第6話
その日の夜、食堂で夕食を食べている杏、小梅、菜々の3人。
「美味しいですね。」
「ありがとうございます。家庭料理の献立になっちゃいましたけど、大丈夫ですか?」
「肉じゃが美味しいよ…」
「白坂様。ありがとうございます。」
飲み物の準備をしている時、庭師の山谷が食堂に来て座ると、飲み物を出す。
「山谷様。今日も中庭の手入れありがとうございます。」
「毎日律儀だね。今日の夕食は?」
「肉じゃが、大根の酢の物、ネギのお味噌汁となっています。」
「今日も美味しそうじゃないか。」
「家庭料理くらいしか作れませんが…」
「自信を持ちなさいな。でも、俺の分は少なくしてくれ。少食なものでな。」
「わかっていますよ。準備してきますので…」
欠伸をしながら青が食堂に入ってくる。佐藤が青の姿を見て、近づいていく。
「可憐さん飲み物は、麦茶。食後にホットお願い。」
「畏まりました。」
青が端の席に着き、持っていた本を読んでいると、山谷が青に声をかける。
「青君は今日も眠そうだな。」
「さっきまで、寝てたから。礼蔵おじさん。」
「7歳の子供が、早くから仮眠か。成長できないぞ。」
山谷の言葉を適当に返事しているが、何だが青は嬉しそうだ。佐藤が料理を出すと、顔を引き締めて無言で食べ始める。
「若様…料理の…」
青に料理の感想を聞こうとした時、佐藤に冷たい視線を向けていった。
「……若様と言わないでって、何度言ったらわかるの?」
「………ですが…」
「もういい、夕食要らないから。皆さんは、夕食を続けてね。」
青は食堂を出ていくと、山谷が佐藤に言葉をかける。
「青君に若様は禁句だ。忠告されただろ?」
「…ですが、」
「可憐ちゃんの気持ちもわかるけど、青君はそれを望んでいない。」
「………申し訳ありません。」
佐藤は次の準備のため、食堂を出ていった。菜々はこの雰囲気に耐えられずに山谷に聞く。
「山谷さん…あの子は…」
「旅の方、申し訳ない。俺からは説明できない。」
「ごめんなさい。」
「ご馳走さまでした…」
杏は料理を食べ終えたようで、水を飲む。
「杏は…お先に、失礼するね。」
「嬢ちゃん、礼を言うよ。」
「杏は何もしてないからね。」
杏は先に食堂を出ると、食後の散歩で館内を歩き回った。
(青君のあの怒りは、相当のものだね。山谷さんは禁句だと言っていた。それに、呪われた村…何があったんだろう。全てを調べるとなると、時間が掛かるな…)
欠伸をしながら客室に戻ると、携帯ゲームをして時間を潰した。
青は自室で本を読んでいると、引き出しから1枚の家族写真を取り出す。
「…父さん…母さん。」
家族写真を引き出しに戻して、読書を続けた。
次回は第7話投稿します。