「さて、おしゃべりの時間はここまでみたいだ。」
吹っ飛ばされた九条裟羅が、戻ってきた。
「貴様は、稲妻の民か。」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。こんな格好をしてる以上、無関係と言っても説得力はないだろうけどね。」
「確かに、私としてもお前がどこの者だろうと関係ない。ではなぜ稲妻を救う?ほかの者にも同じ質問をしたが、貴様だけはどうしても想像ができない。」
「誰かを救うのに理由なんて...いや、やめておこう。救うつもりはないさ。こんな国、滅びようが別にどうでもいい。
ただ、その要因に自分が一枚かんでいて、さらに知人が巻き込まれているとなると話は変わってくる。」
放浪者は、どうせ理解はできないだろうと笑った。
「どうでもいい。か。」
「あぁ、そうだ。君は雷神のために戦っているんだろう?それと同じさ。僕にはあの神のために戦うなんて君の気が知れないけどね。」
「将軍様を愚弄する気かッ」
「だからそう言っているだろう。彼女以上に心地よく愚弄できるものは...まぁそれはいるか。」
(よし、なんとか時間は稼げたか。この間に後ろの二人が回復できているといいが。正直、僕自体の戦力は大して変わっていない...二人の活躍に期待するしかない。)
「おいおい、あっちはなんか仲良くやってるぞ。お前はいいのか?」
「問題はない、俺には特に戦いに関して感傷などはない。」
「そらそーだ。スメールの兄ちゃん、この戦いは楽しいが、風情がねぇ。」
「そうか。ではさっさと終わらそう。俺は暇じゃないんだ。」
「お前みたいな男には、まともな感性をしている相棒がいたほうがいいと思うぜ。」
「あいにく、同居人で手いっぱいだ。まともな感性はしていないし、相棒とも呼べないがね。」
「そうかい、昔どっかで読んだ小説通りとはいかないんだな。」
「意外だな。君も本を読むのか。」
「あぁ、まぁな。スメール人の前でいうのはちとアレだが、浪人の大将ってのはある程度の知性もいるんでね。」
「読めてきたぞ、お前は雷電ごか...」
男の双剣が少し力み、アルハイゼンの攻撃をはじいた。
「詮索されんのは好きじゃねぇな。ただただおしゃべりと戦いを楽しもうぜ。」
「敵に自分の好みを期待するのは愚かだと思うが。」
アルハイゼンは呼吸を整えていた。知識を元に戦う彼だが、少し疲労が見える。
「長々とやるのは俺の好みじゃない。もう終わらせるぞ。」
「あぁ、わかった。楽しかったぜ。」
アルハイゼンはタクコウキョウを増やした。それと同時に、仮面の男は二つの元素剣を手前にかざし融合させた。
「この機神は少しおかしなモデルでね。他人の攻撃を模倣するようになっているらしい。」
空いた片方の腕に、緑色の光が集まっていく。草元素の光だ。
「どいつもこいつも剣に元素を纏わせやがって。この機神との親和性が高くて助かるぜ。」
草激化同士の戦い。敵には、そこに拡散が追加されている。
「俺も、知能プレーで行かせてもらうぜ。」