艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 〜黒野一家のビビッ島旅行記・改〜 作:星龜
【ノブリス】の外出た深海は、青葉に電話をかけ直す。
青葉は戦時中、青葉型重巡洋艦娘として活躍した元艦娘であり、戦後は探偵兼ジャーナリストとなった。
じつは深海は、最近
元艦娘の失踪事件
について調査をしている。
もちろん、青葉もその事件を捜査していたところを、深海と偶然出会い、以後協力関係になった。
「どうした、青葉?」
と訊く深海。
『定時連絡ッスよ☆』
と答える青葉。
『あの…
司令官の声が、少し遅れて聞こえるんですけど…
今、どこにいるんですか?』
と訊く青葉に
「ビビッ島だ。」
と答える深海。
『ビビッ島!?
マジすか?
何をしに?』
と驚く青葉に
「家族旅行だ。
で、何かわかったか?」
と、調査結果を訊く深海。
『ダメですね…。
全然、尻尾をつかめません…。
正直、自分もちょっと、焦ってきてます…。』
と報告する青葉。
「あまり気負うな。
しかし、無理もするな。」
と、青葉を気遣う深海。
『了解ッス…。
以上、定時連絡を終了します。』
と、電話を切る青葉。
ここ1〜2ヶ月の間…
日本では
元艦娘だった者が、行方不明になる
という事件が発生している。
現在までに判明している被害者は
元陽炎型駆逐艦娘の萩風
と
元秋月型駆逐艦娘の照月
の2人。
2人とも、戦時中の深海の部下ではないのだが、しかし、看過することもできない。
もっとも、こういうのは警察の仕事なのだが、深海の勘が、警察では手に負えない事件だと感じさせていた―。
(青葉の
と、深海はスマートフォンを胸にしまい、店内に戻っていった…。
◇
その頃、【ノブリス】の6番ステージでは…
大地に降り立つ、ナラティブガンダム―。
梅雨葉の
戦場である平原は、起伏の無い、本当に平坦な、緑の草原だった。
一応、東側に茂みがあるが、遮蔽物としては、到底使えない。
こういう戦場で勝敗を決めるのは、まさに、ガンプラファイターの技量がモノをいう―。
まず、梅雨葉は、深海がナンパ男と勘違いした、ビビッ島のガンプラバトルについて親切に教えてくれた男性の話を思い出しながら、自分達の世界のガンプラバトルと、ビビッ島のガンプラバトルの違いを確認することにする。
ビビッ島のガンプラバトルは
ガンプラの完成度に関係なく、原作の機能は発現する。
たとえば、ストライクガンダムだと、フェイズシフト装甲を発現させるためには、しっかりと合わせ目消しと塗装をしなければならない。
しかし、ビビッ島では、その必要はない。
普通に完成させただけで、ちゃんとフェイズシフト装甲が発動するのだ。
また、ビビッ島のガンプラバトルは、原作の機体の性能が、ある程度再現されている。
極端な話、ジンではフリーダムガンダムには勝てないのだ。
そうなると、誰もがフリーダムガンダムを使いたがるが、ある程度とはいえ、原作の性能が再現されているので、フリーダムガンダムを使おうものなら、ガンプラファイターにも、それ相応の技量が求められる。
コクピットのレイアウトは、とくに変わった点は見当たらない。
ただし、機体のスペック表には、自分達の世界には無い項目がある。
ガンプラタイプ
と
ガンプラ属性
だ。
ガンプラタイプ
というのは、いわゆる
地形適応
のことだ。
ナラティブガンダムのスペック表のガンプラタイプの項目には
宇宙用モビルスーツ
と表示されている。
宇宙用のガンプラは
地上では機動性が低下する
のだ。
そして、まったくの未知のステータス―
ガンプラ属性
ビビッ島のガンプラバトルでは、ガンプラに
『陸』
『空』
『海』
という属性があたえられている。
陸属性は空属性に強く
空属性は海属性に強く
海属性は陸属性に強い
のだ。
ナラティブガンダムのスペック表のガンプラ属性の項目には
陸
と表示されている。
つまり、ナラティブガンダムは
陸属性なので、空属性のガンプラに強い
宇宙用のガンプラなので、地上では性能が低下する
わけだと、梅雨葉は理解した。
そして
たとえ負けても、
なにより、これがありがたい。
破壊された
「…お姉ちゃんのエクストラパックのガンプラタイプと属性は?」
と訊く梅雨葉に
『私はね…
ガンプラタイプは汎用型モビルアーマー
ガンプラ属性は空
だね。』
と答える秋雨。
汎用型ということは、性能が低下することはない。
しかし、属性が空ということは、敵が陸属性なら、エクストラパックは不利ということになる…。
自分は、地形適応について不利で…
姉は、属性において不利…。
何だか
自分達にとって、不利な条件ばかり
だが…
しかし、愚痴を言ったところで、仕方がない。
愚痴を言ったって、不利な条件が好転するわけないのだ。
不利な条件下でも、文句を言わず、正々堂々と戦う―。
それが、一人前のガンプラファイターだ―。
「…お姉ちゃん…乗るよ。」
『は〜い☆』
ナラティブガンダムは、スラスターを噴射して、空に飛び上がると、エクストラパックの上に乗った。
エクストラパックとは、ナラティブガンダムの支援機兼強化ユニットとして、雨葉と白が
リ・ガズィのバックウェポンシステム
と
ライトニングガンダムのライトニングバックウェポンシステム
を組み合わせて制作した、秋雨の
「…行こう、お姉ちゃん…!!」
『うん!!』
まもなく、エクストラパックのレーダーが、敵機を捕捉した。
もちろん、ナラティブガンダムにもレーダーはあるが、ナラティブガンダムのサポートを目的とするエクストラパックのレーダーの方が優れているのだ。
『いたっ!!
11時の方向っ!!』
と、秋雨からの通信が入った。
同時に、正面モニターに敵機のデータが表示される。
【機体名】
ガンダム
【ベースキット】
1/144 HGUC ガンダムGP01 ゼフィランサス
【種別】
地上用モビルスーツ
【属性】
陸
【ファイター】
アリア
【機体名】
アサルトドム
【ベースキット】
1/144 プロトタイプドム
【種別】
地上用モビルスーツ
【属性】
陸
【ファイター】
ティナ
(…何で、2機だけ…?)
と、首を傾げる梅雨葉。
正面モニターに表示されたのは、なぜか、2機だけだった。
(相手は3機なのに…
もう1機はどこに…?)
と、考え込む梅雨葉。
「…とりあえず、今、いるやつだけでも叩く。
…降りる…!!」
と、エクストラパックから飛び降りる
『了解!!
援護は任せて☆』
と、
◇
「おっ、始まっていたか★」
と、深海が戻ってきた。
「秋雨と梅雨葉、勝てるかな?」
と、時雨が心配そうに、深海に訊いてくる。
「心配するな☆
と、深海は自信たっぷりに言ったが…
しかし、それは
自分達の世界のガンプラバトル
を念頭に置いての発言であった。
深海は、秋雨達に親切にビビッ島のガンプラバトルについて教えていた男性を、ナンパ野郎と勘違いして追い払ってしまったため、ビビッ島独自のガンプラバトルについて知らないのだ…。