手洗いうがいはもちろんのこと、ルフィのようによく食べ、よく動き、よく寝て健康な体を作ることも大事だと思いました。
皆様におかれましても健康が一番ですので、十分にお気を付けください。
二人が戻ると船の周りは奴隷たちであふれかえっていた。
「どういう状況ですか?」
カバジが近くにいた船員の一人にたずねると、二人に気づいたほかの船員たちも集まってきた。
「よかった!!お戻りで!!」
「それが実はですね………」
彼らの話を聞くとパラシュートはほぼ作成済みで、タコバルーンも回復しているとのこと。ただ問題は、奴隷を全員乗せるだけのスペースを空けるには積み荷を捨てざるを得ないため船員同士でもめており、乗船が滞っているということだった。
「最低限の水と食糧以外は捨てろって言ってんのにこいつらが………」
「なんで人助けのために秘蔵の虫の抜け殻コレクション捨てなきゃなんねんだ!!」
「おれのかあちゃんとの思い出が………」
「おめェにかあちゃんはいねェだろ!!」
「あ……………そうだった」
このままでは収拾がつかなくなるため、カバジは柏手を一つ叩き注目を集めた。
「静かに!!………とりあえず積み荷をすべて船外に出し、いる物といらない物に分けて置きなさい。それから追加でサウロのパラシュートを作るので手の空いている者はわたしと来なさい」
解散!の掛け声で各々が作業に取り掛かり始めた。
その後は比較的スムーズに事が運び、なんとか奴隷全員が船に乗ることができた。あとは積み荷をどうするのかとサウロたちの帰りを待つだけとなった。
「さて、とりあえずいらない物は壁から下へ捨てましょう。ここに残して後で取りに戻る、なんてことはできませんからね。問題は………」
カバジが目を向けた先には“いる物”と書かれた立て板の後ろに置かれた、軽く山になった船員たちの私物、もといガラクタ。
「こんな大量に………本当に全部いるんですか?」
「いえ、それが………」
言いづらそうに船員の一人がカバジの顔と地面を交互に見ながら手もみして報告した。
「これ、実は………半分はバギー船長のものなんです」
「え?」
カバジは驚きバギーを見やった。
「………………え?」
バギーは全力ですっとぼけた。
「あんたは『え?』じゃないんだよ!!トップがそんなんじゃ下の奴らに示しがつかんでしょ!!」
「んなこと言ったってよォおめェ………全部いるんだよ」
「そうだそうだ!!」
「つべこべ言うな!!こうなったらわたしの独断で決めます」
そう言うとカバジは手に取ったガラクタたちを次々と“いらない物”コーナーへと投げやっていく。バギーがその暴挙をただじっと眺めているわけもなく、
「おい待てカバジ!!おめェらも見てねェで手伝いやがれ!!」
「あいキャプテン!!」
「ちょ、なにを………!!」
それからカバジとバギー連合の戦争が始まった。
ここでカバジのいう“いる物”とは、下に降りてから少しの間でも生活していけるだけの食料や、野営するのに必要なものという意味での“いる物”なのだが、バギーや船員たちはいつどこで買ったのかもわからない置物やおもちゃ、木の枝を組み合わせて作ったロボットなど。一ミリも生きていくためには必要のないものばかりを大事に胸に抱えて抵抗していた。
「いい加減に………」
しびれを切らしたカバジが本気で怒ろうとしたそのとき、
「おーい!!待たせただよ!!」
顔の周りの毛という毛に多数の奴隷と思しき人たちを絡ませたサウロと、少し遅れてクリークたちが戻ってきた。
「「ご無事で!!」」
これで役者はそろったので船員たちの喜びの声にこたえつつ降下の準備を進めていくことにした。しかし、バギーとカバジの戦いは終わっていなかった。
「だからいらないでしょ!!こんなの!!」
「いーや、いるんだよ」
「これなんかいつ使うんですか!!あんたがこれ持ってるの初めて見たよ!!」
「これはだな~あの島のおっちゃん曰く………」
「なるほど、それでいくらしたんですか?それ」
「────ベリー」
「え、なんだって?」
「だーかーらー2000万ベリーだっつってんだろ!!」
「ぼったくられてんじゃねェか!!」
「いつまでやってんだお前ら。さっさと準備しろよ」
全く終わる様子のない二人に呆れたクリークが間に入って強制的に拳骨終了させたときだった。
「「「………………!!!」」」
三者ともその場から飛び退く。数瞬の後“いる物”と書かれた立て板と共にガラクタの山が真っ二つに両断された。
「「「あーーー!!!おれ達の宝がァ!!」」」
泣く泣く準備をしていたクルーとバギーはショックでうなだれるが、カバジとクリークはそれぞれ得物を手に取り臨戦モードに入っていた。
「報告は事実のようだ」
「バギー海賊団」
「どうやって侵入してきた…………」
そう言いこちらへ歩いてくるのは、三者三様の白いスーツ姿に共通しているのは奇妙な仮面をしていること。男か女かもわからぬ不気味な三人組だった。
「なにもんだてめェら………」
カバジは普段の丁寧口調が崩れるほどの危機感を感じていた。クリークも固唾をのみじっと相手の様子をうかがっている。
「我々は………
油断はなかった。一時たりとも気を緩めず、敵がいつ来ても対応できる構えを取っていた。しかし、それはあくまでも対処できる範囲のみ。
「我々は誤らない。確実に一人ずつ………」
カバジとクリークはてっきり自分たちに向かってくるものだと思っていたが、CP0の標的は先ほどから謎にうずくまっていたバギーであった。
「いきなり大将か!!」
「くッ………船長ォ!!」
「「「
「だァーーーれのしわざじゃァ!!切れてもくっつくのはおれ様だけ………」
両こぶしを天高くつきあげ勢いよく飛び起きたバギーに皆の視線が注目した。
「あ?なんだよおめェら。おれ様の顔になんかついてんの………て痛ェー!!頭も手も割れるように痛ェ!!────うおい!!だれだこいつら!!薄気味悪ィ仮面なんかつけてよォ」
まァいいとバギーは無事なガラクタはないかとゴミ山を再び漁りだした。
何が起きたのか。
CP0はバギーの実力を高く評価していた。海軍でもホープのクザンとボルサリーノを相手して生き残れるほどの力と運。真っ先に消すべき存在として認識していた。故に、最初から全力で挑んだ。
警戒していたカバジとクリークですらも反応が遅れるほどの
バギーの左右、そして背後の三方向からの攻撃は、まず左右のCP0のあごをバギーの両手が打ちぬいたことで瓦解した。それまで微動だにせずうなだれていたバギーが動き出し、味方二人が目の前で見事なアッパーを食らったことに一瞬でも気をとられたことが彼の敗因となった。
すでに最大まで加速された
わずか一瞬でも遅くとも早くとも上記のことは成し得なかった。これ以上ない完璧なタイミングでバギーは起き上がったのだ。某朝の教育番組のドカーン!並みに。
「神にでも愛されてんのかうちの船長は………」
「………はァ、一気に老けた気分です」
あまりの出来事に今回ばかりはさすがのクルーたちもバカ騒ぎすることなく、その後黙々と準備に手を動かすだけだった。
そうなれば早いもので、あとはもういよいよ飛び降りるだけとなった。
「タコバルーンもいい具合に膨らんでるな」
「こっち準備いいぞ!!」
船員たちは最終確認に入り、奴隷たちへ声をかける。
「いいか、落下中は手すりに近づかずなるべく甲板の真ん中に固まっておけ!!」
「命綱は全員しっかり体に縛ったか!!お互い絶対に離すんじゃねえぞ!!」
縄をつなぎ合わせたものを数十人単位で体に巻き付け一本の命綱とし、それを手すりや頑丈なものにくくっていた。緊張が走る。
「サウロ!!お願いします!!」
「よォし………いくど!!」
カバジの合図でサウロは船を持ち上げ肩に担いだ。
「「うわァ!!」」
「命綱を離すなァ!!」
「パラシュート展開用意!!」
「
サウロの両肩から無数の手が咲き誇り、船底を共に支え始めた。
「ゼェ………助かるど、ロビン………」
少し負担が減ったことでサウロは走り出し、
「うォおおおおお!!でェええやァ!!!」
そのまま
「野郎共ォ!!いくぞ新世界!!!」
「「「うおおおおお!!!」」」
「よし、ワシらもいくど!!」
残ったサウロはビッグトップ号の無事を確信すると自身も同じように壁から飛び降りた。
その後、やはりタコバルーンが縮んだり、ロビンの手で翼を作るも十分でなかったり、海面に叩きつけられそうになったりしたがなんとか無事に着水することができた。
帆はすべてパラシュートに使っていたので、オールとサウロをはじめとした力のあるものが船をバタ足で運び島へ到達することができた。
「「「ゼェ………ゼェ………もう、無理」」だでよ」
そう言いバタ足組は砂浜の上に寝転んだ。
「サウロ大丈夫!!?水と………毛布も持ってくるわね」
そこへサウロを心配したロビンが駆け寄り世話を焼く。
「「おれたちの心配もしてくれねェかな………」」
同じく倒れるまで泳いだクルーたちがうらやましそうにその様子を見ていた。
「ハァ………ロビン」
「ええ、わかっているわ」
船からサウロたちへ地面から一列に手が生えてきて、水や毛布をバケツリレーの要領で運んでいく。そして彼ら一人一人に水を飲ませ毛布を掛けてあげた。
「ご苦労さま」
「「「ああ………女神」」」
ウインク付きのご苦労さまの破壊力に目がハートになる。彼らはこのときほど体を鍛えておいてよかったと思わなかったことはないほど感動していた。
「おい、この手はロビンちゃんの能力で出た手だろ?」
「だな」
「てことはよ、これ実質的にはロビンちゃんからのあーんってことでいいんだよな!?」
「な………!!天才か?」
下船作業中の者の一部が彼らの会話をたまたま耳にした。悪知恵の回った彼らはおれも、私もと疲れたふりをしてバタバタ倒れ、敵襲か!?と一時騒然とするという珍事件にまで発展したがもれなく全員カバジにしばかれた。
後日、奴隷の身元や帰郷の意志確認等をしていると白いカモメが新聞を持ってやって来た。
「お、ニュース・クーだ」
お金を払い新聞を受け取るモージ。書かれていた内容は先日のマリージョア襲撃とジュラキュール・ミホークの七武海入りについてだった。
幹部たちは仮設テントに一堂に集まり、新聞をじっくり読んでいく。
「なになにィ………“道化”のバギー、冒険家フィッシャー・タイガーを率いて聖地マリージョアを襲撃だと!!?おれ様が事件の首謀者になってるじゃねェか!!そもそもこのフィッシャーなんたらって誰だよ!!」
“道化”のバギー 10億9千万ベリー
「被差別者からすれば奴隷解放の英雄以外の何者でもないですね」
“参謀長”カバジ 1億5820万ベリー
「おーおー政府に仇なす逆賊だとよ」
「………」
“一個艦隊”首領・クリーク 2億ベリー
“鬼人”ギン 6200万ベリー
「さすがだで」
「なんだか最近サウロの様子が、いえ頭がおかしいわ」
“反逆者”ハグワール・Ⅾ・サウロ 3億6000万ベリー
“悪魔の子”ニコ・ロビン 3億2900万ベリー
「ロビンの口がどんどん悪くなってねェか?」
「ガゥッ」
“白虎”モージ 6900万ベリー
“紫獅”リッチー 4500万ベリー
「おれは!!盾男は!!」
「おめェにゃまだ早ェ」
両手の盾をカンカン鳴らして騒ぐパールの頭をクリークはクシャッと撫でる。それを見たギンは驚きと嫉妬に目を見開いた。
「なぜだ!!おれはタテ男でダテ男なのに!!」
「いい加減黙らねェか………」
「ヒッ!!」
なおも騒いでいたパールはギンの殺気を野生の本能で感じ取り、すぐさま盾を捨てた。ギンには逆らわないでおこうと心に決めた瞬間であった。
たまに自分で読み直して気になったところとかは修正したりしてます。
評価してくださった方々ありがとうございます!完結するまでたぶんめちゃくちゃ長くなりそうです