10月17日12時
みくは拓海に電話を掛けると、繋がったようだ。
『どうしたんだ?』
「殺人未遂事件の事で、確かめたいことがあります。」
『何だ?』
みくはあることを確かめるため、拓海に聞いたら…
『わかった。30分程待ってろ。』
電話を切り、時間を見ると、12時になっている。
(12時30分過ぎまでですかね。)
明日の準備や予習をして、待っていると、携帯に着信が来た。
「はい。」
『確かに、数個ほど空き部屋の物置から無くなってたぜ。』
「そうですか。これで、南京錠の仕掛けがわかりました。ですが…」
『状況証拠だ。実行が可能であることを証明したに過ぎない。物的証拠がないとな。』
「わかりました。ありがとうございます。」
電話を終えると、溜め息をする。
「どうなの?」
「密室トリックは説明できます。ですが、犯人はまだわかりません。警察に任せるしか………」
「そこまでしなくても良いよ!?危険なことはダメだからね?」
未央に念を押されて、みくは小さく頷いた。余り信用されていないのか、未央は機嫌が悪い。
「…………監視がいるかな?」
「大丈夫ですから、監視しないでください。」
14時
村のパトロールをしている拓海と早苗は、みくから伝えられた密室トリックについて会話していた。
「……そんなことが可能なの?」
「だけど、可能性としてはなくはない。私も、南京錠の存在で、確かめなかったからな。密室だと、錯覚はできるはずだ。」
「でも、それをやった証拠がない。実行が可能であることを証明したに過ぎない。」
拓海は南京錠で施錠された密室が、トリックである証拠がないため、証明すらできない。状況証拠である。
「物的証拠を見つけないと、やっぱりダメかよ。」
「焦ったら、解決できる事件もできないわよ。」
焦り始めた拓海を落ち着かせる早苗は、交番に戻ると紅茶とお茶菓子を準備する。
「ブレイクタイムにするわよ。冷静にならないとね。」
「わかった。」
紅茶とお茶菓子を堪能すると、落ち着きを取り戻した拓海。
「話は変わるけど、あの身元不明の焼死遺体はどうなったんだ?」
「未だに、身元はわかってないわね。難航してるわ。」
「捜査情報は私らには、伝えられないからな。」
「仕方ないから、調べ直すか。」
残りの紅茶を飲み干すと、事件現場になっている体育館に向かう。
10月17日14時45分
拓海は現場になる体育館に到着した。見張りをしている警察官に警察手帳を見せて、中に入れてもらう。
「………」
「中は調べ終わったので、どうぞ。」
「あのステージ下の収納入れも?」
「調べましたよ。余りありませんでしたが…」
拓海は体育館全体をしらみ潰しに調べる。
(怪しいものは落ちてないな。)
拓海はステージに上がり、調べるが何も発見されない。
「さて…被害者が倒れていたのは、体育館のステージ下…」
ステージ下の収納場所を調べ始める。叩いたりして、不自然な場所を調べる。
(不自然な場所…この場所だけ、妙に広くないか?ということは…この近くを開けたら…)
収納スペースに不自然に広いのを見つけると、壁を叩くと、隙間から白い粉の入った小袋を発見する。
「怪しいな。調べてもらうか…」
拓海は本庁に連絡を入れて、鑑定を依頼するのだった。