杏の言葉に、コナンが黙る。
「杏…姉ちゃん…」
「青…杏のこと…知ってると思うけど…面倒なことは嫌いなんだ。楽して暮らせたら、それでよかったんだよ。アイドルになったのも、印税生活で暮らせたらと、思ったかな。」
杏は笑みを浮かべながら、コナンを見るが、その表情は、悲しそうだ。
「青が来てから、結構、楽しいんだよ。でもさ…辛そうな…表情を見たら、楽しくないんだよ…」
「なんで…」
「青…演技は上手だけど、顔に出やすいよね?」
杏はコナンを抱き締めると、言葉を続ける。
「杏は青がなんであろうが…関係無い…杏達の味方だよ…専務は…青をスパイじゃないか、疑ってたみたいだけど…」
「な!?杏姉ちゃんは…僕が…このプロダクションに来た理由…気にならないの?」
「青が話したくなければ、それでいいよ。」
杏は優しい笑みでいった。
「青がどんな…秘密を抱えていても、私達は味方だよ……さて、」
優しい笑みから急に、普段通りのだらけた表情になり、杏がいった。
「安室プロデューサー!盗み聞きは、やめてよね?いるんでしょ?」
「バレてましたか。」
「はぁ…杏のキャラじゃない…安室プロデューサー…も…秘密あるだろうけど…関係無いからね。」
安室は杏の言葉の意図を理解した。
「それは、ありがたいですね。」
「専務に感謝しなきゃね。あの人…安室プロデューサーの共犯だよね?」
「な!?わかっていたのか!」
「は!?安室さん、それは本当なの?」
「青も知らされてないとか…考えればわかるよ。安室プロデューサーをこのプロジェクト担当に配属させる権限持ってるのは、アイドル部門統括である専務くらいだよ。」
杏の言葉にコナンが、安室にジト目をする。
「安室さん!専務に疑われたかと、思ったんだからね?杏さんから聞いたけど、スパイ容疑とか、勘弁してよ…」
「うん…それは…済まなかった。」
「青と安室プロデューサー、杏だったからよかったけど…目的があって潜入してたんなら、情報共有したら?」
「……立場上、僕とこの少年は協力関係ではあるが、出来ないこともある。」
安室は詳しい説明等はせずに、コナンと協力関係であることを認めた。
「さて、これからどうするの?潜入理由は聞かないけど、特に安室プロデューサーは、表沙汰で動ける立場の人間じゃないよね?」
「だったら、どうする?」
「聞いたことないかな?使える人間は、親でも使えって…」
杏が笑みを浮かべながら、安室に視線を向ける。
「親でも…わかった。早速、実行するよ。」
(風見さん…無理しないでね。)
コナンは安室の部下である風見に、無理だけはしないように祈った。