放浪者の稲妻行 〜超巨大機神統治国家〜    作:旅人さんた

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拾玖重走 台風一過

「蒼流水影」

 

綾人は自らの分身を顕現させ、高速の攻撃を放つ、しかし

 

『がっかりだよ、現当主さん。虫けらがいかにして神に届かんとするか、楽しみにしていたが。』

 

綾人の水元素攻撃は、機神を包む風により拡散されてしまう。

 

『そこまでだ。神の名のもと、貴様の灯を封ず。』

 

その瞬間、綾人の纏う水は消えてしまった。

 

「そうですか、これは目狩りというわけですね。」

 

『僕はね、つぶれかけの虫が醜くもがく姿が大嫌いなんだ。目が汚れる。』

 

機神は、片腕に雷、片腕に水を纏わせた。

 

綾人は、機神ごしに鳴神島の方を見つめる。

 

(船はもう出ましたね。それでは、私のなすべきこともこれで終わりのようです。)

 

「ふふ。」

 

『何がおかしいんだ。』

 

「いえ、元素力が使えなくなっただけで、まるで戦いが終わったかのように話すあなたの姿が」

 

「滑稽でたまらないからですよ。」

 

『そうか、ではそのまま笑ったまま死ね。死に顔は安らかであろうよ。』

 

『ハァ!』

 

水元素に雷元素を混ぜ、感電状態となったものを綾人に放つ。

ただの水鉄砲ではない。

そもそも水の勢いだけで船の竜骨位なら軽くえぐるほどの強さだ。

しかし、

 

「三尺の秋水。」

 

『なにっ!』

 

その水を逆に支配し、綾人は自らの爆発へと変容させた。

 

「そんな見た目のわりに、やっていることはただのからめ手。こちらこそ、がっかりですよ。」

 

機神は、怒りをあらわにする。

 

『そうか、ならこちらも剣で応じよう。よほど惨たらしい死を迎えたいようだ。』

 

そういうと、胸にある雷のシンボルが光る。

 

世界が、変わったかのようだった。

周囲の空気にピリピリとした何かが走り、海は謎の波を立てる。

 

綾人は、自らの刀...波乱月白経津が震えているのに気付いた。

 

 

『その剣、たたら砂由来のものだろう。その剣を僕に向けているんだ。それ相応の刀でなくてはね。』

 

それは、まさに雷神──雷電将軍の放つ無想の一太刀であった。

 

『始めよう、御前試合だ。』

 

 

 

 

初撃は機神の横なぎからだった。

綾人の刀の何倍もあるそれを、容赦なく振るう。

 

(これはよけられないですね、ならばっ)

 

綾人はそれを、刀で受け流す。

そして、先ほど制御した元素爆発を束ね、上乗せした。

 

『ふっ思っていたよりはやるじゃないか!』

 

(やはり元素力は生成されませんね。仕方ありません、剣技で応えるとしましょう。)

 

機神の第二撃が飛んでくる。今度は横斜め切りだ。それを、

 

間一髪で避け、

 

「剣影よ。」

 

綾人は、先ほどと同じ元素スキルの姿勢を取った。

 

『バカめ、貴様にはもう元素力は...』

 

「知れたこと、元素力が使えなくとも、この世から元素が消えうせるわけではありません。

であれば簡単。力はそこにあります。」

 

綾人は、水元素にも変化しないまま、連撃を放った。それは、先ほど放ったものとは速度も、威力も違うものだった。

 

(変則とはいえ、水有を放てたのはありがたい。このままあの胸の紋章を壊せれば!)

 

『ぬぅう!虫けらがぁぁぁ!』

 

機神は、後方へ下がる。神を自称するものにとって、その後退は非常に屈辱的なものだった。

 

『認めてあげるよ。君は必死で戦った。だからもういいだろう、船はもう鳴神についた。』

 

「よい、わけがないでしょう。あなたが膝を地につけるまで安息とはいきません。」

 

『いいや、終わりだ。ただの人間が、神を見降ろすことなど許されない。』

 

機神の背後に、電気でできた輪が浮かぶ。

 

『稲光、すなわち──』

 

 

機神の頭上に浮かぶ『輪』が、巨大な形へと変化する。

そのシルエットは、元の七葉寂照秘密主そのもの。

 

 

『永遠の時』

 

 

刀を握るその巨腕が綾人を襲った。

 

 

 

 

 

 

・神里流・水有

清浄之園囿を展開し、その場に存在する雑音をすべて消し去る。

持続的に水沫剣を落とし、範囲内の敵に水元素ダメージを与え、中にいるキャラクターの通常攻撃ダメージをアップさせる。

 

・細流厭わず

神里流・水囿発動後、周囲チーム全員の通常攻撃速度+15%、継続期間15秒。

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