10月16日15時20分
拓海と早苗は、青から事情を聞いて、嘘を言っていないと判断する。
「これは……」
「信じるしかないわね。青君が聞いた声の内容が、殆ど一致してる。認めるしかないわ。」
早苗は、みく、未央、青に事件の説明をした。
「現場は体育館よ。教師である山川さんが体育館に来てみると、扉には南京錠が掛けられていて、開かなかった。」
「体育館に南京錠が!?」
「山川さんが警察に通報して、拓海が現場に来て、南京錠を確認したの。」
「確かに、南京錠がされていたのをみた。それで、急いで窓ガラスを割って中に入ると、生徒の1人が倒れていた。」
みくは恐る恐る聞いた。
「その…生徒さんは?」
「頭を殴られたみたいでな。病院に運ばれたぜ。容態は連絡待ちだ。」
青は拓海の現場の状況説明をメモする。
「問題なのは、どうやって南京錠がされていた体育館の密室だけど…」
「拓海さん。南京錠の鍵は?」
「被害者のポケットに入っていた。」
みくは青がメモした紙を見ながら、考えていく。
「今、学園は?」
「体育館以外なら、問題ないだろうな。」
未央は青を心配して、頭を撫でている。
「未央…姉ちゃん?」
「心配しなくても、大丈夫だぞ!」
「ありがとう…」
「みくちゃんは大丈夫?学園に来て、まだ2日よね?」
「………一応は。」
早苗は笑みを浮かべると、交番に戻るようだ。
「わかってると思うけど…」
「誰にも言いません。最後に1つだけ。鍵の場所を知ってるのは?」
「私だけだぜ。じゃあな。」
17時35分
青は眠ってしまったようだ。よっぽど疲れたらしい。
「青君。寝ちゃいましたね。」
「魘されないと……良いけど。青君だけが聞けるあれは、何なのかな?」
「青君の能力ですかね。」
「……待って、青君確か、先ずは生け贄が1人と言ったんだよね。まだ、終わってないんじゃあ…」
重大なことに気がついた未央に、みくは推理を続ける。
(青君の最初に聞いた……結界に守護されし、その対価は1人闇に消えるだろう…この意味がわからないと…ダメな気がしてなりません。)
みくはノートに書いて、その意味を考える。
10月16日18時30分
「ダメです。わかりません…」
「みく。少しは休憩したら?」
(結界に守護されし…その対価は…1人闇に消えるだろう……これは、何を意味しているんですか?対価は代償…1人が闇に消える…)
メモ紙に、別の言葉を入れてみたりして、解読をしているが、頭を悩ませている。
「………うーん。」
「みく。明日は休校だから、その時に考えよ。」
「…………そうですね。」
(間が長いよ!?)
一応、みくを止められた未央は一安心する。すると、青が目を覚ました。
「あれ?僕、寝てたの?」
「疲れたみたいですね。私が青君の親に、連絡しますが…」
「私がするよ!青のお母さんとは、メールしてるし。」
「そうなんですか?一応、私も連絡します。」
みくと未央が青の親に連絡している最中、青は眠気が覚めたようで、背伸びをした。
(……明日は学園に行けないから、家で読書かな…)
暫く横になりながら考えるのだった。
23時15分
真夜中の学園に忍び寄る黒い影は、壁を赤く染めて、怪しげな笑みを浮かべた。
「もっと、殺らないとな。まさか、殺人事件が発生するとは、思わなかった…今度は、俺様の出番だ!」
その黒い影は姿を消した。