10月16日10時10分
授業を終えたみくと未央は、山川に呼ばれた。
「黒川と本川。空き部屋の物置整理を手伝ってくれないか?」
「わかりました。」
「やるよ先生!」
「この紙に、整理した道具の名前と個数を書いてくれ。」
「わかりました。」
未央、みく、山川は空き部屋の物置整理に向かう。
10時50分
「…プラスチックのチューブが5個。」
「ペンキが8缶ですね。」
「釘と金槌が10本…」
空き部屋物置整理をしているみく、未央、山川の3人。
「……よし、終わったな。」
「疲れた…そうだ。先生はこの学園に来て、長いの?」
「実はな、1週間前に来たばかりなんだ。」
苦笑している山川は、右腕の方に、包帯を巻いている。何かの火傷の跡みたいだ。
(火傷の跡…吉岡さんも包帯を巻いていましたね。)
「それと先生。物置から古いノート見つけたよ。」
「ノート……」
山川がノートを未央から受け取ると、中身を見る。一瞬、目が見開いた。
「……………先生が預かっておくよ。」
「わかったよ!教室に戻ろうよ!」
「そうだな。残りは遣っておくから、黒川と本川は、教室に戻れ。」
「わかりました。」
未央、みくは教室に戻った。
11時15分
保健室で、寝ている青は魘されている。
「……姉ちゃん…ダメ…は、はぁ。夢か。」
冷や汗をかいて、ベットから下りる。
(変な声が聞こえてから、気分が…教室に戻ろうかな。)
12時45分
給食を終えた未央は、高等部2年の教室に向かっている。
「すみません。快斗先輩いますか?」
「本川じゃねえか!どうしたんだ?」
「ちょっと、相談事が…」
未央と会話している人物は、白羽快斗。マジックが得意な少年である。
13時15分
「……この方式が…」
数学の授業中に、みくはノートに、ニュースでやっていた脱獄犯の事をメモしていた。
(○○村の山中で、焼死遺体の発見。あれは、身元特定が不可能にするための行動。さらに、○○村はこの村の近くにあります。入れ替わりをするためでしょうか?それだと、顔を変えないと無理のはず…)
ノートに計算式を書きながら、推理を続ける。
(この学園には、右腕に包帯を巻いた山川先生と給食配膳担当の吉岡さんは顔に包帯を……やめておきましょう。小説の世界じゃないんですから。疲れが出たようです。)
暫くすると、授業が終わりホームルームを始める。
「最近、不審者が学園周辺を彷徨いている。部活をするのはいいが、遅く帰るなよ。」
山川が教室を出る。
「みく。今日は空き部屋使えないんだって。どうする?」
「そうですね。私の家に来ますか。親は今日、帰ってこないので…」
「お泊まりダメかな?」
「良いですよ。青君にも伝えましょう。」
14時23分
校長室に、未央の父親である本川弥勒が訪ねてきた。
「本川さん。お断りします。学園は生徒達に取って必要なものなんですよ。この土地を買収し、学園を取り壊す。認められるわけないでしょう!」
「生徒数は年々、減っていくんですよ。いっそのこと、学園を取り壊して、我々に譲ってくだされば、社会のためだと思いませんか?」
「お帰りください。」
弥勒は帰っていった。
14時32分
交番で、お茶を飲んでいる早苗と拓海に電話が掛かってきた。
「はい。片原です……はい、わかりました。」
「早苗、誰からなんだ?」
「本庁から連絡で、この村に例の脱獄犯が潜んでいるかもしれないから、警戒せよとの通達よ。」
「どうする?」
早苗は身元不明の焼死遺体の発見の事もあり、考えが纏まっていない。
「今は何も起きていないけど、起きてからでは遅いわ。拓海、学園に向かうわよ。警戒しないと…」
「なら、私は村の住人達に話しておくぜ。」
「頼むわね。」
それぞれ、行動を開始した。