第11話
村で開催される犬神祭り当日。村には外から来た人々で賑わっていた。杏、小梅、菜々の3人は、屋台で買ったたこ焼きを食べている。
「賑わってるね。」
「人がたくさん…」
「人気のお祭りなんですね。」
外から来た人々を眺めていると、柳田がチラシ配りをしていた。
「村長?何してんの?」
「これは恥ずかしい。喫茶店の宣伝だよ。わしも経営者だからの。」
「恥ずかしくないと思いますよ?」
「それじゃあ、また後で。」
柳田はチラシ配りの続きをすると、青の巫女服を着た平居が杏を見つけて声をかける。
「杏さん!お祭りに来てたんですね!」
「リエちゃんは?」
「村の宣伝です!お祭りで村の宣伝をしますよ!」
「頑張ってね。杏はのんびりしてるから。」
平居は村の宣伝を続ける。
「杏さん…これからどうする?」
「館に戻るのは暇になるよね。」
「どうしますかね。」
悩んでいると、遠くの方で言い争いが聞こえてきた。
「喧嘩かな?」
「危ないから…」
「行かないよ。」
神社の方で言い争いをしているのは、フリージャーナリスト、栄居誠と柳田である。
「栄居さん。もう来ないでくださいと、言ったはずだが…」
「そんなこと言わないでくださいよ。私も客ですよ?村の宣伝に手を貸すだけじゃないですか?」
「……わかりました。その話は後で…リサ。例の物を渡してあげなさい。」
「わかりました。栄居さん…この御守りを…」
「………わかりました。無くしませんよ。」
栄居は貰った御守りを懐に入れた。その頃、杏、小梅は犬神祭りの主役の犬に戯れていた。
「この犬の名前はラッキーて、名前だ。村で飼われる犬だよ。」
茶色の大型犬だ。杏はラッキーの頭を撫でると、目を細めてある。
「ラッキーは嗅覚が鋭いんだ。」
「そうなの?」
ラッキーが杏に鼻を近づけて、匂いを嗅いでいる。
「くすぐったい!」
「ラッキーは杏ちゃんを気に入ったらしい。」
「私も撫でる…」
小梅はラッキーに撫でると、一瞬だが体を震わせている。小梅から何かを感じ取ったようだ。
「ラッキー…」
ラッキーは小梅に近づいて、匂いを嗅いでいる。
「かわいい…」
「悪いな。そろそろラッキーも準備しないといけないから。」
「頑張ってね。」
ラッキーは村人と犬神祭りの準備に向かった。杏は小梅と別行動で、村内の散策をする。
(さて、何処に行こうかな?神隠し事件の情報は足りないし、どうやって調べようかな?)
杏は頭を悩ませながら考えている。だが、何も思い付かない。
(甘いの食べたい。喫茶店に行こうかな?)
杏は頭を休ませるため、喫茶店に向かうのだった。
次回は第12話投稿します。