艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 〜黒野一家のビビッ島旅行記・改〜   作:星龜

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エピローグ(後)


 

翌日―。

 

帰国の途につく黒野一家―。

 

 

時間はかかるが、帰りは船にした。

 

海の上にいる方が落ち着くのは、自分が海軍の軍人であるのもそうだが、やはり、体内に流れる深海棲艦の血のせいもあるだろう。

 

元艦娘である時雨も、往路と異なり元気だ。

 

 

深海は煙草を吸おうと、デッキに出た。

 

すると、スマートフォンが鳴った。

 

青葉からだ。

 

「どうした?」

と、電話に出ると

 

『司令官…

もうしわけございません…。

また、やられてしまいました…。』

と青葉の、申し訳無さそうな声が響いた。

 

「何ッ!?

被害にあったのは誰だッ!?」

と深海が訊くと

 

『県立第1中学校3年生の、元白露型駆逐艦の春雨さんです。』

と言う青葉。

 

「いつ、やられた?」

と深海が訊くと

 

『現在、日本では、第13回ガンプラバトル全国大会の県予選の1回戦が行われているんですが…

試合終了後に、やられてしまいました。』

と言う青葉。

 

(チッ!!)

と、舌打ちをする深海。

 

『でも、どういうことなんでしょうか?

照月さん、萩風さんに続いて、またしても被害にあったのは

ガンプラバトル部の部員

というのは…?』

と言う青葉。

 

相次ぐ、元艦娘の拉致事件…。

 

しかも、被害にあっているのは、ガンプラファイターとして活躍している、元艦娘だ。

 

(犯人側にとって、現在行われているガンプラバトルの全国大会は、ガンプラファイターを拉致するのには絶好の機会だ…。

しかし、なぜ、ガンプラファイターなんだ…?)

と深海も、被害にあっている元艦娘が、ガンプラファイターとして活躍している者達であることに疑問を持つ。

 

「今、旅行から帰っているところだ。

船で帰っているから、少々、時間がかかる。

帰ったら連絡するから、俺の家に来てくれ。

今後の対応について話したい。

それまで、ガンプラバトルの会場を見張っていてくれ。

犯人にとって、現在行われているガンプラバトルの全国大会は、ガンプラファイターを拉致するのには絶好の機会だからな。」

と指示を出す深海。

 

『わかりました!!』

と、元気よく答える青葉―。

 

 

深海は通話を切り、スマートフォンをしまう。

 

そして、当初の目的であった、煙草に火をつけた―。

 

 

帰国した深海は、青葉と一緒に、さっそく『艦娘失踪事件』の捜査に乗り出した―。

 

 

そんな、ある日の夜―。

 

深海は、行きつけのバー【スノウ】に来る。

 

店内に入ると…

 

カウンター席には

中枢棲姫

と…

 

珍しく

軽巡新棲姫

が来ていた。

 

軽巡新棲姫(お前)がここに来るなんて珍しいな☆」

と言う深海に

 

「まぁ、ここに座りなさいな★」

と、中枢棲姫の左隣に座っていた軽巡新棲姫は、左に移動する。

 

「すまんな。」

と、中枢棲姫と軽巡新棲姫の間に座り

「マスター。

いつもの。」

と注文する深海。

 

「どうだ?

『艦娘失踪事件』の方は?」

と訊く中枢棲姫。

 

『艦娘失踪事件』の被害者は、艦娘だけではない。

 

深海棲艦も、何体かが行方不明になっているのだ。

 

同胞が被害にあっているため、中枢棲姫も気にしているのだ。

 

「また、艦娘がやられた

元白露型駆逐艦娘の春雨だ…。」

と言う深海。

 

「そうか…。」

と答える中枢棲姫。

 

「ところで中枢棲姫。

訊きたいことがある。」

と言う深海。

 

「何だ?」

と訊く中枢棲姫に

 

「お前、駆逐神鬼という深海棲艦を知っているか?」

と深海が言うと

 

「口を慎みなさいな★

駆逐神鬼様

とお呼びしなさいな★」

と軽巡新棲姫が言ってきた。

 

「その、駆逐神鬼様をご存知か?」

と、訊き直す深海。

 

「知らぬはずがなかろう。

最上位の深海棲艦だ。

私のような下っ端では、会うことすらもかなわん。」

と言う中枢棲姫。

 

「下っ端って…

お前、全ての深海棲艦を纏める、深海棲艦のトップだろう?」

と言う深海に

 

「あくまで

纏め役

にすぎん。

上には上がいるのだ。」

と言う中枢棲姫。

 

「それが

神鬼

と呼ばれる深海棲艦か…。」

と言う深海。

 

「神鬼様のことを、どこで知った?」

と訊く中枢棲姫に

 

「ビビッ島だ。」

と答えた深海。

 

!?

!?

 

途端に、中枢棲姫と軽巡新棲姫の顔色が変わった。

 

「8年前、駆逐神鬼…様がビビッ島を襲ったそうだが?」

と深海が訊くと

 

「し…知らないねぇ…★」

と、しどろもどろに答える軽巡新棲姫…。

 

「私も…

初耳だなぁ…★」

と、ぎこちなく答える中枢棲姫…。

 

「そうか…★」

と、2人の様子から、触れてはならない話題だったと察する深海…。

 

それはそうだろう…。

 

中枢棲姫が敬称で呼ぶような深海棲艦が人間に負けたなんて

深海棲艦の黒歴史

だろう…。

 

「ただ…

駆逐神鬼様は、神鬼の中でも一番下の位だが…

お1人だけで、鎮守府の5つや6つは灰にできる

ほどのお力をお持ちだ。」

と、真剣な眼差しで言う中枢棲姫。

 

その表情から、中枢棲姫は嘘を言っていない、ということがわかる。

 

「海は広く…

深いな…。」

と、マスターが持ってきたワインを飲む深海―。

 

 

今、日本で人知れず起きている『艦娘失踪事件』―。

 

その真相は、海より広く、深いが…

 

それはまた、別の物語―。

 

 

《終》

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