第10話
青は杏を部屋に案内すると、コーヒーの準備をする。専用のコーヒーメーカーを見て、目を見開いている。
「コーヒーメーカー持ってるの!?」
「杏姉ちゃんはコーヒーいる?」
「お願いね。」
「角砂糖は何個?」
「3個お願い。」
コーヒーの準備を進めるなか、杏は部屋内を観察する。大量の本が積み重ねられていた。
「本がたくさんあるね。」
「……まあね。杏姉ちゃんも読みたかったら読んでいいよ。左の本棚は日本語版だから。右の本棚は英語版だよ。」
「後でね…」
コーヒーを杏に出すと、青はソファーに座り、コーヒーを飲みながら聞いてきた。
「杏姉ちゃんは何が知りたいの?」
「神隠し事件の発端。情報が知りたい。」
「僕が聞いた話でもいい?村の言い伝え…昔話になるけど。」
「昔話?」
「禁句なんだけどね。」
青は昔話を話始めた。
その村は昔、寂れた村だった。けれど、とある旅人が村にやって来た。旅人は『食べ物か水を分けてくれないか?』と、村人に頼んだ。
食べ物、水が少ない。分け与えられるほどの余裕はなかった。だが、その旅人がいった。
『分けてくれたらお礼として、富を与える道具を授けよう。』
村人は旅人のお礼が気になったのか、少しだが食べ物を分け与えた。旅人は村人に、富を与える道具を渡しました。
暫くして、その寂れた村は裕福な村になったそうです。旅人が村を出る際に、村人に忠告しました。
『その道具を誰にも教えてはならない。知られると、災いが起こるだろう…』
青は昔話を話終えた。
「神隠しに関係するかは、わからないけどね。僕が聞いた昔話だよ。」
「富を与える道具…」
「昔話だから解釈の違いかもしれないけどね。」
「富を与える道具…が原因で神隠しになったのかな?ありがとう、助かったよ。青君。」
「………なら良いけど。」
青は顔を赤くするがコーヒーを飲んで誤魔化す。
「杏姉ちゃんはどうして、神隠し事件を調べてるの?」
「杏は探偵だよ。興味本意で調べてるんだ。」(依頼人は言えないけどね。)
杏はコーヒーを飲んで、ゆっくり過ごした。
「青は学校行かないの?」
「………村に学校はあるけど子供少ないから。」
「村の外には行かないの?」
「僕みたいな子供に…無理かな。隠し事苦手だし…」
コーヒーを飲み終えると、本棚から本を取り出し、読書をする。
「杏姉ちゃんも読んでいいよ。」
「そうだね。読ませてもらうよ。」
杏は本棚から本を選ぶのだった。
館の屋上にいた小梅は、満月を見ながら呟いた。
「たくさんいるね…この村は…」
笑みを浮かべるのだった。
次回は第11話投稿します。