第12話
喫茶店でコーヒーを飲んでいる杏は、のんびりと時間を過ごした。
(犬神祭りでラッキーが出るのは夕方。それまで暇なんだよね。)
コーヒーを飲み終えると、店内に強烈な甘い香りが、流れてきた。杏は顔をしかめながら柳田を呼ぶ。
「村長!この匂いは何!?」
「お香を炊いたんだが…合わなかったかな?村の住人、外の人には好評なんだが…」
「杏には刺激が強いよ…」
「もうちょっと、調整すべきかの?」
柳田はお詫びとして、杏にチーズケーキをサービスする。
「村長はお香も作ってるの?」
「趣味でやっとるよ。司馬さんは販売すべきと言っていたが…」
「販売しないの?」
「このお香は長持ちするが…匂いは落ちない。販売には向かんな。」
一通りの仕込みを終えたようで、カウンターに出る。
「御馳走様でした。」
「また来な。」
お代を払い喫茶店を出る。
「夕方まで、寝てようかな。」
「杏姉ちゃん。今から帰るの?」
「青君、どうしたの?」
「お祭り行かないの?」
「さっき行ったよ。夕方にまた行くけどね。」
青は何か言いそうにしている。杏は察して待っている。
「杏姉ちゃん…夕方、お祭り一緒に行かない?ダメかな。」
「杏が迎えに行こうか?その方がいいと思うんだけど…」
「わかった。部屋で待ってるね。杏姉ちゃん!」
「また後でね。」
杏が館に戻っている頃、菜々は何故か屋台の仕事を手伝っていた。
「菜々ちゃん、たこ焼き焼けた?」
「はい!たった今…」
「菜々ちゃん、たこ焼き追加を焼いて!」
たこ焼きをひたすら焼いている。忙しそうだ。
「疲れました…」
「本当助かったよ。これ少ないけど…」
「ありがとうございます!」
菜々は封筒を受け取ると、館に戻ると客室に行く。
「疲れました…一休みしますか。」
ベッドに横になり眠った。
夕暮れ時、杏は青の部屋に行き、扉をノックする。
「杏姉ちゃん。準備できたよ。」
「お祭りに行こうか。」
「杏さんいってらっしゃい。」
「杏ちゃん。気を付けてくださいね。」
杏は青とお祭りに出掛けた。夕日が出ているにも関わらず外から来た人で賑わっていた。
「青、迷子にならないでね。」
「大丈夫だよ…杏姉ちゃん。」
お祭りを楽しんでいると、平居が派手な衣装を着せられているラッキーを連れてきた。祭りのメインイベントが始まる。
「今から犬神様が皆様の厄を調べます。選ばれた方は、祟られてしまいます。」
平居の言葉に一部の客から笑い声が。ラッキーが歩き始めて、客に近づいたりしながら歩き回っている。
「犬神様は誰を選ぶのでしょうか!」
暫くして、ラッキーが栄居に近づいて、吠えている。選ばれたようだ。
「私が選ばれたのか?」
「犬神様に選ばれてしまったお客様。祟られてしまいますが、それを回避できるようにするため、厄除け部屋に宿泊してもらいます。」
「……仕方無いな。案内してくれよ。巫女様?」
平居は栄居を厄払い部屋に連れていった。
「この部屋が厄除け部屋です。」
「木造建築だな。小さい割には、立派な部屋だな。」
栄居が連れてこられたのは、小さいながらだが、立派な木造建築で建てられた家だ。
「明日の9時にお迎えに上がります。」
「イベントだから従うよ。」
栄居が厄除け部屋に入った。室内は数本の酒瓶と夕食と思われる料理があった。湯気がたっている。
「出来てから、時間がたってないな。」
栄居は厄除け部屋で、過ごした。
次回は第13話投稿します。