「「「つぐ(み)先輩、誕生日おめでとうございます!」」」
せーの、という声のあと、祝いの言葉と共にクラッカーが鳴った。
ここは羽丘の生徒会室。
そして今日はAfterglowのキーボード、つぐみの誕生日でそれを事前に他のメンバーに聞いていた生徒会メンバーがサプライズでプレゼントを用意していた。
「ありがとうみんな、でも……一日でここまで用意したの?」
「はい!さすがに奏先輩にお手伝い頼んじゃいましたけど」
突然のクラッカーの驚きから戻ってきたつぐみは生徒会室内を見渡して装飾の凄さにも驚きの声を上げた。
「昨日はAfterglowの練習来ないって聞いたけど、このため?」
「そういうこと、さすがの生徒会でもここまでの用意は無理だろうから手伝ってた」
生徒会室の広さ的に一日未満で用意するには人数が足りず、六花から手伝って欲しいと連絡が来たため蘭達にも理由は説明せずに練習への参加を断った。
それでも結構手間がかかってしまったため、装飾を完璧に終えたのはつい今朝の事だった。
「生徒会も今日だけは休みってタイミングだったので、サプライズしてみたんですけど……」
「みんなで用意してくれたんだよね、プレゼントも、この部屋も」
「はい!つぐみ先輩には生徒会でも、バンドでもお世話になってるので」
「そっか、わたしのために……」
「つぐみ?」
つぐみはプレゼントを見つたと思えば少し俯いた。
最近ずっと思い悩んでいたし気晴らしと思ったが、少しは気を使うべきだったか……?
「すっごい嬉しんだ、みんながこうやって準備してくれて」
「喜んでくれたなら良かったです!ね、奏先輩」
「そうだな」
Afterglowが大変な時期でつぐみは結構気を張ってる様子があった。
その原因はわかってるし今すぐどうこうできるものでは無いため責任感の強い彼女なりにずっと考え続けていた。
そんな彼女も誕生日という特別な日ぐらいは気を張らずに気楽にして欲しい、そんなちょっとした個人的な目的はしっかり果たせたようだ。
「あと、もうひとつ」
「奏君からも何かあるの?」
「俺、というよりサンメモから」
サプライズ開始時からずっと肩からかけていた保冷バッグを開けて小さな箱を取り出してテーブルへ置く。
開けていいとアイコンタクトを送るとつぐみは置かれた箱を開けた。
「ケーキ?」
「俺がここで準備してる間にメンバーみんなで作ってたみたいで、今日来れない分の気持ちだって」
生徒会での準備を終えて帰ったらこのケーキが置かれていて何故か俺にもサプライズで作ってたらしくて「これ渡しといて!」と言われた。
当の本人たちはそれぞれが用事あって今は来れないため代わりに持ってきたということだ。
「本当はAfterglowとのパーティーに参加出来れば良かったんだけど、そっちには参加出来ないから今渡しとくよ」
「叶恵ちゃん達にありがとうって伝えて欲しいな」
「もちろん、ちゃんと伝えとく」
「それとみんなも、本当にありがとう」
最高の一日だよ、羽丘の生徒会長は笑顔でそう言った。
誕生日だと聞いて速攻で作ったよね
つぐみ、誕生日おめでとう。