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コナンと武内は会議室で重大な話をしていた。
「江藤さんは引退なさるのですが?」
「……そうだね。そろそろ、中学生になるし…」
コナンはコーヒーを飲みながら、武内の質問に頷きながら答えた。
「やりたいことは、見つかりましたか?」
「……これから、探そうと思ってるよ。武内プロデューサーは、僕が来た理由は知ってるよね?」
「はい。専務から事件後に伝えられましたので…」
武内はあの事件の後に、美城からコナンの事情を一部だけ、聞かされていた。それでもコナンには、事情を聞かないようにしていたのである。
「引退はいつ頃に?」
「来月かな?海外に行くことに…」
コナンの言葉に何かを察した武内は、小さく頷いて何も聞かなかった。
「会見の方は、本人なしでよろしいですか?」
「……迷惑かけるけど、ごめんなさい。」
「プロデューサーの仕事ですので…専務からは何時かやめるだろうと、言われてましたから…」
武内は書類を取り出すと、コナンに渡した。
「……………」
「これで、来月からの契約は終わりました。江藤さん、お疲れ様でした。」
「ありがとう。プロデューサー、これからも、頑張ってね。」
「ありがとうございます。」
江藤青のアイドル引退が決定した。
「一応、来月まではプロダクションに籍はありますので、レッスンは通常通り行ってください。」
「わかった。やっぱり…音痴のままだね。あんだけ、ボイトレしたんだけど…」
「演技の方は、文句なしでしたね。」
「ちょっと、悔しいかな。また明日、プロデューサー!」
「また明日です。江藤さん。」
それから数日後、プロジェクトルームでは、晴、小梅、みく、未央、凛、杏、かな子、乃々、李衣菜の9人全員が、武内に集められた。
「プロデューサー、大事な話があるって聞かされたんだけど…」
「そうだにゃ…」
「青はまだみたいだね。」
「それでは、お話しします。実は江藤さんのアイドル引退が決定されました。」
「え!?」
「青君…アイドルやめちゃうんですか!?」
みくが素の話し方になって、武内に質問するが、小さく頷いている。
「本当なのか!?プロデューサー!」
「はい。皆さんには、今までありがとう…ございましたと…言われて、しまいました。」
「……青は何処にいるの?」
杏が武内に、コナンの居場所を聞く。
「…………親の都合で、海外に行かれました。」
「……………わかった。それなら、仕方無いね。杏は眠いから、寝てるね。」
杏はプロジェクトルームから出ていくと、小さく声を漏らしながら涙を流した。
「……相談くらい…しなよ…全く…」
コナンは米花町に帰ると、マンションに向かっていた。江戸川名義で借りている部屋に入ると、安室……いや、降谷零が出迎えた。
「お帰り、コナン君。お別れを言わなくて、よかったのかな?」
「…………」
「そうか。中学はやっていけそうかな?」
「……留学したい。」
コナンの言葉に、降谷は目を見開いた。
「大学に飛び級するつもりかな?コナン君なら容易いだろうね。本格的に探偵を目指すのか?」
「…………探偵にはならない。でも、大学に出てやりたいことを探したい。安室さんはどうする?」
「僕は公安をやめたからね。プロデューサー業を1からやり直すよ。一応、プロダクションに籍はあるからね。」
「わかった。」
コナンは眠りについた。