誰もいない空き部屋に入った平次とコナン。深く被っていた帽子を浅く被り直して、懐から眼鏡を取り出して掛け、青から江戸川コナンの顔になる。
「おい工藤…「その名を言うな!今の俺は、江戸川コナンだ。誰が聞いてるかわからないんだぞ!」悪い…」
コナンは平次を睨み「呼ぶんなら、江戸川かコナン…どちらかで言えよな。」と言った。改めて平次はコナン呼びして、気になることを聞いてきた。
「何で、アイドル活動時の偽名が江藤青なんや?」
「江戸川の江に、工藤の藤、青は俺の目の瞳の色が青らしいからな。自分では気づかないけど…他に聞きたいことは?」
何故、四年前に米花町から消えて、アイドル活動をやっていたのかを聞かれた。コナンは解決済みの事件であるが、安室からは極秘と言われているため「依頼人からの依頼だからな。服部でも、教えれない。」と答えた。
「それはええ。最後や…探偵は辞めるんか?」
「…………俺、自ら関わることはしない。目の前で起きて、俺か知り合いが疑われた場合を除いてな。」
コナンは眼鏡を外して、普段の顔である青に戻ると「そろそろ、戻らないと…心配するよ。平次兄ちゃん。」と言って、空き部屋を先に出ていく。
(直ぐに青に戻りよった。でも…江戸川コナンに戻ってもええと思うのに、まだ…江藤青になっている理由はなんや?)
東都大学の文化祭に来ている哀と博士を見掛けたので、和葉は声をかけてきた。久し振りの再会である。
「博士と哀ちゃん。お久し振り!」
「和葉さん…お久し振りね……隣にいるのは?」
「私は前川みくです。平次君と和葉ちゃんの幼馴染みです。よろしくお願いします。」
「わしは阿笠博士じゃ。」
「灰原哀。よろしく…みくさんでいい?」
灰原のさん付けの呼び名に、違和感を感じてしまったみくは(青はいつも姉ちゃん呼びだからか…)と違和感の正体に解決したようだ。
「阿笠さんに哀ちゃんですね。よろしくお願いします。呼び方は哀ちゃんの言いやすいほうで…」
「和葉、みく。戻ったで!」
「平次兄ちゃん。早すぎだよ!」
平次とコナンが戻ってくると「遅すぎ。青君連れ出して、何やってんの?」と和葉に詰め寄られた。「男同士の話し合いや!秘密や…」と言って、誤魔化した。
「江藤君…久し振りね。」
「久し振り。灰原さんだっけ?博士も、久し振り!」
「久し振りじゃの…青君。」(コナン君はいまだに、偽名のようじゃ。話は合わせるかの…)
哀と博士は、コナンと話を合わせる。少しの間文化祭を楽しむため服部が「分かれて行動するで」と、提案してきた。
「そうじゃの。今が11時じゃから…17時になったら、駐車場前に集合でいいかの?」
「僕は一人で行動するね。」
「青君!大学内は広いから迷子になるよ。私と一緒に行動しましょう。」
そう言って、みくはコナンを追い掛けた。平次、和葉、博士、哀はその場で立ち止まっている。
「青君の方に行ったわね。」
「元アイドル仲間だからかの。」
「弟を心配している姉のようやね。」
「確かに、年の離れた姉弟に見えなくはないわな。」
「青君。何処に行くんですか?」
「大学内を散歩…文化祭だし、何があるのか気になるから。」
大学内の廊下を歩いているコナンとみくは、壁に張られているパンフレットを発見した。ゲームコーナー、模擬店、研究発表会などがあった。
「いろいろあるんだね。」
「青君は明日の…」
「…………参加するよ。約束だし…皆に謝らないとね。」
コナンのその言葉に、みくは安心したようだ。
「青君は誰かに似ていますね?」
「……誰に似てるの?みく姉ちゃん。」
「これは平次君と和葉ちゃんにも、話したことないんですが…青君は、工藤新一君を知ってる?小学生の時に一度だけ…会ったことがあるんです。」
コナンはみくからその名前が出るとは、思ってもいなかったが「知ってるよ。僕も何度か、会ったことあるから。他の人から…似てると言われるし。」と言った。
「やっぱり、似てると言われるんですね。」(もし会えたら、昔の約束を果たせたことを言いたかったですが…無理そうですね。)
コナンとみくは歩き疲れたので、ベンチに座り休憩するのだった。