コナンは何故か、346プロの美城専務に会議室に呼ばれてしまった。理由がわからないコナンは、内心焦っている。
「…僕を呼んだのは何故なの?」(何かやらかしたかな…)
沈黙を保っていた美城は、コナンを見据えて言葉にする。
「さて、江藤青…本来なら武内以外の担当プロデューサーが付くはずだったのだが、出来なくなってしまった。謝罪しよう。」
「え…僕…難しい話はわからないんだけど…」
「そうか…因にだが、江藤青。その子供の振りをやめなさい。」
美城に見破られたコナンは、警戒を強める。
「この業界にいると、見えないものが、見えてくる。どうして、君が子供仮面を被り、このプロダクションに入ったかは聞くつもりはない。私にとっては、些細なことだ。だが、これだけ入っておく。君が演技していると、わかっている者がいる。」
コナンは敵意がないとわかったのか、警戒を解いて子供の仮面を外す。
「子供演技下手だった?上手く出来てたと思ったんだけど…」
「演技は完璧だ。だが、純粋な子供と違って、違和感はあるものだよ。心配しなくても、私は知らなかったことにする。」
「ありがとう。」
美城は笑みを浮かべ、もう一つの忠告をする。
「プロダクション内を調べ回るのは良いが、気を付けなさい。誰が見てるかわからないぞ。」
「どういうこと。」
「江藤青の他に、怪しい動きをしている者がいる。」
美城の言葉に目を見開いている。コナンが知らない内に、動いている者がいたようだ。
「武内は君の演技に気づいていない。慎重にすることだ。」
コナンが会議室を出ていくと、窓の近くにあった布が動いて、出てきたのは杏だった。
「双葉杏、御苦労だったな。」
「専務、杏に面倒なことさせないでよね。気になるのはわかるけど。」
「悪かったな。爆弾騒ぎが連続で多発している時期に、新たなアイドル候補生が、プロダクション内を調べているのは、不自然だからな。」
杏は専務から飴玉を貰うと、会議室を出る直前に専務を話す。
「青の疑いは晴れた?」
「少なくとも、他のプロダクションのスパイでじゃない事は確かだ。」
「それを聞いて、安心したよ。青は何らかの理由で、このプロダクションに入ったみたいだし。」
杏は安心した表情で、美城から貰った飴玉を食べる。
「私の予想だが、江藤青が何かを解決したら、アイドルを辞めるかもしれないな。何かを調べていたのは明白だ。」
「……その時になったら…送別会でもするよ。今は…仲間だし。杏は帰るよ。」
杏が出ていくと、美城が窓の外を見る。
「……武内に例の条件は白紙だと伝えておこう。現状維持も継続するように、言わなくてはな。」
プロジェクトルームに戻った杏は、青に視線を向け観察してみる。
(青は何について調べてるんだ?ん……杏のキャラじゃないよね。寝てこよ…)
観察をやめて、仮眠室に向かう杏を見届けたコナンは、誰もいなくなったプロジェクトルームで、安心したように携帯を取り出す。
(双葉さんが俺に視線を向けてたけど、俺の勘違いかな。あの専務にバレたな。潜入まで、知られてたなんて…どうする。)
ソファーに寝転がり、どうするか考えるが、何も思い付かずに諦めた。
(考えても仕方無い。今はやるべき事をしよう。)
コナンは寮に戻った。