最終話
杏は眠れなくなったため、真夜中に人気のない森の中を散歩していた。
(何故か、眠れなくなってしまった。原因はあれかな?明日の朝には、帰らないと行けないからかな。)
少し疲れたようで、切り株に座り込む。すると、青が走ってきた。杏を探していたようだ。
「青君、真夜中に出歩いたらいけないよ。」
「……杏姉ちゃんに言われたくないよ。」
「杏に用事?」
「明日には帰るんだよね?」
「…………帰るよ。」
青は何かを言いたそうにしているが、言葉に出そうにない。
「………ゆっくりでいいよ。焦らなくても、大丈夫だからね。」
「………行かないで。」
青は杏の袖を掴むと、震えそうな声でいった。
「………ダメかな?」
「ごめんね。杏は帰らないとね。」
「また、この村に行くからね。何時になるかわからないけど…」
「………僕が杏姉ちゃんの所に行ってもいい?」
青の言葉に、杏が目を見開いたが、真剣な表情のその姿に、杏は笑みを浮かべる。
「青君が杏の所に?」
「………………」
無言で頷いている。
「そうだね。最低でも、高校は卒業しないとね。杏が捕まっちゃうから。」
「長いな…」
「ルールは守らないといけないよ。わかるよね?」
「…………うん。」
「その約束が終えたらいつでも、来ていいから。そうだ。」
杏は紙に書いて、それを青に渡した。
「杏のメールアドレス。青君に教えてあげる。昼間ならメール返せるから。朝と夜は出来ないからね。」
「いいの?」
「その代わり、このメールアドレスを可憐さんにも教えること。この約束が守れるなら、教えてあげる。」
「ありがとう…杏姉ちゃん……」
「さて、そろそろ冷えるから、館に戻ろうか?」
「……うん、杏姉ちゃん!」
杏と青は手を繋いで、館に戻っていった。
ドラマを全話見終えると、杏がウサギのぬいぐるみに顔を押し付けている。
「……杏のキャラじゃないよ!完全に別人だ!」
「杏さん…大丈夫。」
「何が大丈夫だ!?杏は怠け者だ!ドラマ内の杏…完全に働いてるし!」
「杏姉ちゃん?演技だから、気にしなくても…」
コナンが咄嗟に、フォローするが、杏には逆効果だった。
「………杏のキャラじゃない。青は演技してた?子供の演技は、普通にしてたよね?」
「………演技はしてたよ。」
「その間は何だよ!?それよりも、ドラマを頑張ったんだから、長期休暇を希望する!」
「それはできません。」
武内が仕事を終えて、杏に話し掛ける。
「どうして?」
「それが、双葉さんと江藤さんに、仕事のオファーが入りまして…長期休暇は出来ません。精々1週間の休暇が限界です。」
武内の言葉に、杏が叫んだ。
「杏は働かないぞ!」
叫び声がプロダクション内に、響き渡った。
ニート探偵双葉杏、完結しました。
次回は、番外編を投稿します。