放浪者の稲妻行 〜超巨大機神統治国家〜    作:旅人さんた

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拾玖走 雪と鬼

「...」

 

(ありがとう、そのまま、見守ってあげて頂戴。)

 

「どうしたんだ、ナヒーダ。何か考えことか?おいらはもうお腹がすいて仕方がないぞ。」

 

「そうね...片翼を失った鳥は、決して空をあきらめないわ。」

 

「鶏肉か?おいらは獣肉系の口だぞ...」

 

 

 

「なぁ!君、あの男を知らないか?」

 

「あの男...というと、アルハイゼンかい?さぁ、僕は見てないね。」

 

「クラクサナリデビ様に伝えると言って出て行ったままなんだ...あいつがいないと僕が部屋に入れないじゃないか!」

 

「君まだ彼の家にいるのかい...」

 

「アルハイゼンさんなら、私見たよ。」

 

「ほ、ほんとうかい?いったいあいつは何を?」

 

「うん、えっとね、まず私が踊りの練習をしていたら、大急ぎで走ってるアルハイゼンさんを見つけたの。それで...」

 

「あーいや経緯はいいんだ。とにかく、居場所を...せめてどこに向かったかだけでも。」

 

「確か...そう!璃月港だったかな。」

 

 

 

 

「神里...社奉行め、これまで一体何を!」

 

「おや?私はてっきり気付かれていたと思っていましたよ。そうですか、それなら諸々杞憂だったみたいですね。」

 

「なんにせよ、顔を出したからにはここで止まってもらう。」

 

「そのダメージで、ですか?こちらとしては構いませんが、あなたは早く稲妻城に向かった方がいいと思いますよ。

今頃大慌てでしょうから。」

 

「お兄様!放浪者さんいらっしゃいました!わたくしは一度船に戻り手当をして参ります。」

 

「はい、任せました。きっと冷えてるでしょうから、暖かくしてあげてください。」

 

綾華は、放浪者を連れ船に向かった。

 

「くそ、この場は引いてやる。おい!公子殿、ここは任せたぞ!」

 

裟羅は呼びかけるが、返事はない。あちらはあちらで忙しいのだ。

 

 

『いや、ここは僕が引き継ごう。』

 

 

突然、その場にいないはずの人影が現れた。

紫をベースとした、機械のような見た目、しかしてサイズは人間大。

 

「お前は!?了解した、ならば問題はない。だが、必ず傷をつけるなよ。」

 

 

「さて、ここでこちらに戦力を割くことはしないと踏んでいましたが、読みは外れましたね。」

 

覆面の男?のような人物に向け、綾人は語り掛ける。

その恰好には、稲妻風の意匠が見受けられた。

 

『そうでもないさ、一瞬で片を付ければ、すぐ城に向かえる。』

 

「ずいぶんな余裕ですね。」

 

機械の塊のような者は、かすかに笑う。

 

『当り前じゃないか、君たちは、僕を前に一切手出しができなかったんだから。』

 

「なるほど、そうですか。」

 

 

「早柚、船に向かい綾華に船を出すよう伝えなさい。あぁ、そうそうあちらの皆さんを連れてね。」

 

「うぅ、わかった、でも、どうするんだ?」

 

「おや?心配なさってくれているのですか。安心してください。秘策がありますので。」

 

早柚はそれを聞くと、目にもとまらぬ速さで走っていった。

 

『始めよう、神を相手にどれだけ人間があがけるか、見ものじゃないか。』

 

見れば明白、それは人間サイズに改造された七葉寂照秘密主、つまり機神だった。

 

「派手さが無くなったようですね。せっかくの巨体を失ったのは、何かトラブルでもあったのですか?」

 

『別に、ただ小回りが利かないのが面倒だっただけだ。』

 

機神と、綾人がにらみ合う。

 

『耐えて見せなよ、人間。君たちを殺したのは初めてじゃない。』

 

 

 

 

「おりゃおりゃおりゃあ!砕きやがれ!」

 

「なんてスタミナだ。最高だね君は。でも君はもう少し頭を使って戦った方がいい。」

 

「んだと?うおッ!」

 

岩元素で形成された疑似的な丑雄、そして一斗に付与された断流効果が発動した。

 

「はぁ、はぁ、危なかった。パワーは俺以上だな、これは。」

 

「親分!大丈夫か!」

 

「さぁ、あっちはどうなったかな。場合に寄っちゃ第二ラウンドも...」

 

「おい、荒瀧派と抵抗軍のやつ、この場から逃げるぞ。」

 

「お前、社奉行の!九条裟羅はどうした?あそこにいるあいつ、あれはまさかッ!」

 

「俺はまだ負けてねぇ!くっそぅ。」

 

「うぅうるさい。あのお方に命令された。えっと、忍協力してくれ。」

 

「綾人の兄貴に!?ったく、なら聞くしかないか...いや、待て、兄貴は何を」

 

「ていっ!」

 

「おぉ、見事な手さばきだ。あのうるさいのが一瞬で静かに。」

 

「おい、ゴロー、大将を運ぶの手伝ってくれ。重い。」

 

「あ、あぁ。」

 

「でも、あのファトゥスが...」

 

ゴローはタルタリヤの方をむくが、タルタリヤはべつのほうを見ている。機神と綾人の戦いだ。

 

「俺のことはきにせず、さっさと行った方がいい。別に俺も手を出さないさ。君たちを殺すつもりはない。」

 

「でも、あの男はあきらめることだね。」

 

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