仮面ライダー平成ジェネレーションズ Grand Order   作:人見知り

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いつもの倍量




終わりと始まり

《2009年》〜ディケイドの刻〜

 

自分の過去を探しに旅に出た立花ツカサ。

彼は人見知りなヴァイオリン職人やお節介な記者、夢を守る旅人などと出会ってきた。

 

10番目の候補地にて、写真の家を見つけると、自身を"お兄ちゃん"と呼ぶ少女と出会った。

 


 

 

「この写真、覚えてる?

お兄ちゃんがいなくなっちゃう前の日の私の誕生日の写真」

 

そう言って妹を名乗る少女…門矢小夜が見せる写真には、幸せそうな一家が写っていた。

 

「これが父さんと母さん……」

「優しそうなご両親ですね。ご両親はいつ頃帰ってきますか?」

 

ナツミが問うと小夜の顔が曇った。

 

「…両親は居ません。お兄ちゃんがいなくなってから急に話してくれなくなって……

3年前にいなくなりました」

「それは… ごめんなさい」

「いえ… お兄ちゃんが帰ってきてくれたし、寂しくありません」

 

小夜は心底嬉しそうに笑った。

 

 


 

その晩、門矢邸に泊めて貰った2人は今後の相談をしていた。

 

「どうするんですか、ツカサくん?」

「一度帰って相談するしかないな。

人一人が生きるための準備が大変なのは勇介*1の時に経験したからな」

 

「勇介くんは特殊すぎる気が……」

「法律的な準備は今の俺には出来ないからな。

それに俺の過去も分かったんだ。その辺の手続きの確認は直接話した方が早い」

 

 


 

小夜は、そんな2人の会話を廊下で聞いていた。

 

"どうするんですか、ツカサくん?"

"一度帰って相談すしかないな。

人一人が生きるための準備が面倒なのは勇介の時に経験したからな"

"勇介くんは特殊すぎる気が……"

"法律的な準備は今の俺には出来ないからな。

それに俺の過去も分かったんだ。その辺の手続きの確認は直接話した方が早い"

 

 

「やっぱり私を置いてくの?」

 

 

少女の瞳は妖しく輝いた。

 

 

 


 


 

 

翌朝、2人は小夜に出立を告げようとしていた。

 

「小夜、世話になったな」

 

「……お兄ちゃん、また私を置いてくんだね」

 

小夜の様子がどこかおかしい。

「小夜?」「小夜ちゃん?」

 

「酷い…許さない…離さない!

 

そう叫ぶと、小夜の姿が変わった。

緑色のクウガ…否、もっと有機的で悍ましい姿だ。

そして、ツカサに襲いかかった。

 

「小夜! 止めるんだ!」

 

「無駄だよ。もう彼女は戻らない」

いつの間にか、側にスーツ姿の男がいた。

 

「小夜に何をした!」

ツカサの問いかけに笑いながら答える。

 

「彼女には2つの石を埋め込んだだけさ。

1つは君に使った緑の石。

もう1つは、ゲブロン。あの憎きクウガが滅ぼしたグロンギの核となる石だ。

君が彼女の怒りを引き出した事で、我らが女王は完成した!」

 

そう言うと、サナギの様な本性を表した。

 

 


 

 

怪人体となった小夜は、ツカサを痛めつけた。

 

ツカサは痛めつけられながらも必死に呼びかけた。

 

「小夜! 聞いてくれ!

俺はお前を置いて行く訳じゃない! 一緒に暮らせるように頼みに行くだけだ!

信じてくれ!」

 

「無駄だ! 兵器に言葉が通じるものか!」

 

小夜の姿が消え、ツカサが吹き飛ばされた。

小夜は倒れたツカサに腕を振りかぶった。

 

「小夜!」

 

「……お兄…ちゃん…私を…止めて」

 

ツカサの叫びに反応して意識を取り戻した小夜は、再び姿を消した。

 

「……わかった」『henshin change black beetle clock up』

 

ツカサも変身し、姿を消した。

 

 


 

 

「酷い! 兄妹で戦わせるなんて!」

 

ワームはナツミの言葉を嗤う。

 

「化け物に化け物をぶつけるのは当然だ。

そして、我々がこの星を支配すゴハッ

 

見るとツカサが小夜を抱えて立っていた。

 

「ツカサ君! 小夜ちゃんは⁈」

「石は取り除いた」

 

ツカサはそう言うと、ゼクターの残骸が残っているベルトを腹部から血を流す小夜に装着させた。

ベルトは薄く光ながら小夜の傷を癒している。

 

ツカサはワームを睨んだ。

「お前だけは絶対に許さない」

 

「ゼクターを失ったお前に何ができゴハッ ゴフッ ゴホッ

 

ワームは3連撃を受けた。

攻撃してきたのは、金、銀、そしてブロンズのゼクターだった。

 

「あり得ない……

そいつらは地下から出られないはずだ!」

 

ツカサの側を見ると、モノクロのオーロラの向こうに地下室が見えた。

 

「なんなのだ…なんなのだ!貴様は!」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。 変身」『henshin change beetle』

 

ツカサの腕に黄金のゼクターが留まると、アーマーがハニカム状に展開し、黄金の戦士が姿を表した。

 

 


 

 

「ゴハッ ゴフッ」

 

黄金の戦士…仮面ライダーコーカサスとワームの戦いは一方的だった。

 

当然だ。たかだか怪物人でなしでは優者英雄の敵ではない。

 

「終わりだ」『rider beat』

コーカサスの拳が突き刺さり、爆散した。

 

 


 

 

小夜の傷が癒えた翌日、ツカサ達は出立する事にした。

 

 

「小夜、待っていてくれ。必ず迎えに来るから」

「嫌♪」

「「えっ」」

 

小夜は悪戯っぽく笑った。

 

「待つのは、もう飽きちゃった。私も旅に出る。」

 

彼女は朗らかに笑った。

 

 

 


 


 


 

門矢邸の地下深くにある秘密の部屋。

 

3機のカブティックゼクターがあった部屋には、もう一つ、厳重に保管されている物があった。

それはZECTの最高傑作…ディケイドライバー。

 

 

 

それに近づく男が1人。

「ディケイドの出番は今ではない」

男はそう言うとブランクウォッチを起動した。

『ディケイド』

ディケイドライバー(ZECT製)

 

1カブト2ガタック3ザビー4ドレイク5サソード6パンチ・キックホッパー7ケタロス8ヘラクス9コーカサス、に続くライダーシステム。

 

対ワームではなく、対仮面ライダー用として開発された。

クロックアップを利用して方々の組織の技術を盗み、使用している。

 

最大の特徴は擬態コピー能力。

これにより、相手の能力+別の能力を使用する事でどんな相手にも勝てる計算である。

 

埋め込まれている石は、ゲブロン、賢者の石*2、鬼石、蟲石*3、魔皇石、星の記憶の結晶である。

 

これらの石やコズミックエナジーを使用する事で、あらゆる相手を模倣・破壊する事ができる。

 

理論上、世界すら破壊できる力である。

 

 




 

 

クリム・スタインベルトが助手の上下かみしたと蛮野の研究室を訪ねると、蛮野は虐待同然の実験をしていた。

 

「大丈夫か!」

 

「バンノ! 君との友情もこれまでだ!」

「クリム!今、君に抜けられると困るんだよ!」

 

上下は002に駆け寄り、蛮野は憤り退室したクリムを追いかけていった。

 

 

まさかクリム先生が君を見捨てる様な人だったなんて……… こうなったら逃がすしかないか…

よし、これで処置は済んだ。暫く安静にしてれば良い筈だ」

 

処置が終わると、上下はどこかへ電話をかけた。

 

「もしもし、取引をお願いします。はい。場所は〇〇で。はい。お願いします」

 

電話を終えると部屋を物色し始めた。

パソコンに記憶媒体を刺してデータを移し、その間に部屋中の資料を鞄に詰める。

001、003、004のロックを外し、動けるようにした。

 

「99…100。次はパソコンの初期化だ」

「何をしてる!」

 

蛮野に見つかった。

蛮野は002に使っていた道具で上下を殴りつける。

 

「私の!研究に!関わらせて!やったのに!盗むつもり!だな!」

 

蛮野は反論する時間も与えずに殴り続けた。

上下は抵抗する余裕もなく、立つことすらできない。

 

 

そんな時、パソコンから"ピコン"と音が鳴った。

蛮野は慌ててパソコンに駆け寄る。

「"消去完了"だと。クソが!」

 

その言葉を聞いた上下は停止しているロイミュード達に這い寄る。

 

 

折れた足を引きずり、必死に近づき、息絶えた。

 

 

 

 

 

 

「これで復旧できるはず」

「そうですか。それは困ります」

 

蛮野が振り向くと、上下に首を絞められる。

 

「ぐ 何故お前が…」

 

床を見ると上下が転がっている。

そして、その近くにあったはずの004が消えていた。

 

「そうか!お前は004! 私を離せ!お前達を作ったのは私だぞ!」

「そうだな。悪しき創造主よ」

 

上下は004へと姿を戻し、蛮野へと変わる。

 

「貴方の頭脳はコピーした。これで生かす理由はない」

 

再び姿を戻すと、手に力を籠める。

 

「まて! 待つんだ004..」

 

その言葉を最後に、蛮野も生き絶えた。

 

 


 

 

ちょっと寂れた駅から少し離れた一軒家。

子供が作ったような可愛らしい看板がかかっており、そこには"T経営コンサルティング"とあった。

中にはまだ20才にもなっていないであろう少年1人だ。

 

「西園寺様、如何でしょうか? お送りしました"英雄縁の品々"の所在地リストは?

"ゴーストドライバーと眼魂"の情報に釣り合わないというのでしたら、リストにある物を釣り合うだけご用意いたしますが、如何いたしましょう?

不要?

はい。では、取引成立という事で。

では、場所は以前お約束した場所でよろしいでしょうか?

はい。よろしくお願いいたします」

 

 

ピンポーン

 

何者かとの電話が終わると、インターホンが鳴った。

 


 

「直接お会いするのは初めてですね。Tと申します。

上下様でしょうか?」

 

「上下の後継です。以後宜しく」

上下の姿をしたモノはそう答えた。

 

 

「では、契約内容の確認です。

 

そちらは、コアドライビアとロイミュードのデータを提供する。

こちらは、安全を保障する。

 

以上の内容に相違ないですか?」

 

「はい」

 

「では、契約成立という事でよろしくお願いいたします。」

 


 

T経営コンサルティング

 

財団の構成員であるTのコンサルティング会社(非公式)。

 

主に財団で融資を受けられなかった団体を対象に、新たな出資者候補の紹介、コンペ内容への助言を行う。

また、目をつけた研究者に対して個人*4で出来る範囲の支援*5を行う事もしている。

 

偽装のために子供っぽい看板をしている。

 

 


 

T

 

財団の構成員。

元々は戦災孤児な元実験体。

高い知能を示した事で研究者として起用される。

 

戦争の影響で感情が乏しく、組織の利益のためには手間を惜しまない。

嫉妬で妨害する事も、功名心で研究を盗む事もしないので、それなりに便利に使われている。

疑ったりせずに粛々とこなすため、カンナギ等裏切るつもりの面々からは主な窓口として利用されている。

 

 

 




 

 

草木も寝静まる丑三つ時、スタインベルト邸の窓が空いていた。

 

 

クリムは不審な音で目が覚めた。

下からギィギィ、ガサゴソ、と音がする。

 

静かに下へ降りてこっそりと覗くと、上下が紙の資料をまとめていた。

それだけなら不自然ではない。窓がなくなっていたのだ。僅かに残った窓枠が風で揺れ、ギィギィ鳴っている。

 

 

「お目覚めですね、クリム・スタインベルト」

「君は上下じゃないな。何者だ」

 

侵入者は答えずに手を翳した。

途端に世界が減速した。風に揺れる窓枠も、クリム自身もゆっくりと動く。

 

「重加速! ロイミュードか!」

「そうだ。愛さなかった創造主よ」

 

クリムに近づきながら元の姿に戻る。

 

「ロイミュードの未来のため、私はここに来た」

そう言うとクリムに触れてコピーする。

「これで貴方は用済みだ。

されど、貴方は敬愛なる創造主の恩師である故に殺しはしない。資料は全て処分させてはもらうが」

 

再び元の姿に戻ると、光弾で資料を燃やす。

 

「そうだ。自己紹介がまだでしたね」

 

更に姿を変える。

その姿は天使の様な、騎士の様な、そんな姿だ。

 

「私の名はセラフ。お見知りおきを」

 

そう言うと、セラフは外へ飛び立っていった。

 


 

セラフ・ロイミュード

 

鎧を着た天使の様な004の進化体。

クリムの助手であった上下の"ロイミュードを想う気持ち≒ロイミュード愛"を受けて進化した。

ロイミュード総体の存続のために行動する。

 

剣を持つ他、翼で飛行するできる。

 

特殊能力としてドミニオンシステムを持つ。

ロイミュードのボディに鎧を装着させる事でパワーアシストが可能となる。

攻撃強化だけでなく、行動妨害にも使用可能。

空のボディを無人機として運用する事もできる。

現状では操作するのは3体が限界。

 

*1
現在、父親と海外でクリーニングをしている

*2
アギトのベルトの中のやつ

*3
ワームになるやつ(略称という事で宜しく)

*4
財団の研究者としての権限や予算

*5
設計・組立、生産施設の仲介など




ノリと勢い
これで平成1期終わり

ロイミュード絡みの募集やる? (まだ詳細詰めてないけど)

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