第14話
警官の1人が、杏、小梅、菜々の泊まっている客室に現れた。杏は警官の顔を見ると、嫌な顔をしている。
「久し振りだな。双葉杏。」
「……杏は眠いんだけど。木原警部。」
顔に斜めの傷がある警官…木原さとし警部は杏に飴玉を渡した。
「……何か用?」
「殺人事件の捜査協力を頼みたい。」
「面倒…一般人に捜査協力頼まないよね?普通はさ。」
木原は捜査資料の写真を杏に渡した。殺人現場の写真のようだ。
「……荒らされた痕跡はないね?他に何か見つかったものは?」
「部屋の隅から、毒の粉末が検出された。ガラスコップの底からな。被害者は毒殺されているようだ。」
「……違和感しかないね。被害者を狙った殺人にしては…不自然すぎるよ。木原警部はどう思った?」
「……被害者は中から施錠された密室内で、毒殺されている。しかも、外からは施錠できない。どうやって、被害者を室内で殺したんだ?」
木原の疑問に、杏が答える。
「お祭りの話は聞いてるよね?」
「……犬が選んだ人を厄除け部屋に行かせるイベントだったな。」
「あの部屋には、被害者が来る以前に毒が仕込まれたみたいだよね?調べてるんでしょ?」
木原は捜査資料を確認にすると、頷いて話した。
「あのガラスコップは祭りの数時間前に準備されていたらしいが…」
「犯人は絞り込めるよね?」
「祭りの関係者か?」
「自殺説は?突発性の自殺。」
「まだ、調べている最中だ。」
木原は写真を返してもらい、客室から出る際に、杏を見る。
「どしたの?」
「わかったことがあったら連絡しろ。」
「出来ればね。そもそも、杏は探偵であって、警察官じゃないよ。」
「17歳で探偵はどうだかな。」
「杏は自由に生きたいだけだよ。縛られたくないし。」
「それもそうか?またな。」
「飴玉は別のにしてよね。あれ、辛いから…」
「そうなのか?うまいと思ったんだがな。」
木原は客室を出ていった。
杏はミルクキャンディーを食べながら、殺人事件の推理構築を始める。
(さて、推理しようにも情報が少ないね。密室殺人は確定。被害者は毒殺されている。だけど、毒が仕込まれていたガラスコップは、お祭り以前に準備されていた。無差別殺人?狙った遠隔殺人なら、その方法は?犯人は祭りの関係者の中にいるのかな?)
「……ダメだ!情報が足りない。気分転換に散歩してくるか。」
客室を出ると、近くにいた青が杏を呼び止める。
「どうしたの?青君。」
「杏姉ちゃん、殺人事件どうなったの?村で噂になってるよ。」
「青君も聞いちゃったのか。情報が足りないから推理出来なくてさ…」
「今は得た情報を整理しない?僕も手伝うよ!」
「……仕方ないな。その代わり、推理だけだよ。」
「ありがとう。杏姉ちゃん!」
杏と青は情報整理を始めるのだった。
次回第15話投稿します。