ダイヤのネックレス-Necklace of Diamond- 作:コンスタンチノープル
●出身地:神奈川県
◆ポジション:遊撃手、三塁手、外野手
◆利き腕:右投げ左打ち
●身長:172cm
●体重:52kg
●血液型:O型
●誕生日:8月4日
●趣味・特技:サイクリング(誕生日を迎えた直後を目途に二輪の免許を修得しバイクに乗るつもり)
●尊敬する人物:いない(自分が尊敬されるような人間になる)
●特徴:走攻守三拍子がハイレベルで揃った万能選手。
●スポーツをやっているとは思えないスレンダーな体型。
●力の伝えかたを心得ているので細身でも打球・送球に強さと飛距離がある。
これは、少し時間を巻き戻し女子野球同好会の一団が野球部に殴り込みをかける前日、一年生対三年生の練習試合を終えた後の夕方の青道高校野球部、青心寮5号室においての一幕である。
「何だお前・・生意気にスマホなんか持ってやがんのか!誰からのKARINEだ!?」
「ちょ・・それは田舎の仲間との大事な・・」
二年生の
「ほうほう仲間ねぇ」
「勝手に見るな~~~~」
ロックをし忘れていたのでそのままSNSのやり取りを見られてしまう。傍らで同じく同室の三年生、
KARINEの通知は沢村の幼馴染、
「どうだった?今日いいピッチングできた?」
「私には遠すぎる目標だけど」
「栄純が甲子園のマウンドに立つ姿を期待して待ってるよ・・・・」
「ってゆうか…」
「いい加減気付け!バカ栄純!!」
その通知の内容に驚愕する倉持。
「てんめぇ~~~田舎に彼女がいやがったのかぁ。若菜って誰だコラァ~~~」
「ち・・違う!そいつはただの幼なじみで・・・・」
倉持が沢村にサソリ固めを極める。
「じゃあなんだこの『いい加減気付け!バカ栄純!!』って。彼女じゃないんならこれが告白か?お前は告白にも気が付かねぇ鈍感ヤロォなのかぁ?えぇっ!?」
「ホントに違う!そいつとはただの幼なじみで…」
「てめぇはそう思っててもなぁ!若菜はそう思ってねぇかもしれねぇだろぉ!?」
「勝手に人の幼なじみを呼び捨てにするな~~~」
翌日 青道高校野球部グラウンド
「どうしたんすか?何があったんすか?」
Bグラウンドでランニングメニューをこなしていた一年生たちが騒ぎを聞いてAグラウンドにやってきた。
沢村が倉持に状況を尋ねる。
「なんか女子野球同好会ってのが女子野球部になるか解散かを賭けて俺達と勝負するんだとよ」
横で聞いていた東条が頭を抱える。
「どうしたんだ?」
「あぁ信二…あの娘たちの話、俺も聞いてたんだ。実力行使に打って出るって言ってたけど、まさかこんな大それたことするなんて…止めとくべきだったかな?」
同じシニアリーグでプレーしていた
「馬鹿、何で止めねぇんだよ!お前でも昨日控えの先輩にボコられたんだぞ?それを同じ一年の、それも女子が、一軍の先輩相手にして勝てるわけねぇじゃねぇか!」
「でも、あっちにはあの松坂がいるみたいだよ?」
「なっ、マジか!?いや、いくらあの松坂だって相手が悪すぎるだろ」
沢村が東条と金丸の話が呑み込めなかった。
「なんだ?アイツすげぇのか?」
「お前知らねえのかよ!?松坂桃、去年の全国優勝投手だぞ!」
「ふぅん、そんなにすげぇやつが…いっ!?」
沢村は心臓が止まるほどの衝撃を受けた。
「おい沢村、急に固まってどうしたんだよ?」
倉持が沢村のあまりの顔に聞いてきた。
「わ、若菜」
「若菜?」
次の瞬間、沢村はわき目も降らず飛び出していき、女子野球同好会の一団の中にいた一人の少女の腕を掴んだ。
「おい若菜!お前何でこんなとこにいるんだよ!?」
「なっ?え、栄純!?ちょ、ちょっと離して!」
昨日沢村にKARINEのメッセージを送ってきた、蒼月若菜その人であった。
「え?あの子が昨日今日噂になっていた彼女?」
「かわいいじゃん」
「ていうか
マネージャーたちが話す中、倉持は眼を二等辺三角形にして呆気にとられている。
「若菜だと!?あれが・・昨日KARINEにメッセージ送ってきた若菜か!!バ・・・・バカ村ぁぁ~~~!!」
沢村はようやく蒼月の腕から手を離した。
「強く握らないでよ。痛いじゃない」
「いや!だから、なんでお前がこんなとこにいるんだよ?」
「何でって、私も青道に入学したからに決まってるでしょ!」
「はあぁっ!?」
沢村が驚いていると腰に衝撃が走る。倉持が蹴りを喰らわせたのである。
「い・・痛い!何かいつもより痛い!!」
「ったりめぇだバカヤロォ!田舎の幼馴染がてめぇのこと追いかけて一緒の高校に入ってきたのに今の今まで気が付かねぇなんて大バカヤロォだ!」
「いや、その私、栄純を追いかけて青道に入ったんじゃなくて…」
一人の少女が三人の下にやってきた。
「あまり乱暴しないでくれる?
「はぁっ!?」
「わ、若菜、そうなのか?」
蒼月が呆れながら答える。
「ええそう、私もあそこにいる、絢凪ちゃんに頼み込まれて
「じゃあ、今から俺達と勝負するのか?」
「はい、そういうことになります」
沢村が思わず待ったをかける。
「ちょっと待ってくれよ。確かに若菜は中学の時俺と一緒に野球やってたけど。それは俺が数合わせのために無理矢理やらせたようなモンで…」
「はいぃっ?」
少女が明らかな苛立ちを見せた。
「態度と口ぶりからして、アンタが沢村君ね?」
「あ、あぁ」
「アンタ!若菜と三年も一緒に野球やってて1ミリも彼女の実力を知らないの?」
「え?いや…」
「呆れた、アンタ女子野球を五年、いや十年遅れさせかけたのよ!?絢凪が泣いて頼み込まなかったら女子野球界にとってとんでもない損失になるとこだったのよ!?」
沢村と倉持は少女の捲し立てに呆気に取られていた。
「倉持先輩ですよね?ショートのレギュラーの。これから私たちと勝負ですから、覚悟しておいてくださいね。いこ、若菜」
「あ、うん」
少女が蒼月の手を引いて行こうとして振り返る。
「因みに!私は
「お、おう…」
少女、もとい八嶋は改めて蒼月の手を引いて行った。
「がめつく自分を売り込んでいったな」
「え、えぇ…」
一方で片岡と古田が勝負について話している。
「監督さん、ではまず私たちのエースが投げるので、誰か対戦をお願いします」
「分かった。それなら…」
「監督」
片岡と古田が話していると、結城がやってきた。
「俺に任せてください」
「いやここは…三年・小湊!」
片岡が、三年生で二番二塁手のレギュラー、
「俺ですか?」
「あぁ、お前が勝負の相手をしろ」
亮介は自分が対決の相手に指名されるとは思いもよらなかった。
「哲は俺でいい?」
「あぁ、お前なら任せられる」
森校長と林教頭が心配そうに片岡に話しかける。
「片岡監督、よろしいんですか?」
「本気で相手にするんなら、結城君がいいのでは?」
「確かに小湊は長打を常に期待するような打者ではありません。ですがバットコントロールは結城に次ぐモノを持っていて、球を見極める能力は東京全体を見渡してもトップクラスの力を持っている好打者です。初めて対峙する投手であれば、結城よりも
片岡は二人をギロりと睨みつけた。
「
「いえ、では、小湊君に任せましょう」
林教頭は肝を潰される思いであった。
「おい」
また一人の選手が古田に声をかけた。
「
「はい!たはは…流石は滝川先輩。松坂桃を御存知ですか?」
「大分話題になったからな。そうか…」
そう呟くとクリスは亮介に声をかけ、入念な打ち合わせを始めた。その様子を古田は苦虫を嚙み潰したように見つめていた。
「絢凪ちゃん、どうしたの」
話題の松坂が声をかけた。
「いよっ、有名人」
「え?」
「桃ちゃんの球の情報はよく知られているなぁ。と思って」
松坂はそういう事かと合点がいった。
「代わろうか?ノーマかラシェルか太熙なら、さすがに情報が無いんじゃない?」
「駄目だよ。確かに三人も良いピッチャーだけど、私達のエースは桃ちゃんなんだよ」
「分かった」
「じゃあシートを決めよう。バッテリーは桃ちゃんと
こうして女子野球同好会の選手がフィールドに散っていった。
「お、若菜ちゃん守備に就いてるじゃん」
「し、心配だ…」
沢村が守備に就く若菜を猫目で見つめている。
少女たちの運命をかけた勝負が、今始まる。
この話で亮さんに初球ぐらいは投じたかったです。大変申し訳ございません。