最強バギー伝説   作:バギ次郎

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第6話:ド派手に脱出大作戦じゃァーー!!

 ここは偉大なる航路(グランドライン)にあるショネク王国の近海。

 

 バギーとカバジは小舟に乗り、波に揺られていた。

 

「まさか本当にこんな小舟一隻でここまで来れるとは……」

 

「だから言っただろ?このバギー様にかかりゃ海の一つや二つ越えることなんざ朝飯前よォ」

 

「にしては命からがらの連続だったと記憶していますが。運がよかっただけでしょう」

 

「この一年で随分と言うようになったじゃねェか」

 

「文句を言いたくもなりますよ!これじゃ命がいくつあっても足りません!」

 

「おかげでちったァましになったじゃねェか」

 

「それは、そうですが……」

 

 二人がワノ国を出てから約一年が経過した。彼らは仲間探しと武者修行も兼ねて偉大なる航路(グランドライン)を逆走していた。

 

 ある時は海賊船、またある時は商船などに潜り込み旅を続けてきた。潜伏がバレて戦闘になったり、悪天候に見舞われて無人島に漂着し、その島固有の生物たちと死闘を繰り広げたりなどのハプニングがありつつも無事にここまでたどり着くことができた。

 

「まァ何とかやってこれたじゃねェか!今日は天気もいいし、嵐さえこなけりゃこんな舟でも次の島までは持つだろうよ」

 

 バギーがそう言い終えるのと同時にあたりが急激に暗くなってきた。

 

「船長、まさか……」

 

 カバジがあたりを見回すと、黒雲があちらから頭上を通り過ぎはるか向こうまで続いていた。冷汗が首筋を垂れる。ギギギと首を動かすと同じような顔をしたバギーと目が合った。その瞬間、少し向こうの方で雷が落ちた。風が強まり、波も高くなってきている。

 

「こりゃァ、嵐ですね。十中八九ここらで嵐が吹き荒れるでしょう……死ぬ気で漕げェ!!巻き込まれるぞォ!!」

 

「あなたがあんなこと言うから!!」

 

「いいから無駄口叩かず手を動かせェ!!」

 

 二人は必死になってオールを漕ぎ、なんとか嵐の通り道からは脱することができた。二人とも汗だくで、ゼェハァと息が荒い。

 

「もう……あのようなことは言わないでくださいね」

 

 カバジが恨めし気にバギーに言う。

 

「んなこと言ったってこればっかりはしょうがねェだろ」

 

「でも、今回も何とかなりましたね」

 

 カバジがほっと一息つく。

 

「待てよ?だいたいこうひと安心したときゃ……」

 

 目の前の海上で突然巨大な竜巻が発生した。何もする間もなく舟はバラバラになり、二人は空へと吹き飛ばされた。

 

「やっぱりそうですよねェ~~!!」

 

 バギーの叫び声は竜巻にかき消された。

 

 

 

 

 

 

 

 ショネク王国王城の地下牢。外からの光は届かず真っ暗でじめじめとしている。そこにまだ年端もいかぬ少年と小柄なライオンが捕らわれていた。彼らの首には真っ黒な首輪がはめられていた。

 

 ガシャン!

 

 うずくまるように眠っていた少年は大きな物音で目を覚ました。同じ牢にいたライオンも目を覚ましたようだ。

 

「サテマス王子がお呼びだ。ついてこい」

 

 一人の兵士が牢の鍵を開け、そう告げた。

 

 ああ、今日も地獄が始まるのか。

 

 体中が悲鳴を上げていた。なんとか立ち上がり一歩踏み出した途端、ズキリと膝に痛みが走りバランスを崩してしまった。しかし、少年の体は床に倒れることはなく、ポフッと何か柔らかいものに体が支えられていた。

 

「リッチー、ありがとう。お前だけがおれの家族だ」

 

 クゥーンと心配そうに少年の顔を覗き込む。

 

「もう大丈夫だ、さあ行こう」

 

 そんな言葉とは裏腹に、リッチーをやさしくなでる少年の手は小さく震えていた。

 

「グズグズするな!早くしろ!」

 

 兵士が二人に振り向き怒鳴った。

 

「急ごうリッチー……大丈夫」

 

 小さくこぼれたその言葉はまるで自身に言い聞かせているようであった。

 

 

 

 兵士が目的地のドアをノックし、奴隷を連行してきた旨を伝えると入れ、と声が返ってきた。部屋の中に入ると若く、ガタイの良い男が待っていた。ショネク王国の王子であるサテマスだ。

 

「ご苦労、下がっていいぞ」

 

 ハッと短く返事をし、兵士は部屋を出てドアを閉めた。部屋の中には二人と一匹だけになった。

 

「ふむ、いい心がけだ。これは躾けた甲斐があるものだな」

 

 少年とリッチーは部屋に入るとすぐさま平伏していた。

 

 サテマスは引き出しから鞭を取り出すとバシッと床を一度叩いた。その音に二人の全身に力が入る。

 

「今日が何の日かわかるか?」

 

 サテマスはニヤニヤとしながら二人の周りをゆっくりと歩く。コツコツと足音が鳴るたびに緊張で体がこわばる。

 

「わ……わかりません」

 

 少年は恐怖を押し殺し、振り絞るように答えた。

 

「発言の許可はしていない!!」

 

 言葉と共に平伏していた少年の顔のすぐそばに鞭が振るわれた。二人はぎゅっと目をつぶり平伏し続ける。反応すると今度こそ床ではなく、自分たちにその鞭が振るわれるとわかっていたからである。

 

「まあいい、特別に許してやろう。なぜなら今日は僕の誕生日だからだ!というわけで新しい奴隷を買うんだが……お父様から新しいのを買うのなら古いものは処分しろ、と言われてしまった」

 

 サテマスからの実質死刑宣告に少年とリッチーは目を見開いた。

 

 ついに自分たちの命もここまでか……

 

「しかしだ。そこのクソネコはともかくお前だ、クソガキ。お前には悪魔の実である動物(ゾオン)系ネコネコの実モデル:ホワイトタイガーを食べさせたのだ。処分するには少々惜しい……だから慈悲深い僕はお前にチャンスを与えることにした!」

 

 サテマスは自分に酔っているのか、両手を左右に広げくるくると回りながらしゃべっている。よくわからないが、大層機嫌がいいことだけは伝わってくる。

 

「いまここで変身しろ。完全なホワイトタイガーになるのだ。そうすればお前ら二匹を僕のペットとして飼ってやろう。光栄に思えよ?」

 

 その言葉に少年の顔は青くなった。

 

「そんな……いままで成功したことなんてないし、まだよくやり方が……」

 

「口答えするなァ!!貴様に選ぶ権利などない!!」

 

「うあァ!」

 

 サテマスの振るった鞭が少年の右腕に直撃した。当たったところが赤くみみずばれするほどの威力だ。普通の子どもであれば泣き叫ぶほどの痛みをグッとこらえた。

 

「やります……やらせてください」

 

 目に涙をため、痛みに歯を食いしばる。

 

「そうだ、それでいい。とっとと始めろ!」

 

 そう言うとサテマスは鞭を片手に装飾の豪華な椅子にドカッと腰を掛けた。

 

 相対するは一人の少年と一匹の子ライオン。少年に選択肢などありはしなかった。目を閉じて頭の中でイメージする。

 

(ここで成功できなきゃおれもリッチーもお終いだ。なれ……なれ!お願いだ!)

 

 すると少年の両手両足に白い毛が生えてきた。顔には左右それぞれに立派な三本の髭、腰あたりからは尻尾が伸びている。そして体中に黒い縞模様が浮かび上がった……がそれまでだった。

 

「中途半端で醜い姿だ。やはり下民ごときに期待する方が間違っていたということか」

 

 サテマスは椅子から立ち上がると二人を見下ろした。

 

「興覚めだ。貴様らの処分は衛兵共に任せるとしよう。おい!だれか……」

 

 そのときだった。急に天井が崩れ落ち、サテマスの頭上から何かが降ってきた。少年はその衝撃で軽く吹き飛ばされ尻もちをついた。砂ぼこりが晴れるとそこにはピエロのような男と頭の片側を刈り上げた少年が何やら言い争っていた。

 

「今回ばかりはさすがに死ぬかと思いましたよ!」

 

「この程度でビビってる様じゃ先が思いやられるぜェ。それにちゃんと助けてやっただろ」

 

 バギーは天井を突き破った直後に、切り離した片手でカバジをつかみ宙に浮かせることで床にたたきつけられるのを防いだのだった。

 

「くっ、うまく言い返せない……!」

 

「それはそうと、さっきっからなにか踏んでるような……誰だこいつ」

 

 突然のことに頭が追い付かず、少年とリッチーが固まっているとドアが勢いよく開けられた。

 

「どうされましたか……サテマス王子ーー!!」

「王子が踏みつけられている!」

「賊だ!応援を呼べ!その他の者は避難させろ!!」

 

 衛兵たちが部屋の中へ雪崩れ込み、瞬く間にバギーとカバジを取り囲んだ。

 

「たまたま着地したところにこいつがいて、しかもこの国の王子であるときた」

 

「あなたはハプニングを起こさずにはいられないんですか……」

 

「どれもおれのせいじゃねェよ!そうさ、おれ様の下にいたこいつが悪い」

 

「なるほど」

 

「「いやそんなわけないだろ!!」」

 

 兵士たちは自国の王子がめちゃくちゃな理由で踏みつけられたことに思わずツッコんだ。

 

「で、どうしますか?」

 

「決まってんだろ、やっちまったもんはしょうがねェ。ド派手に脱出大作戦じゃァーー!!」




大体の話の流れを考えてはいるのですが、それを文章にする力が……

力が欲しい!!


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