放浪者の稲妻行 〜超巨大機神統治国家〜    作:旅人さんた

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参拾陸 禁忌の知識

「ここは...天守閣か?」

崩落した天守閣のがれきの中、目覚めた者がいた。

 

「そうだっ将軍様はどこに!?」

 

「ん?おい、お前大丈夫か!」

 

九条裟羅は、目の前に倒れている人間に声をかけた。

 

「まずいな、外の状況が何もわからない。とりあえず、ここは危ない。こいつを背負って外へ出なくては。」

 

 

 

 

 

七葉寂照秘密主が天守閣を突き破り、地上へと姿を現した。

その姿は、まさしく神と呼べるものだ。

稲妻に住む者、戦う者は敵味方に関わらずその姿に恐怖を抱く。

 

 

『一国の主に過ぎない貴様が、この神にいまさら何の用だ?』

 

「もう自分を神と呼称するの。今のあなたを見たら博士は何というのでしょうね。」

 

『あの裏切り者の断片に収まるような存在ではない。今の私は天空にすら手が届く存在なのだよ。』

 

「そう、じゃあその思い上がりを正さないとね。」

 

『クラクサナリデビ、悪いことは言わない。私の生誕の要因でもある貴様には、見逃す機会を』

 

「その話に乗るようじゃ、わたくしは知恵の神など名乗れないわ。」

 

『そうか、ではここで死ね。』

 

七葉寂照秘密主が、再び一太刀を発現させる。

 

『夢境の力が通用するとは思わない方がいい。私が振るうのは無層の一太刀。すべての幻を打ち破るぞ。』

 

「わかっているわ。知恵の神として、知識を使ってあなたを倒すのよ。」

 

ナヒーダの手には、缶詰知識が握られていた。

それも、禍々しい赤に染まったものだ。

 

『貴様、まさかそれは。』

 

「私にもよくわからない。旅人がひた隠しにしていた謎の知識。でも推測はできるわ。先代草神、つまり私の前身がどうしてこうなったのかとかね。」

 

『よせ、貴様は勘違いしている。それは...いや、そうか。神とはいえ世界樹には抗えないか。』

 

「その反応、あなたは何か知っているようね。まぁいいわ。知らない何かに頼るのは心苦しいけど、相打ちになってもあなたという厄災を払いましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

「君は...そうか、君が本物の大将さんだね。」

 

「その負傷、貴様は味方ということでいいのか?」

 

「稲妻の味方とは言わないさ。ただ、ファデュイの側というわけでもないよ。警戒する必要はない。」

 

「そうか、私はこれからあの不届き者を滅しなければならない。」

 

「やめた方がいい。君じゃ勝てない。」

 

「かもしれない、でもあそこには将軍様がおられるはずだ。きっとあの方なら...」

 

「本当に、あの雷神に心酔しているんだな。」

 

「当然だ、私は稲妻軍大将。あの方のためになら命を捧げられる。」

 

「なら君はここにいたほうがいい。この事態が収まったあと、この国を立て直すために、君は必要だろう。」

 

「そんなことが...待て、あれはいったい誰だ?」

 

九条裟羅は七葉寂照秘密主の方へ目を向けると、そこに見慣れない人影があった。

 

「命知らずだろう。あれを止められるのはもう...」

 

「子供?なぜあんなところに。」

 

 

 

「まさか」

 

放浪者も同じ方向へ目を向ける。そこには今の放浪者にとって最悪の状況が広がっていた。

 

「ブエルッ」

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