艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 〜黒野一家のビビッ島旅行記・改〜   作:星龜

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出会い


 

夜―。

 

 

時雨、秋雨、梅雨葉、雨葉、白は、風呂に入るため、ホテルの浴場に向かった。

 

浴場には、露天風呂もあった。

 

「…お姉ちゃん、露天風呂行こ☆」

と、秋雨を露天風呂に誘う梅雨葉。

 

「うん☆

お母さん、梅雨葉と露天風呂行ってくるね☆」

と時雨に告げ、秋雨と梅雨葉は露天風呂に行った―。

 

 

露天風呂に来た、秋雨と梅雨葉。

 

空には雲ひとつ無く、上弦の半月が浮かんでいた。

 

湯槽には先客がいた。

 

「こんばんは☆」

と、秋雨が挨拶をすると

 

「うむ☆」

と、湯槽に入っていた女性が立ち上がり、秋雨と梅雨葉の方に振り向いた。

 

(うわ…。)

と、月明かりに照らされた女性の裸体に、秋雨と梅雨葉も、思わず見惚れてしまった…。

 

「どうした?

妾の顔に、何ぞ、付いておるのか?」

と微笑む、謎の女性…。

 

「いえ…そういうわけでは…。」

と言う秋雨。

 

顔立ちや、やけに古風な喋り方をすることから、目の前にいる女性は日本人であることはわかる。

 

しかし…

 

血のような紅い瞳に…

 

(あれは…角…?)

 

彼女の頭には

黄金色に輝く、2本の角らしきもの

がはえているのだ…。

 

そういうのも含めて、何やら、得体の知れない、不気味な雰囲気を醸し出している…。

 

敵対心は感じられないが、しかし、友好的な雰囲気も感じられない…。

 

そんな雰囲気に、梅雨葉は恐怖を感じたのか、秋雨の後ろに隠れ、秋雨も、警戒心を募らせる―。

 

「昼間は、面白いモノを見させてもらった☆

ところで、何ゆえ、昼のガンプラバトルで

ハイパージャマーを使っていた相手が降参したのか

知りたくないか?」

と言う、謎の女性。

 

たしかに、昼間のガンプラバトルで、秋雨はジムス([ラグノ])ナイパー・ステルスがなぜ降参したのか、気にはなっていた。

 

しかし、べつに無理に知りたいとは思わない。

 

だが、謎の女性は、秋雨の気持ちを察することなく、話し始める。

 

「それはな…

おぬし達が

ニュータイプ

になったからじゃ☆」

 

「『ニュータイプ』…?」

と、首を傾げる秋雨。

 

見ず知らずの人に、いきなり「貴女は『ニュータイプ』」と言われても、合点がいくはずもない。

 

「その…

『ニュータイプ』とは、何ですか?」

と訊く秋雨に

 

「ここビビッ島において

ガンプラバトルで特殊な能力を発揮する者

のことじゃ。」

と答える、謎の女性。

 

「それは、どんな能力なのですか?」

と訊く秋雨に

 

「ガンプラバトルにおいて

相手の動きが止まって見える

のじゃ☆

ただし、『ニュータイプ』同士が戦うと、そのようなことは起きぬがな。」

と言う、謎の女性。

 

「どうして、私は『ニュータイプ』になったのですか?」

と訊く秋雨に

 

「この島には、不思議な力が宿っている。

島に選ばれた者は、この島の不思議な力の一部があたえられるのじゃ。」

と言う、謎の女性。

 

「なぜ、私が選ばれたのですか?」

と訊く秋雨に

 

「選ばれた…というよりかは

そなたが人間ではない

からじゃろう★」

と言う、謎の女性―。

 

 

人間と深海棲艦との間に生まれた存在―

 

黒野 深海―。

 

深海は、人類から

穢れた存在

として、迫害されて生きてきた…。

 

そんな深海と、艦娘であった時雨との間に、最初に生まれたのが秋雨だ。

 

人間と

艦娘と

深海棲艦の血を引く者…

 

それが、黒野 秋雨という少女―。

 

しかし、見方を変えれば

人間でもなければ、艦娘でもない

ましてや、深海棲艦でもない

 

深海以上の穢れた存在

だ…。

 

しかし、秋雨は…

 

その事実を受け入れていた―。

 

 

人間ではない

から、島の力が過剰反応し、無理矢理、『ニュータイプ』の力を得た…

…といったところじゃろう。」

と言う、謎の女性。

 

「そういうものなんですか…?」

と訊く秋雨に

 

「それ以外に考えられん。」

と言う、謎の女性。

 

それを聞いた秋雨は、やや、間をおいてから

「教えていただき、ありがとうございました。」

と礼を述べた。

 

そして

「あの…

どうして、私が

人間ではない

とわかったのですか?」

と訊く。

 

「妾も、そなたと同じ

ヒトあらざるモノ

じゃからな☆」

と答える、謎の女性。

 

 

ヒトあらざるモノ

と言う、謎の女性。

 

それが、なにやら、得体の知れない…

 

敵対心は感じられないが、しかし、友好的な雰囲気も感じられない…

 

不気味な雰囲気の正体だったのだと、秋雨は思った。

 

 

「妾の名は

八乙女(やおとめ) 撫子(なでこ)…。

黒野 秋雨…

黒野 梅雨葉…

また会おうぞ…☆」

と言って、撫子は露天風呂から出ていった…。

 

 

「…あの人…

何で、私達の名前を知っていた

のかな…?」

と、ずっと秋雨の背中に隠れていた梅雨葉が言う。

 

「わからない…。」

と言う秋雨。

 

「…お母さん達のところに戻る?」

と梅雨葉が言うので

 

「そうだね…。」

と、浴場に戻ろうとしたら

 

「あれ?

秋雨に梅雨葉…

戻るの?」

と、時雨、雨葉、白が露天風呂に来た。

 

「お母さん達も、露天風呂に?」

と訊く秋雨に

 

「うん☆

せっかくだからね☆」

と答える時雨。

 

「じゃ、みんなで入ろう☆」

と、秋雨と梅雨葉も、みんな一緒に露天風呂に入る―。

 

 

湯槽に浸かって…

 

「秋雨。」

と、時雨が訊いてくる。

 

「何、お母さん?」

と答えた秋雨に

 

何かあった?

と訊く時雨。

 

!!

 

驚く秋雨。

 

(さっきの、撫子との会話を聞いていたのかな?)

と思う秋雨は

「何も無いよ…。」

と、誤魔化した…。

 

「そう…。

秋雨が何も無いって言うのなら…

何も無かった

んだね…。」

と言う時雨。

 

「うん…。

何も無かったよ…。」

と秋雨は、無理に笑顔を見せた…。

 

 

時雨達が風呂に行っている間…

 

深海は煙草を買いに、ホテルの1階にある売店へと向かった―。

 

だが…

 

1階に降りてくると…

 

(何だ…?

やけに静かだ…?)

 

エレベーターから出てくると、ホテルの1階には、誰もいなかった…。

 

(なぜだ?

なぜ、誰もいない…!?)

 

異質な気配を感じた深海は、右手にナイフを持つ―。

 

(誰かいる―!?)

と感じた深海は

何者だッ!!

いるのはわかっているッ!!

隠れてないで、出てこいッ!!

と叫ぶ。

 

すると…

 

ここじゃ☆

と深海は、背後から女の声が聞こえたので振り返った。

 

振り返った深海の目に飛び込んできたのは、赤と青に彩られた着物を着、後頭部に青いリボンを結んだ、頭に短い金色の角をはやした女性の姿だった。

 

しかし、深海が気になったのは

(この俺が…

後ろを取られた…!?)

と、正直、声がするまでは、背後に彼女の気配すらも感じなかったことだった。

 

「何者だッ!?」

と、ナイフをかまえる深海。

 

「そなたと同じ

ヒトあらざるモノ

じゃ☆」

と言う謎の女性に

 

「口の聞き方に気をつけろ…ッ!!」

と怒鳴る深海―。

 

 

人間と深海棲艦との間に生まれた深海にとって

(ヒト)あらざる(モノ)

などという言い方は、深海に喧嘩(ケンカ)を売っている以外、何物でもない―。

 

 

深海は、目の前にいる謎の女性を

はっきりと『敵』

と認識した。

 

 

「昼間は、面白いモノを見させてもらった☆」

と言う、謎の女性。

 

「何の話をしている…!?」

と訊く深海に

 

「ガンプラバトル中

頭が痛くなった

であろう☆」

と言う、謎の女性。

 

「なぜ、その事を知っている?

キサマの仕業か…ッ!?」

と、少々驚く深海。

 

「いや。

この島の、不思議な力のおかげじゃ☆」

と謎の女性は言うが

 

「悪いが、俺はその手のくだらん話を聞く耳は持ち合わせていない…ッ!!」

と、謎の女性の発言を無視する深海。

 

「そう言うな…まぁ、聞」

くどいッ!!

と、ナイフで謎の女性に斬りかかる深海…!!

 

乱暴な男じゃな★

と謎の女性は、どこからか取り出した薙刀で、深海のナイフを受け止める。

 

「これだから

(ケガ)れし(モノ)

は…★」

と言う、謎の女性。

 

その発言が…

 

深海を完全に怒らせた…。

 

 

「ギザマァァァ…ッ!!」

 

 

怒りに満ちた雄叫びをあげた深海は…

 

額の右に、青白い炎を纏った黒い角をはやし…

 

右目は、血の様に真っ赤に光らせた…

 

異形の姿に変貌した…。

 

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