コナンは青の姿に変装して、喫茶ポアロに到着する。みくに呼ばれたためでもあるが、理由とすれば何も言わずに辞めたことだろう。覚悟を決めて、店内に入ると奥の席にみく、平次、和葉の三人がいた。
「待たせてごめんなさい。みく姉ちゃん…と、誰だっけ?」
みくには待たせてしまったため、すぐに謝罪した。だが、平次の顔を見て首を傾げた。
「前に会ったやんけ!俺は服部平次や。坊主!?」
「ごめんなさい…平次兄ちゃん。」
服部は青の正体が、コナンだと知っている。だが、事情を知っているためコナンとは呼ばない。
「へぇ…この子が、元アイドル子役なんか?私は、遠山和葉…よろしく。」
「江藤青だよ。和葉……姉ちゃんで、いい?」
「青君の言いやすい方で、ええよ。みくちゃんも、アイドル引退したけど、これからはどうすんの?」
「アイドルは引退しましたけど、ドラマのオファありますから…役者ですかね。」
アイドルを引退しているみくだが、346プロダクションには籍を置いたままにしている。アイドル部門以外にも、他の部門も存在しているためだ。
「青君も、元アイドルなんやろ?どんなことしてたの?」
「どんなこと……雑誌の撮影とか…ドラマかな。最初はレッスンが主だけど。」
コナンはアイドル時代の活動を思い出しつつ、アイスコーヒーを飲んでいる。みくは別のことを思い出しているが…
(ちひろさんと杏ちゃんが言っていた…爆弾解体は、言わない方がいいですね。あの事件は、衝撃過ぎでしたから…)
「みく姉ちゃんは仕事無いの?」
「え、今のところは…青君も、これからはどうするんですか?」
「わからないや。でも……海外留学かな。」
「え、海外留学ですか!?」
コナンの海外留学の発言に、みくが驚いている。誰にも話していないことなので、驚かれても無理はない。
「青君が頭がいいのは、知ってましたが…海外留学ですか。」
「まだ、未定だけど。やりたいこと…わからないから。」(探偵はもう…いいかな。)
「海外留学は凄いことやん!応援しとるで…」
「ありがとう…和葉姉ちゃん。」
アイスコーヒーを飲み終えると、梓に追加でアイスコーヒーとケーキセットを注文する。
「アイスコーヒーとケーキセットですね。みくちゃんはどうするの?」
「青君と同じケーキセットを…それと、野菜サンドをお願いします。」
みくの注文を書き終えた梓は「マスター、野菜サンドとケーキセットをお願い。」と言って、話に加わっている。休憩時間のようで、マスターと交代のようだ。
「{あのすみません…場所を探しているんですけど…}」
赤髪に染まった女性外国人が、入ってきて場所を訪ねている。話している言葉は、ロシア語のようだ。親切に話を聞く客はいる。だが、言葉がわからないようで、困っていた。
「あれは…ロシア語でしょうか?」
「みくはわかるんか?」
「少しだけで、会話は少し…」
みくは自信無さげなようだが、コナンが立ち上がって「ちょっと、聞いてくるね。」と言って、女性に話し掛けた。
「{お姉さん。何処に行きたいの?よかったら、教えてくれないかな?}」
「{ボウヤ…ロシア語話せるのね?}」
コナンがロシア語を話している光景に、和葉、みく、梓が目を見開いている。平次は驚いているフリをしながら、ホットコーヒーを飲んでいる。
「あの子は…ロシア語が話せるの!?」
「みくちゃんは、何か聞いてないんか?」
「ロシア語の推理小説を読んでいたので、読めるのは知ってましたが…話せるのは、知らなかったです。」
「{……ありがとう。ボウヤ…助かったわ。}」
「{どういたしまして…お姉さん。}」
コナンは戻ってくると席に座る。みくがロシア語を話していたコナンに、いろいろと聞いてきた。
「ロシア語が話せたんですね。」
「会話程度なら…話せるよ。」(コナンの時の癖が出てきちゃったか…気をつけないとな。)
(工藤は探偵はもう…やらんのか?)
服部は腕時計を見て「たこ焼き食べたくなってきたわ。」と言ったら、コナンを見ていった。
「坊主は予定あるんか?」
「え、ちょっと確認するね。」
コナンは安室にメールを送ると《前田さんや服部君達が一緒なら、安全だね。変装を続けてくれるなら問題ない。》と返信してきた。
「今日は無いよ。」
「今から東都大学にいくで!近くに、たこ焼き屋の屋台があるんや!みくも行くわな?」
「そうですね。一緒に行きます。」
「わてもいくで!」
服部が支払いを済ませると、コナン、みく、服部、和葉は、東都大学に向かったのだった。