放浪者の稲妻行 〜超巨大機神統治国家〜    作:旅人さんた

40 / 48
参拾参 その時

 ナヒーダは、顛末をただ眺めているだけだった。

 

七葉寂照秘密主と雷電将軍が並び立つ。

 

『神の目を失った神同士の戦いというわけか。』

 

「自らを神と称する気はない。」

 

『謙虚になったつもりか。貴様も私の一人であろうに。』

 

機神はその両手で将軍をつつみ、そのまま押しつぶす。

 

「ふむ、せっかく神にいるのだ。権能はありがたく使わせてもらおう。」

 

『無想の一太刀か!その程度』

 

『輪轉百劫!』

 

両手でつかんだまま、雷元素の塊を将軍にぶつける。

 

 

だが、

 

「雷電将軍の本質は永遠。そのためなら彼女は非情を厭わない。」

 

「彼女が何の元素をつかさどるのか忘れたのか。」

 

 

 

 

 

「ちっもう始めていたのか。申し訳ないけど、僕は急がせてもらう。あの場には僕が...なんだっ!」

 

放浪者と万葉の前に、それは降ってきた。

 

「お主、大丈夫でござるか?」

 

落ちてきた女を万葉が心配するが、放浪者は黙ったまま、警戒を解かない。

 

「えぇ、大丈夫よ。お優しいお侍さん。だって、もう少し、もう少しであの方の報いが...」

 

「やはり貴様か。観念するとい。もう増援も来ている。この状況で僕たちに勝てるとでも思うのか。ただのファデュイの末端が。」

 

「そうね、ここであの方の力をつかってもきっと勝てないでしょう。だってあなたの方が順位もなにも上なんですもの。」

 

 

 

「なにを、やめろ」

 

「どうしたでござる、放浪者。あの女は何を」

 

二人の反応を見た女は、にやりとその唇をゆがませた。

 

「私は敬虔なる女皇の信徒。そしてあのお方が認める執行官様も私は畏敬の念を持っている。」

 

 

「もちろん好みはあるけれど、たとえ世界があなたを忘れても私は尊敬していますよ。『散兵』様。」

 

放浪者はそのばで膝をついた。

ここで何を言ってるのだとごまかすこともできたはずだった。だが、万葉の前で偽るのが嫌だったのか、脳の回路が回っていなかったのか。

 

とにかく、放浪者は何も返せなかった。

 

 

「放浪者、お主...そうなのでござるか?」

 

「あら、お仲間さんは存じ上げなかったのかしら?では雷電五家伝のほとんどを殺した国崩の話も?さすが執行官様。忘れているのをいいことに冷酷なのですね。それとも、知られたくない理由でも?」

 

 

 

 

 

「お前は殺す。」

 

 

 

放浪者は女の首を右手でつかみ。天高く舞い上がる。

 

 

「それで自らの行いが消えるとでも?私を殺してもあなたの行いが消えるわけではないのですよ。」

 

「博士から情報を受け取っただけだろう。安心しなよ、彼は僕がいっぺん残らず殺すと決

めているんだ。」

 

 

 

 

 

「どこまで上がるのか知りませんけど、そろそろその腕を話してもらえないでしょうか、裏切り者。」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。