廃墟ビルでは、ジンが窓から双眼鏡で周囲を監視していた。薬で、眠らされている乃々は動けないように、縄で拘束されている状態である。
「薬が効きすぎたか?まあいい…さて、準備するか。」
ジンが部屋から出ていくと、眠っていた乃々が目を覚ましたようで、縛られていることに気づいたようだ。
(……誘拐ですか。森久保は縛られているため、逃げれません…怖いです。)
快斗の隠れ家に来ている安室とコナンは、乃々救出の作戦を考えていた。だが、ジンが爆発物を仕掛けている場合のことである。
「その状況だと、乃々姉ちゃんが危ない!ジンの要求は、僕と安室さんが来ることだよ。」
「そうですね。他の人が来た場合は、殺されてしまいます。警察も呼べません…危険な状態です。」
「どうするかな?廃ビルの内部に入れなければ、森久保さんの救出は困難だぜ。変装も、意味無いだろうな。」
救出が困難な状態にあるため、思うように作戦が立てられないコナンと安室。すると、ベルモットが買い出しを終えて帰ってきた。
「飲み物だけでも、買ってきたわよ。冷静な判断ができないと、失敗するわよ。」
「ありがとうございます。」
ベルモットからお茶のペットボトルを受け取る安室とコナンだが、コナンの顔色は悪そうだ。
「コナン君は少し、寝た方がいい。僕らで、作戦を考えます。」
「だけど…乃々姉ちゃんが…ジンに誘拐されたのは、僕のせいだ。」
「コナン君……」
思い詰めているコナンに、安室は何も言えなくなってしまったようだ。ベルモットがせめて、コナンにお茶を飲むように言った。
「飲めるだけ飲みなさい。冷静にならないとね…」
「ああ…」
コナンはお茶のペットボトルのキャップを回して、お茶を飲む。暫くして、眠気が来たようで、眠ってしまったようだ。
「コナン君…!?ベルモット…何をしたんだ!?」
「この子のペットボトルに、睡眠薬を混入させたわ。この注射器でね…」
ベルモットは透明な薄いビニールに入っている小型注射器を安室と快斗に見せる。
「ジンの呼び出しの時間は、午前2時よね?今の時間は12時。少しでも睡眠が取れないと、危険だわ。」
「俺も、ベルモットに賛成だよ。奴のことだ…名探偵と安室さんの目の前で、森久保さんを殺すのが目的だろ。その後で、安室さんと名探偵を殺すのが、奴の復讐だな。恐怖心を見たいがための行動だろうが…イカれている。」
安室は快斗からトランプ銃を受け取ると、調整を開始する。警察をやめている安室が、拳銃を使うのは、法律違反である。
「トランプ銃の使い方は大丈夫ですか?」
「拳銃と違って、かなり軽いですね。トランプは…結構、固くて鋭い…」
「ワイヤーも、切断できる優れものだぜ。危険物であることには、変わらないが…」
安室は救出の準備を進めるのだった。