Fragment glow   作:桜花 如月

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寒い冬もカップルはアツアツだよね

たまに冷めてもいいのよ(よくない)


その温もりを

12月25日。

世間ではクリスマスと呼ばれるこの日、日本ではカップルがやけにはしゃぐ、そんな日。

 

叶恵と家で過ごす予定だったが、Afterglowでパーティをやるとのことで羽沢珈琲店に足を運んでいた。

 

「モカがいない?」

「そうなんですよ、あの人どこにもいなくて……探しに行きたいところなんですけど、岡村先輩が暴れ出さないか見てないとなので……」

 

バンドメンバーと合流し会場についてすぐ、岡村のバンドメンバーの萩尾凪からモカがいないと言われた。

蘭達も「ちょっと出かける〜」と言われただけでどこに行ったかわからないらしく連絡もつかないとのこと。

岡村のバンド(ブルームーン)とAfterglowで手分けして準備をしてる途中らしくモカを探しに出れる人材を割けない様子。

 

「わかった、探してくるよ」

「すみません……って、それはまだですって!」

 

叶恵達に準備の手伝いを頼んで一人でモカを探しに街へ飛び出していく。

その後ろで叱られてる奴がいたが、気にしないでおこう。

 

 

 

 

 

探し始めてから1時間ほど。

明るかった空も夕焼けが映えるぐらいに暗くなり始めたところで何度も鳴らしていた電話の折り返しが入った。

 

『そーくん〜?どったの?』

「どったの?じゃないだろ!?」

『あー……あたしどこ行くとか伝えてなかったっけ〜?』

「何も聞いてないし誰も言われてない」

『そっか〜、ごめんね?』

 

何かあったんじゃないかと心配して少し強く言ってしまったが、モカは何も変わらずいつも通りな口調で電話に答える。

変な音も聞こえないし別に何かあったわけじゃないみたいだが、幼なじみにも何も言わないでどこかに行くようなことを彼女がするのかという疑問だけは浮かぶ。

 

「それで今どこに」

『あたしとそーくんの思い出の場所だよ〜』

「なんで今そこに?」

『来てみたらわかるよ〜?』

「お前なぁ……わかった、行くよ」

 

どこまで行ったのかと思えば彼女と初めて出会ったとある場所。

雪景色しか広がらないだろう場所になぜ今いってるのか聞いてもはぐらかされたため仕方なく向かうことに。

 

 

 

 

そして数十分後。

まだ夕焼けが少し残ってる中たどり着いたのは羽沢珈琲店から少し離れた場所にある山の中腹。

 

「遅いよ〜」

「誰のせいだと……それよりなんでここに?」

「ほら、こっから街の方見て?」

 

モカを見つけて彼女のもとまで駆けて理由を聞いたら街を見おろせる方へ指をさした。

そして、そこに広がっていたのは──

 

「いつでも来れるとこだけど今日は特別〜」

 

クリスマスシーズンということもあり街のいたるところにイルミネーションが装飾されていてそれが普段は見れない景色を作っていた。

夕焼けが沈み周りが暗くなったところで雪が降り始めて目の前に広がる景色をさらに綺麗にしていく。

 

「クリスマスだもんな……」

「そゆこと〜」

「それはそうとせめて誰かにどこ行くかは伝えろって……」

 

いい景色だし思い出の場所にモカと二人でいるっていうこの時間が嬉しいけどみんなを心配させてまでここに来るのは怒られるだろう。

そう思い注意したらモカは……

 

「ん〜?伝えたよ〜?」

「……え?」

「ゆっづーと蘭と叶恵ちゃん達みんなに伝えてある〜」

 

と。

予想してなかった答えに困惑しているとモカがイタズラな笑みを浮かべて俺の前に立つ。

 

「こんな日なんだから、2人っきりで過ごしなって蘭に言われてね〜」

「これは……?」

 

モカは服の裏から紙袋を取りだし差し出してきた。

受け取り開封すると中には水色のマフラーが入っていた。

 

「クリスマスプレゼントだよ〜」

「……後でお返し渡すよ」

「やった〜」

 

もう少し2人だけの時間を堪能したかったが蘭から連絡が入り羽沢珈琲店へ戻ることに。

渡されたマフラーを付けようとしたらモカが「あたしも〜」と無理やり入り込んできて帰り道はずっとくっついたままだった。

 

 

 

帰ってから真相を聞き呆れながらも3バンド合同のクリスマスパーティーを楽しんだ。




メリクリですね

ま、私クリぼっちですけど
寒い冬に暖かいカップルの話。



そして今回、3度目になりますが
永嶋誘様の「夕焼けの後を照らす月に。」
https://syosetu.org/novel/274531
の主人公、ゆっづーこと岡村柚月とそのメンバーである萩尾凪(通称名無しちゃん)がゲスト出演です!
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