Fragment glow   作:桜花 如月

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4月って、毎年温度差あるよね。
でもちょっと涼しいぐらいってちょうど良かったりするんだ。


本編とあまり関係ないけど。





ふたつの記念日

4月。

場所によっては桜も満開を迎え、場所によっては桜が散り始めるそんな季節。

人としては新学期や新生活が始まる、そんな十人十色な季節に一人の女子高生が誕生日を迎える。

 

 

 

俺、夕凪奏は今をかけるガールズバンド《Afterglow》の赤メッシュが特徴的なギターボーカル、美竹蘭と羽沢珈琲店にて向かいあわせで座っている。

静かな教室で……と行きたかったが人目が気になりすぎて、なにより変な噂がたつのを避けるためにもどこか落ち着ける場所を探したのだが、結局「いつも通り」な場所に来てしまった。

まぁその結果……

 

「らーんー、おたおめー」

「ちょっとモカ、早すぎるって!」

「パーティはまだだろ?」

 

モカ、ひまり、巴とAfterglowのメンバーが付いてきてしまった。

そもそも放課後に彼女達を避けることがまず無理だと朝に気づくべきだったのだが時すでに遅し。

プレゼントのひとつでも渡して帰ろうとしたところでモカに見つかりAfterglowメンバーが羽沢珈琲店にて開くという蘭の誕生日パーティに俺も参加することになったのだった。

 

「……せめて準備終えてから呼ぶものじゃない?」

「ほんとに、俺もそう思う」

 

いざ会場に行ってみればつぐみとそのご家族、そして先に着いていた巴とひまりが準備の真っ最中。

モカも準備に参加すると話していたらしく着いたら怒られてたしそれでいて準備ほったらかしてプレゼントを渡そうとしてさらに怒られていた。

蘭も困惑しながらも呆れた声を出し、俺はそれに賛同。

そんなことお構い無しにモカは俺と蘭の手を掴み装飾された席へ誘導する。

 

「まぁまぁ、主役はこちらにどうぞ〜」

「なんで二席?」

「それはね〜」

「モカ、それはまだ言っちゃダメ!」

「え〜……あ、そっか」

 

なんで俺もと思っていたら誘導された先には席がふたつ。

蘭はともかく俺は特に祝われるようなことは無いんだけど、誕生日は半年ぐらい先だし。

それも本日の主役もしっかり2人で色々と用意されてるもんだからさらに疑問が増える。

 

「少しだけ待ってね〜」

 

真面目そうに見えてそうでも無い感じを出しながらモカは厨房の方へ消えていった。

他のメンバーもいつの間にか厨房に行ったようで残されたのは主役の蘭と主役(らしい)俺だけ。

今更ながら貸し切りにしてまでパーティするのか……いや、蘭とAfterglowからしたら「いつも通り」の行事になっているんだろうけど。

 

「……なんであんたも?」

「俺が聞きたいんだけど、何か知らない?」

「知ってるわけないでしょ、まぁなんとなく何しようとしてるかはわかるけど」

「え、どゆこと?」

「どうせすぐ分かるから」

 

 

 

それから数分、メンバー全員とつぐみの両親がパーティの食べ物と食器を並べ、俺と蘭の前にケーキを置いた。

メンバー全員が席に着いたところで巴がケーキに乗ったロウソクを着火して電気を消す。

 

 

『蘭、誕生日おめでとう!!!!』

 

ハッピーバースデートゥーユーと歌い終えたところで蘭がロウソクの火を消し、それと同時に付けられた電気、急に明るくなって少しびっくりしながらもメンバーはクラッカーを鳴らした。

 

「あ、ありがと……」

「まだ、もうひとつ!」

 

わかっていながらも戸惑う蘭を横目に拍手していた俺はモカに手を取られ立たされる。

本日の主役といいながら何もないんだろうとか考えていたせいでこの状況に混乱してる、全員こっちみてるし。

 

「奏、蘭の誕生日と一緒になっちゃったけど……」

「そーくんに、感謝を」

「え、どういうこと?」

 

何事かと思えば急にモカが花束を渡してきた。

この流れ、もしかして……

 

「え、俺解雇?」

「なんでそうなるの!?」

「いやなんか、花渡されるって基本的にお別れの時じゃ」

「なんでそっちで捉えるんだ……」

「そーくん、お花の種類、それとあたしの言葉でわかって欲しいな〜」

 

お別れじゃない、そして花束は『8本のピンクの薔薇』。

薔薇と言えば友希那先輩、というかRoselia。

これからはAfterglowのサポート兼サンメモのリーダーじゃなくRoseliaと同じような立ち位置でいろってこと……そんなわけは無いだろうし、何よりモカの言葉。

 

感謝、と言われても感謝されるようなことしたっけ?

 

 

「……ほんと、鈍感」

「なんだよ、蘭はわかってるってことか?」

「うん、薔薇用意したのあたしだし」

「最初から知ってたのかよ……」

「何も分からない奏のために改めて言うよ!」

 

やれやれと言いたそうな顔してる蘭もモカたちの横に移動。

5対1の構図はかなり圧がすごいんだけど……

 

「奏、この一年間ありがとう」

「一年……あ、そうか」

 

蘭から言われたことでやっと理解した。

正確には少し前だけど一年前、高校入学初日にめちゃくちゃ落ち込んでる赤メッシュに話しかけて高校生活が一気に非凡に変わったんだ。

あの日から一年間、Afterglowのサポートをやったり夜の学校に潜り込んで大変な目にあったり、蘭とAfterglowの喧嘩が起きたり。

俺もバンドを組んだりしたが、改めてたった一年なのに4.5年たったんじゃないかなってぐらいには濃い一年だった。

 

「だからってここまでしてもらわなくていいだろ?」

「奏がいてくれたおかげで今のあたしたちがあるんだ、だから少しでも感謝をってひまりが」

「さっすがリーダー」

「もー!なんかバカにしてない?」

 

感謝されるほど何かしたかと聞かれるとそんなことない気がするが、そんなこと言える雰囲気でもないし何よりみんなが楽しそうで。

 

「そーくん」

「ん?」

「……これからも、よろしくね?」

「こちらこそ、よろしく。それと……ありがとう」

 

この日は蘭にとって、そして俺にとっても特別な日になった。




書いてしまった
美竹蘭生誕祭に見せ掛けた何か。
散々Twitterで書くって言って2年経ったバンドリ二次創作、本編書けないけど短編集て練習してみよ、でこれ。
本作はいつか出来るかもしれない本編に出てくるオリキャラとメインバンドのAfterglow他色んなキャラが関わるやつです


キャラ説明

夕凪奏(今話は高校2年生)
羽丘学園2年生、とても平凡な高校生活を送る気でいたら赤メッシュ入れた人に話しかけてしまい気づいたらAfterglowのサポート役に。
今は自身のバンドでリーダーとギターボーカルを務めている。
ちなみにだがモカとは───
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