夜明け前。コナンは携帯の着信音で目を覚ますと、通話ボタンを押した。通話相手は快斗で、乃々の救出が成功したとの連絡を受けた。
『どうしたんだよ…名探偵。』
「……ありがとな。」
暗い感じの声に快斗は『元気ないな…名探偵らしくないぜ?』と心配しているのだが、今のコナンでは冷静な判断ができなかったと思っている。
「乃々姉ちゃんは?」
『疲れたようで、眠ってるぜ。念のために、俺の伝のある病院で、検査してもらうけどな。問題なければ13時には帰れるぜ。』
「……わかった。」
コナンは電話を切ろうとする。すると、快斗が『森久保さんが目を覚ましたから、代わるぜ。』と乃々が電話してきた。
『青君…心配かけてごめんなさい。』
「乃々姉ちゃんは…悪くないよ!」
『そうですか…それと、私が誘拐されたことは、皆には内緒でお願いします。心配かけたくないので…武内プロデューサーにもです。』
乃々からの頼みを聞き入れたコナンに『必ず…参加してください。』と言ってきた。その言葉にコナンは「乃々姉ちゃん…大丈夫なの!?」と心配している。
『明日…参加できなかったら、後悔するので。』
コナンは諦めて「わかったよ。乃々姉ちゃん…また後でね」と言って、電話を切った。携帯をベットに置いておくと完全に眠気が消えているようで、台所の冷蔵庫にメモ紙が…
【江戸川君。博士が迎えに来たから帰るわ。もしよかったら…遊びに来なさい。それと………出来たら中学は一緒がいいわ。】
メモ紙を読み終えると小さく折って、ポケットに入れる。青用の携帯を取り出して、メールを確認する。武内から解散会兼送別会のお知らせメールが届いた。
(………………明日の17時。場所は安室さんが送るのか。)
携帯をしまう。時間までどうしようか悩んでいると、また青用の携帯にメールが届いた。みくからで、内容は〈久し振りですね。喫茶ポアロで、お昼食べませんか?友達の服部君と和葉さんも一緒にですが… PS 青君の関係者らしいですけど…どうしますか?〉
(……そういえば…引退する以前に偶然再会したな…安室さんは夜遅いから…良いかな。みく姉ちゃんも、アイドル引退したみたいだけど…問題ないのか?)
久し振りに再会しても、問題ないのかがわからないコナン。一応、青の姿に変装すると帽子を深く被り、安室に行き先をメールすると〈わかったよ…コナン君。一応、気を付けていくように。変装は必ずしてから出掛けてね。〉と返信が来た。
(行きますか。)
コナンが喫茶ポアロに向かっている頃。警察庁にいる安室は風見に呼び出されていた。
「風見どうしたんだ?」
「上から組織の残党処理、脱獄犯のジンとウォッカでの捜査協力費が支給されましたので、渡しておこうと…」
「そのために協力したんじゃないんだが…」
「降谷さんは公安をやめて、一般人ですが…協力者です。それと、退職金も含まれているので…受け取ってください。漸く、後始末が終えたので…」
安室が公安を辞めてすぐに、退職金が支払われる予定だった。だが、組織の後始末の関係でタイミングを逃したので、捜査協力費と退職金をまとめて、出す形になった。
「わかった。確かに受け取った…」
「それでは、仕事がありますので…」
安室は風見に見送られると警察庁を後にした。