廃工場に潜伏しているジンとウォッカは、他の犯罪者達の協力を得て小さながら組織を結成していた。
「ジンさん。例のルートから、ナイフと拳銃を手に入れました。」
「アンナよくやった。軍資金をやる。情報を集めてこい。」
アンナと呼ばれている赤髪の女性は、ジンからお金と1枚の写真を受け取った。
「………子供の情報を集めるんですか!?」
「情報は、江戸川コナンだけでいい。集まったら報告しろ!」
「……わかりました。」(何で、子供の情報を欲しがるんだろう?)
アンナの犯罪歴は、詐欺、殺人未遂を犯していて、逮捕歴もある。現在は偽名、整形をして身を隠している。更には、偽造の身分証明書を幾つも所持している。
(情報を集めてこいとか…ネットで集めるか?怪しまれるな…人に聞くか?人を騙すのは得意だ。)
アンナは公園にいた男性に声をかけて、情報を集めることにした。
(怪しまれたらアウトだから、警察手帳でいいか。もしなんなら、逃げればいい。)
「あのすみません…」
「どうしましたか?」
アンナはコナンの写真を男性に見せて、演技を始める。
「私は米花警察署の者です。」
偽の警察手帳を取り出して、身分を証明すると、相手の様子を伺う。男性は警戒を解いて、話を聞いた。
「実はこの写真の男の子が、迷子になっているらしくて、情報を集めています。」
「………知らないですね。見たことはあるんですが…」
男性はボールペンに触れながら、写真をアンナに返す。
「そうですか。では、失礼します。」
アンナは男性から離れると、公園から出ていった。
「あの女警察官…怪しいな。」
アンナが話し掛けた男性は、風見警部。本物の警察官だ。
「………私だ、ちょっと頼みたいことがあるんだが…」
風見はとある人物に連絡して、防犯カメラの解析を依頼した。
その頃。コナンは346プロダクションの喫茶店で、軽食を食べていた。安室と待ち合わせをしているからだが、江藤青の姿で来るようにと、指示されている。
(………安室さん。この場所を待ち合わせにしなくても…更に…この姿じゃなくても…)
コナンは、ジンとウォッカが脱獄しているのを知らない。発見されるのを防ぐためである。
(深めの帽子を被ったから、大丈夫だと思うけど…)
数分後。安室が晴と一緒に喫茶店に入ってきた。
(な!?嫌な予感が…)
「待たせてごめんね。晴さんに、言わないとだめなことがあるよね?」
「安室プロデューサー?何をいってんだよ?」
コナンは諦めて帽子を取り、晴に顔を見せる。
「晴姉ちゃん。久し振り…」
「久し振りじゃないだろ!何で…皆に一言言わなかったんだよ?」
「………ごめんなさい。別れを言うの…辛かったから…」
「全く、あんな消え方をしたら、心配するのは決まってるだろ?杏が一番寂しがってたぜ。青のこと、弟のように可愛がってたんだからな。」
「杏…姉ちゃんが?」
晴の言葉に、コナンは動揺している。どうすれば良いのか、わからなかったからだ。
「アイドル引退は仕方ないけど、皆に別れの一言は言ってほしい…」
「………ごめんなさい。晴姉ちゃん…」
「……私からは言いたいことは、言ったぜ。会えたらまたな。」
「頑張ってね…晴姉ちゃん…」
「青もな!」
晴は喫茶店を出ていくと、安室は喫茶店の店長に謝罪した。
「貸し切りにしてしまって、申し訳ありません。」
「良いですよ。ですが、次はないですよ?」
「勿論です。」
安室とコナンは喫茶店を出ていった。