Fragment glow   作:桜花 如月

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朝陽ってなんであんなに暖かくて眠気を誘うんだろう


透き通る青が心を溶かす


朝陽に照らされて∕青い海の青い春

とある日のこと。

 

俺は恋人の部屋にいる。

不法侵入でも無ければお泊まりした訳でもない、単純に頼まれてここにいる。

 

 

 

 

遡ること1時間前

俺とAfterglowは今日1日出かける約束をしていてモカ以外は時間通りに──蘭だけは30分前に──集合場所についた。

だが、モカだけは時間が過ぎても一切来る気配が無く連絡しても全く返信が来ない。

すごく心配してる4人の為にも俺が1人でとりあえず起こしに行くことになり、モカの家へ。

着いてインターホンを押したらちょうどモカの母親が出て「出かけちゃうから叩き起して」と言われて母親が出かけたあとに1人でモカの家に入り部屋の扉をノックした。

一切返事がないため扉を開けた。

 

 

そして部屋に入り今に至る。

問題の本人は布団にくるまって寝息を立てている。

すごくいい寝顔だから起こしたくは無いけど、時間はとっくに過ぎてるしモカには悪いが起きてもらおう。

というか、蘭が起こしてから来ればよかったのでは……?

 

 

なんて考えている時間も惜しいため布団を無理やり剥いでモカを起こそうと手を伸ばした。

 

そして、俺の体は思いっきり引っ張られた。

 

 

 

「んむ……そー…くん……むにゃ……」

「お前起きて……ない?」

「……そーくん…好き……」

「いや起きろって」

「………」

 

器用にも俺を布団に引きずり込んだかと思えば掛け布団をしっかりかけてから俺を抱き枕にして眠った。

起きろと揺すっても少し暴れても一切起きないし何より近い。

いつも接してくる時もこういう距離感はあるけど、いや少しだけで頻繁では無いけど。それはそうと近すぎる。

 

「スマホも触らせてくれねぇなこれ……てか」

 

モカの布団、ちょうど日差しが刺さってすごく暖かい。

確かにこれはぐっすり眠れるだろうけど……

起きてくれ、ほんとに。

 

 

 

 

 

 

30分後

 

「──て、起きて!」

「んぁ?」

「やっと起きた……何してんの」

「何って……俺に聞かないでくれ」

 

いつの間にか寝ていた俺は蘭に頭を叩かれて起きた。

気づけば4人とも来ていて俺がモカに抱きしめられている状況に困惑している。

 

「ほらモカ、起きて」

「んぅ……らーん?」

「うん、あたし、起きて」

「あと……5分……」

「とりあえず目開けて」

「んぇ……?」

 

次にモカのほっぺをつねると痛そうにしながらも寝ようと俺から手を離した。

その隙に起き上がろうとしたら蘭がモカに目を開けるように言った。

そして……

 

「……えっ、え?」

「……起きたか」

「なんで、そーくんが?」

 

咄嗟な状況をのめないモカは俺とAfterglowを交互に見て自分が何をしたか確認しようとした。

でも全く把握出来てないみたいで混乱している。

 

「どうせ奏が入り込んだんでしょ」

「逆だよ、引きずり込まれたんだよ俺は」

「……どういうこと〜?」

「あたしたちが聞きたいんだけど」

「ま、まぁとりあえず起きよ?」

 

とんでもない疑いがかけられたが布団に入ったのはモカに引きずり込まれたからだ。

真相を口にしてもモカは寝起きだからか完全には理解してないようで、ぼーっとしながらも起き上がって背伸びをした。

そんなマイペースなモカに呆れながらも完全に怒った様子で蘭が俺たちの前に立つ。

 

「……とりあえず、何か言うことは」

「「ごめんなさい」」

「ま、まだ時間はあるから行くよ」

「はーい……」

 

ものすごく怒られるかと思ったら幸い時間はそこまで経ってなかったからお出かけは少し遅れてのスタートとなった。

 

 

 

 

その後。

 

モカは俺からちゃんと真相を聞いた。

 

「……大胆すぎ〜」

「だよな」

「蘭たちには〜?」

「全部知ってる」

「まさか先に言ったの?」

「何も言ってないけど、察したって」

 

その日のうちに俺がやったという疑いは冗談で、モカが引きずり込んだ方を信じたらしく、4人は既にモカがやったということを知っていた。

だがしばらく当の本人にはそれは伝えず、みんな様子を伺っていた。

 

 

 

 

「……うぅ」

「照れてる?」

「言わないで〜……」

 

この後、モカは自宅で一時間近く悶えていたらしい。(モカ母談)

 

 

 


 

ある暑い夏の日

Afterglowと俺は海辺に遊びに来ていた。

 

「あまり奥行っちゃダメだからねー!」

「わかってるって」

「そーくんー、早く〜」

「あーもうお前なぁ……」

 

6人ということで2人組でしばらく遊ぼうとなり、一切話し合うことなく俺とモカ、蘭と巴、つぐみとひまりの3組が出来た。

ひまりに心配されながらも俺はモカに連れられて少し離れた海辺まで来ていた。

 

「遠く行くなって言われてるだろ」

「みんな見えてるからだいじょーぶ、それより……えいっ」

「危っ、やったな……!」

「へへーん、油断してるからだぞ〜」

 

モカは少し遠くに着いたと思えばいきなり海水をかけてきた。

目に入りそうになり思いっきり避けたら転びそうになった。

 

「てわけで水遊びスタート〜」

「不意打ちから始めるのはズルいだろ!?」

「ほれほれ〜、勝負ははじまってるよ〜?」

「あぁもう……そういうことかよ!」

 

一切容赦のない勢いで水を飛ばしてくる。

それでなんでメンバーからかなり離れたのか理解出来た。

2人1組で遊ぶのに周りに迷惑かけないため、もとい思いっきり遊ぶため、か。

 

「せいかーい、ということで喰らえ〜」

「だからって本気出しすぎだろ……!」

「そーくん、避けてばっかじゃつまらないよ〜」

「お前が容赦ないんだろ……って、うわぁ!?」

 

さらに勢いを増したモカの攻撃を避けようとしてバランスを崩した俺はそのまま海へ尻もちを着いた。

バシャーン、と大きな音を立てたことで蘭達が駆け寄ってきてるのがわかるが、モカは何食わぬ顔で立っている。

 

「そーくんよわーい」

「少しは容赦しろって」

「いやでーす、モカちゃんはいつでも本気〜」

「ならせめて立つの手伝ってくれ」

「しょうがないな〜」

「……隙ありっ!」

 

どこまでもバカにしてくるモカに立たせてもらおうと手を伸ばしてもらう。

一切疑うことなく伸ばしてきた彼女の手を思いっきり引っ張ると、モカはバランスを崩して俺の方へ倒れてきた。

 

「うわっ!?」

 

横に倒れると思っていたモカに押し倒された俺はそのまま再度海に倒れ、さらに倒れてきたモカが上になったことで起き上がることも出来ない。

そして何より……

 

「モ……「そー、くん、今ダメ!」」

 

倒れてきたモカの双丘が顔に来てしまいそれを訴えようとしたら本人に喋るなと言われてしまった。

すぐ起き上がったモカはそのまま海に座り込んで顔を隠している。

 

「すごい音したけど大丈夫!?」

「あ、あぁ……」

「モカどうしたの」

「もう、お嫁にいけなーい……」

 

さすがに大きな音だったからかみんなが駆け寄ってきた。

何も無かったと言えば思いっきり嘘になるし、何よりモカがとんでもないことを言った。

お嫁に行けない、ね……なら。

 

 

「行く必要ないだろ」

「え……?」

「だって……俺が嫁に貰うんだから」

「「えっ?」」

 

モカに向けた言葉に真っ先に反応したのは巴とつぐみ、少し遅れてひまり、そして低いトーンで「は?」と言った蘭。

俺、何もおかしなこと言ってないと思うんだが……?

 

「奏って、たまに無自覚でそういうこと言うよね」

「え、何が?」

「はは、面白いな奏」

「そーくん、罪な人だね〜」

 

何故かAfterglow全員から茶化された。

めちゃくちゃ呆れられてる気もするが、モカが機嫌直したからよし、なのかな。

 

 

 

その後、海の家でスイカを食べたりビーチボールで遊んだりして夕方になり俺たちは帰路についた。

その道中で俺は自分の発言の意味をやっと理解した。

 

 

「……なぁ、さっきの言葉取り消し──」

「ダメ〜、そーくんがそう言ったんだから、ちゃんと守ってもらいまーす」

「そうだよ、言った以上はね」

「蘭まで……」

 

あの時はサラッと言ってしまっただけ、なんて弁解も許されず俺の発言は無かったことには出来なかった。

それに何故かモカはあれから上機嫌だ。

わからないけど、言った以上は実行しないと、怒られそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

某日

 

──いつか、あたしをお嫁さんにしてくれる?

──いきなり言われても……でも、こいびとになれたら、その時に。

──約束ね〜

 

 

そんな約束をしていたことを、一人覚えていたモカはその相手の背中を見て静かに微笑んでいた。




短編集書くの楽しすぎてペース早い


今回はリクエスト、というかネタ提供されたものを独自解釈のもと書き上げた2話になります。

奏×モカで2話です。
前回のこのカップリング回がブラックコーヒーを糖分過多にしたらしいです、よかった。


今更になりますが感想くれた方、お気に入りしてくれた方ありがとうございます
好き勝手書いてるからそのうち怒られそうですがこれからも応援よろしくです。
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