最強バギー伝説   作:バギ次郎

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第19話:派手にやらかしてるな

 ピュイーン

 

 ボルサリーノの指から放たれた光弾をスレスレのところで避ける。後方で爆発が起こり、打ち上げられた海水が雨のように二人に降り注いだ。

 

「なかなか当たらない………見聞色が頭ひとつ抜けてるねぇ〜」

 

「バラバラの能力を十全に扱えるように…………なァ!!」

 

 激しいぶつかり合いに軍艦が悲鳴を上げる。度重なる爆発と衝撃でそこかしこに穴が開き、ボロボロになっていた。

 

「バラバラ砲!!」

 

 バギーの右腕が射出され飛んでいく。ボルサリーノはそれを横跳びに回避した。

 

「切り離し!!」

 

「ぐっ………!!」

 

 しかし、手首から先がさらに分離し追尾した右の拳がボルサリーノの脇腹にめり込んだ。

 

「ギャハハハ!!みたかこのおれ様のバラバラの能力!!」

 

 操っていた右腕を体に戻し、煽り散らかした。

 

「あんまり調子に乗るなよォ………!!」

 

 バギーのすぐ後ろへ瞬時に移動したボルサリーノ。様子見は終わりだとばかりの怒涛の連撃。絶え間なく続く蹴りのラッシュに次第に綻びが生じてきた。

 

「わかってても避けられない速さで攻撃すればいいだけ………遅いねぇ〜」

 

 ついにバギーは避けきれず受け止めた。足が交差し拮抗するが、すぐにその均衡は崩れ吹き飛ばされてしまった。

 

「………チッ!!」

 

(パワーも向こうのほうが上ってわけか………)

 

「そろそろ死んでもらおうかねぇ〜」

 

 ボルサリーノの足に光が収束し始めた。それは徐々に大きく、明るくなり目も開けられぬほどの光になった。

 

「チクショウ、なにも見え………」

 

「隙だらけだよォ〜」

 

「しまっ………!!」

 

 正面からモロにくらってしまい意識が飛びかける。

 

 そのまま壁に激突しずるずると甲板に腰が落ちた。

 

「ぐはっ!!」

 

 ボルサリーノは壁にもたれかかるようにして座るバギーの腹を蹴った。

 

「終わりだよォ〜」

 

 キュイーンとまたも足に光が集まりだす。

 

 そのとき、ボルサリーノは背後から気配を感じとり回避の選択肢をとった。

 

「いまのを避けますか………」

 

 そこには、少し悔しさの滲む顔のカバジがサーベルを突き刺したポーズで立っていた。

 

「船長!!大丈夫ですか!?」

 

 ボロボロのバギーに駆け寄り肩を貸し、立たせた。

 

「これが大丈夫なように見えんなら目ン玉船医に見てもらえ………正直助かったぜェ………」

 

 軽口を叩きふざけてみせるが歩くのもつらそうだ。

 

「仲良く揃って死にに来たのかい〜?心配せんでも全員まとめてあの世に送ってやるよォ〜」

 

 天叢雲剣を再び手にしたボルサリーノが淡々と告げる。

 

 すると突然辺りが夜のように暗くなった。

 

「きた!!船長、積帝雲です!!」

 

 日の光を通さないほど分厚い雲が上空を覆い暗闇がやってきた。

 

「だからどうしたと言うんだい〜」

 

 二人にとっては待ちに待った瞬間の訪れだが、まずは目の前の敵をどうにかしなければならない。

 

 カバジは頭をフル回転させた。

 

「ピカピカの実………これだ!!」

 

 意を決したカバジは懐から取り出したものを勢いよく弾き飛ばした。

 

「曲技っ!!カミカゼ百コマ劇場!!そして………火事おやじ!!」

 

 ウーツ鋼製のピカピカに磨かれた無数のコマを放ち、すかさず火を吹いた。

 

「逃がさないよォ〜………ん?」

 

(思ったところへ移動できない………?)

 

 回転するコマに当たった光が反射を繰り返し、サングラス越しでも顔を顰めるほどの光量になった。

 

 光の反射。カバジはその特性に懸けた。炎の光をピカピカ光るコマに当て、ランダムに反射させることであの空間の光をめちゃくちゃにしたのだ。

 

 結果は功を奏し、ボルサリーノの追撃から逃れることができた。

 

「あの男はたしか………」

 

 ボルサリーノは武装色の覇気を扱い機転も効くカバジへの評価を改め、バギー海賊団全体への警戒度を高めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 船に戻ってきたバギーたちはサウロとカバジを除けば全員満身創痍であった。

 

「状況はどうなってる?」

 

 カバジに肩を担がれながらバギーが航海士に尋ねた。

 

「積帝雲の出現後ただちにダイバーチームを投入。7時の方向に渦潮の兆候あり、との報告を受け現在そちらへ向かって………」

 

 その発言の最中に船のすぐ隣で巨大な渦潮が現れた。

 

「そのまま突っ込め!!渦潮の波に乗れェ!!」

 

 バギーの指示に従いビッグトップ号は渦潮の中へ。ぐるぐるとすごいスピードで回り始めた。

 

「うわぁああ!!」

 

 自然の脅威に船員たちが絶叫する。

 

 すると突然渦潮が止み静寂が訪れた。

 

「逃がさないよォ〜」

 

そこへボルサリーノを乗せたボロボロの軍艦が追ってきた。

 

「次会うときは今回のようにゃいかねェぞ………」

 

 そんな捨て台詞と共にバギーたちは海底からやってきた空へと昇る突き上げる海流(ノックアップストリーム)によって上へとぶっ飛んだ。

 

 

 

 

「逃げられちまったねぇ〜………」

 

 飄々とした口ぶりとは裏腹にはらわたが煮えくり返る思いだった。

 

「モックタウンへ戻ろうかねぇ………海賊の首を一つや二つ手土産にしねェと帰るに帰れんでしょうよォ〜」

 

 ジョンの軍艦や政府の船に乗っていた者たちを救助したのち、モックタウンにいた海賊約三百名を討ち取り海軍本部へと帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最近聞かなかったけどアイツだよアイツ」

 

「あぁ、あのオハラの事件の黒幕だって噂の………」

 

 世間は新聞に掲載されている話題で持ちきりだった。

 

「モックタウンは綺麗に掃除されたらしいぞ」

 

「あの街がか!?」

 

 世界政府加盟国の井戸端会議を尻目に、路地裏で酒と新聞を片手にした初老の男性がいた。

 

「バギー………派手にやらかしてるな、ハハ………」

 

 新聞に挟まれていた手配書にも目を通し終えると、上機嫌に新しい酒瓶の蓋を開けるのであった。

 

 

 

"道化"のバギー 2億8900万ベリー

 

"参謀長"カバジ 5820万ベリー

 

"白虎"モージ 3900万ベリー

 

紫獅(しし)"リッチー 1500万ベリー

 

"反逆者" ハグワール・D・サウロ 

1億8906万ベリー

 

首領(ドン)・クリーク 1億ベリー

 

"鬼の子"ギン 1200万ベリー




短いですがキリがいいのでここまでで。


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