艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 〜黒野一家のビビッ島旅行記・改〜   作:星龜

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黒野一家 ビビッ島に行く


 

人類が深海棲艦と呼ばれる、謎の生命体との戦争を繰り広げていた時代に

黒野 深海(くろの みかい)

は生まれた―。

 

海軍提督・黒野 海と、深海棲艦・空母水鬼との間に生まれた深海は

穢れた存在

として、人間達に追われながらも、たくましく成長した…

 

…とはいっても、成人した深海は、右目が隠れるくらいに前髪の長い真っ白な長い髪に、身長は150センチほどの、まるで少年の様な見た目の容姿だった…。

 

 

ある日の夜、深海は、一人の傷ついた艦娘と出会う…。

 

彼女の名は時雨。

 

いわゆる

ブラック鎮守府

から脱走してきた時雨を救助した深海は、件のブラック鎮守府の提督を殺害し、新たな提督となって、その鎮守府を拠点として、深海棲艦との戦争に身を投じたのである。

 

しかし、人間と深海棲艦とのハーフである深海にとって、深海棲艦は同胞ともいえる存在である。

 

だから、深海は戦うのではなく

深海棲艦との和解

する道を選んだのである。

 

それは、けっして簡単な事ではなかった。

 

それでも、深海の血の滲むような努力の末…

 

2012年、人間と深海棲艦との和解が成立し、人間と深海棲艦との長きにわたる戦争は終結した。

 

 

人々は、深海を

英雄

と称えた。

 

 

しかし…

 

深海は終戦後…

 

人々の前から、姿を消した…。

 

 

そして…

 

深海が姿を消してから…

 

8年の月日が流れた…。

 

 

日本某県海原市―。

 

 

黒野 秋雨(くろの あきさめ)は、妹の梅雨葉(つゆは)と一緒に、近所の商店街に夕食の食材を買いに来た。

 

その帰り…

 

「…お姉ちゃん、見て。」

と、梅雨葉が指差す方を秋雨が見ると、福引をしていた。

 

「…やろう、お姉ちゃん。」

と、秋雨を誘う梅雨葉。

 

「えっ…?」

と驚く秋雨。

 

普段、こういうことには、あまり興味を持たない梅雨葉が、この日はどういうわけか、ノリノリだった。

 

一方で、どちらかといえば、クジ運はあまり高くない秋雨は、やりたくなかったが、しかし、梅雨葉に引きずられる形で、福引をすることになった…。

 

秋雨が、ガラガラをまわしたら…

 

 

「大当たりぃ〜っ☆」

 

 

「と、いうことで…★」

と、帰宅した秋雨と梅雨葉は、福引で1等賞を当てたことを、父親の深海に話した。

 

そう…

 

秋雨と梅雨葉は、深海と時雨の娘なのである。

 

「すごいじゃないか、秋雨☆」

と、秋雨の話を聞いた深海は大喜びだった。

 

「で、1等賞の景品は、何なんだ?」

と訊く深海に

 

「うん☆

ビビッ島2泊3日の旅

だって☆」

と答える秋雨。

 

「何?

ビビッ島?」

と、ビビッ島の名を聞いて、怪訝な顔をする深海。

 

「ビビッ島って、たしか…?」

と、夕食の支度をしていた時雨が言う。

 

「うむ…。

戦時中

深海棲艦の侵攻を独自に撃退した

という島だ…。」

と、腕を組む深海。

 

「え?

深海棲艦って、人間の兵器が効かなかったんじゃ…?」

と言う秋雨。

 

「そうだ。

あそこには鎮守府も無かったから、艦娘もいなかったしな…。

だから、どうやって深海棲艦を撃退したのか、気になっていたんだが…。

しかし、確かめに行こうにも、あまりにも遠くて、行くことができなかったんだ…。」

と言う深海。

 

やがて、できあがった夕食を、時雨がテーブルの上に並べていく。

 

「秋雨。

雨葉達を呼んできて。」

と言う時雨。

 

「うん。」

と、秋雨は雨葉達を呼びに行った。

 

数分後、秋雨は、三女の雨葉と、深海の義理の妹の浅瀬(あさせ) (しろ)を連れてきた。

 

そして、家族みんなで、夕食を楽しんだ―。

 

 

数日後―。

 

空を行く、1機のジェット旅客機―。

 

この旅客機には、ビビッ島に2泊3日の旅行に行く、黒野一家が乗っていた―。

 

 

「うわぁ〜☆

雲の上を飛んでるぅ〜☆」

と、窓の外の景色を見て、珍しくはしゃいでいる秋雨。

 

「お…落ちないで…★」

と、物騒な事を言って、震えている梅雨葉…。

 

「すごいっ☆

すごいっ☆

すごいっ☆」

と、秋雨同様、窓の外の景色を見て興奮しまくりの雨葉。

 

「…☆」

 

言葉は話せなくても、白も窓の外の景色を見て、興奮している。

 

 

白は、戦時中に偶然、深海に助けられ、以降、深海のことを兄と慕うようになった。

 

しかし、旅の途中で軍に捕まり、暁型駆逐艦娘・響に改造されてしまい、深海と生き別れてしまう。

 

その後、理由は不明だが、深海棲艦へと姿を変え、深海と再会した。

 

深海は、鎮守府の設備を使って、白をどうにか人間に戻すことに成功したが、白は喋ることが出来なくなってしまったのだ…。

 

 

「お前達!!

少しは静かにしろ!!」

と、はしゃぎたおす娘達を叱る深海…。

 

べつに、家族そろっての旅行は初めてではない。

 

しかし、飛行機に乗っての旅行は初めてだ。

 

飛行機なんて、常日頃、乗れるようなものではないので、やはり、子供達は興奮してしまう。

 

普段は、うるさい妹達を叱る秋雨でさえ、外の景色を見て興奮している始末だ…。

 

「おい、時雨…

お前からも何とか…。」

と、深海は時雨を見れば…

 

寝ている…

 

…んじゃなくて…

 

失神していた…。

 

(そうだった…★)

と、額を押さえる深海…。

 

時雨は

元艦娘

だから

高所恐怖症

だということを忘れていた…。

 

 

艦娘は、太平洋を横断できるくらい海上を移動できるため、 飛行時に乗る必要がない。

 

だから、高所恐怖症なのだ―。

 

 

午後1時すぎに、旅客機は無事、ビビッ島の空港に到着した。

 

 

ビビッ島―。

 

そこはG国の領土で、戦時中、島の戦力だけで深海棲艦を撃退したという、謎の島である―。

 

 

旅客機から降りて…

 

ターミナルを出て…

 

ホテル行きのバスに乗って…

 

ホテルにチェックイン。

 

案内された部屋は3階だったため、窓から見える景色は、中途半端な高さゆえ、絶景とはいえなかった…。

 

 

さっそく、市内観光に行くことにする。

 

深海自身は、戦時中、島の戦力だけで深海棲艦を撃退した秘密を知りたかった。

 

しかし…

 

(ま…それは夜になってからでもいいか…。)

と、市内観光を楽しむ事にする―。

 

 

街を歩いて数分で…

 

「…あっ…。」

と、梅雨葉が指差す方に

ガンプラバトルアリーナ【ノブリス】

という看板を掲げた店舗があった。

 

「…ここでも、ガンプラバトルができるんだ…☆」

と、目を輝かせる梅雨葉。

 

「持ってきて正解だったね☆」

と、右手に持つカバンを振る秋雨。

 

「何だ、秋雨?

そのカバンの中には、ガンプラが入っているのか?」

と深海が訊くと

 

「えへへ★」

と、照れ笑いする秋雨。

 

「…そういう、お父さんも…★」

と、深海が持つカバンを指差す梅雨葉。

 

「何よ★

お父さんだって、ガンプラバトルする気マンマンだったんじゃない…★」

と、ジト目で深海を見る秋雨。

 

「バ…バカもんッ★

こ…これはな、ガンプラファイターとしてのたしなみでだなぁ…★」

と、苦しい言い訳をする深海…。

 

結局、父娘(おやこ)そろってのガンプラバトルをしに行く事になった…。

 

 

店内に入り、深海が受付で利用ステージの予約をする。

 

その間、秋雨達は、壁に設置されている、4つの大型スクリーンには映る、現在、行われているバトルを観ていた。

 

「…あれ?」

と、バトルを見ていた梅雨葉は

ある違和感

を感じた…。

 

「どうしたの、梅雨葉?」

と訊く秋雨に

 

「…うん…

このバトル…

練習

かな?」

と言う梅雨葉。

 

「…だって…ほら…

あのサザビー…

ビームサーベルで斬られたのに、無傷なの…。」

と、梅雨葉が指差すスクリーンを見る秋雨。

 

サザビーが、ストライクダガーのビームサーベルで斬られたが、たしかに、斬られたはずのサザビーは無傷だった。

 

やがて…

 

サザビーは爆発した…。

 

しかし…

 

爆発したはずのサザビーは、やはり無傷で…

 

そのまま、どこかに行ってしまった…。

 

それは、梅雨葉や秋雨にとっては、何が何だか、さっぱりわからない光景だった…。

 

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