ライブハウスRiNG:併設カフェ
俺は今新設されたライブハウスのRiNGにて手伝いをしていた。
本来なら香澄や沙綾がバイトをしているのだが今日は二人ともライブをやる側、それも主催ということでカフェの方に手を回すことが出来ず、さらに今日に限ってMyGOのドラムも他用でバイトに出ることが難しくてたまたま空いててライブハウスとその併設カフェ両方でバイトしたことのある俺にヘルプが来たのだった。
武道館でライブをやったバンド、Poppin’Partyと
「やっと落ち着ける……」
ライブまであと30分ほどになったとこでやっと休憩に入れた俺はカフェスペースの隅で机に突っ伏していた。
自分で言ったことではあるが、Poppin’PartyとAfterglowの人気は凄まじい、まさかここまで大人数を呼ぶとは。
おかげさまでこっちは疲労困憊だ。
「おつかれ」
「どうも……って来てたのか」
「ん、ずっといた」
このままライブ開始まで仮眠でも取ろうと目を閉じた瞬間に声をかけられ顔を上げると目の前にはMyGOのギター、楽奈がいつも通り何を考えているかわからない顔でこちらを見ていた。
労いの言葉を彼女が使えることに驚いているが、それ以上にあの忙しい中ずっと彼女がこの中にいたということが何よりビックリしている。
「ギターも弾かずに、さらに抹茶も食べずにって珍しいな?」
「抹茶なら食べた」
「え、頼まれてないよな?」
「あの人」
楽奈の指さした先には衣装を身にまとったモカがいた。
彼女は何やらビニール袋を持っていてこちらに手を振っている。
「なにしてんだ」
「その子がずっと抹茶欲しいって言ってきたから出演者用のやつあげただけ〜」
「朝からずっとあげてたのか?」
「一時間ずつもらった」
モカが持っていた袋から取り出された抹茶のチョココロネを楽奈に渡すと彼女は感謝を伝えたあとにモグモグと食べ始めた。
こんな感じを一時間ずつやっていたのはあの多忙な中抹茶パフェを定期的に提供する必要がなかったからありがたいが、それ以外の問題がある。
「リハーサルとかあるだろ」
「だから一時間ずつなんだよ〜?」
「答えにはなってないぞ」
「ライブの方はへーきだよ〜」
「そりゃAfterglowの演奏に心配はしてないけども、Poppin’Partyとか他のバンドに迷惑かけてないよな?」
「もちのろん〜、沙綾からPoppin’Partyのみんなにそれは伝わってるし蘭たちも仕方ないって言いながら了解してくれた〜」
そういうことじゃないんだけど……と言いたいがモカにそれを言っても上手いこと回避されて話を流されるオチしか見えないため黙るしかない。
ライブがしっかり問題なく成功すればそれでいい、そう言い聞かせて時計を見る。
「ほらもうライブ始まるぞ、俺もこれで手伝い終わりだから控え室行くぞ」
「はーい」
「わたしもいく」
「……まぁいいか」
出演者でもない楽奈を連れていくことに多少の心配はあるけどここに置いていっても彼女が何をするかわからないため連れて行くことに。
ライブ中面倒を見るのは俺になるが、抹茶を渡しとけばなんとかなるってピンク髪のアイツに言われたから多分大丈夫だろう。
そんなちょっとの心配を抱えながら控え室に行くと蘭達が呆れながらも俺たちを待っていて少しの最終調整を終えてライブが始まった。
「抹茶、パンでいい」
「ほら、これでいいか?」
「ん、ありがと」
定期的に来る抹茶の要求に翻弄されながらも観客としてのライブを堪能した。
そして、これを飼い慣らすMyGOの凄さを改めて実感することになった。
お久しぶりです。
ネタ切れでした。