握してるのは美徳だね。』

 

 

『君に贈り物をあげよう。魔女の崇拝者に向けるにはぴったりなものだよ。』

 

『さ、行くといい。プレゼントは目を開けたときに。お礼はお酒でいいよ。それじゃ、これ以上は邪魔者が介入しそうだから。』

 

「あぁ、行かせてもらうよ。お節介な神様。」

 

 

 

 

『それで、いつまで君はそこにいるつもりなんだ?』

 

『まさか見つかると思わなかったぞ。役立たずの神よ。』

 

『神との契約を反故にするなんて、命知らずだね。』

 

『契約をつかさどる神は、別にいるだろう。そもそも、私の存在は【私】すら知りえない。気付かれれば契約で殺されるからな。』

 

『そうか、でもそこに居続ける以上、何かするつもりではあるんでしょ?』

 

『遠方から見てるといい。お前の風は、この地には届かない。』

 

 

 

 

 

 

「くそっこいつ、こんなに強かったのか!?」

「神の目を持ってるくせに、やってることはただの早撃ちかよ!」

「くそ、息継ぎの時間もねぇ!マシンガンじゃねぇんだぞ!」

 

ゴローの読み通り、ファデュイはしばらくしてゴローたちの存在に気付いた。

だが、彼らは近づくことはできない。

地の利もあるが、ゴローの連続射撃に対応できないのである。

 

「岩元素の奴がいればこんなことする必要はないけど、ないものねだりしてもしょうがない!」

 

「驚いた。君にそんな特技があったなんて。」

 

後ろからの声の主は、放浪者だ。

 

「目が覚めたのか!」

 

「あぁ、でもあんなところに放置するのは僕だけにした方がいい。常人なら丸焦げだよ。」

 

「早く加勢してくれ!これかなり疲れるんだ!」

 

「戦う必要はないが、確かにこの地を汚すのは許されない。」

 

だが、実際問題戦ってる暇はなかった。

放浪者の持つエネルギーのほとんどは先の戦いで使ってしまった。

もう少しこの場にいれば回復するかもしれないが、そんな悠長なことしてられない。

 

そんな時、

 

「うわっなんだこの風!?」

 

「これはッ!」

 

謎の突風がファデュイを押しのける。

 

まるで、こんなのにかまわず先に進めと言ってるように。

 

そして、

 

「うわっ俺の弓が!」

 

ゴローの持っていた弓が突如としてまばゆい光を放つ。

 

終焉を嘆く詩

 

見る人が見れば、この舞台にこれほど適切なモノもないと感動すらするかもしれない。

 

だが......

 

 

 

 

 

「この弓、俺がもともと使ってた弓より威力落ちてるぞ!」

 

岩元素と風元素はかみ合わせが悪い。そもそも、この武器。攻撃向けではないのだ。

 

「あの神め...本当に使えないッ!」

 

いや、やっぱり、見る人が見たら、首をかしげるだろう。

因縁に絡めた武器は、詩の上では美しいかもしれないが、

必要な時には必要なモノを。

 

武器選びには気を付けよう。

 

 

 

・通常攻撃・獣牙裂扇矢

 

・終焉を嘆く詩

元素熟知+60。元素スキルまたは元素爆発が敵に命中すると、追憶の欠片を一枚獲得する。この効果は0.2秒毎に一回のみ発動でき、待機中のキャラクターも発動できる。追憶の欠片を4枚集めると、全ての追憶の欠片を消費し、周囲のチーム全員に12秒継続する「千年の大楽章・別れの歌」効果を付与する:元素熟知+100、攻撃力+20%。発動後の20秒間、追憶の欠片を再度獲得することはできない。「千年の大楽章」のもたらす各効果中、同種類の効果は重ね掛け不可。




それはまだ終焉の価値が低かったころ──

正直護摩のついでで引き、まぁ他に何も持たせるものもないしと思い、ゴローに持たせていたのです...

当時僕は無ェンティだったので...


ちなみに、マシンガンゴローは最近知り合いがやってるのを見ました。
驚きでした。


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